【連載】ねむしの『LoL』パッチノート先取り速報

【『LoL』パッチノート先取り速報:パッチ25.20編】 基本ステータスのバフが多めのパッチ。スノーボール型ジャングラーの台頭&フィズ再浮上の兆し

2025.10.6 ねむし

こんにちは! 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のライター、ねむしです。

さて、今回も『LoL』リードゲームプレーデザイナーであるMatt Leung-Harrison氏のパッチ25.20での調整予告と、その内容をまとめてくれているSpiderexe氏のポストや日ごろX(旧Twitter)で発信している情報、そして最新公式情報を正確に翻訳しお届けしている『LoL Times』様を元に、パッチノートの”前段階”である「調整予告」を元にメタを予測していく、「パッチノート先取り速報」をお届けします!

また、本企画で扱うすべてのステータス用語は、公式表記ではなくコミュニティで受け入れられているアルファベット表記に準じます。

  • 攻撃力 → AD (Attack Damage)
  • 魔力 → AP (Ability Power)
  • 物理防御 → AR (Armor)
  • 魔法防御 → MR (Magic Resistance)
  • 体力 → HP (Hit Points)
  • 攻撃速度 → AS (Attack Speed)
  • 移動速度 → MS (Movement Speed)


パッチノート25.20調整内容(予定)


パッチノート25.20は日本時間2025年10月8日(水)に配信されます。今回のパッチは全体として量は控えめながら、チャンピオンの調整が多めのパッチとなりそうです。主な変更点は以下の通りです。


チャンピオンバフ
  • アニビア
  • カタリナ
  • マルファイト
  • パンテオン
  • ベイガー

チャンピオンナーフ
  • ブライアー
  • オリアナ
  • ボリベア
  • ワーウィック

チャンピオン調整

  • アジール
  • カミール
  • フィズ
  • グレイブス
  • ウーコン


 安定感のあるジャングルピックへのナーフ ──スノーボール系ピックが再浮上?




現状のジャングル環境は、①安定感のあるピック②スノーボール系のピックに二分されます。前者は概ねタンク気質であり、全体的なステータスが高く存在感のあるピックであることが特徴です。一方、後者は高い機動力とダメージを持ち、有利を雪だるま式に増幅させることが得意なピックです。


チャンピオン例:

①ボリベア、ジャーヴァンIV、ワーウィック、ウーコン等
②キヤナ、サイラス、マスター・イー、エコー等


今回は概ねこの①に該当するジャングルチャンピオンを狙い撃ちでナーフする予定です。内容を見ていきましょう。


ボリベア:ナーフ

- パッシブ
ダメージ:11 – 60 + (50% AP) >> 11 – 60 + (45% AP)
- E
ダメージ:80 – 200 + (80% AP) + (11 – 15% 対象の最大HP) >> 80 – 200 + (70% AP) + (11 – 15% 対象の最大HP)

ワーウィック:バフ

- 基本ステータス
レベル毎の攻撃力増加:2.75 >> 2.5
レベル毎の攻撃速度増加:2.3% >> 2%

ブライアー:ナーフ

- パッシブ
「出血」スタックの最大数:7 >> 5


前提として現在のジャングルはかなりパワーのある状態です。プレースタイルに応じて一線級のチャンピオンを選択できるほどメタピックが豊富であり、どのピックもレーナーを圧倒しうるほど成長できる可能性があります。

そのような中で①の安定型チャンピオンたちは、レベルアップとアイテムによりかなりの量のステータスを獲得します。このような特徴はレーナーがガンクを受けなかったりして、試合が膠着した場合において有利に働きます。

この獲得したステータスを相手に押し付けるような試合展開(バランスチームでは『ステータスチェック』と呼んでいます)があまり健全でないとして、やり玉に挙げられた様子。

たしかにリスクを取ってアクションをしなくてはいけない②に比べると、ロール全体のパワーを下げるにはまず①から、とはなりますね。




そのような経緯から、3人ともスケールする数値などを低下させ、相手チームにステータスチェックを行った際にパワーを落とす調整を行う予定です。

中でもボリベア/ワーウィックは、ともにトップでも愛されているチャンピオンであり、どちらのロールでの起用においてもかなりの痛手になります。統計における勝率でも、インパクトのある低下は免れないでしょう。




反面、この2人の凋落は②スノーボールタイプのチャンピオンにとっては環境的にプラスに働きます。両名がカウンターしていたヴィエゴ/サイラス/リー・シンといったスカーミッシャー系のチャンピオンはパフォーマンスが上がってくると予想できます。

また、本記事でも激推ししていたダイアナは今回調整を免れており、一人勝ちしているカタチですのでやはりメタの頂点に君臨する可能性が高いです。彼女はそのすさまじいファーム速度からアクションを取りやすく、ゲームテンポを握りやすい強力なピック。ぜひともプールに加え入れましょう!


ステータスのシンプルなバフ ──最序盤での活躍が見込まれるチャンピオン




今回のパッチは内容が少ないながらも、しっかりとしたステータスのバフをもらっているチャンピオンがいます。こちらもチェックしてきましょう。


マルファイト:バフ

- 基本ステータス
基本物理防御:37 >> 40
- E
ダメージ:70 – 230 + (60% AP) + (40% AR) >> 80 – 240 + (60% AP) + (40% AR)

カタリナ:バフ

- 基本ステータス
基本物理防御:28 >> 32


どちらも基本ARという数値のバフが含まれています。この数値は言いかえると『レベル1での物理防御』という数値であり、年々低レベル時の行動が重要になってきているこのゲームにおいてかなり重要な部分のステータスと言えます。

まずもってミニオンの攻撃はすべて物理攻撃にあたるため、レーン戦でミニオンからの攻撃を受けた際も有利に働きます。積極的にミニオンウェーブの中に入っていくチャンピオンではないものの、Qスキルが対象指定のため、瞬間的にミニオンから攻撃を受けるタイミングがあります。なのでQによるハラスをした時の体力の減りが抑えられるというわけですね。


また両名とも近距離チャンピオンかつ、レーン戦が貧弱なため、相手のハラスにさらされる宿命を負っています。

低レベル時はスキルがそろっていないため、対面がAPチャンピオンの場合でもその大部分は当然、通常攻撃=物理攻撃になります。そのため、この基本ARのバフは攻勢/守勢どちらに打って出ても有利に働く、強力なバフ内容と言えるわけです。




ソロランクにおいてはチームの強力無比なエンゲージツールとなるマルファイトはとてもいいピックですし、Eのバフも含まれているため、ヤスオ/イレリア/ジャックスらADファイターたちを強烈にカウンターできるピックとなるでしょう。

カタリナもADダメージに対してかなり貧弱という弱点がありましたが、基本ARが4も上昇すれば序盤の安定性が飛躍的に向上します。タロン/ヤスオといったカウンターチャンピオンに対してもチャンスをモノにできる可能性が広がるのも大きいです。


――そもそも、両名とも今そこまで弱いチャンピオンではないと思うのですが……。シンプルなステータスバフの強さを思い知るパッチとなりそうです。


パッチ25.20の注目チャンピオン:フィズ





相次ぐバフをもらいながらも、パフォーマンスが振るわないフィズへ調整が来ます。本企画でもさすがにメタに躍り出るだろうと紹介しましたが、予想が外れてしまったため今一度、精細に彼の性能を紐解いていこうと思います。


フィズ:バフ

- W
パッシブによる通常攻撃時の追加DoTダメージ:20 – 60 + (30% AP) >> 30 – 90 + (25% AP)
[削除] 建物にパッシブによる追加DoTダメージを与えないように変更
[NEW] DoTダメージの合計値が表示されるように変更
発動時の追加ダメージ:50 – 130 + (45%AP) >> 50 – 150 + (45%AP)
発動から通常攻撃後、再度通常攻撃した際の追加ダメージ:10 – 30 + (35% AP) >> 20 – 40 + (30% AP)

- R
最小投擲距離(グッピー:距離445未満)のダメージ:150 – 350 + (80% AP) >> 180 – 420 + (60% AP)
最大投擲距離(ギガロドン:距離910以上)のダメージ:300 – 500 + (120% AP) >> 270 – 630 + (90% AP)


結論から言えば『ミッド/アサシン運用でのパフォーマンスはほぼ変わらない』内容でしょう。

前回、彼を取り上げた時はパッチ25.14のタイミングでした。豊富なバフと、当時の統計上のパフォーマンスの高さから彼は間違いなくメタピックとなると確信していました。その内容はコチラ。


フィズ:バフ(パッチ25.14の内容)

- W
クールダウン:7 – 5秒 >> 7 – 3秒
- E
ダメージ:80 – 280 + (90% AP) >> 80 – 280 + (95% AP)


今見てもすごい量のバフですが、結果として彼のパフォーマンスは上がりませんでした。少しピック率は伸びましたが、勝率はほぼ変わらずという内容で、『そんなはずはない!』と彼をプレーしたのを覚えています。

──そして問題点にも気づかされました。多くの面で時代遅れとなってしまっているチャンピオンなのだと。

アイテムや構成によってあまりにカウンターされすぎますし、コンボの幅も他アサシン比べると圧倒的に少ないです。性能のほとんどはEに依存していて、攻撃に使わないといけないのに、このスキルで敵の致命的スキルを避けなくては火力が出せません。設計自体にジレンマがあるチャンピオンと言えます。

彼が実装された時は『攻撃しながら敵スキルを避けられるインチキチャンピオン』と言われていたのに今や文脈が完全に逆とは……時代の流れというのは恐ろしいモノです。




と、彼のチャンピオン設計自体の欠点を説明しましたが、とはいえビルドやロールを変えることで適正な運用が見出されるのがこのゲームの面白いところです。

今回の調整は概ねバフとなり、内容を要約すれば『APレシオを下げ、敵をワンタッチでキルするポテンシャルを下げる代わりに、基本ダメージを上げる』という内容。つまりはスキルをたくさん敵に当てることでバフを享受することができます。

従来のフィズのプレースタイルは“伸るか反るか”といった感じでしたが、これによりその方向性の運用は難しくなりました。代わりに序盤の安定性と、スキルヘイストやタンキーなアイテムを搭載した運用で大幅なバフをもらった形です。




アサシンの中でも彼のパッシブは異彩を放っており、『自身が受けるあらゆるダメージを定数で低下させる』という内容となっています。定数、というのが特徴でマルザハールダリウスの持つDOTダメージ(継続ダメージ)に強力な特性を持ちます。

このパッシブを活用したタンク運用が輝くとにらんでいます。ミッドでも可能でしょうが、著名なプレーヤーが研究しているのはテレポート/イグナイトを採用したトップ運用です。かなり特殊な運用ですが、彼を今使うのであれば最も適した運用方法だと断言できます。

ミッドと違い、EではなくタンクアイテムとWによるダメージがメインとなるため、安定したパフォーマンスが出せるのが特徴で、レーンで極端にスノーボールを狙う必要がないのも大きいです。

──私がこのゲームを始めた時期に環境を席巻していたタンクフィズの可能性が模索されるのは、なにかノスタルジーを感じざるを得ません(笑。見い出される運用方法に要注目です。


さて、このパッチ25.20は小規模な変更内容となりました。

大きくメタが動くことはないと思いますが、相変わらずすでにパフォーマンスが出ているピックにもバフが入っており、注意すべきピックも増えています。

また、メタチャンピオンとそれ以外の『層の格差』も大きくなっています。好きなチャンピオンで遊ぶのもいいですが、勝つためにチャンピオンを選び、習熟するのも競技性の高いこのゲームの醍醐味となっています。幸い、現在はその選択肢が多く取れるので相棒チャンピオンを選び、練習していきましょう!


ここまで読んでいただきありがとうございました!
それでは、次のパッチ25.21でお会いしましょう!


パッチノート25.20概要(10月8日正式公開)



パッチノート 25.20
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-25-20-notes/
パッチノート|リーグ・オブ・レジェンド
https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/tags/patch-notes/

LoL Times:https://lol-times.com/


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