【連載】ねむしの『LoL』パッチノート先取り速報
【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ25.S1.5編】 退屈なプロシーンとおさらば? “レーンスワップ封じ込め作戦”始動。もはや恒例のポッピー/ユン・タルの調整に加え、「気迫」に大幅なバフも!
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こんにちは! 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のライター、ねむしです。
さて、今回も『LoL』リードゲームプレーデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏が公開されているパッチ25.S1.5での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします!
日本時間2025年3月5日(水)に配信予定のパッチノート25.S1.5は小規模ながらパフォーマンスの高すぎるチャンピオンを弱体化させ、システム面に多く調整を盛り込む内容となっています。主な変更点は以下の通りです。
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「レーンスワップ戦術」とは、トップとボットのレーナーを入れ替え、ボットレーンの苦しいレーン戦を疑似的にスキップしたり、トップレーナーを封じ込める目的で活用される戦術です。チームメイト全員の高度なコミュニケーションが必要とされ、前提となる知識も多いためプロシーンでしか活用されない戦術でもあります。
昨今、このレーンスワップが問題になっているようです──とはいえ、この戦術の初出はさかのぼること12年も前、シーズン3の時代です。『LoL』の歴史とともにこの戦術は時折台頭しては、自然に廃れたり、あるいはアップデートで是正され、そしてまたどこかのプロチームが活用しだすと主流になる……そんな戦術でした。
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そんな賛否両論(?)ある戦術に抜本的な対策が入ります。このゲームを始めて9年にもなりますが、ここまでの対策が施されるのは初めてです。本気でこの戦術を封じにきた──そんな気概を感じる調整です。
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まさに徹底的としか形容できないレベルの内容で少し笑えてきます。突然レーンスワップを親の仇ほど憎らしくなったのでしょうか……。
この戦術がメタになったプロシーンは、基本的に序盤のアクションが希薄になる傾向にあります。レーン戦の勝利や小規模戦に応じてジャングルが流動的に動くのが常なところを、基本的にはトップ/ボットはそれぞれ2対1/1対2の関係になるため、自動的にレーン戦の勝敗は決します。つまり、そこにレーン戦の技術は介在せず、ジャングルも勝った側のサイドで活動するだけになってしまうのです。
この「すべて織り込み済み」の試合開始〜10分間が退屈で仕方がないという声も一定数あるのは確かで、レーンスワップメタがしばらく続くと展開はさらにルーティーン化されていきます。どの試合も序盤の展開が定番化してしまうので、興行的には盛り上がりに欠けると言えるでしょう。
ですが、このナーフが来た場合、実質レーンスワップという戦術は実行不可能になるため、通常のレーン戦が展開されるようになります。戦術多様性より興行的な面を優先した形ですが、個人的にはこの先まったくレーンスワップ戦術が見られなくなるというのも少し寂しいような。
とはいえ、初心者さんがプロの試合を見た時に、自分がプレーしている『LoL』とあまりにかけ離れていてはとっつきにくいですし、仕方がないですね……!
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ここ最近のバランスチームはポッピーサポートの調整に随分と悩まされています。ユーザー側も慣れてきたとはいえ、以下のような理由から彼女のパワーは依然として高いままです。
まさに環境に恵まれたチャンピオンと言えますし、彼女がよく活用する「ヘイルブレード」も先日バフを受けたばかり。当然、プロシーンでも現環境を形作る代表チャンピオンとなっています。
バランスチームも長らく、このロールに居座る彼女をなんとかしようとしてきました。ジャングル向けの調整を行ったり、古巣であるトップでレーン戦をしやすくしたり……。結果は芳しくなく、引き続き彼女の調整には苦心していきそうです。
彼女の調整の難しいところは「基本ステータスと基本ダメージの調整弁で解決しないところ」です。
基本的にサポートは最もレベル上昇が遅れるロールのため、基本的な値を低下させて、成長率を上昇させることで他ロールへ移行させることができます。
しかし彼女の場合、基本ステータスがなければレーン戦が行えない特殊なスキルセットをしています。特にトップレーンでは顕著で、ダッシュスキルがない代わりに強烈な戦闘能力を持つチャンピオンたち、例えばワーウィック/ダリウス/ガングプランクといったチャンピオン相手に、苦戦を強いられてしまうのです。
性質上、彼ら相手にはQとEしか戦闘に活用することができず、サモナーズリフトのマップ改変により壁が遠くなってしまったため、いわゆるEの壁ドンがしづらいのも向かい風です。そうなるとやはり基本的な値がなければミニオンのラストヒットすら取るのも難しくなってきます。
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細かくもボリュームある変更が立て続けに入っており、この変更で彼女がどういう立ち位置になるのかは正直未知数です。ジャングルとしての活躍はかねてから見越していますが、こちらも魔力型ジャングラーにカウンターが多く存在し運用が難しいのも事実。
タンクアイテムのナーフも入った後で、Eは増加攻撃力割合がアップしているため、「妖夢の霊剣」や「サンダードスカイ」を活用した攻撃力型ポッピーがジャングルやトップで見られるようになりそうです。
こういったいろいろな意味で話題のチャンピオンは、さわってみると発見があって面白いのでオススメです。操作難易度が低くとっつきやすいのも、私が彼女を推すポイントになっています!
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ルーン/アイテムなどのシステム系の調整も見逃せません。まずはアイテムから見ていきましょう。
「フロー ウォーター スタッフ」に関しては少し的外れな強化という気も。元々のアイテムデザインから奇妙な点も引っ掛かります。
味方チャンピオンに回復/シールド効果を付与すると、その対象と自身にバフをもたらすアイテムですが、以前は魔力とスキルヘイストを付与していました。が、パッチ14.1でスキルヘイストの代わりに移動速度になり、パッチ14.19にはその移動速度すら削除され、今や魔力を双方に付与するだけのアイテムです。
大前提として、このアイテムはそもそも魔力を使うエンチャンターが使用するアイテムですが、魔力+αだったものが魔力のみになると、以下のようにさまざまなアイテムデザイン上の問題が浮上します。
とはいえ、魔力のみになったことから上昇量は増えており、瞬間的とはいえ45もの魔力を増加させるのはユニークなポイントです。その魔力を得ている効果時間も4秒から6秒に増えるともなれば、増加分の魔力を活用しやすいですね。
セラフィーンやナミはこのアイテムをよく活用していたので、彼女らの選択肢が広がったとみてもいいと思いますが、この2人以外での起用はほぼ見込めない、非常にニッチなアイテムのままとみて間違いないでしょう。
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一方で「ユン・タル ワイルドアロー」のバフも相も変わらずといった調子。本当にこのアイテムをプッシュしてきますね(笑)。
通常攻撃のたびにクリティカル率を増加させていくユニークな機構を持ち、攻撃速度と攻撃力を両方兼ね備えた上、3000ゴールドぽっきりで買える。アイテムアイコンに「最初に積んでくれると本当にコスパがいいよ!」と書いてあるようです。
しかし今の『LoL』は1コアでのパワースパイクは生かしきれない側面があるため、この特徴だけでは他アイテムに勝てないのも事実。また、素材アイテムである「B.F ソード」が1300ゴールドと高いのもなんとも苦しい。段階的に試されているアイテムではあるものの、流行の兆しはまだまだ見えず、絶妙な立ち位置となっています。
今回のバフでは獲得していくクリティカル率が早まるため、より1コアでのパワースパイクという特徴が際立つカタチですが、どの近距離クリティカル系チャンピオンもこのアイテムを採用した場合の勝率が低く出ているのが悲しい。残念ながらこの程度のバフでは環境アイテムとはなれないでしょう。
ルーンの方も調整が多く、特に「気迫」というルーンの変更には要注目です。
「アクシオム アルカニスト」は当然の処置としか言いようがなく、このルーンを活用したチャンピオンは勝率を伸ばし過ぎです。明らかにルーンだけで手に入るパワーをしていませんし、アルティメットスキルに絡むルーンやアイテムは多く、相乗効果も計り知れません。
「第六感」は競合相手である「ディープワード」にパワー負けしているイメージです。このバフは確かに素晴らしい内容ですが、ジャングルにおけるメジャーな選択肢にはまだまだなりえないと考えます。
そして「気迫」。このルーンはスロウを含めた全CCを受けている間、耐久値が増加するという効果ですが、あまりに数字が低いため、同じ段にある「超成長」「生気付与」に競合できずにいました。
しかし今やその数字も序盤から改善され、レーン戦でのトレードからチームファイトまで活躍できるルーンになります! 特に序盤の上昇値が4も上昇したのは非常に大きく、ダメージトレードに少しでもCCを含むチャンピオン相手には有効と言えます。
特にトップレーンはその傾向が強く、盛んにダメージトレードが行われるため、「ボーンアーマー」及び「息継ぎ」と組み合わせたこのルーンは新たなトップレーンでのトレンドになる可能性があります……!
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他にも、タンクサポートはこのルーンを取らない理由がありません。レベルが最も低いにもかかわらず耐久性を確保しなければならないサポートにとって、低レベル時の数値が大幅に増加するからです。
つまり、間接的に彼らのバフになっている点も見逃せません。まだまだルルやナミが強力ですが、タンクサポートへの風は少しずつ吹いてきていると言えるでしょう!
以上がパッチ25.S1.5の先取り特報になります!
しばらく大きな変更が続いていたものの、今回は調整弁を少しひねるくらいで落ち着きましたね。
とはいえしっかりとトレンドのチャンピオンには抑えのナーフを盛り込んでいるので、相対的に活躍の場を増やしていくチャンピオンも出てきそうな気配も。
こればかりはプレーヤーの動向にもよる部分もあるので、統計サイトやメディアを注視して、台頭してくるチャンピオンの情報をいち早くキャッチしていきましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
それでは次のパッチ25.S1.6でお会いしましょう!
パッチノート 25.S1.5
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-25-s1-5-notes/
パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/tags/patch-notes/
2025 Riot Games, Inc. Used With Permission
さて、今回も『LoL』リードゲームプレーデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏が公開されているパッチ25.S1.5での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします!
パッチノート25.S1.5調整内容(予定)
日本時間2025年3月5日(水)に配信予定のパッチノート25.S1.5は小規模ながらパフォーマンスの高すぎるチャンピオンを弱体化させ、システム面に多く調整を盛り込む内容となっています。主な変更点は以下の通りです。
チャンピオンバフ
チャンピオンナーフ
チャンピオン調整
システムバフ
システムナーフ
- アフェリオス
- ドクター・ムンド
- セラフィーン
- ゼド
チャンピオンナーフ
- アンベッサ
- アッシュ
- オーロラ
- チョ=ガス
- エリス
- カ・サンテ
- スカーナー
- ヨリック
チャンピオン調整
- ポッピー
システムバフ
- フロー ウォーター スタッフ
- 第六感(「覇道」ルーン)
- 気迫(「不滅」ルーン)
- ユン・タル ワイルドアロー
システムナーフ
- レーンスワップ
- アクシオム アルカニスト(「魔道」ルーン)
Patch 25.5 Full Preview!
— Matt Leung-Harrison (@RiotPhroxzon) February 26, 2025
Tanks
- After Tank item changes last patch, we're continuing to monitor the effects of how all of these will shake out
- We are buffing Mundo, because he fell further than the rest and normally rests higher than where he landed
- We're specifically not… pic.twitter.com/pWL1q9bqm9
超・抜本的レーンスワップ対策
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「レーンスワップ戦術」とは、トップとボットのレーナーを入れ替え、ボットレーンの苦しいレーン戦を疑似的にスキップしたり、トップレーナーを封じ込める目的で活用される戦術です。チームメイト全員の高度なコミュニケーションが必要とされ、前提となる知識も多いためプロシーンでしか活用されない戦術でもあります。
昨今、このレーンスワップが問題になっているようです──とはいえ、この戦術の初出はさかのぼること12年も前、シーズン3の時代です。『LoL』の歴史とともにこの戦術は時折台頭しては、自然に廃れたり、あるいはアップデートで是正され、そしてまたどこかのプロチームが活用しだすと主流になる……そんな戦術でした。

そんな賛否両論(?)ある戦術に抜本的な対策が入ります。このゲームを始めて9年にもなりますが、ここまでの対策が施されるのは初めてです。本気でこの戦術を封じにきた──そんな気概を感じる調整です。
レーンスワップ:ナーフ
- すべてのタワーの防衛拡張(5:00までのダメージ軽減効果)が削除
- [新] トップ/ミッドレーン(検知範囲は下記画像参照)にジャングラー以外の敵チャンピオンを2体検知した場合、外側タワーが以下の効果を得る。
-トップレーンのみ、タワーが以下の効果を得る。
- 検知は1:30〜開始し、トップは3:30、ミッドは2:15に終了
- すべてのタワーの防衛拡張(5:00までのダメージ軽減効果)が削除
- [新] トップ/ミッドレーン(検知範囲は下記画像参照)にジャングラー以外の敵チャンピオンを2体検知した場合、外側タワーが以下の効果を得る。
- ダメージ 95%軽減
- タワーの攻撃力が最大まで増加
- タワーのミニオンへのダメージ補正が 1000%増加
- 敵チャンピオンによるエクセキュート(ミニオンやタワー攻撃によるデス)やミニオン、タワー攻撃によるミニオンのラストヒットであっても、最も近い防衛側チャンピオンにゴールドと経験値を与える
- 敵チャンピオンはミニオンから得るゴールドと経験値が 50%減少
-トップレーンのみ、タワーが以下の効果を得る。
- タワーの敵チャンピオンへのダメージ補正が 1000%増加
- 防衛側チャンピオンに 50%のダメージ軽減を付与
- 検知は1:30〜開始し、トップは3:30、ミッドは2:15に終了
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検知範囲は広め
まさに徹底的としか形容できないレベルの内容で少し笑えてきます。突然レーンスワップを親の仇ほど憎らしくなったのでしょうか……。
この戦術がメタになったプロシーンは、基本的に序盤のアクションが希薄になる傾向にあります。レーン戦の勝利や小規模戦に応じてジャングルが流動的に動くのが常なところを、基本的にはトップ/ボットはそれぞれ2対1/1対2の関係になるため、自動的にレーン戦の勝敗は決します。つまり、そこにレーン戦の技術は介在せず、ジャングルも勝った側のサイドで活動するだけになってしまうのです。
この「すべて織り込み済み」の試合開始〜10分間が退屈で仕方がないという声も一定数あるのは確かで、レーンスワップメタがしばらく続くと展開はさらにルーティーン化されていきます。どの試合も序盤の展開が定番化してしまうので、興行的には盛り上がりに欠けると言えるでしょう。
ですが、このナーフが来た場合、実質レーンスワップという戦術は実行不可能になるため、通常のレーン戦が展開されるようになります。戦術多様性より興行的な面を優先した形ですが、個人的にはこの先まったくレーンスワップ戦術が見られなくなるというのも少し寂しいような。
とはいえ、初心者さんがプロの試合を見た時に、自分がプレーしている『LoL』とあまりにかけ離れていてはとっつきにくいですし、仕方がないですね……!
苦心するポッピーへの変更
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ここ最近のバランスチームはポッピーサポートの調整に随分と悩まされています。ユーザー側も慣れてきたとはいえ、以下のような理由から彼女のパワーは依然として高いままです。
- 高い基礎ダメージに裏打ちされた強力な小規模戦
- Eで壁に打ち付けた際のリターンが高いため、トップ/ボットの壁際(≒タワーダイブ)での戦闘も得意
- 多くのチャンピオンを強烈にカウンターできる(レル/カリスタやダッシュを持つファイター全般)
- 人数差を作り出すアルティメットにより、現在頻発しているオブジェクトファイトに貢献しやすい
まさに環境に恵まれたチャンピオンと言えますし、彼女がよく活用する「ヘイルブレード」も先日バフを受けたばかり。当然、プロシーンでも現環境を形作る代表チャンピオンとなっています。
バランスチームも長らく、このロールに居座る彼女をなんとかしようとしてきました。ジャングル向けの調整を行ったり、古巣であるトップでレーン戦をしやすくしたり……。結果は芳しくなく、引き続き彼女の調整には苦心していきそうです。
ポッピー:調整
- レベルごとの体力成長率:104 → 110
- パッシブのシールド量:最大体力の13%/15.5%/18%(レベル1/7/13で増加)
→ 最大体力の11-20%(レベルアップごとに0.5%ずつ増加)
- Eの基本ダメージ:50–130+(増加攻撃力の50%) → 40-120+(増加攻撃力の60%)
- レベルごとの体力成長率:104 → 110
- パッシブのシールド量:最大体力の13%/15.5%/18%(レベル1/7/13で増加)
→ 最大体力の11-20%(レベルアップごとに0.5%ずつ増加)
- Eの基本ダメージ:50–130+(増加攻撃力の50%) → 40-120+(増加攻撃力の60%)
彼女の調整の難しいところは「基本ステータスと基本ダメージの調整弁で解決しないところ」です。
基本的にサポートは最もレベル上昇が遅れるロールのため、基本的な値を低下させて、成長率を上昇させることで他ロールへ移行させることができます。
しかし彼女の場合、基本ステータスがなければレーン戦が行えない特殊なスキルセットをしています。特にトップレーンでは顕著で、ダッシュスキルがない代わりに強烈な戦闘能力を持つチャンピオンたち、例えばワーウィック/ダリウス/ガングプランクといったチャンピオン相手に、苦戦を強いられてしまうのです。
性質上、彼ら相手にはQとEしか戦闘に活用することができず、サモナーズリフトのマップ改変により壁が遠くなってしまったため、いわゆるEの壁ドンがしづらいのも向かい風です。そうなるとやはり基本的な値がなければミニオンのラストヒットすら取るのも難しくなってきます。
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細かくもボリュームある変更が立て続けに入っており、この変更で彼女がどういう立ち位置になるのかは正直未知数です。ジャングルとしての活躍はかねてから見越していますが、こちらも魔力型ジャングラーにカウンターが多く存在し運用が難しいのも事実。
タンクアイテムのナーフも入った後で、Eは増加攻撃力割合がアップしているため、「妖夢の霊剣」や「サンダードスカイ」を活用した攻撃力型ポッピーがジャングルやトップで見られるようになりそうです。
こういったいろいろな意味で話題のチャンピオンは、さわってみると発見があって面白いのでオススメです。操作難易度が低くとっつきやすいのも、私が彼女を推すポイントになっています!
システム面の調整は“あるルーン”に注目
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ルーン/アイテムなどのシステム系の調整も見逃せません。まずはアイテムから見ていきましょう。
フロー ウォーター スタッフ:バフ
- 固有効果『急流』の効果時間:4秒 → 6秒
- 固有効果『急流』の効果時間:4秒 → 6秒
「フロー ウォーター スタッフ」に関しては少し的外れな強化という気も。元々のアイテムデザインから奇妙な点も引っ掛かります。
味方チャンピオンに回復/シールド効果を付与すると、その対象と自身にバフをもたらすアイテムですが、以前は魔力とスキルヘイストを付与していました。が、パッチ14.1でスキルヘイストの代わりに移動速度になり、パッチ14.19にはその移動速度すら削除され、今や魔力を双方に付与するだけのアイテムです。
大前提として、このアイテムはそもそも魔力を使うエンチャンターが使用するアイテムですが、魔力+αだったものが魔力のみになると、以下のようにさまざまなアイテムデザイン上の問題が浮上します。
- 発動にはスキルを使うので、魔力のみを上げても満足感が薄い
→エンチャンターがこのアイテムのバフを享受しても、そのバフ発動のためにひとつスキルを使ってしまう - 「魔力を上げたい味方が多くいるときに買うアイテム」という破綻したデザイン
→そもそも魔法ダメージが多すぎるチーム構成は脆弱 - これらの理由から、ユーザーがエンチャンターに限られる上に、使用するチャンピオンもさらに限定されてしまう
とはいえ、魔力のみになったことから上昇量は増えており、瞬間的とはいえ45もの魔力を増加させるのはユニークなポイントです。その魔力を得ている効果時間も4秒から6秒に増えるともなれば、増加分の魔力を活用しやすいですね。
セラフィーンやナミはこのアイテムをよく活用していたので、彼女らの選択肢が広がったとみてもいいと思いますが、この2人以外での起用はほぼ見込めない、非常にニッチなアイテムのままとみて間違いないでしょう。
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一方で「ユン・タル ワイルドアロー」のバフも相も変わらずといった調子。本当にこのアイテムをプッシュしてきますね(笑)。
ユン・タル ワイルドアロー:バフ
- 固有効果『訓練を積めば脅威となる』のクリティカル増加率:0.2% → 0.4%(近距離チャンピオンのみ)
- 固有効果『訓練を積めば脅威となる』のクリティカル増加率:0.2% → 0.4%(近距離チャンピオンのみ)
通常攻撃のたびにクリティカル率を増加させていくユニークな機構を持ち、攻撃速度と攻撃力を両方兼ね備えた上、3000ゴールドぽっきりで買える。アイテムアイコンに「最初に積んでくれると本当にコスパがいいよ!」と書いてあるようです。
しかし今の『LoL』は1コアでのパワースパイクは生かしきれない側面があるため、この特徴だけでは他アイテムに勝てないのも事実。また、素材アイテムである「B.F ソード」が1300ゴールドと高いのもなんとも苦しい。段階的に試されているアイテムではあるものの、流行の兆しはまだまだ見えず、絶妙な立ち位置となっています。
今回のバフでは獲得していくクリティカル率が早まるため、より1コアでのパワースパイクという特徴が際立つカタチですが、どの近距離クリティカル系チャンピオンもこのアイテムを採用した場合の勝率が低く出ているのが悲しい。残念ながらこの程度のバフでは環境アイテムとはなれないでしょう。
ルーンの方も調整が多く、特に「気迫」というルーンの変更には要注目です。
アクシオムアルカニスト:ナーフ
- ultの強化割合:14% → 12%
- 範囲スキルの場合の強化割合:9% → 8%
- ultの強化割合:14% → 12%
- 範囲スキルの場合の強化割合:9% → 8%
第六感:バフ (「覇道」ルーン)
- クールダウン:275秒/350秒(近/遠距離チャンピオン) → 一律250秒
- クールダウン:275秒/350秒(近/遠距離チャンピオン) → 一律250秒
気迫:バフ (「不滅」ルーン)
- 行動妨害効果を受けている間増加する物理防御と魔法防御:2-10 → 6-12
- 行動妨害効果を受けている間増加する物理防御と魔法防御:2-10 → 6-12
「アクシオム アルカニスト」は当然の処置としか言いようがなく、このルーンを活用したチャンピオンは勝率を伸ばし過ぎです。明らかにルーンだけで手に入るパワーをしていませんし、アルティメットスキルに絡むルーンやアイテムは多く、相乗効果も計り知れません。
「第六感」は競合相手である「ディープワード」にパワー負けしているイメージです。このバフは確かに素晴らしい内容ですが、ジャングルにおけるメジャーな選択肢にはまだまだなりえないと考えます。
そして「気迫」。このルーンはスロウを含めた全CCを受けている間、耐久値が増加するという効果ですが、あまりに数字が低いため、同じ段にある「超成長」「生気付与」に競合できずにいました。
しかし今やその数字も序盤から改善され、レーン戦でのトレードからチームファイトまで活躍できるルーンになります! 特に序盤の上昇値が4も上昇したのは非常に大きく、ダメージトレードに少しでもCCを含むチャンピオン相手には有効と言えます。
特にトップレーンはその傾向が強く、盛んにダメージトレードが行われるため、「ボーンアーマー」及び「息継ぎ」と組み合わせたこのルーンは新たなトップレーンでのトレンドになる可能性があります……!

CCを食らってから2秒もの間持続するため、継続的な戦闘が多いトップ向き
他にも、タンクサポートはこのルーンを取らない理由がありません。レベルが最も低いにもかかわらず耐久性を確保しなければならないサポートにとって、低レベル時の数値が大幅に増加するからです。
つまり、間接的に彼らのバフになっている点も見逃せません。まだまだルルやナミが強力ですが、タンクサポートへの風は少しずつ吹いてきていると言えるでしょう!
まとめ
- レーンスワップ戦術の終焉
- ポッピーは古巣に戻れるのか? 戻るとしたら攻撃的なビルドになりそう
- 「気迫」はほぼ間違いなくニュースタンダードに
以上がパッチ25.S1.5の先取り特報になります!
しばらく大きな変更が続いていたものの、今回は調整弁を少しひねるくらいで落ち着きましたね。
とはいえしっかりとトレンドのチャンピオンには抑えのナーフを盛り込んでいるので、相対的に活躍の場を増やしていくチャンピオンも出てきそうな気配も。
こればかりはプレーヤーの動向にもよる部分もあるので、統計サイトやメディアを注視して、台頭してくるチャンピオンの情報をいち早くキャッチしていきましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
それでは次のパッチ25.S1.6でお会いしましょう!
パッチノート25.S1.5概要(3月5日正式公開)
パッチノート 25.S1.5
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-25-s1-5-notes/
パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/tags/patch-notes/
2025 Riot Games, Inc. Used With Permission
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- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.14編】今シーズン初のナーフ調整! その裏で、強化の中にはあの人気アサシンの姿も?
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.15編】問題視されるマークスマンメタ問題に着手。対抗馬はメイジか、アサシンか……
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.16編】 続くマークスマンへのナーフとメイジへのプッシュ。短いながらインパクトのあるパッチノート!
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.17編】 ミッドマークスマン対策でボット・ミッドでのメイジ復権なるか!? 残るマークスマンは果たして……
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.18編】正真正銘の『Worldsパッチ』!大規模な変更リストの中、浮上してくるチャンピオンは?
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.19編】 大量のアイテムナーフと「リーサルテンポ」の復活。スプリット3は波乱の幕開け?
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.20編】「Worlds」の裏でマイルドな環境に変化していくサモナーズリフト。よく見る顔ぶれは変わりそうもない?
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.21編】メタを形づくる2大アイテムを中心にナーフメインのパッチに。スウェインの小規模リワークとADアサシンの動向にも注目
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.22編】“ローミングミッド”や「ユン・タル」の活用術に注目! ナーフ調整でいつものメンツに鋭いメスが
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.23編】小規模なパッチながら興味深い調整。「賞金システム」によりランクがストレスフリーに?
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.24編】小規模ながら格差是正に動くパッチ。ビクターのアップデートと、連続でバフを受ける“剣客”が環境に忍び寄る……?
- 【年末年始特集! 『LoL』パッチノート先取り“特報”:パッチ25.S1.1編】 2025年からの新モンスター「アタカン」、ブーツへの追加効果「力の偉業」、「覇道」の新ルーン、「テレポート」のリワークの思惑とは?
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ25.S1.2編】 話題沸騰の「力の偉業」条件が3キルに緩和。やや粗削りな新要素を落ち着かせるアシストパッチ!
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ25.S1.3編】 「覇道」の大幅なバフでアサシンの逆襲が始まる……あの凶悪なボットペアにも注目!
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ25.S1.4編】 タンクアイテムに鉄槌下るも損害は軽微? 「インフィニティエッジ」の力でADCは立場向上なるか!?
- 【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ25.S1.5編】 退屈なプロシーンとおさらば? “レーンスワップ封じ込め作戦”始動。もはや恒例のポッピー/ユン・タルの調整に加え、「気迫」に大幅なバフも!
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