【連載】ねむしの『LoL』2024シーズン パッチノート先取り速報

【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ14.15編】問題視されるマークスマンメタ問題に着手。対抗馬はメイジか、アサシンか……

2024.7.31 ねむし
こんにちは! 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のライター、ねむしです。

さて、今回も『LoL』リードゲームプレイデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏が公開されているパッチ14.15での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします! 

パッチ14.15調整内容(予定)


日本時間2024年7月31日(水)に配信予定のパッチノート14.15は、メタチャンピオン全般への弱体化をメインに据えた、環境に強烈に変化を与える変更になりそうです。

主な変更点は以下の通りです。

チャンピオンバフ
  • ヴァルス
  • ヤスオ
  • タロン

チャンピオンナーフ
  • レオナ
  • エズリアル
  • オーロラ
  • オレリオン・ソル
  • シヴァーナ

チャンピオン調整
  • スカーナー
  • カシオペア
  • イレリア
  • アカリ
  • ヨネ
  • ゼド
  • サイラス

システムバフ
  • 魂の収穫(「覇道」ルーン)
  • コズミック ドライブ
  • ヘクステック ロケットベルト
  • ストームサージ
  • ヴォイドスタッフ
  • デスダンス

システムナーフ
  • クラーケン スレイヤー
  • スタティックシブ
  • ドミニクリガード
  • モータル リマインダー

システム調整
  • フリート フットワーク(「栄華」ルーン)
 

順を追って見ていきましょう!

メタのおさらい「マークスマンメタ」




まず今回の変更の前に、現状のメタをおさらいしておきましょう。

現在はゲーム史上空前の「マークスマンメタ」です。とりわけトップ、ミッドにおけるマークスマンが強力で、環境を席巻しています。

前回の記事でトリスターナ/コーキの件で触れましたが、マークスマンはボットレーン以外では基本的に序盤から終盤まで隙がありません。非常に安全に、安定してファームできるため、プロシーンを筆頭に特にリスク管理できるプレイヤー層に選ばれています。

 ↑7月24日に開催されたLEC(欧州リーグ)におけるバンピックの様子。合計で8体ものマークスマンがBANされている。その上で両チームのミッドはマークスマンというピックに。

今回の調整はこのマークスマン環境を重く見た内容になっています。理由も含め詳しく見ていきます。

1アイテムパワースパイク


では、なぜ彼らが現在強力なのかを見ていきましょう。

まず1つ目の要因は、「1アイテムパワースパイク」にあります。現在の『LoL』では最初のコアアイテムを手に入れた瞬間の強さはそのまま試合の流れを決定づけるほど強力です。レーニング段階では試合全体に影響力がないボットレーナ―としてならまだしも、ソロレーンはオブジェクトに介入しやすいレーンなのでより顕著と言えます。

今回は、とりわけ強力な2種のアイテムに調整が行われます。


クラーケン スレイヤー:ナーフ

- 移動速度:7% → 5%
- 固有効果『打倒』:[新]遠距離チャンピオンはダメージが80%になるように変更。

※『打倒』……通常攻撃が3回毎に強化され、140~310の追加物理ダメージを与える。対象の減少体力割合に応じてダメージが増加する(最大50%)。基本ダメージはLv8~18で増加する

スタティック シヴ:ナーフ

- 移動速度:7% → 5%
- 価格:2800 → 2900

どちらも彼らの序盤を支える強力なアイテムであり、どちらもそこそこの量の弱体化です。

マークスマンのコアステータスとして多くのアイテムに盛り込まれた「移動速度」という値ですが、明らかに余剰でした。彼らを常に追いかける形になっている他の近距離チャンピオンたちはこれを得るのが難しいのに、彼らが扱うクリティカルアイテムにはその値が非常に多いのも問題です。

今回はその数値に加え、どちらも致命的なダメージと価格に調整が入ります。正直これだけではマークスマンクラス全体には軽微な打撃ではありますが、このパッチでは他のアイテムのバフなども盛り込まれているので、トータルで見ればこの調整で落ち着くのが妥当でしょう。

レーン維持力




そして2つ目が「レーン維持力」です。

レーン戦を維持する力とは、二つの能力によって導き出せます。

それは、①ミニオンを倒すこと。②体力を高く保つこと です。

そのような中でもマークスマンは「ドランブレード」によりライフスティールを獲得してゲームをスタートするため、これら2つを同時に遂行できます。

一般的に遠距離チャンピオンのソロレーナー、つまりメイジはこれを行うためにマナとスキルを消耗していきますが、AA主体のマークスマンには、基本的にどちらの代償も支払う必要がありません。

今回はそちらの維持力にもメスが入ります。


フリートフットワーク:ナーフ

- 回復値:8-110 → 5-120
※レベル14まではナーフ。それ以降はバフ。


レベル14までということは、まさしく今回お話しているレーン戦にフォーカスした内容です。それ以降では若干のバフにはなっていますが、トータルではしっかりとしたナーフと言えるでしょう。

このパッチ14.15以降では、ハラスで減少した体力は戻りにくくなると見て間違いありません。

AP(魔力系)アイテムの変更


このパッチではAPアイテムの変更も多く盛り込まれています。

クラス単位で見てもAPチャンピオンを代表するメイジは少し陰りを見せており、本来の主戦場であるミッドでも苦戦を強いられていることから調整を入れるとのことでした。

コズミック ドライブ:バフ

- 体力:250 → 350
- 固有効果『スペルダンス』の増加移動速度:25-60(レベル1-18) 40-60(レベル8-18)

※『スペルダンス』……チャンピオンにダメージを与える(秒間ダメージを除く)と、2秒間移動速度が25-60(Lvに応じて増加)増加する。

ヘクステック ロケットベルト:バフ

- 体力:300 → 400

ストームサージ:バフ

- 固有効果『ストームレイダー』の増加移動速度:25% → 35%

※『ストームレイダー』……敵チャンピオンに対して3秒以内に最大体力の35%分のダメージを与えるとストームサージを付与し、移動速度が25%増加する
CD:30s

- 固有効果『ストームサージ』の遠距離チャンピオンの与えるダメージ:75% → 80%

※『ストームサージ』……2秒後電撃が発生しストームサージが付与された敵チャンピオンに140 + (20%AP)の魔法ダメージを与える。この効果が発動する前にストームサージが付与された敵チャンピオンがデスした場合、広範囲に爆発が発生し同様のダメージを周囲の敵チャンピオンに与え、30ゴールドを獲得する。遠距離チャンピオンは与えるダメージが75%に減少する。

ヴォイドスタッフ:バフ

- 魔力:90 → 95


いずれもAPチャンピオンであればどれかは購入するラインナップで、内容も嬉しいモノばかりです。

特に移動速度を扱うアイテムにバフが入るので、足を止めずに相手と間合いを保ちながら戦うシンドラ/タリヤ/オリアナらには吉報でしょう。彼女らがすぐにメタに上がることはないとは思いますが、たしかに強化なのは間違いありません。

こういった内容の強化で最もおいしい思いをするのが、すでに強力なチャンピオンたち。現状でも勝率は51.4%という成績を収めるリリアは、最も強化される「コズミックドライブ」という選択肢を手に入れ、さらなる躍進を遂げることは想像に難くありません。





巷では某アニメの影響で“シカブーム”も起きていますし、この調整内容では彼女が強くなるのは“シカ”たないのかも……?

注目のチャンピオンたち




今回はバフされるチャンピオンはたった3体ではありますが、やはり注目すべきはこの男でしょう。


ヴァルス:バフ

- 基礎攻撃力:57 → 59
- Wの通常攻撃時ダメージ:7-35 → 5-25

【パッシブ】
- ミニオンキル時の上昇するAS(攻撃速度):10% → 10%/15%/20%(レベル1/7/13で変動)
- チャンピオンのキル・アシスト時の上昇するAD・AP:ASの15% → ASの25%
- チャンピオンのキル・アシスト時の上昇するASの上限:2.76 → 3.0


毎度のことながら思いますが、彼の変更内容は煩雑になってしまいますね……。

勝率だけで見れば全レーンで苦戦を強いられている彼ですが、僕が試した感じだと通常攻撃型ビルドが弱いとは決して思いませんでした。むしろ環境的に言えば先ほども述べた通り、マークスマンが活躍しやすい好環境。彼がメタの一角を担う可能性は十二分にあると言えます。




同じタイミングでコアアイテムの一つである「クラーケンスレイヤー」がナーフされますが、彼は「ナッシャートゥース」を主軸としたAPタイプの通常攻撃型ビルドという選択も可能です。そういった意味での損害は軽微、あるいは皆無と言ってもいいですし、バフ内容もしっかりと力を付けるタイプの内容です。

「ソラリのロケット」や「変幻自在のジャック=ショー」をビルドし耐久力を補完するビルドであれば、味方の支援が受けにくいソロランクの場でも活躍しやすいでしょう。


続いてはまたしてもあの忍者を取り上げます。


ゼド:調整

- Qのダメージ:80-220 + 増加攻撃力の110% → 80-240 + 増加攻撃力の100%
- Rのクールダウン:120-80秒 → 120-100秒


前回のパッチ14.14で様々なプレイヤーから疑問視されるほどのバフをもらった彼ですが、今回も調整が入ります。が、トータルではこれはバフと見ていいでしょう。

まったくもって理解できないというのが正直なところです……。

理由の方は理解できます。「ミッドアサシンたちのゲーム後半に偏り過ぎているパワーを前半に移す」、わかります。

しかし、彼の最も強力なQの基礎ダメージが増加するのに、Rのクールダウンの増加では割に合いません。




現状でも、テクニカルなチャンピオンにもかかわらず安定した勝率を誇るアサシンが、さらにレーン戦で成功をおさめやすくなったとなってはたまりません。

彼を見かける機会はさらにさらに増えていくことでしょう。憂鬱です……。

まとめ


  1. マークスマンメタを是正したい意図。が、まだまだ不十分
  2. 強化されるAPアイテムのポテンシャル高し
  3. ミッドアサシンのパワーは後半から前半に移行

以上がパッチ14.15の先取り速報になります!

なかなか濃い内容のパッチです。が、環境自体に大きな変動はなさそうな、不思議な感じがします。

しばらくはマークスマンメタも継続するでしょうし、バフより調整気味のチャンピオンが多く、ハッキリと読み辛いというのも正直なところです。ミッドの近距離チャンピオンたちは軒並み中盤までにパワーを獲得する形にはなるので、今後はスノーボール展開が多くなってきそうです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。それでは、次のパッチ14.15編でお会いしましょう!

パッチノート14.15概要(7月31日正式公開)



パッチノート14.15
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-14-15-notes/

パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/tags/patch-notes/


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