【連載】VALORANT 初心者攻略指南

【VALORANTパッチノート考察速報:10.00編】Episode表記廃止と年始に現れた怪物「Kickoffで彼(テホ)を使わないチームはトロールだ」——定番マップアセントが除外され約1年半ぶりにフラクチャーが復活!

2025.1.9 まいる
日本時間1月8日(水)、新シーズン最初のリリースであるパッチノート10.00の情報がお披露目された。「年始に現れた怪物」と題したが、まさに怪物級の新エージェントがお目見え。 このパッチがどれほどのインパクトがあるのだろうか、今回も下記の発表内容やコミュニティーの反応、そしてリリース前に行われた先行プレー体験などをもとに、このアップデートがどのようなものなのか解説しよう。


なお今年から「Episode ◯◯」という表記は廃止となり、「シーズン2025」というシーズン表記に変更となった。シーズンは計6つのActで構成されているが、シーズンの中間でランクリセットが行われるなど、例年と大きく仕組みが変わるわけではないためご安心を。

このことについて特に記事内ではふれないが、せっかくなので頭に入れておくといいだろう。


コロンビア出身のイニシエーター「テホ」が登場



このパッチ10.00で一番の目玉といえば、新エージェントの登場だろう。その名も「テホ」。ロールはイニシエーターだ。

コロンビア出身の退役軍人で、現在は諜報コンサルタントという設定だ。見ての通り、ゴールドに輝くコートとサングラスは、まさにイケイケといった感じだ。ドローン、ミサイル、精密誘導弾といった現代兵器を操り、攻撃と索敵の両方に秀でている。

参考記事:
【VALORANT 新エージェント】テホ紹介 〜ドローンやミサイル、現代兵器を巧みに操るイニシエーター〜

新エージェント「テホ」はどのくらい強いの?


まず索敵性能だが、これはそれなりに高い。素早く、それでいて小回りの効くドローンを持っており、入り組んだ地形でもしっかりと探索できる。

▲第三のドローンアビリティー「精密ドローン」。コイツが放つパルスを食らうと、なんとアビリティーが無効化されてしまう。もちろん位置もバレる

このドローンは、スカイの「トレイルブレイザー」のように使用中に「発射(左クリック)」することで、自身からパルスを発することができる。このパルスに直撃すると、自身の位置がマークされ、その上アビリティーが封じられるというおまけ付き。なぜこれほどまで念入りなのかは分からないが、とにかく広範囲の索敵もバッチリということだ。

▲移動スピードは、スカイの「トレイルブレイザー」並かそれ以上。攻めでも守りでも、オールマイティーな高性能さだ

では、攻撃性能はどうかというと、これも抜群だ。イニシエーターに求められるのは、エリアの制圧能力。目的の場所にいる敵を倒すか、追い出すか——。各エージェントによって手法はさまざまだが、目指すところはここにある。

テホのシグネチャーアビリティーである「誘導サルヴォ」は、マップで指定した位置にミサイルを落とすことができる。このミサイルは基本的にどこでも攻撃ができて、その上床や壁も貫通するという厄介なものだ。ダメージ量もそれなりで、うまくやればフルヘルスの敵も倒すことができる。無料のアビリティーであり、一度使用しても40秒後には復活する。

隠れた敵を炙り出したり、そのまま倒したりすることができるという、小さなエリアの制圧にとても有用なのだ。

▲「誘導サルヴォ」を撃ち込めば、「アセント」のAヘブンの上下の敵をもろとも焼き払うことができる。これで無料なのだからびっくり

もちろんだがアルティメットも高い性能を有していて、マップで指定した範囲を一気に焼き払うことができるというものだ。60ダメージが複数回入るため、基本的に範囲内で生き残ることは不可能。使われたら最後、逃げるか死ぬかの二択を迫られる。

それでいて必要なULTポイントは8だ。今や必要ポイントが9のアルティメットも存在する中、この威力と使いやすさなら少しばかり安すぎると思う。ブリムストーンの「オービタルストライク」やブリーチの「ローリングサンダー」の上位互換と言っても差し支えないだろう。

▲テホのアルティメット「アルマゲドン」、必要ULTポイントは8。指定した範囲を空爆して焼き払い、範囲内の敵を掃討できる

まとめると……めちゃくちゃ強い。おそらく実装からそう遠くないタイミングで弱体化の報せがやってくることだろう。

ソーヴァに比べればやや広い空間の索敵力は劣るものの、特に現在のマッププールに「アイスボックス」や「ブリーズ」が実装されていないため、テホが使いにくいマップというのはあまり無さそうだ。

▲Lothar氏(VCT EMEAなどで活動するキャスター)「テホは世界レベルでレイズ・ネオン・チェンバーを合わせたよりも強い。まさに天文学的な力だ。ナーフされるまで2カ月かな?」

テホはメタの破壊者か


▲テホは、まもなく開幕する「VCT Kickoff」から競技シーンで解禁される。各チームどのような使い方をするのだろうか、とても期待が膨らむところだ

実際の試合でテホがどういうポジションになるのかというと、普通に考えるのなら「2イニシエーター構成の片割れ」というところに落ち着くだろう。定番どころで例を挙げるなら「ジェット・サイファー・オーメン・スカイ・テホ」だろうか。

ただひとつ言えるのは、イニシエーターをテホひとりで置いてしまうと、少し攻めが難しくなってしまうという点だ。フラッシュを持たない上にアビリティーの展開スピードが少し遅いため、機動性にはやや欠ける。もうひとりフラッシュを持ったイニシエーターを用意するか、あるいは2デュエリストのような破壊力を重視した構成にするのもアリだ。

とはいえ、テホ自体が高い性能を持っているので、エージェント構成はさまつな問題でしかない。上段では1イニシエーターを否定しているが、そうはいってもなんとかなりそうなポテンシャルはありそうだ。

シーズン開幕直後は敵・味方両方ともテホがいることになるだろうから、結論どちらのテホがうまいかで試合の勝ち負けが左右されるだろう……マジで。

▲かつてZETAが世界3位を取った「VCT 2022 Masters Reykjavík」。この頃はチェンバーが非常に強かったのだが、持ち前の精密なエイムとキャラパワーの相乗効果は非常に大きかった。強いキャラクターをうまい人が使うのが最強なのだ(https://www.youtube.com/live/PZwyLeNP7I0?si=XikNbg30haK0_2mt&t=30684

一方で他のエージェントはどうかというと、設置型アビリティーの価値が相対的に下がるため、キルジョイやサイファーといったセンチネルの価値も低くなってしまうだろう。その結果、センチネルを全く採用しない構成や、デッドロックやヴァイスといったマイナーなセンチネルを採用する構成も少し増えてくるだろう。ただそうはいっても、両者のアビリティーは唯一無二で優秀なので、多少工夫すればキルジョイ・サイファーはまだまだ十分活躍できるだろう。世のセンチネル専には、まだ諦めないでいてほしい。

なおイニシエーターやコントローラーについては、ある程度現状維持になりそうだ。それぞれのエージェントでできることも得意不得意も異なり、テホと役割が干渉することも少ないからだ。巷では「ブリーチの上位互換」などと揶揄されているが、別にまだ十分ブリーチも強いので安心してほしい。なんならブリーチとテホを組み合わせれば、かなりヤバいセットアップが作れそうだ。

▲「誘導サルヴォ」を使えば、キルジョイの「ロックダウン」などの設置型のアビリティーを簡単に破壊できる。さすがにこれはキルジョイが可哀想だ

▲Lothar氏「リリース時に最もぶっ壊れたエージェント。Kickoffで彼を使わないチームはトロールだ」

では、相手にテホが来たらどうすればいいのか。これはもはや……こちらもテホを出すしかない。「目には目を、歯には歯を」だ。

とはいえ、悲観的になることではない。テホは所詮イニシエーターであり、単純な銃撃戦に持ち込めばあまり性能差は発生しない。アビリティーについても、展開時間が遅いという弱点があるため、狭いところに留まらないことさえ意識すれば逃げることができるだろう。

ただし、エリア制圧力に秀でていることは前述の通り。特にこちらがディフェンダーサイドの時、中途半端な場所で敵を待ち構えていると、ミサイルやドローンで場所を炙り出されてしまう可能性が高い。

だからこそ、逆にこちらからプッシュしたり、あるいはサイトをわざと明け渡してから一気にリテイクしたり。単調に守るのではなく、緩急をつけたプレーがより重要になってくる。

またテホはアビリティーの数が比較的少ないため、使用するタイミングが大事だ。これを逆の立場から見ると、相手のテホのアビリティーを無駄に吐かせることが大事ということになる。あえてジャンプピークをしてみたり、銃声を出してみたり……これは対人間の駆け引きだが、うまくアビリティーを無駄にするよう仕向けられれば、よりテホの強みを消すことができるだろう。

ただし……アルティメットだけは話が別だ。これだけは対策のしようがない。
もしこれが放たれたら一目散に逃げよう。でもそれさえ無理なら、もう仕方がない。相手に突撃だ。少しでも相手に被害を与えられるように最大限に足掻いてから死のう。

▲絶望的な「アルマゲドン」の例。別のスタン系アビリティーとの組み合わせは最凶だ

マッププール変更とマップローテーションシステム


今回のパッチ10.00では、マッププールの変更が行われる。

■マップローテーション
●フラクチャーとロータスがコンペティティブとデスマッチのキューに復活。
●アセントとサンセットをコンペティティブおよびデスマッチのキューから削除。

フラクチャーという懐かしい顔が帰ってきた一方、ド定番マップであるアセントがまさかの除外という、やや衝撃的な変更である。

これを受けて、コンペティティブやPremierなどでプレー可能なマップは以下の通りだ。
→アビス、バインド、フラクチャー、ヘイヴン、ロータス、パール、スプリット

▲念願のフラクチャー復活! 2023年8月、サンセット実装時に入れ替わるように削除されたとき以来、約1年半ぶりの登場だ

またそのほか、「マップローテーション」と呼ばれるシステムが今年から実装予定だ。これは、Act毎でマッププールを変更するというもの。以前はわりと不定期に変更が行われていたのだが、今後は2カ月毎と分かりやすくなった上、そのスパンもかなり短くなった。

各Actごとに新鮮な気分でプレーできるのかと思えば、この変更は非常にナイスだ。

新コスメティックアイテム「フレックス」


スプレー、プレーヤーカード、ガンバディー。プレーヤーの見た目を彩るコスメティックアイテムに、新たに「フレックス」という種類が追加された。このフレックスはなんの機能は持たないが、手に持ってその見た目やエフェクトを楽しむことができる。


フレックスは、スプレーホイール(T)にセット可能だ。ちなみに、「スプレーホイール」という名称は今後「エクスプレッションホイール」に変更される。実際にスプレーを使用する要領でTキーを押すと、装備したフレックスを手に持つことができる。

▲「スプレー」とは別に「フレックス」カテゴリが追加。スロットは共有のため、合計で4つまでしか使用できない

このフレックスは、手に持つことでさまざまなエフェクトが表示される。また「射撃(左クリック)」と「武器を見る(Y)」で、それぞれ異なるアクションを行うことができる。

新たに追加される「フレックス」の一覧


「Season 2025: Act I」で追加されるフレックスは合計ふたつ。ひとつは最初からインベントリに追加されており、もう1つはバトルパスの報酬(有料)として入手できる。今はまだこれだけだが、今後発売されるスキンセットやバトルパスに期待だ。

▲「STAT-COM」:PVなどでもおなじみの通信端末。射撃(左クリック)で画面を切り替える。武器を見る(Y)で電源を切り裏面を見る動作

▲「雪の結晶」:くるくる回る雪の結晶。バトルパスのティア37報酬

ラウンド中も使用することができるが、何か特別な効果があるわけではなく、ただただ見た目を楽しむだけのものだ。その上、手に持っている間の移動速度は速くならないため、使うことのメリットは特にない。クラシックを構えているときと同じくらいの移動速度くらいなので、ナイフやアビリティーを握っているときと比べるとむしろ足が遅くなってしまう。

ナイフ癖があるような人は装備しないほうが良さげかも?

その他、地味だけどありがたい変更点


テホの追加を除けば、小規模な変更にとどまるパッチ10.00。だがよくよくパッチノートを読み込むと、実はかゆいところに手が届く細かい変更が加えられていた。そのうちのいくつかを、今回はかいつまんでご紹介しよう。

■武器
●照準(ADS)の使用中に、何も入力していないのに武器がエイムを解除してから再びエイムすることがあった不具合を修正


▲某RPGの戦闘開始シーンみたいに、ADS時に画面が揺れる謎のバグ。今回のパッチでこの挙動が直ったのかは分からないが、コミュニティでは早くも歓喜の声が上がっている

武器を構えるときにたまにADSを使用することがあるが、その際まれに画面がガクガクと振動するというバグが発生していた。2年前以上から発生していたのだが、いまだにちらほらと発生報告が上がっているのが現状だ。

筆者もプレー中たまに遭遇するが、特に戦闘中に発生すると困るし、なにより酔う。この修正報告がこの事象のことを指しているのかは分からないが、改善してくれているとうれしい限りだ。

■無効試合(リメイク)の自動投票
●プレーヤーが第1ラウンドでAFK(離席状態)になると、無効試合の投票が自動的に開始され、残ったプレーヤーの過半数の賛成があれば成立します。

ひとりひとりの役割が重視されるこの『VALORANT』において、チームメイトがひとり欠けただけでも死活問題となる。そんな本ゲームには無効試合と呼ばれる仕組みがあり、最序盤から味方に離席者がいた場合、プレーヤーの投票によって試合をなかったことにできる。この投票が可決されると、試合の結果は記録されず、ランクレーティングなども全く変動しない。

今までは第2ラウンドの開始前に、プレーヤーが「/remake」とチャット欄に入力すると無効投票が開始。チームメンバー全員の賛成をもってはじめて無効試合となる。ただし、一定時間内に全員の賛成を得られなければ、投票は終了。試合はそのまま人数不利のまま実施されてしまう。

▲コマンドという特殊な方法が必要だったため、意外と知らない人も多いのではないだろうか? やや裏ワザ的だったこのシステムが、より簡単に使えるようになったぞ!(https://youtu.be/YpNsGFd74fk?si=RaCwE3T9tJR0o0Tf&t=702

だが今回から、その仕組みが少しだけ変更された。以前はコマンドの入力が必要だったのが、パッチ10.00からは自動で投票が開始されるように。また必要な賛成票の数も緩和され、「全会一致→過半数」とハードルが少し下がった形だ。

この無効投票が否決されるのはあまり見かけないが、まったくそれがゼロだったというわけではない。これまではたったひとりでもふざけて反対票を投じるプレーヤーが味方にいただけで、投票が破綻してしまっていたが……今後はかまわず無効試合にできちゃうぞ!

まとめ


テホは現状最強エージェント。使わないと「損」!

結論、パッチ10.00の総評はこれがすべてだ。おそらくこれを読んでいる誰もが同じことを思っているだろうが、実際に体験してみてもその感想は全く変わらない。いやそれどころか「これ、ヤバくね……?」という気持ちになる。これは2021年秋、チェンバーが実装された当初とかなり似た感覚だ。

今後のコンペティティブや競技シーンでどんな試合が巻き起こるのか、正直まったく予想もつかないが、シーズン2025が波乱の幕開けとなるのは間違いない。なかなかにハードな1年となりそうだが、「勝てる方法」をなるべく早く見つけていきたいところだ。


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