「MSI 2025」開幕直前プレビュー:「First Stand」勢がほぼ全滅の理由とは? 出場10チームロスター&注目選手紹介

- 「First Stand」に見る世界5大リージョンの力関係
- 「FS」出場チームがほぼ全滅……春にかけてのメタの変遷
- 「MSI」で初採用となる「フィアレスドラフトBo5」の特色
- 「MSI 2025」 全10チーム&注目選手紹介
- まとめ
日本時間の2025年6月28日(金)早朝から7月13日(日)まで、カナダ・バンクーバーにて、『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の春シーズンを締めくくる国際大会「Mid Season Invitational」(MSI)が開催される。
そこで本記事では、

今シーズンから新設された国際大会「First Stand」(FS)では、短い冬シーズンで各リージョンから選ばれた1チームずつ合計5チームが出場。大会期間も1週間のみと非常にコンパクトな大会だった。
First Stand 2025 最終結果
優勝したHanwha Life Esports(HLE)含め、準優勝のKarmine Corp(KC)、躍進を遂げたCTBC Flying Oyster(CFO)とボットが強力なチームが好成績を残した大会で、逆にファンの期待を裏切る結果となってしまったTop Esports(TES)は、ADCのJackeyLoveの不調が響いたように見えた。
初めての「フィアレスドラフト」を採用した国際大会ということもあり、リージョン間の力関係を測るには適していないかもしれないが、LCKが抜きん出て強く、LPL、LEC、LCPはメタや選手のコンディション次第で順位が入れ替わるくらいの実力差に感じられた。
LTAに関しては、地域独特のゲームテンポの遅さから逆転される試合が多かったが、序盤のゲーム運営の部分は見劣りしておらず、そこを改善できれば「MSI」でもチャンスがありそうだ。
「FS」を経て、各リージョンで行われた春シーズンの上位2チーム(LTAはNorth/Southで各1チーム)が進出することになる「MSI」だが、なんと「FS」出場チームはCFOを残して全滅。ガラっと出場チームのラインアップが変化した。
「MSI 2025」出場チーム
これはひとことでいうと、ADCの相対的な弱体化が原因になっていると思われる。
まず、パッチ25.5の変更でレーンスワップが事実上不可能になったことが大きい。
これにより、レイトゲームキャリーを安全に育てることができなくなり、ボットのチャンピオンに求められる能力がユーティリティやウェーブクリア寄りに変遷し、ボットで勝ちに行くという構成を選択しづらくなった。
そして、各ロールの「フィアレスドラフト」への対応が整ってきたというのも見逃せない点だろう。
ADCは他ロールと比べるとフィアレスへの対応が行いやすいロールだった(チャンピオンごとの操作や立ち回りの違いが一部の特殊な例を除いて少ないため)。
それが冬、春の2スプリットを経て、先行していたADCとそれ以外のロールのフィアレス対応の差が徐々に埋まってきた、というわけだ。
そんなゲーム内外の要因もあり、冬に活躍したボットハイパーキャリー系のチームは苦戦。トップ-ジャングル-ミッドが強力な、いわゆる“上半身型”のチームや、ADCがヴァルスやセナなどユーティリティ系のチャンピオンを得意とするチームが、春に台頭する結果となった。
今年の「MSI」は、これまでのグループ総当たりや「Worlds」のようなスイスラウンド形式ではなく、プレイイン、ブラケットともにトーナメント方式(ダブルエリミネーション)によって進行され、しかもすべての試合がフィアレスドラフトのBo5(3ゲーム先取)によって行われるという、新しい形式になっている。
この「フィアレスドラフトBo5」は、従来のBo5はもちろん、同じフィアレスドラフト形式でもBo3(2ゲーム先取)とはかなりドラフトが変化する。
前項でふれたとおり、今のメタはややボットキャリーが難しく、トップ-ジャングル-ミッドのキャリーピックが重要なメタになっているのだが、フィアレスドラフトが進み4戦目、5戦目になってくると、そういったメタにマッチしたチャンピオンが枯渇してしまう。
すると、ボットのピックがジンクスやゼリのようなハイパーキャリー系になり、ゲームテンポがグッと遅くなる傾向が、各国のプレーオフでもよく見られた。
また、ジャングルでもシン・ジャオやパンテオンといったメタチャンピオンが消えたあとはタンク系がピックの中心になるのだが、それに対しゼドやリリアといったややオフメタのファームが早いジャングラーをぶつける、といったドラフト戦略も効果的だ。
このように自分たちの得意な戦略を押し通すだけでなく、さまざまな手札を用意し、シリーズの進み具合に応じて必要なカードを切り出していく柔軟性が求められる試合形式になっている。

ここからは、冬・春のスプリットと「FS」の結果を踏まえて、「MSI 2025」に出場する5地域10チームの特徴と注目選手を取り上げていきたい。

ロスター
🇰🇷Kiin(トップ)
🇰🇷Canyon(ジャングル)
🇰🇷Chovy(ミッド)
🇰🇷Ruler(ADC)
🇰🇷Duro(サポート
冬の「LCK Cup」から優勝候補筆頭とされていながら、決勝でHLEに敗れ「FS」出場を逃したGEN.Gが、今年初の国際戦の舞台に登場する。
春のレギュラーシーズンでは18勝0敗。「MSI」出場権をかけたHLEとの決戦にも勝利し、無敗のまま春シーズンを終えた。
トップのKiin、ミッドのChovy、ボットのRulerは、各ロールでLCKナンバーワンどころか世界一の候補に挙がるようなプレーヤーたちで、全レーンどこからでもキャリーできる。
大きな弱点はないものの、国際大会ではメタの読み違いやドラフトのミスなどでこれまで何度もファンの期待を裏切ってきた。昨年に続き今年の「MSI」を制することができれば、「国際戦のGEN.G」の悪いイメージを払拭することができるだろう。
注目プレーヤー:Chovy(ミッド)

Chovyといえば、異常なCS精度やファーム量、そこから得た大量のゴールドでキャリーするというプレースタイルだったが、今季はメタの変化などもあってチーム内でのゴールド占有率が昨年の夏シーズンと比べて2%ほど低下し、やや「エコ」なプレーヤーへとモデルチェンジした。
プールの偏りも少なく、レネクトンやセトのようなメタ外のファイターチャンピオンも使いこなすため、結果としてジャングルのCanyonのピック幅を広げる役割も担っている。まさにチームの背骨といえる選手だ。

ロスター
🇰🇷Doran(トップ)
🇰🇷Oner(ジャングル)
🇰🇷Faker(ミッド)
🇰🇷Gumayusi(ADC)
🇰🇷Keria(サポート)
昨年の「Worlds」優勝チームT1は、レギュラーシーズンは3位と思ったようなシーズンを送れなかった。
Faker、Onerのラインは好調なものの、ADCのスターター問題やトップがZeusからDoranに代わったことでチーム全体のリソース分配がうまくいっていない印象だった。しかし、ボットのメタがGumayusiが得意とするユーティリティ系に傾いたこと、Doranの調子が好転したことで復調。難敵HLEを下し、バンクーバー行きの最後のチケットを手にした。
注目プレーヤー:Oner(ジャングル)

レギュラーシーズン中はシン・ジャオ、パンテオンなどのダメージの出せるチャンピオンを使えないと勝率がかなり落ちるという、本人の問題というよりはチーム事情的な問題を抱えていた。
しかし、トップのDoranが復調したことで、トップのダメージディーラーをサポートできるセジュアニのようなタンク系をピックするべきシチュエーションが増えると予想されるので、「MSI」までにどれくらい仕上げられるかで、チーム全体の引き出しの量が変わってくる。

ロスター
🇨🇳Flandre(トップ)
🇰🇷Tarzan(ジャングル)
🇨🇳Shanks(ミッド)
🇨🇳Hope(ADC)
🇰🇷Kael(サポート
冬シーズン、惜しくも2位に終わったAnyone’s Legend(AL)。春はプレーオフで1度も敗れずにアッパーサイドを走り切って優勝を果たした。
中国シーンを追っていない人にはあまり馴染みのないチーム名かもしれないが、かつては「Rogue Warriors」という名前で、FunPlus Phoenixで「Worlds」を制したDoinb、日本のBurning Coreで活躍したFlawlesSなどが在籍していた。
昨年からはミッドのShanks、ADCのHope、サポートのKaelと下半身のタレントはそろっていたものの、パフォーマンスが安定せずプレーオフを勝ち抜くことはできなかった。
しかし今季に入り、手のかからない安定型トップのFlandre、ジャングルの王・Tarzanが加入し、念願の国際戦初出場を勝ち取った。
注目プレーヤー:Tarzan(ジャングル)

トップのFlandreの安定感が抜群、サポートのKaelがエンゲージ系が得意ということもあって、ジャングルのTarzanが特定の役割を背負う必要がなく、タンク、ファイター、アサシンと柔軟に出せるというのがALの大きな強みになっている。
それが刺さったのがBilibili Gaming(BLG)との決勝戦で、Game4ではゼドをプレーし、華麗にキャリーしてみせた。
国際戦でどんなポケットピックが飛び出すかにも注目だ。

ロスター
🇨🇳Bin(トップ)
🇨🇳Beichuan(ジャングル)
🇨🇳knight(ミッド)
🇨🇳Elk(ADC)
🇨🇳ON(サポート)
すっかり国際戦常連になったLPLの強豪、BLGが第2シードとして「MSI」に出場する。
昨年から同じロスターを維持した今年も、トップのBin、ミッドのKnight、ADCのElk、いずれのキャリーポジションも強力。ただ爆発力が高い分リソース分配問題が起きやすく、ジャングルが割を食うシーンが多かった。
そこで、春シーズンではジャングルにTT GamingからBeichuanを補強。カバーの動きがうまく、チームのエースであり、超攻撃的なトップレーナーであるBinとの相性がいい。
昨年は「MSI」2位、「Worlds」2位と国際戦のタイトルにあと一歩届かなかっただけに、彼がBLG躍進の最後のピースとなることができるか!?
注目プレーヤー:Knight(ミッド)

スタープレーヤーに加え、潤滑油になれるジャングル、サポートと隙のないロスターになっているBLGだが、プレーオフではKnightのパフォーマンスが少し見劣りし、そこが優勝に届かなかった理由のひとつでもあった。
ミッドの調子は今のメタの最重要ポイントなので、「MSI」までに本来の姿を取り戻せるかが、「MSI」の長いBo5トーナメントを勝ち進めるかの鍵となる。

ロスター
🇪🇸Myrwn(トップ)
🇪🇸Elyoya(ジャングル)
🇨🇦Jojopyun(ミッド)
🇪🇸Supa(ADC)
🇪🇸Alvaro(サポート)
Movistar KOIは、MAD LionsとKOIが合併する形で誕生した新チーム。
昨年「Worlds」に出場したメンバーを4人残しつつ、北米地域から若き天才Jojopyunをミッドに迎え入れ、新チーム2シーズン目にしてLEC制覇を成し遂げた。
ジャングルのElyoya、サポートのAlvaroのラインは、プレーメイカーとしては非常に才能があるものの、その分リスクを取り過ぎる嫌いがあった。
今年はその2人を中心にチーム全体でいい意味でのペースダウンがうまくなり、安定性が向上したのも優勝までたどり着けた要因だろう。
注目プレーヤー:Myrwn(トップ)

特殊なチャンピオンプールで知られる個性派トップレーナー。
春のプレーオフでもヴァルスやニーコをピックするなど、今大会で最もフィアレスドラフトに適合しているプレーヤーのひとりだ。
こういった尖ったピックのわりに、そこまで攻撃的なプレースタイルでないのも彼の持つ不思議な魅力のひとつ。ちなみに、サモナーネームの読み方はカタカナだと「ミリウン」が近い。

ロスター
🇩🇪BrokenBlade(トップ)
🇫🇷SkewMond(ジャングル)
🇩🇰Caps(ミッド)
🇫🇷Hans Sama(ADC)
🇬🇷Labrov(サポート)
LECの王者といえばこのG2 Esportsだが、今季はレギュラーシーズン4位と精彩を欠き、苦しみながらなんとか第2シードで「MSI」の舞台へとたどり着いた。
ジャングルには新人のSkewMond、サポートには経験豊富なLabrovを迎え入れた新ロスターは、2人のチャンピオンプールの問題もあっていまだに序盤・中盤のゲーム運営が安定していない。
とはいえ、冬よりも春シーズンの方が良化していたのは間違いないので、まだまだ伸びしろがあるチームだ。
トップ、ミッド、ADCは昨年のロスターを維持しており、LCKやLPLのチームとやりあえるだけのフィジカルと集団戦での爆発力は十分に備えている。
注目プレーヤー:Hans sama(ADC)

そんな不安定なチーム状況の中で、唯一安定したパフォーマンスでチームをキャリーし続けるまさにエースプレーヤー。
メタがユーティリティ系に傾いてもセナやヴァルスで非常にいいパフォーマンスを見せている。
ややレーン戦の指標が物足りないので、他地域のアグレッシブなボットレーンのプレッシャーをうまく回避して、キャリーラインに乗ることができるかがポイントになりそうだ。

ロスター
🇧🇪Bwipo(トップ)
🇵🇱Inspired(ジャングル)
🇰🇷Quad(ミッド)
🇨🇦Massu(ADC)
🇺🇸Busio(サポート)
FlyQuestは昨年「Worlds」でベスト8に進出したロスターを今年も維持し、より熟成されたチームになった印象を受ける。
上半身組で経験豊富なBwipo、Inspired、Quadの3人がゲームを作り、Massu、Busioのボットレーンへとつないでいく、ギヤのつながりのよさがこのチームの魅力。
春のプレーオフでは、序盤に不利を背負ってもしっかりキャッチやファームを繰り返して食らいつき、終盤の集団戦で逆転するシーンが何度も見られ、作戦面・メンタル面での成長を強く感じた。
LCKやLPLのチームは有利を作ってからゲームエンドまでのミスが少なく、スピードも速いため、今大会で生き残るためには序盤の事故を減らすことが重要になってきそうだ。
注目プレーヤー:Inspired(ジャングル)

EMEAから北米地域に移ってから、国内戦ではベスト4を逃すことがない安定した成績を残してきたInspiredだが、今季のパフォーマンスは“キャリアハイ”といっても差し支えないほどに素晴らしい。
特にシン・ジャオは、今年に入ってから9戦して8勝1敗とずば抜けた戦績で、相手チームのバンピックを悩ませる存在になりそうだ。

ロスター
🇧🇷Guigo(トップ)
🇧🇷Tatu(ジャングル)
🇧🇷Tutsz(ミッド)
🇧🇷Ayu(ADC)
🇧🇷JoJo(サポート)
SummitやWizerなど、LCKで実績のある外国人プレーヤーを擁するLTA Southの各チームに対し、全員ブラジル人のロスターを組み優勝したFURIA。
『Counter Strike 2』や『VALORANT』などのFPSで有名なチームだが、『LoL』部門は今回が国際戦初登場となる。
レギュラーシーズンでは、最終週に首位決戦であるpaiN Gamingとの直接対決に敗れ2位に。プレーオフでも再びpaiNに敗れロワーに落ちたものの決勝まで這い上がり、Finalsでは3度目の対決となったpaiNに対しついに3-0で勝利し、リベンジを果たした。
トップサイドで攻撃的にプレーして、ボットはサポーティブなピックをする典型的な上半身型チームで、ADCのAyuはミス・フォーチュンやジンなどに混ざってヤスオを複数回プレーしているのも面白いところだ。
注目プレーヤー:Tatu(ジャングル)

15歳からアカデミーに参加したが、年齢規定を満たせず出場できなかったというエピソードを持つ天才。2025年現在は19歳で、paiN Gaming Academyからレンタル移籍という形でFURIAに在籍している。
レギュラーシーズンではタンク系が多かったが、プレーオフではピックがファイター系にシフトし、アグレッシブなプレーも見せるようになった。
ブラジルでは“Baby Canyon”の愛称で知られているので、ぜひプレイインを突破し、“Real Canyon”との対決を実現させてほしい。

ロスター
🇹🇼Rest(トップ)
🇹🇼Driver(トップ)
🇹🇼JunJia(ジャングル)
🇹🇼HongQ(ミッド)
🇹🇼Doggo(ADC)
🇭🇰Kaiwing(サポート)
CFOは前述の通り、「FS」と「MSI」両方に出場できた唯一のチームだ。その事実だけで、このチームがいかにLCPで抜けた実力を持っているかが伝わるだろう。
プレーオフではメタへの対応に苦労している様子があり、すべての試合がフルセットという激闘になったが、一度もマッチを落とすことはなく「LCP」連覇に成功した。
ジャングルのJunJia、ミッドのHongQで強力なラインをつくり、最後はADCのDoggoにキャリーさせる基本スタイルは冬から変わっておらず、他リージョンの上位と比べてもかなりレイトゲーム志向が強いのが特色になっている。
また、メジャーリージョンでは珍しい、トップの完全併用を行っているチームでもあり、主にRestはダメージディーラー系、Driverがフロントライン系を担当している。
注目プレーヤー:Kaiwing(サポート)

ジャングルのJunJiaが「LCP」最高のプレーヤーなのは間違いないが、彼と一緒にゲームをコントロールする役割を担うKaiwingにも注目してほしい。
レーン戦、ローム、視界確保、エンゲージ、ピールとサポートに求められるすべての要素を高いレベルでこなすことのできるプレーヤーで、プールも広くドラフト面でもチームに負担をかけないため、CFOの縁の下の力持ちになっている。

ロスター
🇻🇳Kiaya(トップ)
🇻🇳Levi(ジャングル)
🇻🇳Emo(ミッド)
🇻🇳Aress(ミッド)
🇻🇳Artemis(ADC)
🇻🇳EasyLove(ADC)
🇻🇳Elio(サポート)
ベトナムの名門、GAMは今季は2019年からVCSでプレーし続けるベテランADCのArtemis、若手の期待株としてミッドのAressを獲得。
ベトナム勢代表として、LCPでの活躍が期待されるロスターをもって迎えた2025年だったが、冬シーズンは5位、春のレギュラーシーズンは4位と、昨年までの爆発力を取り戻せずにいた。
そこでプレーオフでは昨年のスターターミッドだったEmoを中心に起用。これが功を奏し、トップ・Kiaya、ADC・Artemisの両サイドレーンのバランスが整ったことで「MSI」出場までこぎつけることができた。
注目プレーヤー:Artemis(ADC)

トップのKiayaはLCPのソロキル王で、それ故にそのキャリー力を警戒されターゲットバンされる展開が多かった。
そのなかでプレーオフを勝ち抜く原動力になったのがArtemisだ。
「MSI」でもトップが狙われることはほぼ確実なので、Kiayaを囮にしてボットからゲーム展開を作れるかが、プレイイン突破のポイントになってきそうだ。
2025年2回目の国際戦となる「MSI」。LCK勢の強さは盤石と思われるが、LPL勢の巻き返しはあるのか。はたまた「FS」のような波乱が再び巻き起こるのか──。
個人的な優勝予想はGENが筆頭で、次点でAL。Canyon vs Tarzanのマッチアップが決勝で実現することに期待したい。T1、BLGは経験が豊富なメンバーがそろっているので、トーナメント終盤まで生き残ることができれば、国際大会特有のメタの変化をうまくとらえて優勝を狙える可能性がありそう、と見ている。
プレイインステージ突破に関しては、実績を考えれば当然BLGとG2が本命になるが、G2の仕上がりは春プレーオフの時点ではいまひとつといったところだったので、日本と同じ地域代表としてGAMの逆転突破も十分ありえるだろう。
ちなみに、今回はPick’Emも開催され、プレイインの〆切も6月28日(土)に迫っている。ぜひこの記事を参考に投票してみてほしい。
Mid-Season Invitational Pick'Ems:https://lolesports.com/ja-JP/pickems/
LoLEsports:https://lolesports.com/ja-JP/
リーグ・オブ・レジェンド公式サイト: http://jp.leagueoflegends.com/
リーグ・オブ・レジェンド公式X(旧Twitter): https://twitter.com/loljpofficial
そこで本記事では、
- 冬の国際大会「First Stand」の振り返り
- 春の地域大会のメタ
- 出場チームの紹介
「MSI」とは
『リーグ・オブ・レジェンド』のeスポーツにおける春の国際大会。2024年までは各地域の春リーグの後に「MSI」、夏リーグの後に「Worlds」という2つの国際大会が開催されてきたが、2025年より年頭に冬リーグと「First Stand」が追加され、国際大会は年間3つとなった。
「MSI」自体は、春リーグの世界最強を決める大会という位置付けは変わらないが、参戦チームや地域が見直され、5地域から2チームずつが出場。前の試合で使ったチャンピオンが使えなくなっていく「フィアレスドラフト」が国際大会として初導入される。
プレイインステージは、LCKを除く4地域の第2シード(4チーム)から上位2チームが突破できる。そしてブラケットステージは、8チームがダブルエリミネーション(すべてBo5)で戦い、優勝が決まるまで戦い抜く。
参考:MSI 2025 大会情報
https://esports-world.jp/tournament/45853
『リーグ・オブ・レジェンド』のeスポーツにおける春の国際大会。2024年までは各地域の春リーグの後に「MSI」、夏リーグの後に「Worlds」という2つの国際大会が開催されてきたが、2025年より年頭に冬リーグと「First Stand」が追加され、国際大会は年間3つとなった。
「MSI」自体は、春リーグの世界最強を決める大会という位置付けは変わらないが、参戦チームや地域が見直され、5地域から2チームずつが出場。前の試合で使ったチャンピオンが使えなくなっていく「フィアレスドラフト」が国際大会として初導入される。
プレイインステージは、LCKを除く4地域の第2シード(4チーム)から上位2チームが突破できる。そしてブラケットステージは、8チームがダブルエリミネーション(すべてBo5)で戦い、優勝が決まるまで戦い抜く。
参考:MSI 2025 大会情報
https://esports-world.jp/tournament/45853
「First Stand」に見る世界5大リージョンの力関係

出典:LoLEsports
今シーズンから新設された国際大会「First Stand」(FS)では、短い冬シーズンで各リージョンから選ばれた1チームずつ合計5チームが出場。大会期間も1週間のみと非常にコンパクトな大会だった。
First Stand 2025 最終結果
順位 | チーム名 |
優勝 | 🇰🇷Hanwha Life Esports(LCK・韓国リーグ) |
2位 | 🇫🇷Karmine Corp(LEC・欧州リーグ) |
3位 | 🇹🇼CTBC Flying Oyster(LCP・アジア太平洋リーグ) |
4位 | 🇨🇳Top Esports(LPL・中国リーグ) |
5位 | 🇺🇸Team Liquid(LTA・南北アメリカリーグ) |
優勝したHanwha Life Esports(HLE)含め、準優勝のKarmine Corp(KC)、躍進を遂げたCTBC Flying Oyster(CFO)とボットが強力なチームが好成績を残した大会で、逆にファンの期待を裏切る結果となってしまったTop Esports(TES)は、ADCのJackeyLoveの不調が響いたように見えた。
初めての「フィアレスドラフト」を採用した国際大会ということもあり、リージョン間の力関係を測るには適していないかもしれないが、LCKが抜きん出て強く、LPL、LEC、LCPはメタや選手のコンディション次第で順位が入れ替わるくらいの実力差に感じられた。
LTAに関しては、地域独特のゲームテンポの遅さから逆転される試合が多かったが、序盤のゲーム運営の部分は見劣りしておらず、そこを改善できれば「MSI」でもチャンスがありそうだ。
「FS」出場チームがほぼ全滅……春にかけてのメタの変遷
「FS」を経て、各リージョンで行われた春シーズンの上位2チーム(LTAはNorth/Southで各1チーム)が進出することになる「MSI」だが、なんと「FS」出場チームはCFOを残して全滅。ガラっと出場チームのラインアップが変化した。
「MSI 2025」出場チーム
地域・順位 | チーム名 |
LCK 第1シード | 🇰🇷Gen.G |
LCK 第2シード | 🇰🇷T1 |
LPL 第1シード | 🇨🇳Anyone’s Legend |
LPL 第2シード | 🇨🇳BiliBili Gaming |
LEC 第1シード | 🇪🇸Movistar KOI |
LEC 第2シード | 🇩🇪G2 Esports |
LTA North | 🇺🇸FlyQuest |
LTA South | 🇧🇷FURIA |
LCP 第1シード | 🇹🇼CTBC Flying Oyster |
LCP 第2シード | 🇻🇳GAM Esports |
これはひとことでいうと、ADCの相対的な弱体化が原因になっていると思われる。
まず、パッチ25.5の変更でレーンスワップが事実上不可能になったことが大きい。
これにより、レイトゲームキャリーを安全に育てることができなくなり、ボットのチャンピオンに求められる能力がユーティリティやウェーブクリア寄りに変遷し、ボットで勝ちに行くという構成を選択しづらくなった。
そして、各ロールの「フィアレスドラフト」への対応が整ってきたというのも見逃せない点だろう。
ADCは他ロールと比べるとフィアレスへの対応が行いやすいロールだった(チャンピオンごとの操作や立ち回りの違いが一部の特殊な例を除いて少ないため)。
それが冬、春の2スプリットを経て、先行していたADCとそれ以外のロールのフィアレス対応の差が徐々に埋まってきた、というわけだ。
そんなゲーム内外の要因もあり、冬に活躍したボットハイパーキャリー系のチームは苦戦。トップ-ジャングル-ミッドが強力な、いわゆる“上半身型”のチームや、ADCがヴァルスやセナなどユーティリティ系のチャンピオンを得意とするチームが、春に台頭する結果となった。
「MSI」で初採用となる「フィアレスドラフトBo5」の特色
今年の「MSI」は、これまでのグループ総当たりや「Worlds」のようなスイスラウンド形式ではなく、プレイイン、ブラケットともにトーナメント方式(ダブルエリミネーション)によって進行され、しかもすべての試合がフィアレスドラフトのBo5(3ゲーム先取)によって行われるという、新しい形式になっている。
この「フィアレスドラフトBo5」は、従来のBo5はもちろん、同じフィアレスドラフト形式でもBo3(2ゲーム先取)とはかなりドラフトが変化する。
前項でふれたとおり、今のメタはややボットキャリーが難しく、トップ-ジャングル-ミッドのキャリーピックが重要なメタになっているのだが、フィアレスドラフトが進み4戦目、5戦目になってくると、そういったメタにマッチしたチャンピオンが枯渇してしまう。
すると、ボットのピックがジンクスやゼリのようなハイパーキャリー系になり、ゲームテンポがグッと遅くなる傾向が、各国のプレーオフでもよく見られた。
また、ジャングルでもシン・ジャオやパンテオンといったメタチャンピオンが消えたあとはタンク系がピックの中心になるのだが、それに対しゼドやリリアといったややオフメタのファームが早いジャングラーをぶつける、といったドラフト戦略も効果的だ。
このように自分たちの得意な戦略を押し通すだけでなく、さまざまな手札を用意し、シリーズの進み具合に応じて必要なカードを切り出していく柔軟性が求められる試合形式になっている。

LECのプレーオフでのBo5最終戦の一幕。エンゲージサポートが枯渇してしまい、Movistar KOIはジンクスとあまり相性の良くないブリッツクランクを、KCはオフメタのガリオをピックすることになってしまった。最終ゲームでは合計50体のチャンピオンがバンされることになるので、フレックスピックを含めた選手個々人のチャンピオン操作精度、チームとしての運用練度が求められる
「MSI 2025」 全10チーム&注目選手紹介
ここからは、冬・春のスプリットと「FS」の結果を踏まえて、「MSI 2025」に出場する5地域10チームの特徴と注目選手を取り上げていきたい。
🇰🇷GEN.G(LCK 第1シード)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=R0HYHEhufk8
ロスター
🇰🇷Kiin(トップ)
🇰🇷Canyon(ジャングル)
🇰🇷Chovy(ミッド)
🇰🇷Ruler(ADC)
🇰🇷Duro(サポート
冬の「LCK Cup」から優勝候補筆頭とされていながら、決勝でHLEに敗れ「FS」出場を逃したGEN.Gが、今年初の国際戦の舞台に登場する。
春のレギュラーシーズンでは18勝0敗。「MSI」出場権をかけたHLEとの決戦にも勝利し、無敗のまま春シーズンを終えた。
トップのKiin、ミッドのChovy、ボットのRulerは、各ロールでLCKナンバーワンどころか世界一の候補に挙がるようなプレーヤーたちで、全レーンどこからでもキャリーできる。
大きな弱点はないものの、国際大会ではメタの読み違いやドラフトのミスなどでこれまで何度もファンの期待を裏切ってきた。昨年に続き今年の「MSI」を制することができれば、「国際戦のGEN.G」の悪いイメージを払拭することができるだろう。
注目プレーヤー:Chovy(ミッド)

出典:https://x.com/GenG/status/1908849675236790493
Chovyといえば、異常なCS精度やファーム量、そこから得た大量のゴールドでキャリーするというプレースタイルだったが、今季はメタの変化などもあってチーム内でのゴールド占有率が昨年の夏シーズンと比べて2%ほど低下し、やや「エコ」なプレーヤーへとモデルチェンジした。
プールの偏りも少なく、レネクトンやセトのようなメタ外のファイターチャンピオンも使いこなすため、結果としてジャングルのCanyonのピック幅を広げる役割も担っている。まさにチームの背骨といえる選手だ。
🇰🇷T1(LCK 第2シード)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=aNUt1VfGd1I
ロスター
🇰🇷Doran(トップ)
🇰🇷Oner(ジャングル)
🇰🇷Faker(ミッド)
🇰🇷Gumayusi(ADC)
🇰🇷Keria(サポート)
昨年の「Worlds」優勝チームT1は、レギュラーシーズンは3位と思ったようなシーズンを送れなかった。
Faker、Onerのラインは好調なものの、ADCのスターター問題やトップがZeusからDoranに代わったことでチーム全体のリソース分配がうまくいっていない印象だった。しかし、ボットのメタがGumayusiが得意とするユーティリティ系に傾いたこと、Doranの調子が好転したことで復調。難敵HLEを下し、バンクーバー行きの最後のチケットを手にした。
注目プレーヤー:Oner(ジャングル)

出典:https://x.com/T1LoL/status/1923015199553892792
レギュラーシーズン中はシン・ジャオ、パンテオンなどのダメージの出せるチャンピオンを使えないと勝率がかなり落ちるという、本人の問題というよりはチーム事情的な問題を抱えていた。
しかし、トップのDoranが復調したことで、トップのダメージディーラーをサポートできるセジュアニのようなタンク系をピックするべきシチュエーションが増えると予想されるので、「MSI」までにどれくらい仕上げられるかで、チーム全体の引き出しの量が変わってくる。
🇨🇳Anyone’s Legend(LPL 第1シード)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=SRupQpn_BP8
ロスター
🇨🇳Flandre(トップ)
🇰🇷Tarzan(ジャングル)
🇨🇳Shanks(ミッド)
🇨🇳Hope(ADC)
🇰🇷Kael(サポート
冬シーズン、惜しくも2位に終わったAnyone’s Legend(AL)。春はプレーオフで1度も敗れずにアッパーサイドを走り切って優勝を果たした。
中国シーンを追っていない人にはあまり馴染みのないチーム名かもしれないが、かつては「Rogue Warriors」という名前で、FunPlus Phoenixで「Worlds」を制したDoinb、日本のBurning Coreで活躍したFlawlesSなどが在籍していた。
昨年からはミッドのShanks、ADCのHope、サポートのKaelと下半身のタレントはそろっていたものの、パフォーマンスが安定せずプレーオフを勝ち抜くことはできなかった。
しかし今季に入り、手のかからない安定型トップのFlandre、ジャングルの王・Tarzanが加入し、念願の国際戦初出場を勝ち取った。
注目プレーヤー:Tarzan(ジャングル)

出典:https://weibo.com/u/6198774314?tabtype=album&uid=6198774314&index=21
トップのFlandreの安定感が抜群、サポートのKaelがエンゲージ系が得意ということもあって、ジャングルのTarzanが特定の役割を背負う必要がなく、タンク、ファイター、アサシンと柔軟に出せるというのがALの大きな強みになっている。
それが刺さったのがBilibili Gaming(BLG)との決勝戦で、Game4ではゼドをプレーし、華麗にキャリーしてみせた。
国際戦でどんなポケットピックが飛び出すかにも注目だ。
🇨🇳Bilibili Gaming(LPL 第2シード)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=9U40UBg8ZmE
ロスター
🇨🇳Bin(トップ)
🇨🇳Beichuan(ジャングル)
🇨🇳knight(ミッド)
🇨🇳Elk(ADC)
🇨🇳ON(サポート)
すっかり国際戦常連になったLPLの強豪、BLGが第2シードとして「MSI」に出場する。
昨年から同じロスターを維持した今年も、トップのBin、ミッドのKnight、ADCのElk、いずれのキャリーポジションも強力。ただ爆発力が高い分リソース分配問題が起きやすく、ジャングルが割を食うシーンが多かった。
そこで、春シーズンではジャングルにTT GamingからBeichuanを補強。カバーの動きがうまく、チームのエースであり、超攻撃的なトップレーナーであるBinとの相性がいい。
昨年は「MSI」2位、「Worlds」2位と国際戦のタイトルにあと一歩届かなかっただけに、彼がBLG躍進の最後のピースとなることができるか!?
注目プレーヤー:Knight(ミッド)

出典:https://www.weibo.com/u/5926660141?tabtype=album&uid=5926660141&index=15
スタープレーヤーに加え、潤滑油になれるジャングル、サポートと隙のないロスターになっているBLGだが、プレーオフではKnightのパフォーマンスが少し見劣りし、そこが優勝に届かなかった理由のひとつでもあった。
ミッドの調子は今のメタの最重要ポイントなので、「MSI」までに本来の姿を取り戻せるかが、「MSI」の長いBo5トーナメントを勝ち進めるかの鍵となる。
🇪🇸Movistar KOI(LEC 第1シード)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=7IYny0YBDPs
ロスター
🇪🇸Myrwn(トップ)
🇪🇸Elyoya(ジャングル)
🇨🇦Jojopyun(ミッド)
🇪🇸Supa(ADC)
🇪🇸Alvaro(サポート)
Movistar KOIは、MAD LionsとKOIが合併する形で誕生した新チーム。
昨年「Worlds」に出場したメンバーを4人残しつつ、北米地域から若き天才Jojopyunをミッドに迎え入れ、新チーム2シーズン目にしてLEC制覇を成し遂げた。
ジャングルのElyoya、サポートのAlvaroのラインは、プレーメイカーとしては非常に才能があるものの、その分リスクを取り過ぎる嫌いがあった。
今年はその2人を中心にチーム全体でいい意味でのペースダウンがうまくなり、安定性が向上したのも優勝までたどり着けた要因だろう。
注目プレーヤー:Myrwn(トップ)

出典:https://x.com/MovistarKOILoL/status/1931741809845186747
特殊なチャンピオンプールで知られる個性派トップレーナー。
春のプレーオフでもヴァルスやニーコをピックするなど、今大会で最もフィアレスドラフトに適合しているプレーヤーのひとりだ。
こういった尖ったピックのわりに、そこまで攻撃的なプレースタイルでないのも彼の持つ不思議な魅力のひとつ。ちなみに、サモナーネームの読み方はカタカナだと「ミリウン」が近い。
🇩🇪G2 Esports(LEC 第2シード)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=7IYny0YBDPs
ロスター
🇩🇪BrokenBlade(トップ)
🇫🇷SkewMond(ジャングル)
🇩🇰Caps(ミッド)
🇫🇷Hans Sama(ADC)
🇬🇷Labrov(サポート)
LECの王者といえばこのG2 Esportsだが、今季はレギュラーシーズン4位と精彩を欠き、苦しみながらなんとか第2シードで「MSI」の舞台へとたどり着いた。
ジャングルには新人のSkewMond、サポートには経験豊富なLabrovを迎え入れた新ロスターは、2人のチャンピオンプールの問題もあっていまだに序盤・中盤のゲーム運営が安定していない。
とはいえ、冬よりも春シーズンの方が良化していたのは間違いないので、まだまだ伸びしろがあるチームだ。
トップ、ミッド、ADCは昨年のロスターを維持しており、LCKやLPLのチームとやりあえるだけのフィジカルと集団戦での爆発力は十分に備えている。
注目プレーヤー:Hans sama(ADC)

出典:https://x.com/G2esports/status/1880277338082144454
そんな不安定なチーム状況の中で、唯一安定したパフォーマンスでチームをキャリーし続けるまさにエースプレーヤー。
メタがユーティリティ系に傾いてもセナやヴァルスで非常にいいパフォーマンスを見せている。
ややレーン戦の指標が物足りないので、他地域のアグレッシブなボットレーンのプレッシャーをうまく回避して、キャリーラインに乗ることができるかがポイントになりそうだ。
🇺🇸FlyQuest(LTA North)

出典:https://lol.fandom.com/wiki/FlyQuest
ロスター
🇧🇪Bwipo(トップ)
🇵🇱Inspired(ジャングル)
🇰🇷Quad(ミッド)
🇨🇦Massu(ADC)
🇺🇸Busio(サポート)
FlyQuestは昨年「Worlds」でベスト8に進出したロスターを今年も維持し、より熟成されたチームになった印象を受ける。
上半身組で経験豊富なBwipo、Inspired、Quadの3人がゲームを作り、Massu、Busioのボットレーンへとつないでいく、ギヤのつながりのよさがこのチームの魅力。
春のプレーオフでは、序盤に不利を背負ってもしっかりキャッチやファームを繰り返して食らいつき、終盤の集団戦で逆転するシーンが何度も見られ、作戦面・メンタル面での成長を強く感じた。
LCKやLPLのチームは有利を作ってからゲームエンドまでのミスが少なく、スピードも速いため、今大会で生き残るためには序盤の事故を減らすことが重要になってきそうだ。
注目プレーヤー:Inspired(ジャングル)

出典:https://x.com/FlyQuest/status/1930702065837162607
EMEAから北米地域に移ってから、国内戦ではベスト4を逃すことがない安定した成績を残してきたInspiredだが、今季のパフォーマンスは“キャリアハイ”といっても差し支えないほどに素晴らしい。
特にシン・ジャオは、今年に入ってから9戦して8勝1敗とずば抜けた戦績で、相手チームのバンピックを悩ませる存在になりそうだ。
🇧🇷FURIA(LTA South)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=_VZVDujCmg0
ロスター
🇧🇷Guigo(トップ)
🇧🇷Tatu(ジャングル)
🇧🇷Tutsz(ミッド)
🇧🇷Ayu(ADC)
🇧🇷JoJo(サポート)
SummitやWizerなど、LCKで実績のある外国人プレーヤーを擁するLTA Southの各チームに対し、全員ブラジル人のロスターを組み優勝したFURIA。
『Counter Strike 2』や『VALORANT』などのFPSで有名なチームだが、『LoL』部門は今回が国際戦初登場となる。
レギュラーシーズンでは、最終週に首位決戦であるpaiN Gamingとの直接対決に敗れ2位に。プレーオフでも再びpaiNに敗れロワーに落ちたものの決勝まで這い上がり、Finalsでは3度目の対決となったpaiNに対しついに3-0で勝利し、リベンジを果たした。
トップサイドで攻撃的にプレーして、ボットはサポーティブなピックをする典型的な上半身型チームで、ADCのAyuはミス・フォーチュンやジンなどに混ざってヤスオを複数回プレーしているのも面白いところだ。
注目プレーヤー:Tatu(ジャングル)

出典:https://x.com/FURIA/status/1931743725543182738
15歳からアカデミーに参加したが、年齢規定を満たせず出場できなかったというエピソードを持つ天才。2025年現在は19歳で、paiN Gaming Academyからレンタル移籍という形でFURIAに在籍している。
レギュラーシーズンではタンク系が多かったが、プレーオフではピックがファイター系にシフトし、アグレッシブなプレーも見せるようになった。
ブラジルでは“Baby Canyon”の愛称で知られているので、ぜひプレイインを突破し、“Real Canyon”との対決を実現させてほしい。
🇹🇼CTBC Flying Oyster(LCP 第1シード)

出典:https://x.com/lolpacificen/status/1937329832917864956
ロスター
🇹🇼Rest(トップ)
🇹🇼Driver(トップ)
🇹🇼JunJia(ジャングル)
🇹🇼HongQ(ミッド)
🇹🇼Doggo(ADC)
🇭🇰Kaiwing(サポート)
CFOは前述の通り、「FS」と「MSI」両方に出場できた唯一のチームだ。その事実だけで、このチームがいかにLCPで抜けた実力を持っているかが伝わるだろう。
プレーオフではメタへの対応に苦労している様子があり、すべての試合がフルセットという激闘になったが、一度もマッチを落とすことはなく「LCP」連覇に成功した。
ジャングルのJunJia、ミッドのHongQで強力なラインをつくり、最後はADCのDoggoにキャリーさせる基本スタイルは冬から変わっておらず、他リージョンの上位と比べてもかなりレイトゲーム志向が強いのが特色になっている。
また、メジャーリージョンでは珍しい、トップの完全併用を行っているチームでもあり、主にRestはダメージディーラー系、Driverがフロントライン系を担当している。
注目プレーヤー:Kaiwing(サポート)

出典:https://x.com/CTBC_cfo/status/1867056787364753904
ジャングルのJunJiaが「LCP」最高のプレーヤーなのは間違いないが、彼と一緒にゲームをコントロールする役割を担うKaiwingにも注目してほしい。
レーン戦、ローム、視界確保、エンゲージ、ピールとサポートに求められるすべての要素を高いレベルでこなすことのできるプレーヤーで、プールも広くドラフト面でもチームに負担をかけないため、CFOの縁の下の力持ちになっている。
🇻🇳GAM Esports(LCP 第2シード)

出典:https://x.com/GAMesportsVN/status/1931713355179507878
ロスター
🇻🇳Kiaya(トップ)
🇻🇳Levi(ジャングル)
🇻🇳Emo(ミッド)
🇻🇳Aress(ミッド)
🇻🇳Artemis(ADC)
🇻🇳EasyLove(ADC)
🇻🇳Elio(サポート)
ベトナムの名門、GAMは今季は2019年からVCSでプレーし続けるベテランADCのArtemis、若手の期待株としてミッドのAressを獲得。
ベトナム勢代表として、LCPでの活躍が期待されるロスターをもって迎えた2025年だったが、冬シーズンは5位、春のレギュラーシーズンは4位と、昨年までの爆発力を取り戻せずにいた。
そこでプレーオフでは昨年のスターターミッドだったEmoを中心に起用。これが功を奏し、トップ・Kiaya、ADC・Artemisの両サイドレーンのバランスが整ったことで「MSI」出場までこぎつけることができた。
注目プレーヤー:Artemis(ADC)

出典:https://x.com/GAMesportsVN/status/1926241798684307613
トップのKiayaはLCPのソロキル王で、それ故にそのキャリー力を警戒されターゲットバンされる展開が多かった。
そのなかでプレーオフを勝ち抜く原動力になったのがArtemisだ。
「MSI」でもトップが狙われることはほぼ確実なので、Kiayaを囮にしてボットからゲーム展開を作れるかが、プレイイン突破のポイントになってきそうだ。
まとめ
2025年2回目の国際戦となる「MSI」。LCK勢の強さは盤石と思われるが、LPL勢の巻き返しはあるのか。はたまた「FS」のような波乱が再び巻き起こるのか──。
個人的な優勝予想はGENが筆頭で、次点でAL。Canyon vs Tarzanのマッチアップが決勝で実現することに期待したい。T1、BLGは経験が豊富なメンバーがそろっているので、トーナメント終盤まで生き残ることができれば、国際大会特有のメタの変化をうまくとらえて優勝を狙える可能性がありそう、と見ている。
プレイインステージ突破に関しては、実績を考えれば当然BLGとG2が本命になるが、G2の仕上がりは春プレーオフの時点ではいまひとつといったところだったので、日本と同じ地域代表としてGAMの逆転突破も十分ありえるだろう。
ちなみに、今回はPick’Emも開催され、プレイインの〆切も6月28日(土)に迫っている。ぜひこの記事を参考に投票してみてほしい。
Mid-Season Invitational Pick'Ems:https://lolesports.com/ja-JP/pickems/
LoLEsports:https://lolesports.com/ja-JP/
リーグ・オブ・レジェンド公式サイト: http://jp.leagueoflegends.com/
リーグ・オブ・レジェンド公式X(旧Twitter): https://twitter.com/loljpofficial
Discord をフォローしよう



