【連載】ねむしの『LoL』2024シーズン パッチノート先取り速報
【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.10編】2024ミッドシーズンの特大変更! ブーツやルーンにもテコ入れで大波乱の幕開け
こんにちは! 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のライター、ねむしです。
さて、今回も『LoL』リードゲームプレイデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏が公開されているパッチ14.10での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします!
※なお、今回はMatt氏が調整予告を発表していない部分も多かったため、『LoL Times』様の記事を参考に執筆しています。ご助力いただきありがとうございました。
日本時間2024年5月15日(水)に配信予定のパッチノート14.10は、2024シーズンのスプリット2移行に際して、大量のシステム変更が行われます。
主な変更点は以下の通りです。
チャンピオンバフ
チャンピオン調整
システムバフ
システム調整
アイテム・ルーン・サモナースペル調整内容(LoL Times)
チャンピオン調整内容(LoL Times)
シーズン開幕ぶりの大量変更ですが、順を追って見ていきましょう!
最上段のルーンである「キーストーン」を含めた大量のルーンに変更が入ります。まずは削除されるルーンから。
共通して言えるのは『エリート帯以上で強力だが、平均レート以下では効果を実感しにくかった一癖あるルーンたち』と言えるでしょう。「オーバーヒール」「ミニオン吸収装置」らはそもそもの運用が難しく、上級者以外はうまく活用できていませんでした。
また、「リーサルテンポ」の削除も思い切った変更です。このルーンの問題点は最大スタック時の局所的なパワースパイクであり、ヤスオ・ヨネ・ジンクスらの驚異的なパワーを後押ししていました。
このルーンを持つことで攻撃速度アイテムを踏み倒せる点も問題でした。小規模なリワーク後はこのシーズンを通して、”歪なパワースパイクを迎えるキーストーン”として位置し、序盤の攻撃速度をナーフさせ様子を見ていましたが、とうとう手に余ると判断し削除に踏み切ったようです。
今後、愛用チャンピオンたちは調整された「プレスアタック」や「フリートフットワーク」へ移行すると思われます。
あるいは調整据え置きの「征服者」になりますが、いずれにせよキーストーンから大量に獲得していた攻撃速度はもうなくなるため、「リーサルテンポ」に依存していたチャンピオンのアイテム動向には注視が必要です。
非常に多くのアイテムに変更が入ります。すべてを見ていてはこの連載記事では扱いきれないほどの量なので、まずは削除されるアイテムから!
ごく少数のユーザーしかいなかった「コラプトポーション」「モビリティブーツ」に加え、攻撃力型ビルドのルブラン等、ある種悪いメタを助長してしまっていた「キルヒアイスシャード」が削除。
これらは概ね納得でしょう。「スタティックシブ」の復活とタンクアイテムの多様化に伴い「ストームレイザー」
「アナセマチェイン」はデザイン上の問題があるのも頷けます。
また、ブーツ系のアイテムにおよそ8年ぶりのアップデートが入ります。
実質的な「モビリティブーツ」のリワーク先となるこのアイテムですが、かなり強力と言えます。
『900ゴールドでバロンリコールが手に入る』というのは、サポートのしきりにリコールを繰り返すプレイを可能にしますから、このアイテムがあればローム先としてトップレーンを選定することすら容易になると言えるでしょう。元からロームが得意なバードやスレッシュ、パイクらはこのアイテムから強烈なチャンスメイクを可能にすることでしょう。
中盤以降はワードの補充に際してリコールを多く行うのがサポートなので、このアイテムは彼らにとって必須のアイテムとなるに違いありません。
クエストの「150000ユニット分の走行」も概ね7~10分程度で達成可能な数値なので、よりマップ全体を駆け回る支配的なプレイングが可能になります。
また、既存の靴にも変更点があります。
スーパーレイトゲームになった際にブーツをコアアイテムに買い替えるのはたまにありますが、今後はADCの場合、この「ゼファー」にアップグレードすることになります。
得られるステータスも素晴らしく、このアイテムを押しのけて他のアイテムを買い替えることはまずないでしょう。
「プレート スチールキャップ」の変更はこのアイテム単品で通常攻撃主体チャンピオンをカウンターし過ぎている側面から、かと思われます。12%ものダメージをカットしていたのでトップレーンでは必須クラスとなり、タンクがこのアイテムを採用すれば難攻不落となりがちでした。
その通常攻撃の耐性を失いながら、物理防御と価格の補填を受けた形になります。引き続きtopでは採用されそうではありますが、以前ほど支配的なファーストアイテムにはならないでしょう。
このゲームではミニオンから得られる経験値は「元の値から50%の折半」ではなく、折半する前の経験値にボーナスがかかった状態から等分される仕様です。そのボーナス分の数値にバフが入るため、今後はボットレーンのレベルの遅れが少なくなります。
これは相対的にジャングル自体のレベル低下が免れない点も見逃せません。共にミニオンをプッシュする動きがなくては、ADCにすらレベルが負ける局面出てきてしまう、ジャングル冬の時代が到来しようとしています……。
このパッチで最も注目したいのはやはりマークスマンアイテムでしょう。変更量が長大なので別項として解説します。
デザインとしては回帰に近いアイテムもよく見られ、これはアイテムから得られる効果をより実感しやすく、シンプルなビルドを促す狙いがあるようです。
例えば「ブラッドサースター」と「ファントムダンサー」。
以前はどちらも条件付きでステータスが変化し、立ち位置としても微妙な状態でした。
アイテムコンセプトとしての”長時間の戦闘力”と”多くの攻撃速度と移動速度”をより明確に得るデザインとなったため、プレイヤーはこれらのアイテムをより効果的に採用することができます。
特に「ブラッドサースター」のこの変更はドレイブンプレイヤーにとっては吉報でしかないでしょう。いわゆる『血剣初手ドレイブン』の機運が界隈ですでに高まっています。
なんとも懐かしい響きです。他にも前述の「リーサルテンポ」の削除を受け、序盤に大量の攻撃速度を獲得するべく「ファントムダンサー」への初手需要は高まると予想されます。
該当アイテムは「クラーケンスレイヤー」「エッセンスリーバー」。
「クラーケンスレイヤー」はミシックアイテムとして実装され、長らく通常攻撃時型・クリティカル型マークスマン両方から支持を集めてきたアイテムでした。
ミシックアイテムとしての役目を終えた後は、全体的なパワーダウンを行った後に普通のアイテムとして収まりましたが、元々が強力なミシックアイテムなだけあり、チャンピオンからのシェアを獲得しすぎるか、あるいは見向きもされないかの二極化が続いていました。
そんな中で今回はクリティカル率を削除し、通常攻撃時型マークスマン専門のアイテムに変化を遂げます。その際、移動速度を獲得するようになることで、サモナースペル「ゴースト」への依存度も下げたい狙いもあるとのこと。
クリティカルを必要としないコグ=マウにとってはこのアイテムを軸にビルドを進めた時に、移動速度が確保されているのはうれしい点です。
また、「エッセンスリーバー」に関してはスキル使用後に次の通常攻撃命中時に効果が発動する「追撃」という固有効果が削除され、一昔前と似た通常攻撃時にマナが回復する効果に変化します。
この効果のせいで、このアイテムはエズリアル・スモルダー・ガングプランクの3名以外はほとんど採用していないニッチなアイテムとなっていたため、当然と言える処置でしょう。
今後はスキルヘイストと攻撃力をより獲得するようになるため、スキルに高い攻撃力反映率を持つジン・ザヤ・シヴィアあたりの採用が見込まれます。ヴァルス・アッシュもメタによっては活用ができそうなので、非常に「開か
れた」いいアイテムになることでしょう。
通称「IE」と呼ばれるこのアイテムは、クリティカルビルドにおける核を担うアイテムです。それがこのたびの調整を受け、非常にインパクトのある数値に変化します。
『LoL』がリリースされたその時から存在するこの「IE」ですが、14年の歴史を振り返っても歴代最強のステータスであり、変更予定が発表されてから世界中のプレイヤーが震撼しています。
現状でもすでに強力なジンクス・ジンはもちろんのこと、ガングプランクやトリンダメアといった近距離クリティカルチャンピオンもこのアイテムでのパワー増加が見込まれます。価格こそ値上がりしましたが、攻撃力が15も上がっているのでお釣りがくるような状態です。
……この「IE」のせいか、他の通常攻撃型や脅威型マークスマンは緩やかにメタから死滅していくように感じます。それほどまでにインパクトのあるアイテムになりました。
以上がパッチ14.10の先取り速報になります!
非常に変更点が多く、すべてにふれることができませんでしたが、総括すると『ボットレーンメタが加速する』というのが僕個人としての意見です。
マークスマンアイテムは賛否両論あれど、少しバフ寄りに着地しそうですし、システム面では経験値のバフも大きいです。依然として環境はエンチャンターが強力ですし、「ゼファー」や「IE」を見るとわかるとおり、マークスマンがゴールドを持つことによる価値が非常に大きくなっています。
ことマークスマンのプールに関しては格差がより大きくなりそうです。「エッセンスリーバー」「スタティックシブ」の変更でエズリアル・ゼリらは憂き目に遭う一方で、ジン・ジンクス・アッシュはよりその強さに拍車をかけていくことが予想されます。ADCメインの皆さんはメタチャンピオンをよりうまく使えるようにしておきましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました。それでは、次のパッチ14.11編でお会いしましょう!
パッチノート14.10
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-14-10-notes/
パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/tags/patch-notes/
2024 Riot Games, Inc. Used With Permission
さて、今回も『LoL』リードゲームプレイデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏が公開されているパッチ14.10での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします!
※なお、今回はMatt氏が調整予告を発表していない部分も多かったため、『LoL Times』様の記事を参考に執筆しています。ご助力いただきありがとうございました。
パッチ14.10調整内容(予定)
日本時間2024年5月15日(水)に配信予定のパッチノート14.10は、2024シーズンのスプリット2移行に際して、大量のシステム変更が行われます。
主な変更点は以下の通りです。
チャンピオンバフ
- チョ=ガス
- カ・サンテ
- セト
- トリンダメア
- ヴィエゴ
チャンピオン調整
- コーキ
- スカーナー
- ヤスオ
- ヨネ
システムバフ
- ミニオンから獲得する経験値量
- 連続デス時のシャットダウンゴールド
システム調整
- マークスマンアイテムを中心に大量のアイテム
- 大量のルーン
アイテム・ルーン・サモナースペル調整内容(LoL Times)
チャンピオン調整内容(LoL Times)
シーズン開幕ぶりの大量変更ですが、順を追って見ていきましょう!
ルーンの大量削除
最上段のルーンである「キーストーン」を含めた大量のルーンに変更が入ります。まずは削除されるルーンから。
削除されるルーン
<キーストーン>
<サブルーン>
<キーストーン>
- リーサルテンポ(栄華)
- プレデター(覇道)
<サブルーン>
- オーバーヒール(栄華)
- レジェンド:強靭(栄華)
- 巧妙な賞金首狩り(覇道)
- 先行投資(天啓)
- ミニオン吸収装置(天啓)
共通して言えるのは『エリート帯以上で強力だが、平均レート以下では効果を実感しにくかった一癖あるルーンたち』と言えるでしょう。「オーバーヒール」「ミニオン吸収装置」らはそもそもの運用が難しく、上級者以外はうまく活用できていませんでした。
また、「リーサルテンポ」の削除も思い切った変更です。このルーンの問題点は最大スタック時の局所的なパワースパイクであり、ヤスオ・ヨネ・ジンクスらの驚異的なパワーを後押ししていました。
このルーンを持つことで攻撃速度アイテムを踏み倒せる点も問題でした。小規模なリワーク後はこのシーズンを通して、”歪なパワースパイクを迎えるキーストーン”として位置し、序盤の攻撃速度をナーフさせ様子を見ていましたが、とうとう手に余ると判断し削除に踏み切ったようです。
今後、愛用チャンピオンたちは調整された「プレスアタック」や「フリートフットワーク」へ移行すると思われます。
プレスアタック : 調整
- 追加基本ダメージが[40 – 180]から[40 – 160]に低下。
- クールダウンが発動後から6秒から[ 非戦闘状態から6秒 ]に変更。
- 「無防備」の持続時間が[6秒 + 対象へのAAによって更新される]から [5秒 + チャンピオンとの戦闘状態であれば更新され続ける]に変更。
- 追加基本ダメージが[40 – 180]から[40 – 160]に低下。
- クールダウンが発動後から6秒から[ 非戦闘状態から6秒 ]に変更。
- 「無防備」の持続時間が[6秒 + 対象へのAAによって更新される]から [5秒 + チャンピオンとの戦闘状態であれば更新され続ける]に変更。
フリートフットワーク : 調整
- 基本体力回復の数値が[10 - 130]から[8 - 110]に低下。
- 移動速度上昇の持続時間が1秒から1.25秒に増加。
- 基本体力回復の数値が[10 - 130]から[8 - 110]に低下。
- 移動速度上昇の持続時間が1秒から1.25秒に増加。
あるいは調整据え置きの「征服者」になりますが、いずれにせよキーストーンから大量に獲得していた攻撃速度はもうなくなるため、「リーサルテンポ」に依存していたチャンピオンのアイテム動向には注視が必要です。
大量のアイテム変更
非常に多くのアイテムに変更が入ります。すべてを見ていてはこの連載記事では扱いきれないほどの量なので、まずは削除されるアイテムから!
削除されるアイテム
- コラプトポーション
- モビリティブーツ
- キルヒアイスシャード
- ストームレイザー
- アナセマチェイン
ごく少数のユーザーしかいなかった「コラプトポーション」「モビリティブーツ」に加え、攻撃力型ビルドのルブラン等、ある種悪いメタを助長してしまっていた「キルヒアイスシャード」が削除。
これらは概ね納得でしょう。「スタティックシブ」の復活とタンクアイテムの多様化に伴い「ストームレイザー」
「アナセマチェイン」はデザイン上の問題があるのも頷けます。
また、ブーツ系のアイテムにおよそ8年ぶりのアップデートが入ります。
[新] 共生靴底
- 合計価格:900 ゴールド
- 移動速度:+35
- 固有効果:リコールがパワーアップ(バロンバフと同様にリコール詠唱時間が4秒になりベースに戻った際移動速度8秒間50%増加)
- クエスト:150000ユニット走行後、シンクロナイズド ソウルにアップグレード
- 合計価格:900 ゴールド
- 移動速度:+35
- 固有効果:リコールがパワーアップ(バロンバフと同様にリコール詠唱時間が4秒になりベースに戻った際移動速度8秒間50%増加)
- クエスト:150000ユニット走行後、シンクロナイズド ソウルにアップグレード
[新]シンクロナイズド ソウル
- 移動速度:+45
- 固有効果:リコールがパワーアップ
- 固有効果:非戦闘時の移動速度が45増加する。
- 移動速度:+45
- 固有効果:リコールがパワーアップ
- 固有効果:非戦闘時の移動速度が45増加する。
実質的な「モビリティブーツ」のリワーク先となるこのアイテムですが、かなり強力と言えます。
『900ゴールドでバロンリコールが手に入る』というのは、サポートのしきりにリコールを繰り返すプレイを可能にしますから、このアイテムがあればローム先としてトップレーンを選定することすら容易になると言えるでしょう。元からロームが得意なバードやスレッシュ、パイクらはこのアイテムから強烈なチャンスメイクを可能にすることでしょう。
中盤以降はワードの補充に際してリコールを多く行うのがサポートなので、このアイテムは彼らにとって必須のアイテムとなるに違いありません。
クエストの「150000ユニット分の走行」も概ね7~10分程度で達成可能な数値なので、よりマップ全体を駆け回る支配的なプレイングが可能になります。
また、既存の靴にも変更点があります。
[新] ゼファー (バーサーカーブーツから進化可能)
- レベル15になると購入可能になる。
- 合計価格:3100 ゴールド
- 攻撃速度:45%
- 移動速度:+45
- 固有効果:通常攻撃命中時に6秒間、5%の移動速度を付与する。(最大3スタック)
- レベル15になると購入可能になる。
- 合計価格:3100 ゴールド
- 攻撃速度:45%
- 移動速度:+45
- 固有効果:通常攻撃命中時に6秒間、5%の移動速度を付与する。(最大3スタック)
プレート スチールキャップ : 調整
- 合計価格が1100ゴールドから1000ゴールドに低下。
- 物理防御の数値が25から30に増加。
- 固有効果のタワー以外の通常攻撃による被ダメージ低減が12%から8%に低下。
- 合計価格が1100ゴールドから1000ゴールドに低下。
- 物理防御の数値が25から30に増加。
- 固有効果のタワー以外の通常攻撃による被ダメージ低減が12%から8%に低下。
スーパーレイトゲームになった際にブーツをコアアイテムに買い替えるのはたまにありますが、今後はADCの場合、この「ゼファー」にアップグレードすることになります。
得られるステータスも素晴らしく、このアイテムを押しのけて他のアイテムを買い替えることはまずないでしょう。
「プレート スチールキャップ」の変更はこのアイテム単品で通常攻撃主体チャンピオンをカウンターし過ぎている側面から、かと思われます。12%ものダメージをカットしていたのでトップレーンでは必須クラスとなり、タンクがこのアイテムを採用すれば難攻不落となりがちでした。
その通常攻撃の耐性を失いながら、物理防御と価格の補填を受けた形になります。引き続きtopでは採用されそうではありますが、以前ほど支配的なファーストアイテムにはならないでしょう。
シェア経験値増加とジャングルの憂い
また、このパッチ14.10から経験値シェアボーナスに変更が入ります。ミニオンから得られる経験値:バフ
- グループで分配する場合の経験値が[116%の基本XP ÷ 分配人数]から[124%の基本XP ÷ 分配人数]に増加。
- グループで分配する場合の経験値が[116%の基本XP ÷ 分配人数]から[124%の基本XP ÷ 分配人数]に増加。
このゲームではミニオンから得られる経験値は「元の値から50%の折半」ではなく、折半する前の経験値にボーナスがかかった状態から等分される仕様です。そのボーナス分の数値にバフが入るため、今後はボットレーンのレベルの遅れが少なくなります。
これは相対的にジャングル自体のレベル低下が免れない点も見逃せません。共にミニオンをプッシュする動きがなくては、ADCにすらレベルが負ける局面出てきてしまう、ジャングル冬の時代が到来しようとしています……。
マークスマンアイテム
このパッチで最も注目したいのはやはりマークスマンアイテムでしょう。変更量が長大なので別項として解説します。
もっとシンプルに。長時間戦闘と速度アップ
全体的にアイテムはより「簡素な」性能に作り替えられます。これは固有効果が取り除かれたり、据え置かれても複雑な効果がなくなるといった意味合いです。デザインとしては回帰に近いアイテムもよく見られ、これはアイテムから得られる効果をより実感しやすく、シンプルなビルドを促す狙いがあるようです。
例えば「ブラッドサースター」と「ファントムダンサー」。
ブラッドサースター:調整
- レシピ:B. F. ソード + ピッケル + ヴァンパイア セプター + 325ゴールド
- 攻撃力が55から80に上昇。
- [削除]クリティカル率20%。
- [削除]固有効果『飽満』……体力が70%を上回っていると、攻撃力が10~40(Lvに応じて増加)増加する。
- [新] 固有効果『イコルシールド』:ライフスティールによる余分な回復をオーバーシールドに変換する。
- レシピ:B. F. ソード + ピッケル + ヴァンパイア セプター + 325ゴールド
- 攻撃力が55から80に上昇。
- [削除]クリティカル率20%。
- [削除]固有効果『飽満』……体力が70%を上回っていると、攻撃力が10~40(Lvに応じて増加)増加する。
- [新] 固有効果『イコルシールド』:ライフスティールによる余分な回復をオーバーシールドに変換する。
ファントム ダンサー:調整
- レシピ:ダガー + ジール + ダガー + 900ゴールド
- 合計価格が3000から2600ゴールドに低下。
- 攻撃速度が30%から60%に増加。
- クリティカル率が20%から25%に増加。
- 移動速度が10%から12%に増加。
- [削除] 攻撃力40。
- 固有効果『幽霊のワルツ』……発動時に攻撃速度が増加しなくなるように変更(ゴースト化のみ据え置き)
- レシピ:ダガー + ジール + ダガー + 900ゴールド
- 合計価格が3000から2600ゴールドに低下。
- 攻撃速度が30%から60%に増加。
- クリティカル率が20%から25%に増加。
- 移動速度が10%から12%に増加。
- [削除] 攻撃力40。
- 固有効果『幽霊のワルツ』……発動時に攻撃速度が増加しなくなるように変更(ゴースト化のみ据え置き)
以前はどちらも条件付きでステータスが変化し、立ち位置としても微妙な状態でした。
アイテムコンセプトとしての”長時間の戦闘力”と”多くの攻撃速度と移動速度”をより明確に得るデザインとなったため、プレイヤーはこれらのアイテムをより効果的に採用することができます。
特に「ブラッドサースター」のこの変更はドレイブンプレイヤーにとっては吉報でしかないでしょう。いわゆる『血剣初手ドレイブン』の機運が界隈ですでに高まっています。
なんとも懐かしい響きです。他にも前述の「リーサルテンポ」の削除を受け、序盤に大量の攻撃速度を獲得するべく「ファントムダンサー」への初手需要は高まると予想されます。
より最適化されたアイテム
一部アイテムは多くのチャンピオンのニーズに応えようと歪なデザインとなっていました。以前のシステムであるミシックアイテムだったものは特にこの傾向が強かったため、それらを解消する狙いとしてより最適化するように変更されるようです。該当アイテムは「クラーケンスレイヤー」「エッセンスリーバー」。
クラーケンスレイヤー:調整
- レシピ:レクトリクス + ハースバウンド アックス + リカーブ ボウ + 200ゴールド
- 合計価格が3000から3100ゴールドに増加。
- 攻撃力が40から50に増加。
- 攻撃速度が35%から40%増加。
- [新] 移動速度7%
- [削除] クリティカル率20%。
- 固有効果『打倒』……同じ対象に対して[6秒以内に連続で発動するとダメージが50%ずつ増加する]から[対象の減少HPに応じて増加する(最大50%)]に変更。
- レシピ:レクトリクス + ハースバウンド アックス + リカーブ ボウ + 200ゴールド
- 合計価格が3000から3100ゴールドに増加。
- 攻撃力が40から50に増加。
- 攻撃速度が35%から40%増加。
- [新] 移動速度7%
- [削除] クリティカル率20%。
- 固有効果『打倒』……同じ対象に対して[6秒以内に連続で発動するとダメージが50%ずつ増加する]から[対象の減少HPに応じて増加する(最大50%)]に変更。
エッセンスリーバー:調整
- レシピ:B. F. ソード + コールフィールド ウォーハンマー + アジリティ クローク + 200ゴールド
- 合計価格が2900から3200ゴールドに増加。
- 攻撃力が60から65に増加。
- クリティカル率が20から25%に増加。
- スキルヘイストが20から25に増加。
- [削除] 固有効果『追撃』
- [新] 固有効果『エッセンスドレイン』……通常攻撃命中時、15 + (増加攻撃力の10%)のマナを回復する。
- レシピ:B. F. ソード + コールフィールド ウォーハンマー + アジリティ クローク + 200ゴールド
- 合計価格が2900から3200ゴールドに増加。
- 攻撃力が60から65に増加。
- クリティカル率が20から25%に増加。
- スキルヘイストが20から25に増加。
- [削除] 固有効果『追撃』
- [新] 固有効果『エッセンスドレイン』……通常攻撃命中時、15 + (増加攻撃力の10%)のマナを回復する。
「クラーケンスレイヤー」はミシックアイテムとして実装され、長らく通常攻撃時型・クリティカル型マークスマン両方から支持を集めてきたアイテムでした。
ミシックアイテムとしての役目を終えた後は、全体的なパワーダウンを行った後に普通のアイテムとして収まりましたが、元々が強力なミシックアイテムなだけあり、チャンピオンからのシェアを獲得しすぎるか、あるいは見向きもされないかの二極化が続いていました。
そんな中で今回はクリティカル率を削除し、通常攻撃時型マークスマン専門のアイテムに変化を遂げます。その際、移動速度を獲得するようになることで、サモナースペル「ゴースト」への依存度も下げたい狙いもあるとのこと。
クリティカルを必要としないコグ=マウにとってはこのアイテムを軸にビルドを進めた時に、移動速度が確保されているのはうれしい点です。
また、「エッセンスリーバー」に関してはスキル使用後に次の通常攻撃命中時に効果が発動する「追撃」という固有効果が削除され、一昔前と似た通常攻撃時にマナが回復する効果に変化します。
この効果のせいで、このアイテムはエズリアル・スモルダー・ガングプランクの3名以外はほとんど採用していないニッチなアイテムとなっていたため、当然と言える処置でしょう。
今後はスキルヘイストと攻撃力をより獲得するようになるため、スキルに高い攻撃力反映率を持つジン・ザヤ・シヴィアあたりの採用が見込まれます。ヴァルス・アッシュもメタによっては活用ができそうなので、非常に「開か
れた」いいアイテムになることでしょう。
歴代最強。「インフィニティ エッジ」
最後に最も注目したい「インフィニティ エッジ」の変更にふれようと思います。インフィニティ エッジ:調整
- 合計価格が3300から3400ゴールドに増加。
- 攻撃力が65から80に増加。
- クリティカル率が20から25%に増加。
- 合計価格が3300から3400ゴールドに増加。
- 攻撃力が65から80に増加。
- クリティカル率が20から25%に増加。
通称「IE」と呼ばれるこのアイテムは、クリティカルビルドにおける核を担うアイテムです。それがこのたびの調整を受け、非常にインパクトのある数値に変化します。
『LoL』がリリースされたその時から存在するこの「IE」ですが、14年の歴史を振り返っても歴代最強のステータスであり、変更予定が発表されてから世界中のプレイヤーが震撼しています。
現状でもすでに強力なジンクス・ジンはもちろんのこと、ガングプランクやトリンダメアといった近距離クリティカルチャンピオンもこのアイテムでのパワー増加が見込まれます。価格こそ値上がりしましたが、攻撃力が15も上がっているのでお釣りがくるような状態です。
……この「IE」のせいか、他の通常攻撃型や脅威型マークスマンは緩やかにメタから死滅していくように感じます。それほどまでにインパクトのあるアイテムになりました。
まとめ
- システムに大幅な調整
- アイテムにも大幅な調整
- クリティカルアイテムがより強力に
以上がパッチ14.10の先取り速報になります!
非常に変更点が多く、すべてにふれることができませんでしたが、総括すると『ボットレーンメタが加速する』というのが僕個人としての意見です。
マークスマンアイテムは賛否両論あれど、少しバフ寄りに着地しそうですし、システム面では経験値のバフも大きいです。依然として環境はエンチャンターが強力ですし、「ゼファー」や「IE」を見るとわかるとおり、マークスマンがゴールドを持つことによる価値が非常に大きくなっています。
ことマークスマンのプールに関しては格差がより大きくなりそうです。「エッセンスリーバー」「スタティックシブ」の変更でエズリアル・ゼリらは憂き目に遭う一方で、ジン・ジンクス・アッシュはよりその強さに拍車をかけていくことが予想されます。ADCメインの皆さんはメタチャンピオンをよりうまく使えるようにしておきましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました。それでは、次のパッチ14.11編でお会いしましょう!
パッチノート14.10概要(5月15日正式公開)
パッチノート14.10
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パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
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2024 Riot Games, Inc. Used With Permission
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