【連載】VALORANT 初心者攻略指南
【VALORANT 新エージェント】クローヴ紹介 〜 死してなおアビリティーで味方をサポートする不死のコントローラー〜
『VALORANT』(ヴァロラント)で使用できるさまざまなエージェント。今回は、キルされてもよみがえることができるスコットランド出身の新エージェント「クローヴ」の攻略を紹介していこう。
初心者のプレーヤーや、これから『VALORANT』をはじめてみようと思っている人の参考になれば幸いだ。
クローヴは2024年3月27日(水)Episode 8: Act II内で実装予定の新エージェント。最大の特徴はキルされてもアビリティーを使用したり、よみがえったりできるという点だ。
ブリムストーンのように俯瞰でマップを見ながらスモークを発生させたり、レイナのような自身を強化できるバフを併せ持つ強力なエージェントといえる。
前に出てガンガン攻めるというよりは、後方から味方をサポートする司令塔のような役割が得意。味方の動線を確保しつつ、自己蘇生できる強みを生かして、時にはアグレッシブに立ち回って戦場をかき乱そう。
ここからは、クローヴのアビリティーを紹介していこう。
【コスト:100/ストック1】
敵の生命力を吸い取るアビリティー。自身が敵をキル、または事前にダメージを与えていた敵がデスした場合に発動可能で、対象の敵がデスしたタイミングで[Cキー]を入力すると一定時間移動速度上昇と体力+100が加算される。
レイナの「デバウワー」とブリムスーンの「スティムビーコン」を組み合わせたような効果があり、一時的にバフがかけられるのが魅力だ。
そもそもコントローラーのエージェントは率先して前に出るタイプではないため、やや使い勝手が難しいアビリティーであるが、移動速度上昇や体力増加のバフは強力。アシストキルを狙いつつ、「ピック・ミー・アップ」の発動も狙っていこう。
【コスト:250/ストック1】
不死のエッセンスの欠片(かけら)を構える。再び[Qキー]で前方に投げつけ、約2秒後に爆発する。爆発に巻き込まれたプレーヤーは、約6秒間衰弱し、一時的に体力が−90になる。
一時的に減った体力は時間経過で回復していくが、その間に大ダメージを与えればキルすることができるので、ほかのダメージアビリティーと組み合わせて使えば強力となるだろう。
ただし味方にも効果があるという点と、投げてから約2秒後必ず爆発してしまうため、いわゆる定点で遠くのポイントに投げつけることができない点から、使用カ所は大きく限られそうではある。
【コスト:150/ストック:2(ひとつ無料)】
マップを表示してから煙幕を設置する。マップが表示されたら射撃(左クリック)で設置したいポイントを決定。オルト射撃(右クリック)で指定ポイントに煙幕を発動させる。一度にふたつまで同時発動が可能で、30秒後にストック1だけ回復して再使用可能になる。
ブリムストーンの「スカイスモーク」のような使い方が可能で、離れた場所にも正確に煙幕を設置することができるのが強み。
なお表示されるマップは、設定→一般→マップの設定に準じている。回転しているのか、固定されているのか、固定の場合は自陣に合わせるのか否かなどを変更したい場合は設定を見直してみよう。
また「ルース」の最大の特徴は自身がデスしたあとも使用可能だということ。デスしている間も、味方の視点を切り替えながら、特定のポイントに煙幕を設置できるのはほかのエージェントにない強みといえる。
なお、表示されるマップは自身がデスした場所の周辺となっているため、変なところでキルされてしまうと、味方をサポートできるエリア周辺に煙幕が設置できないことも……。デスしたあとのことも考えた立ち回りが要求されそうだ。
ちなみに複数味方がいる場合は、「ルース」発動中に限り[Aキー]や[Dキー]で味方の視点を切り替えられる。味方の視点を確認しながら、味方の進軍をサポートしていこう。
【コスト:ULTポイント7/ストック:1】
自身がデスした際に発動できるという特殊なアルティメットスキル。自身がデスしたあと3秒以内に[Xキー]を入力すると、一時的に体力100の状態で復活。さらに、約12秒以内に自身が敵をキル、または事前にダメージを与えていた敵がデスすれば完全に復活することができる。
発動後はレイナの「ディスミス」と同じように、約3秒間無敵状態で移動できる。この間、ほかのプレーヤーはシルエットで視認することができる。復活後は約12秒間通常通り行動でき、キルや事前にダメージを与えていた敵がデスすれば完全に復活することができる。
また、完全復活が成功しても体力は100なので、シールドはない状態だ。しかし、同時に「ピック・ミー・アップ」を発動すればフルアーマー同等の体力で立ち回ることができるので非常に強力だ。
最後にデベロッパーコメントを紹介しよう。
——クローヴを開発する際に目標としたことや、インスピレーションの元となったものついて教えてください。
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):開発プロセスの初期段階で、よりアグレッシブなプレースタイルが可能なコントローラーを生み出す時がやってきたと判断して、それを目標にしました。
これまで対戦相手に真っ向から挑みたいプレーヤーにとって、オーメン以外の選択肢は限られていると感じていましたから。また、ゲームプレーを通してプレーヤーに教訓を授けてくれるようなMOBAのキャラクターからもインスピレーションを受けています。
例えばLoLのアニーは一カ所に固まるべきでないことを、ツイステッド・フェイトはマップ上での位置取りの重要さをプレーヤーに教えてくれます。クローヴからは、ラウンドにおける命の価値をどう判断するかについて、プレーヤーが学べるようにしたいと考えました。開発期間中、何人かのライアターたちから(プロプレーヤーの)ANGE1についてたずねられ、このキャラクターは彼のために作っているのかと質問されたこともありました。
——クローヴというキャラクターを作る際、どのようにしてリアリティーを持たせましたか?
シニアナラティブライター(Ryan Clements)/ナラティブライター(Antoinette Chable):
リアリティーは、エージェントを開発する上で最も重要な柱の1つです。これはチームメンバー全員にとってのスローガンでもあり、エージェントの出身国を決める前からその取り組みは始まっています。
クローヴの場合、取り組みは多岐に渡りました。ナラティブチームは、キャラクターおよびアビリティーにおけるクリエイティブな全体的目標と合致した接点を見つけるため、スコットランドの土地と文化について事前調査を行いました。共鳴し合う音楽や芸術、文学を見つけること──すべてがプロセスの一環でした。
その後はプロのコンサルタントの力を借りました。私たちがどれだけ研究を重ねたとしても、コンサルタントのような生きた専門知識を手に入れることはできませんから。クローヴに関しては多方面の知識を求めて、(特に、アクセントや地域のリアリティーに関して細かな調整を行うため)学術コンサルタントや言語学コンサルタントなどの協力を得ました。
また、キャスティングと収録は現地エディンバラで行ったので、ナラティブチームは都市や文化に直接ふれることができました。もちろん、声を演じる役者が独自の解釈をキャラクターに取り入れる機会についてはいつも歓迎しています。
——クローヴをデザインした際の、予期せぬ課題や特筆すべきエピソードはありますか?
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):私たちのお気に入りのアイデアの中から明らかに実用的ではなかったものをひとつ挙げると、「幽体離脱状態」があります。
移動速度が非常に遅くなる一方で、敵のターゲットの対象にはならず、全アビリティーを使用できるのですが、プロトタイプの域を出ませんでした。プレーヤーラボでは、敵プレーヤーの進路からどくように、クローヴを操作するプレーヤーに頼まなければなりませんでした。
クローヴのデス後に、他プレーヤーに向かって飛んでいって移動を妨害できたためです。これは、私たちが目指すコントローラーのプレースタイルとは言えませんでした。対戦相手を邪魔しないようにノロノロとよけていく姿は微笑ましく、ランクのレーティングを懸けた場面では決して見られないものだったでしょう。
デス後の状態に関して直面したデザインの課題のひとつは、それによって他のアビリティーに課された制約の多さでした。デス後のアビリティー使用は非常に多くな影響力を持ちますので。私たちが指針としたデザイン原則は、「ほとんどの場合において、クローヴを撃つことが間違ったプレーであってはならない」というものです。
この原則によって、現在のタクティカルシューターの範囲から逸脱せず、影響力が大きすぎるアルティメットの採用を避けることができました。例えば、デス後にのみ使用可能になる、マップの広範囲に影響を与えるアルティメットもいくつか試してみましたが、クローヴがアルティメットを使うために自らキルされに行くような状況は絶対に作りたくありませんでした。それがまかり通れば、試合は恐ろしく間の抜けたものになってしまうからです。
——クローヴのプレースタイルを言い表すと?
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):リスクを冒すことこそがクローヴに最適なゲームプレーです。敵を倒してユーティリティーを排除し、成功を収めるためには、あえてリスクを冒し、より大きな目的の達成のために自分の命を引き換えにする必要があるのです。
他のコントローラーとは異なり、実行できるユーティリティーそのものは平均的に弱いものの、デス後に貢献できる能力を有していることで、敵から逃げるのではなくデスするまで戦うことができるのです。味方の命を救えるならば、突っ込んで倒されるのが正解ということもクローヴの場合はあり得ます。
1対1のトレードになったとしても、敵がクローヴでない場合はこちらが有利を得られます。クローヴをプレーするには、チームのために命を捧げる覚悟が必要なのです。
——「クローヴ」は現在のメタにどのような変化をもたらすと思いますか?
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):VALORANTの現在のメタではリテイクが非常に重視されており、コントローラープレーヤーはしばしばユーティリティーを使って単に時間を稼ぎ、チームメートが来るまでサイトを離れることを余儀なくされています。
クローヴは、ルースを使う前に倒されたとしても他のエージェントほど価値が損なわれないため、サイト周辺でのよりリスキーなソロプレーを促進する存在になると考えています。このタイプのエージェントは、プロシーンよりもランク戦に与える影響の方が大きいでしょうが、プロシーンでも反響があればうれしいですね!
——クローヴの性自認についてはどのようにアプローチしましたか?
エージェントリード(John Goscicki):エージェントを開発する際には、グローバルなプレーヤー層を反映した多様なキャラクターをしっかりと表現するよう努めています。これは地域や文化だけにとどまる話ではありません。クローヴの性自認は、キャラクターの性格やユニークなゲームプレースタイルと同様に、クローヴがVALORANTのエージェントとしてどのような存在になるのかを形作る重要な要素となっています。
ご覧の通り、クローヴはレイナとブリムストーンを足して2で割ったような、なんとも不思議なエージェントといえる。デュエリストが使えるようなエイム力なら、一度はデスできるという保険を盾にガンガン前に出ながら味方をサポートするといった戦い方もできるだろう。
またデスしてからも味方をサポートできるという点から、コントローラー使いでありながらファーストデスをしたあとのラウンド勝率が50%超えで話題となっていた元FPX(現NAVI)のANGE1選手が使うとどうなるのか——競技シーンでの運用がどうなるのか気になるエージェントだ。
© 2023 Riot Games, Inc. Used With Permission
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初心者のプレーヤーや、これから『VALORANT』をはじめてみようと思っている人の参考になれば幸いだ。
エージェントの種類について
エージェントは大きく分けて、コントローラー、センチネル、デュエリスト、イニシエーターの4種類のカテゴリーに分けられる。それぞれがどのような役割を得意としているのか、ここで紹介しておこう。
■コントローラー
危険なエリアを特定して、チームを勝利に導く戦略のエキスパート。相手の視界を遮ったり、行動を制限することが得意なエージェントといえる。
■センチネル
あらゆる局面において、エリアの封鎖や側面における防衛に力を発揮する守りのエキスパート。マップを監視したり、道を塞いだりするのが得意なエージェント。
■デュエリスト
アビリティーやスキルを駆使しながら、敵と素早く交戦して次々とキルを重ねていく、頼れる自己完結型アタッカー。攻撃に特化したアビリティーを得意とするため、ガンガン攻めていきたいプレーヤーにおすすめ。
■イニシエーター
戦闘エリアで交戦するメンバーをサポートすることでさまざまな戦局に対処していく。敵を気絶させたり、遠隔から攻撃したりと、デュエリストをサポートする立場として活躍する。
エージェントは大きく分けて、コントローラー、センチネル、デュエリスト、イニシエーターの4種類のカテゴリーに分けられる。それぞれがどのような役割を得意としているのか、ここで紹介しておこう。
■コントローラー
危険なエリアを特定して、チームを勝利に導く戦略のエキスパート。相手の視界を遮ったり、行動を制限することが得意なエージェントといえる。
■センチネル
あらゆる局面において、エリアの封鎖や側面における防衛に力を発揮する守りのエキスパート。マップを監視したり、道を塞いだりするのが得意なエージェント。
■デュエリスト
アビリティーやスキルを駆使しながら、敵と素早く交戦して次々とキルを重ねていく、頼れる自己完結型アタッカー。攻撃に特化したアビリティーを得意とするため、ガンガン攻めていきたいプレーヤーにおすすめ。
■イニシエーター
戦闘エリアで交戦するメンバーをサポートすることでさまざまな戦局に対処していく。敵を気絶させたり、遠隔から攻撃したりと、デュエリストをサポートする立場として活躍する。
クローヴ[コントローラー]
クローヴは2024年3月27日(水)Episode 8: Act II内で実装予定の新エージェント。最大の特徴はキルされてもアビリティーを使用したり、よみがえったりできるという点だ。
ブリムストーンのように俯瞰でマップを見ながらスモークを発生させたり、レイナのような自身を強化できるバフを併せ持つ強力なエージェントといえる。
前に出てガンガン攻めるというよりは、後方から味方をサポートする司令塔のような役割が得意。味方の動線を確保しつつ、自己蘇生できる強みを生かして、時にはアグレッシブに立ち回って戦場をかき乱そう。
アビリティー紹介
ここからは、クローヴのアビリティーを紹介していこう。
[C]ピック・ミー・アップ
【コスト:100/ストック1】
敵の生命力を吸い取るアビリティー。自身が敵をキル、または事前にダメージを与えていた敵がデスした場合に発動可能で、対象の敵がデスしたタイミングで[Cキー]を入力すると一定時間移動速度上昇と体力+100が加算される。
レイナの「デバウワー」とブリムスーンの「スティムビーコン」を組み合わせたような効果があり、一時的にバフがかけられるのが魅力だ。
そもそもコントローラーのエージェントは率先して前に出るタイプではないため、やや使い勝手が難しいアビリティーであるが、移動速度上昇や体力増加のバフは強力。アシストキルを狙いつつ、「ピック・ミー・アップ」の発動も狙っていこう。
[Q]メドル
【コスト:250/ストック1】
不死のエッセンスの欠片(かけら)を構える。再び[Qキー]で前方に投げつけ、約2秒後に爆発する。爆発に巻き込まれたプレーヤーは、約6秒間衰弱し、一時的に体力が−90になる。
一時的に減った体力は時間経過で回復していくが、その間に大ダメージを与えればキルすることができるので、ほかのダメージアビリティーと組み合わせて使えば強力となるだろう。
ただし味方にも効果があるという点と、投げてから約2秒後必ず爆発してしまうため、いわゆる定点で遠くのポイントに投げつけることができない点から、使用カ所は大きく限られそうではある。
[E]ルース
【コスト:150/ストック:2(ひとつ無料)】
マップを表示してから煙幕を設置する。マップが表示されたら射撃(左クリック)で設置したいポイントを決定。オルト射撃(右クリック)で指定ポイントに煙幕を発動させる。一度にふたつまで同時発動が可能で、30秒後にストック1だけ回復して再使用可能になる。
ブリムストーンの「スカイスモーク」のような使い方が可能で、離れた場所にも正確に煙幕を設置することができるのが強み。
なお表示されるマップは、設定→一般→マップの設定に準じている。回転しているのか、固定されているのか、固定の場合は自陣に合わせるのか否かなどを変更したい場合は設定を見直してみよう。
また「ルース」の最大の特徴は自身がデスしたあとも使用可能だということ。デスしている間も、味方の視点を切り替えながら、特定のポイントに煙幕を設置できるのはほかのエージェントにない強みといえる。
なお、表示されるマップは自身がデスした場所の周辺となっているため、変なところでキルされてしまうと、味方をサポートできるエリア周辺に煙幕が設置できないことも……。デスしたあとのことも考えた立ち回りが要求されそうだ。
ちなみに複数味方がいる場合は、「ルース」発動中に限り[Aキー]や[Dキー]で味方の視点を切り替えられる。味方の視点を確認しながら、味方の進軍をサポートしていこう。
[X]ノット・デッド・イェット
【コスト:ULTポイント7/ストック:1】
自身がデスした際に発動できるという特殊なアルティメットスキル。自身がデスしたあと3秒以内に[Xキー]を入力すると、一時的に体力100の状態で復活。さらに、約12秒以内に自身が敵をキル、または事前にダメージを与えていた敵がデスすれば完全に復活することができる。
発動後はレイナの「ディスミス」と同じように、約3秒間無敵状態で移動できる。この間、ほかのプレーヤーはシルエットで視認することができる。復活後は約12秒間通常通り行動でき、キルや事前にダメージを与えていた敵がデスすれば完全に復活することができる。
また、完全復活が成功しても体力は100なので、シールドはない状態だ。しかし、同時に「ピック・ミー・アップ」を発動すればフルアーマー同等の体力で立ち回ることができるので非常に強力だ。
デベロッパーコメント
最後にデベロッパーコメントを紹介しよう。
——クローヴを開発する際に目標としたことや、インスピレーションの元となったものついて教えてください。
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):開発プロセスの初期段階で、よりアグレッシブなプレースタイルが可能なコントローラーを生み出す時がやってきたと判断して、それを目標にしました。
これまで対戦相手に真っ向から挑みたいプレーヤーにとって、オーメン以外の選択肢は限られていると感じていましたから。また、ゲームプレーを通してプレーヤーに教訓を授けてくれるようなMOBAのキャラクターからもインスピレーションを受けています。
例えばLoLのアニーは一カ所に固まるべきでないことを、ツイステッド・フェイトはマップ上での位置取りの重要さをプレーヤーに教えてくれます。クローヴからは、ラウンドにおける命の価値をどう判断するかについて、プレーヤーが学べるようにしたいと考えました。開発期間中、何人かのライアターたちから(プロプレーヤーの)ANGE1についてたずねられ、このキャラクターは彼のために作っているのかと質問されたこともありました。
——クローヴというキャラクターを作る際、どのようにしてリアリティーを持たせましたか?
シニアナラティブライター(Ryan Clements)/ナラティブライター(Antoinette Chable):
リアリティーは、エージェントを開発する上で最も重要な柱の1つです。これはチームメンバー全員にとってのスローガンでもあり、エージェントの出身国を決める前からその取り組みは始まっています。
クローヴの場合、取り組みは多岐に渡りました。ナラティブチームは、キャラクターおよびアビリティーにおけるクリエイティブな全体的目標と合致した接点を見つけるため、スコットランドの土地と文化について事前調査を行いました。共鳴し合う音楽や芸術、文学を見つけること──すべてがプロセスの一環でした。
その後はプロのコンサルタントの力を借りました。私たちがどれだけ研究を重ねたとしても、コンサルタントのような生きた専門知識を手に入れることはできませんから。クローヴに関しては多方面の知識を求めて、(特に、アクセントや地域のリアリティーに関して細かな調整を行うため)学術コンサルタントや言語学コンサルタントなどの協力を得ました。
また、キャスティングと収録は現地エディンバラで行ったので、ナラティブチームは都市や文化に直接ふれることができました。もちろん、声を演じる役者が独自の解釈をキャラクターに取り入れる機会についてはいつも歓迎しています。
——クローヴをデザインした際の、予期せぬ課題や特筆すべきエピソードはありますか?
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):私たちのお気に入りのアイデアの中から明らかに実用的ではなかったものをひとつ挙げると、「幽体離脱状態」があります。
移動速度が非常に遅くなる一方で、敵のターゲットの対象にはならず、全アビリティーを使用できるのですが、プロトタイプの域を出ませんでした。プレーヤーラボでは、敵プレーヤーの進路からどくように、クローヴを操作するプレーヤーに頼まなければなりませんでした。
クローヴのデス後に、他プレーヤーに向かって飛んでいって移動を妨害できたためです。これは、私たちが目指すコントローラーのプレースタイルとは言えませんでした。対戦相手を邪魔しないようにノロノロとよけていく姿は微笑ましく、ランクのレーティングを懸けた場面では決して見られないものだったでしょう。
デス後の状態に関して直面したデザインの課題のひとつは、それによって他のアビリティーに課された制約の多さでした。デス後のアビリティー使用は非常に多くな影響力を持ちますので。私たちが指針としたデザイン原則は、「ほとんどの場合において、クローヴを撃つことが間違ったプレーであってはならない」というものです。
この原則によって、現在のタクティカルシューターの範囲から逸脱せず、影響力が大きすぎるアルティメットの採用を避けることができました。例えば、デス後にのみ使用可能になる、マップの広範囲に影響を与えるアルティメットもいくつか試してみましたが、クローヴがアルティメットを使うために自らキルされに行くような状況は絶対に作りたくありませんでした。それがまかり通れば、試合は恐ろしく間の抜けたものになってしまうからです。
——クローヴのプレースタイルを言い表すと?
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):リスクを冒すことこそがクローヴに最適なゲームプレーです。敵を倒してユーティリティーを排除し、成功を収めるためには、あえてリスクを冒し、より大きな目的の達成のために自分の命を引き換えにする必要があるのです。
他のコントローラーとは異なり、実行できるユーティリティーそのものは平均的に弱いものの、デス後に貢献できる能力を有していることで、敵から逃げるのではなくデスするまで戦うことができるのです。味方の命を救えるならば、突っ込んで倒されるのが正解ということもクローヴの場合はあり得ます。
1対1のトレードになったとしても、敵がクローヴでない場合はこちらが有利を得られます。クローヴをプレーするには、チームのために命を捧げる覚悟が必要なのです。
——「クローヴ」は現在のメタにどのような変化をもたらすと思いますか?
エージェントゲームプレーデザイナー(Dan Hardison):VALORANTの現在のメタではリテイクが非常に重視されており、コントローラープレーヤーはしばしばユーティリティーを使って単に時間を稼ぎ、チームメートが来るまでサイトを離れることを余儀なくされています。
クローヴは、ルースを使う前に倒されたとしても他のエージェントほど価値が損なわれないため、サイト周辺でのよりリスキーなソロプレーを促進する存在になると考えています。このタイプのエージェントは、プロシーンよりもランク戦に与える影響の方が大きいでしょうが、プロシーンでも反響があればうれしいですね!
——クローヴの性自認についてはどのようにアプローチしましたか?
エージェントリード(John Goscicki):エージェントを開発する際には、グローバルなプレーヤー層を反映した多様なキャラクターをしっかりと表現するよう努めています。これは地域や文化だけにとどまる話ではありません。クローヴの性自認は、キャラクターの性格やユニークなゲームプレースタイルと同様に、クローヴがVALORANTのエージェントとしてどのような存在になるのかを形作る重要な要素となっています。
まとめ
ご覧の通り、クローヴはレイナとブリムストーンを足して2で割ったような、なんとも不思議なエージェントといえる。デュエリストが使えるようなエイム力なら、一度はデスできるという保険を盾にガンガン前に出ながら味方をサポートするといった戦い方もできるだろう。
またデスしてからも味方をサポートできるという点から、コントローラー使いでありながらファーストデスをしたあとのラウンド勝率が50%超えで話題となっていた元FPX(現NAVI)のANGE1選手が使うとどうなるのか——競技シーンでの運用がどうなるのか気になるエージェントだ。
© 2023 Riot Games, Inc. Used With Permission
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