【連載】ねむしの『LoL』パッチノート先取り速報

【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ25.06編】停滞気味なボットのメンツを強引に循環!? 賞金システムのさらなる変更と「ナフィーリ」のミニリワークを解説

2025.3.19 ねむし

こんにちは! 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のライター、ねむしです。

さて、今回も『LoL』リードゲームプレーデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏が公開されているパッチ25.6での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報、そしてを最新公式情報を正確に翻訳しお届けしている『LoL Times』様を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします!

なお、パッチの公式名称がスプリットごとに数字が変わる「パッチS25.1.n」から通し番号となる「パッチ25.n」へと定められたため、今回からこちらを公式表記といたします。(過去の連載も修正しております)

また、今後本企画で扱うすべてのステータス用語は、公式表記ではなくコミュニティで受け入れられているアルファベット表記に準じます。

  • 攻撃力 → AD (Attack Damage)
  • 魔力 → AP (Ability Power)
  • 物理防御 → AR (Armor)
  • 魔法防御 → MR (Magic Resistance)
  • 体力 → HP (Hit Points)
  • 攻撃速度 → AS (Attack Speed)
  • 移動速度 → MS (Movement Speed)


パッチノート25.06調整内容(予定)


日本時間2025年3月19日(水)に配信予定のパッチノート25.06は、多くのチャンピオン調整を行い、ピックできるチャンピオンの可能性を広げる内容となっています。主な変更点は以下の通りです。

チャンピオンバフ
  • フィオラ
  • ジャーヴァンIV
  • ジン
  • カイ=サ
  • カ=ジックス
  • リリア
  • ルシアン
  • ポッピー
  • スモルダー
  • ツイステッド・フェイト
  • シン・ジャオ

チャンピオンナーフ

  • ケイトリン
  • コーキ
  • ダリウス
  • ドレイブン
  • エズリアル
  • ガレン
  • ジンクス
  • カルマ
  • ヨリック

チャンピオン調整
  • グウェン
  • マスター・イー
  • ナフィーリ
  • シンジド

システムバフ
  • ワーモグ アーマー

システム調整
  • レーンスワップ対策システム
  • 賞金システム(負けているチーム側)
  • セリルダの怨恨


ADCへの調整てんこ盛り




以前予想していた通り、このパッチはADCへの変更が非常に多いです。

まずはナーフされるADCから。


ケイトリン:ナーフ

- Wの追加ダメージ:40 – 220 + (40% 増加AD) >> 35 – 215 + (30% 増加AD)
- Rのダメージ:ダメージ: 300 – 700 + (100% 増加AD) >> 300 – 650 + (100% 増加AD)

コーキ:ナーフ

- 基本物理防御:30 >> 27

ドレイブン:ナーフ

- パッシブの6回の敵ユニットキル毎に、追加で2スタック獲得しないように

エズリアル:ナーフ

- レベル毎の物理防御:4.7 >> 4.2

ジンクス:ナーフ

- Rの直撃時の最大ダメージ:325 – 625 + (165% 増加AD) + (対象の減少HP 25 – 35%) >> 300 – 600 + (155% 増加AD) + (対象の減少HP 25 – 35%)


まずはじめにエズリアルジンクスはまだしも、他3名までナーフを入れるのは驚きました。本格的にボットレーンのメンツを循環したいようです。

実際、このシーズンのボットレーンはややメンツは停滞気味だったと言えるでしょう。プロ/アマ問わずその傾向が見られ、メンツはほぼそのままにボット自体の強弱だけが変わっていました。その点を是正するための本パッチと言っても過言ではありません。

続いて、バフされるADCたち。

ジン:バフ

- パッシブのクリティカル時のダメージ増加:4 – 44% + (30% クリティカル率)% + (25% 増加AS)% >> 4 – 44% + (35% クリティカル率)% + (30% 増加AS)%

カイ=サ:バフ

- 基本物理防御:25 >> 27
- 基本体力自動回復:3.5 >> 4
- Rのクールダウン:130 – 70秒 >> 120 – 60秒

ルシアン:バフ

- Eのクールダウン:19 – 14秒 >> 16 – 14秒

スモルダー:バフ

【W】
- 命中ダメージ:30 – 110 + (60% 増加AD) >> 60 – 100 + (60% 増加AD)
- 爆発ダメージ:30 – 110 + (60% 増加AD) + (80% AP) >> 10 – 110 + (65% 増加AD) + (80% AP)

【E】
- ダメージ(1Hit):5 – 25 + (25% AD) >> 10 – 30 + (30% AD)

【R】
- クールダウン:120秒 >> 120 – 100秒


素晴らしいメンバーの選定と、バフの内容と言えます。ほぼ間違いなくボットの様相は変化するでしょう。

全体的にジンクス/ケイトリン/アッシュといった長射程ADCがナーフを受けているため、ルシアン/カイ=サはピック機運が高まることが予想されます。

両名ともにソロランクで味方からの支援をあまり必要としないチャンピオンであり(もちろん、あるに越したことはありませんが)、キャリー力が高いのでこの機会に習熟をオススメします。




今回の『なぜコイツにバフ……?』枠であるジンも当然強力になります。少しずつタンクの勢いがなくなりつつあり、オブジェクトファイトで優秀なスキルセットを持つ彼は、すでに良いパフォーマンスを出しています。そこにこの内容のバフなのですから当然一線級のピックに躍り出るでしょう。




内容的に「コレクター」型と「スタティックシブ」型のどちらも恩恵を受けるので、得意なビルドでプレイしていきましょう!


そして今回無調整ながらも成り上がりそうなADCはトリスターナです。彼女もやはり長射程のマークスマンが軒並み勢いを失っている点と、カイ=サジンといった環境に上がってくるADCを相手にカウンターを取りやすい点が評価できます。

かなりの安全性とスノーボール性能を誇る上、難しいコンボなどは必要がないので、彼女の習熟にはうってつけのタイミングと言えます!




慣れてきたら「クレンズ」を扱えるようになるとさらに良いです。彼女を封殺するサモナースペル「イグゾースト」をカウンターできるため、保険のように持ってくる相手の「イグゾースト」を無力化できます!


中盤の逆転の目が見えやすく





システム面では、敗者側の賞金システムが変更されます。


敗者側チームの賞金:調整

- 検出開始時間:14:00 >> 6:00
- 賞金開始に必要なゴールドスコアが50%減少
- 賞金の上限を50%増加


このシーズンは逆転がなかなか難しい側面がありました。理由は頻発するオブジェクトファイトです。

特に、ヴォイド・グラブやドラゴンといった早期のオブジェクトからアタカンにかけては、レーン戦の有利やジャングル同士の力関係に強く依存します。そもそもピック段階で、ある程度の序盤のオブジェクトはギブせざるを得ない場合があります。

しかしそういった状況であったとしても、意思疎通が図れないソロランクなどでは予期せぬ小規模戦やキャッチが起きてしまい、オブジェクトに起因した不利が発生しがちです。

そのような形で生じた不利はあまりに一方的であり、序盤のオブジェクトは討伐するリスクも低いことから一度小規模戦に勝利した側が継続的にオブジェクトを得続けてしまう展開が多く見られました。


そこで、敗者側の賞金システムをバフし、早い段階からこの「自身の意思決定ではなく、ランダムに起こりうる不利」を覆すことができたとき、しっかりとした報酬を得られるようにしたカタチです。

金額の上限も増加していることから、負けてしまった側のチームも15分~20分あたりのチームファイトで逆転勝利した場合、一挙にゴールド差が埋まる、あるいは逆転する試合パターンも見られるようになりそうです。


中後半に強烈なパワースパイクを迎えるソロレーナ―や、シャットダウンゴールドを掠め取ることができるアサシンにとっては追い風と言える調整でしょう。

逆にレーン戦が強力なチャンピオンは今まで以上に注意。少しの油断で早期からゴールド差が埋まってしまいます……!

初心者向けアサシン「ナフィーリ」のミニリワーク





性能は悪くないけど、何か惜しい──そんな“ワンコ系アサシン”がリワークされます。どうやらコミュニティの声を参考にしたようで、最も関心が集まっている変更点です!


ナフィーリ:リワーク

【基本ステータス】
基本物理防御:30 >> 28
レベル毎の体力:120 >> 110
基本体力自動回復:9 >> 8
レベル毎の体力自動回復:0.9 >> 0.8

【パッシブ】
「群れの同胞」の最大召喚数:2/3(レベル1/9) >> 2/3/4/5(レベル1/9/12/15)
「群れの同胞」のステータス
攻撃力:12 – 32 + (5% 増加AD) >> 8 – 20 + (4% 増加AD)
レベル毎の体力:16 >> 13
範囲攻撃のダメージ補正:76 – 50% >> 75 – 40%
[NEW] 中立モンスターに160%のダメージを与えるように

【Q】
ダメージ:35 – 75 + (20% 増加AD) >> 30 – 70 + (20% 増加AD)
再発動時の追加ダメージ:30 – 90 + (40% 増加AD) >> 25 – 85 + (40% 増加AD)
ミニオンへのダメージ補正:60% >> 70%

【W(変更:スキル内容がRと入れ替わる)】
[NEW] 発動時、1秒間の対象指定不可状態になる
発動効果持続時間:15秒 >> 5秒
移動速度増加:70 – 100%が4秒かけて徐々に減少 >> 20 – 30%が5秒かけて徐々に減少
攻撃力増加:5 – 25 + (8 – 24% AD) >> AD 20%
[NEW] 移動速度、攻撃力の増加効果を即座に獲得するように
クールダウン:120 – 100秒 >> 20 – 16秒
マナコスト:100 >> 60
「群れの同胞」の追加数:2/3/4 >> 2
[削除] シールド獲得効果
[削除] 「群れの同胞」の体力/クールダウン強化効果
[削除] 周囲の視界の獲得効果
[削除] キル/アシストによる強化効果の延長

【E】
クールダウン:10 – 8秒 >> 9 – 7秒
キャスト範囲:350 >> 450
通過時のダメージ:35 – 95 + (50% 増加AD) >> 15 – 55 + (40% 増加AD)
ダッシュ距離:カーソル位置にかかわらず指定方向に全距離ダッシュ >> カーソル位置までダッシュ

【R(変更:スキル内容がWと入れ替わる)】
[NEW] 7秒以内にキル/アシストした場合、1度だけ再発動可能
クールダウン:22 – 14秒 >> 110 – 80秒
マナコスト:70 – 30 >> 100
キャスト範囲:700 – 940 >> 900
ダメージ:30 – 190 + (80% 増加AD) >> 150 – 350 + (120% 増加AD)
[削除] 敵チャンピオンの衝突による詠唱終了
[削除] ミニオンへのキャスト


ナフィーリは初心者でも扱いやすい、メカニクスが簡単なADアサシンとしてデザインされました。ゼドやキヤナといった他アサシンより「群れの同胞」というペットが追従する関係上、スキルショットを防御しやすく、基本ステータスも高めです。

一方、非常にシンプルなスキルセットで多様化するメタに適応するため、チャンピオンデザインが少しいびつな形になっていきました。「敵に向かっていくダッシュスキルが別の敵によってボディブロックされてしまう」という致命的弱点を補うため、スキルそれぞれのパワー配分はややアンバランスな状態になってしまい、プレイ感覚も直感的とは言い難いため、むしろ初心者プレイヤーは違和感を覚えてしまっていたとか。




しかし、このパッチ25.06で彼女は生まれ変わります! ミニリワーク規模なので長めの調整内容になりますが、このリワークで言えることはとにかく「使いやすくなり、プレイする上でのストレスが減る」ということ。30項目以上にわたる変更ですので、注目すべき2点だけ見ていきましょう。


新R(現W)はもう敵チャンピオンに衝突しても停止しない



私も彼女をプレイしていて思いましたが、ハッキリ言いましょう。敵チャンピオンに衝突するメカニクスはただただフラストレーションを引き起こしていました。「陣形の側面/背面から攻撃を行うアサシンの基本を教える」という理由付けは素晴らしいものの、彼女はそもそもそういった位置取りが難しい場合が多いです。

タロンほどの機動力があれば、壁を越え続けてポジション取りができますが、壁を越えるダッシュスキルである彼女のEは、攻撃スキルを兼ねているため、ポジション取りのためだけに使っていては戦闘への介入チャンスを逃してしまうのです。


彼のような鋭い奇襲は不得意


つまり、「戦闘のノウハウが分かるシンプルなスキルセットながら、そのノウハウを実践するために他ADアサシンにはない高度な判断を迫られてしまう」というデザインとなっていました。


それが今やRスキルと入れ替わる形になり、対象とは別の敵チャンピオンに衝突しても停止しなくなりました。その上、キル/アシストを獲得すると1度だけ再発動できる機能まで獲得しました。

各国のナフィーリプレーヤーが「狩りを成功させるとさらに別の対象に飛びつけるのは、より彼女のストーリーを反映させた良い変更。彼女の狩猟への欲求を反映させている」と感想を述べており、非常に好評な様子です!


防御機構を備えた新W(旧R)



前述のとおり、彼女はステルスも離脱できるスキルもありません。それらを活用するにはアサシン初心者のプレイヤーには難しいと判断し、チャンピオンデザインには含めなかったからです。

代わりにあるのが「群れの同胞」であり、ADアサシンにしては非常に恵まれた防御ステータスです。

今回のリワークにあたり、Wスキルには発動時に1秒間の対象指定不可効果が追加されます。ちょうどフィズのEのような柔軟性が追加され、敵チャンピオンに接近し、ダメージを出すために使用するか、敵スキルを回避するために使うかというプレイの幅が生まれます。


攻防どちらにも使えるフィズのE

獲得する『戦術多様性』というパラメータは彼女にとって貴重です
。例えば、新Rで敵に突っ込んでもWで対象指定不可になることで窮地を脱することができるというわけで、今まではパターン化してしまっていたコンボも状況により変化を付けて、腕前をより表現できるようになったと言えるでしょう。


他にも、「群れの同胞」の数も最大7匹と数を増やしており、これはタンクが多い構成に対して行うファイタービルドで秒間ダメージが増大することを示しています。

シンプルなアサシンという特徴はそのままに、活躍できるビルドやプレースタイルを広げるのはさすがのデザイン能力ですね。プレーするのが楽しみです!


まとめ


  1. ADCのメンツがシフトチェンジ
  2. 中盤から逆転の目を探すことが可能に
  3. ナフィーリのミニリワークは前評判良し

以上がパッチ25. 06の先取り特報になります!


多くの調整やリワークが盛り込まれた変化に富むパッチとなるようですね!

個人的に注目したいのは(記事の熱意から察せられると思いますが)やはりナフィーリ。彼女は何といってもビジュアルがとっても好きなので、より楽しくプレーできるとあってワクワクが止まりません……!

調整内容がかなり多いのでややこしく感じられるかもしれませんが、「入門用アサシン」としては間違いなく不動の地位ですので、アサシン初心者さんもこの機会に触ってみることをオススメします!


ここまで読んでいただきありがとうございました!
それでは次のパッチ25.7でお会いしましょう!


パッチノート25.06概要(3月19日正式公開)



パッチノート 25.06
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-25-06-notes/
パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/tags/patch-notes/


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