【連載】ねむしの『LoL』2024シーズン パッチノート先取り速報

【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.24編】小規模ながら格差是正に動くパッチ。ビクターのアップデートと、連続でバフを受ける“剣客”が環境に忍び寄る……?

2024.12.10 ねむし
こんにちは! 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のライター、ねむしです。

さて、今回も『LoL』リードゲームプレーデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏が公開されているパッチ14.24での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします! 


パッチ14.24調整内容(予定)


日本時間2024年12月11日(水)に配信予定のパッチノート14.24は、小規模ながら格差の是正に動くパッチになりそうです。主な変更点は以下の通りです。


チャンピオンバフ
  • マスター・イー
  • レル
  • ランブル
  • トゥイッチ
  • ユーミ

チャンピオンナーフ
  • アンベッサ
  • コーキ
  • エリス
  • グレイブス
  • ルブラン
  • ムンド
  • リヴェン
  • スウェイン
  • タロン

チャンピオン調整
  • ビクター
  • ワーウィック
  • ポッピー



広がる格差社会





ここ数パッチは安定的で多様性の高いメタが続いていましたが、面白いものでこのゲームは安定的な環境が成熟にするにつれ、チャンピオンの性能に格差が生まれる傾向にあります。

理由としては『プレーヤーが強い戦略を“知る”』からです。2週間に1度というオンラインゲーム業界きっての超高速の環境変化があるタイトルですから、水面下で広がっている情報戦の存在は、ある程度このゲームに慣れ親しんだ方なら心当たりがあるのではないでしょうか。

その情報戦も長く続けばもう落ち着くというもの。現状のサモナーズリフトでは、強かったチャンピオンはより強く、弱かったチャンピオンは蚊帳の外に置かれている状態で、特に後者がひどい状態にあると考えています。

そんな格差を埋めることが急務かと思いますが、2024年シーズン最後のパッチだけあって今回は小規模な内容。年末年始の『LoL』は強いチャンピオンをただ扱えるだけでなく、どれほど上手に運用できるかが試される環境になりそうです。


進化する「機械文明の先触れ」





ネットフリックスのアニメ『アーケイン』でも大活躍しているビクターにビジュアルアップデートが入ります!

よりクールな姿やスキルエフェクトに加え、性能にも調整が入るようです。


ビクター:アップデート

- パッシブのキルした時に入手するへクステックフラグメント
  大砲ミニオン:5 → 10
  敵チャンピオン:25 → 20
- Qの基本シールド量:25 - 105 → 40 - 115
- Wの不安定なスタン発動時間の修正:1.1秒から2秒(通常は1.1秒に近いが、時々スタンしない場合がある)ではなく、常に1.25秒後にスタンするように変更。
- Eのマナコスト:70 - 110 → 60 - 100
- [新] Rは敵チャンピオンをキル/アシストを獲得する度に効果範囲が40%拡大し、効果時間が3秒延長されるように。


彼はよくアップデートされる類のチャンピオンですが、『アーケイン』により拡充された彼のファンタジーをいかんなく反映したこのデザインであれば、もう大きく変わることはないでしょう。

総括から言うと明らかなバフ調整です。しかも、相当なアッパー調整であり、彼がメタに上がるのは必至と言えるでしょう。やや強気にも見えるこの盛り方は『アーケイン』も加味してのことでしょうか。個人的には彼と行うレーン戦ほど苦しいことはないので億劫ではあります。

……さて、順を追って見ていきましょう。




まず目を引くのはパッシブです。ここは彼の「人類を進歩させる情熱」を表現するため、何度も変更されてきた項目で、現状のビクターはファームよりアグレッシブに動くことによる報酬が多いデザインでした。

しかし(ややコアな話で恐縮ですが)昨今の『LoL』では彼より中盤で強力なチャンピオンが多く、概ねEを活用したファームに甘んじる展開になっていました。最序盤と終盤が強力な代わりに、中盤が弱点のチャンピオンであり、それが攻撃的に動くと報酬を与えられるパッシブとややミスマッチを起こしていたと言えるでしょう。

そのような中で、新ビクターは大砲ミニオンによるパッシブ獲得が大きく増加し、敵チャンピオンのキルの場合は少し低下しました。この変更はファームにより確実に強くなっていくという内容であり、今までよりファームを主体に動くことで成果が出やすくなるでしょう。




アクティブスキルの方に目を移せば、ご覧の通り全スキルにわたりバフが適用されています。まさに至れり尽くせりです。

Wは珍妙な効果を持っていたスキルの1つで、範囲内に入ったチャンピオンにスタックを付与し、そのスタック数が「3」になるとスタンを与える効果でした。このスタックが増える速度と開始する時間が独特で、スタンするか否かが不安定な側面がありました。それを修正し、基本的には入場したチャンピオンは安定して1.25秒後にスタンするようにしたわけです。

彼が持つ最も強力な自衛手段であり、このスキルが安定化したことは非常に大きいと言えます。イレリアヤスオを相手にする上で、このスキルのスタンが発動するかどうかは重要な要素でしたから。

Rの範囲が拡大する効果も見逃せません。同じようにスタックを集めていくタイプのチャンピオンであるオレリオン・ソルスモルダーでももっぱらトレンドである範囲拡大を、敵チャンピオンのキル/アシストで発動するようにしたのは、『アーケイン』でのある事象を再現していて素晴らしいと思います。

性能面においても、ビジュアル面においても、多くのプレーヤーを魅了するのは間違いありません。彼の華々しいデビューを見届けましょう!


「下剋上だぜ」




全体で見れば小規模な内容のパッチですが、パワーがめっきり落ち込んでいるチャンピオンたちにはしっかりとした救済が。


マスター・イー:バフ

- Qのクリティカル率に応じた増加ダメージ:35% → 56.25%
(「インフィニティ エッジ」所持時のダメージ:49% → 86.25%)

レル:バフ

- 基本体力:610 → 640
- 2つ目のパッシブによる防御力奪取率:2%(最小値1-2) → 3%(最小値1.5-3)
- Wのシールド量:15-115 + 最大体力の12% → 25-125 + 最大体力の13% 


特に注目すべきはこの2人。まずはマスター・イーから見ていきましょう。

彼は前回のパッチ14.23でもバフを受けており、すでに勝率が50%を超えています。今の彼は低レートではなく、ダイヤモンド以上で勝率を伸ばす傾向にあり、その帯域だと53%を算出している統計サイトもあるほどの勢いです。


マスター・イー:バフ(パッチ14.23にて既に実装済み)

- Rの増加攻撃速度:25 - 45% → 25 - 65%


環境的にもメタであるグレイブス/カ=ジックス/ヴィエゴといったチャンピオンを相手取るのが得意な上に、苦手とするAP(魔力系)チャンピオンはめっきり下火な状況。天敵だったエリスにナーフが入り、確実に彼の時代は来ると言えます。




現状は「ルインドキングブレード」を活用した通常攻撃型ビルドですが、ここまで推されてはクリティカルビルドを開発しないワケがありません。使い手たちのビルド開拓が楽しみです!


また、長らく深淵をさまよっていたレルにもしっかりとしたバフが入ります。

彼女の場合はジャングルで運用されていた経緯もあり、そもそものプレーヤーベース数、つまり土壌が醸成されています。彼女を扱えるプレーヤー自体が多いのですから、流行の兆しは見えてもおかしくありません。




以前メタだった時より、天敵であるポッピーをあまり見なくなった、というのも大きいでしょう。十二分にパワーのあるピックになると予想できます。一度コンボを覚えてしまえば簡単な部類のチャンピオンなので、これを機に練習してみてはいかがでしょうか?


栄枯盛衰




それに対して、鉄槌を食らってしまう2人をご紹介。


タロン:ナーフ

- 基本魔法防御:39 → 36
- パッシブの中立モンスターへの追加ダメージ:120% → 110%

ポッピー:調整

- 基本物理防御:38 + レベルアップごとに4.7 → 35 + レベルアップごとに5
- Qの基本ダメージ:40-120+増加攻撃力の0.9 → 30-130+増加攻撃力の1.0


まずタロンですが、彼の大きな特徴の一つであった魔法防御が低下します。実は彼、レベル1段階では全チャンピオン中1位の基本魔法防御力を持っており、これがあるためにメイジやタンクの魔法ダメージをある程度耐えることができました。

特にエコー/サイラスらと対戦する際にはこの特徴が輝き、彼らにダメージトレードで有利に立ちやすかったわけです。

しかし、その数値を3ポイントも落とされては強みとも言いづらくなります。レーニングにおいては苦しいことは間違いないですし、中盤以降でも、不意の魔法ダメージにより疲弊する場面が増えてくることでしょう。




とはいえソロキューに適性の高いチャンピオンですので、まだまだ活躍の場はあると思います。より使い手の力量を問うパワーに落ち着いていくことでしょう。


ポッピーに関しては、「調整」という名目でサポートでの濫用を抑え込み、トップでの活躍を広げさせたい狙いの調整です。つまり、レベルが上がりにくいサポートで活用していた基本ステータス/ダメージは低下させ、レベルが高くなるトップで得をするためにレベルアップごとの報酬を増やした形。

しかし、この内容だと基本的な値を下げすぎです。

そもそも彼女のトップ運用は非常にシビアであり、レーン戦を行う上で難しい対面が何体も存在しています。基本的な数値がここまで下がってしまうと、ダメージトレードの難易度も上がりますし、そもそもレベルを上げるためのファームが行えなくなってしまいます。




この変更後、かなり厳しい対面‥…例を挙げるとすればダリウスやマオカイ相手にどのようにレーン戦を行っていくのかは疑問が残ります。ファイターアイテムをビルドしやすいジャングル運用が最も得をする形かもしれませんが、今の環境のジャングルで活躍できるほどとも思えず。間違いなく現状と変わらない、パワー不足なチャンピオンになってしまうでしょう。


まとめ


  1. 2024年最後のパッチだけに、小規模な調整。
  2. ビクターとマスター・イーはややアッパー気味。彼らが旬と明確に言える。
  3. 格差是正のため、沈みすぎたチャンピオンにはしっかり救済。

以上がパッチ14.24編のまとめになります。

2024年最後のパッチであり、次のパッチでは多くの変更があることが明らかなため、やや控えめになりそうですね。個人的には年末年始はまったりしたいので、忙しい変更がないのはありがたかったりします(笑)。

ここまで読んでいただきありがとうございました。次のパッチ15.1編(数字の呼び方も変わるそうです)は年明けの実装ですが、本企画の特別編として年内に公開予定です! 公開まで今しばらくお待ちくださいね。

またお会いしましょう!


パッチノート14.24概要(12月11日正式公開)




パッチノート14.24 ※12月11日以降に公開予定
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-14-24-notes/

パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/tags/patch-notes/


2024 Riot Games, Inc. Used With Permission
【連載】ねむしの『LoL』2024シーズン パッチノート先取り速報
eSports World の
Discord をフォローしよう
SALE 大会 チーム 他にも...? 他にも

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます

コラム VIEW ALL