【特集】ストリートファイターリーグ Pro-JP 2025
【SFL2025 REJECTインタビュー】 ウメハラ「LeSharでダメなら仕方がないと思えた」──REJECTがLeSharに託した大将戦
- 全員でつかんだ分岐点──REJECT、死闘のプレーオフとグランドファイナルへの覚悟
- 勝敗を分けたオーダーと分岐点――0-20からの大将戦
- 上で待つ者の心理──手の内を見せないメリット
- 個々の戦いと進化――敗戦、覚悟、そして成長
- 再び「グランドファイナル」へ──Crazy Raccoonとの決戦
『ストリートファイター6』(スト6)の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」(SFリーグ 2025)Division Fのプレーオフが行われ、REJECT(RC)が本節首位の実力そのままに、「グランドファイナル」への切符を手にした。
プレーオフ チームマッチ1は3位ZETA DIVISION Geekly(ZETA)と2位広島 Team iXAの試合。1巡目はアウェーのZETAが30-10でリードするが、2巡目は大将戦以外で勝利して50-30と大きく差をつける。しかし、3巡目でiXAが先鋒・中堅を連勝して50-50に持ち込み、大将戦のももち(エド)vsあでりい(エド)の決戦は1巡目で負けたあでりいがリベンジ成功。70-50でiXAが勝利した。
迎えたチームマッチ2は、1位REJECT(RC)とiXAの試合。1巡目、iXAはアウェーながら先鋒・中堅で勝利するが、大将のあでりいがLeSharに敗れ20-20に。2巡目ではなんとアウェーのRCが3連勝して60-20と王手をかけると、3巡目の先鋒戦でこちらも1巡目で敗れたときど(ケン)があきら(キャミィ)にリベンジし、70-20の大差をつけてRCが勝利した。
関連記事:【結果速報 12月14日「SFL 2025 Pro-JP プレーオフ DAY2」】 「先鋒・中堅連敗からの大将LeSharの勝利が分岐点だった」 RC、ZETAを下したiXAに大差で勝利!
https://esports-world.jp/report/56934
今回は、12月14日の試合直後に行われた、RCの選手への合同インタビューの模様をお届けする。
──プレーオフでの勝利、おめでとうございます。まずは「グランドファイナル」進出のお気持ちをお聞かせください。

ときど:いや、すごく長い戦いでしたね。とにかく……勝てて安心してます。ただ、今はもう疲弊してますね。それくらい厳しい戦いでした。本当にチームメイトに感謝しています。
LeShar:勝ててうれしいです。一番難しい試合だと思っていた分、ミスも少しありましたけど、それでも難しいことや練習してきたことをちゃんと出せてよかったです。
ふ〜ど:プレーオフの肝は、やっぱりあでりい、ももちのエド。まあ、LeSharも俺もそうですけど、エドがすごく大事だということで、エド戦の準備ができたのは攻略として良かった。しかもLeSharがしっかり勝ってくれて、すごくうれしかったです。
ウメハラ:チーム戦をたくさんやってきて、先鋒・中堅が負けた後って、やっぱり大将は引きずると思うんですよ。引きずりもある中で、ちゃんと耐えて跳ね返したLeSharの大将戦の勝ちから、こっちが勝つ空気になった気がして。あそこが本当に分岐点だったなと。
そのあと、かなり優勢になったところでも気を抜かず、みんなでアドバイスし合いながら、たった10点なんだけど、その10点の重さをみんな知っているので、真剣に向き合えたのはすごく良かったと思いましたね。
──昨日「SFL」Division SでCrazy Raccoonが3位から勝ち上がるという下克上が発生しました。それを見てどう思われましたか。
ときど:怖いなと思いましたね。僕、Good 8 Squadの練習場にもお邪魔して練習させてもらったんですけど、本当に入念な下準備をしていましたし、僕がREJECTでこういう練習をするようになったのも、昔あそこで一緒に練習させてもらったのがきっかけでもあって。
今はどこも、そういう取り組みができるところは自分たちで環境を整えてやってますし、何と言っても1日で決まっちゃうものなので。
そうは言っても、自分たちの今までの取り組みを信じて、自信を持って戦うことが大切なので、そこがブレないようにしたいと思って戦いました。
──プレーオフは本節と違って2巡目までに全員が出るというルールで、特にREJECTファンからはウメハラ選手がどこで出るのか注目していたと思います。今回アウェーの中堅での出番になりましたが、どういった理由でこのオーダーになったんでしょうか。
ウメハラ:元々は、エド戦もすごくやっていて、あでりいに行く予定ではあったんです。ただ、うちのチームのすごく難しいところなんですが、チームメイトの2人(エドのふ〜どとLeShar)に勝率が悪いと、なんか出る気がなくなるっていうトラップがありました(笑)。他のエドに対してはかなり勝率が良かったから、普通に考えたら出るんですけど、出ない方がいいのかなって。しかも、それが昨日で。だから急きょLeSharに出てもらう形になりました。一応、ACQUAが出てきたら出る予定だったんですけど、ACQUAが出なかったので。
実は今回、正直キャミィ戦もリリー戦も全くやってなかったんですよ。だから出たら勝つ可能性はすごく低いなと思ってたんですけど、しかたがない理由があって。結果から言うと、「全然やってないから思い切ってやろう」みたいな気持ちになれたのが勝因だったのかな。縮こまらず、細かい対策とかじゃなくて、大事な読み合いだけ勝てればいいや、みたいな思い切りの良さが良かったのかなと思いました。

──今日の1戦目はZETA DIVISION Geeklyと広島 Team iXAのどちらかで、両方対策していたと思いますが、正直どっちが来ると思っていましたか?
ときど:僕は五分五分だと思ってました。本当に両方分からないなと思って、50%ずつだと思って見てました。
──どっちが来た方がありがたいという思いは?
ときど:チームとして見たらどうですかね? iXAの方がやっぱり良かった?
ふ〜ど:俺目線では、ももちに自分が行く予定だから、責任重いなって思って見てました(笑)。
ときど:僕らは役割分担をしてたので、「このチームには自分はキーマンだな」みたいに、はっきり分かれていたので、そういう意味では人によってちょっと違いましたね。チームとして見た時は……。
ふ〜ど:トータルでiXAだと思う。ZETAでも自信はあったけど、iXAの方なのかな。まあ、本当に五分だったね。
──今日のマッチ1(ZETA vs iXA)の間はどんなふうに過ごしていたのでしょうか。
ふ〜ど:みんなで試合を見ながら、どっちが勝つか最後まで本当に分からなかったんで、偏った対策はできなかったですね。60-0とか40-0だったら勝っている方の対策を重点的にやったかもしれないですけど、最後まで見ていました。
──配信でハメコ。さんが「マッチ1のあでりい選手の試合をみんなが見ていたから、LeShar選手が対策できていた」ともはなしていました。影響はありましたか。
LeShar:いや〜……あでりい選手のリプレーは結構見て、「こういう動きが多い」とか対策しましたけど、思ったより差し返しがうまくてびっくりしましたね。ただ、僕は最近テリーをやっていて、僕はあでりい選手の最近の試合は見られるけど、僕の(エドの)試合はなかったので、こっちが有利だと思いました。
──特に、1巡目の0-20という場面は、LeShar選手はどんな気持ちでしたか。
LeShar:やっぱりときどさん、ふ〜どさんが前に勝った相手に負けたから、よりプレッシャーはありました。正直負けると思いました。でも、ここで僕が勝てないと(試合に)負けると思ったし、あでりい選手との試合は結構運が良かったですね。ときどさんがしてくれた「相手の対空が遅いから、最後に垂直ジャンプ」というアドバイスも勝因でした。
──他の選手の皆様はどういう気持ちで見ていましたか。
ふ〜ど:まあ、LeSharは少なくともうちのチームで一番勝率が出ると思ったので、あとは頑張ってもらうだけ、と思って見てましたね。
ウメハラ:エド戦を詰める過程で、LeSharが豪鬼を使ってエド戦をやるのも見ていたんですけど、あらためて自分と同じキャラを使ってるのを見て、とんでもなくエド戦のレベルが高いと感じたんです。同キャラではその良さを生かしきるのは難しいかもしれませんが、これでダメなら仕方がないと思えるくらいの仕上がりだったので、心配はなかったですね。
ときど:自分が負けて、それに引っ張られたかは分かりませんがふ〜どもやられてしまって、この状態でLeSharにまた助けてもらうことになるのは、すごく心苦しかったんです。でも、2024年もLeSharはすごく勝ってましたけど、今年はみんな技術的には追いついてきたなと思うんですよ。
2024年の「グランドファイナル」はすごい試合で、LeSharはメンタル面でちょっと揺らいだ部分があったと思うんですけど、今年はすごく気合を入れて、わざわざ韓国から日本に来て、帰るつもりだったのにもう1回やってくれると言ってくれて……。普段から並々ならぬ思いで過ごしているので、逆境だけどメンタル面では一回り、二回り、何回りも大きくなって臨めていると思うので、そこは大丈夫だと思って見ていました。

──今回1カ所に集まってオフラインで参戦していましたが、集まった利点はありましたか?
ときど:ありましたね〜。特に、スパーリングパートナーの皆様に集まっていただいて、練習しながらマッチ1を見ていたんですが、直前まで練習させてもらったのは大きかったです。なんなら僕らは勝った方としか戦わないわけで、両方のチームが使うキャラのプレーヤーの方々に来ていただいて、ギリギリまで激戦でどっちかわかんない中、こっちは日和見的な感じで付き合ってもらえたのは、すごく大きいと思いましたね。
あとは単純に、連携が取りやすい。インターバルって相手にも時間を渡しちゃうことになるので、こっちはそれを使わず、短い時間でパパっと情報を伝えられたのは、非常に大きいと思います。
──ふ〜ど選手は、本節で勝てていたひびき選手に今回ついに負けてしまいました。今日の試合はどんな感じでしたか。
ふ〜ど:やっぱり受け方とか、全然違いましたね。人読みで結構簡単に勝てちゃっていたんですよ。投げ系が多いからそれを狩るとか。そういうところを全然やっていなくて、逆にそこを狙われることもあったりして。準備されていてきつかったなと思いましたね。
──LeShar選手は配信でもふれていましたが、「グランドファイナル」で優勝したら本当に韓国に帰ってしまうんですか?
LeShar:僕は今年が最後のシーズンだと思っています。僕はやっぱり海外の人間だから、日本のリーグにずっといるのはちょっと正しくないと思って。2024年はイベントみたいな感じで来ていたんですけど、2025年はときどさんとREJECTに感謝があるから、今回こそ優勝を目指す感じで。(優勝できたら)来年はその理由がないので……。
──「グランドファイナル」でCrazy Raccoonに当たることになりましたが、かなりキャラクターの構成に癖があり、ディビジョンFで全く当たらなかったキャラもいると思います。対策についてお聞かせください。
ときど:僕らの今までの練習方法として、いまも4人一緒にいるんですけど、この場所にいろいろな方にスパーリングで来ていただいて、毎日対戦していただくのは今後も続けていきたいと思います。本当にいい方々ばかりで、喜んで付き合っていただいてるので、引き続きその方向で「グランドファイナル」までやっていきたいと思います。
──「グランドファイナル」はオフラインですが、ファンに盛り上がってほしいとか、静かに見守ってほしいとか、要望はありますか?
ときど:対戦相手(CR)は本当に大きいチームで、ファンが非常に多いチームだと思うんです。でも我々REJECTもこれからそこに負けないくらいの熱量を持って、チームスタッフ一同で盛り上げて、なおかつちゃんと勝利いたしますので、ぜひ“大きく”よろしくお願いします(笑)。
ふ〜ど:アールさんとかハメコ。さんもやってほしいよね。
ウメハラ:チームREJECT。
ときど:皆さんの声援は僕らの力になりますので、当日は我々も仕上げていきますので、皆さんと一緒に楽しみながら、熱量を持ってプレーしたいなと思います。
──「グランドファイナル」は点数差の関係から、REJECTがホーム側から始まります。CRで警戒している選手とその理由をお聞かせください。
ときど:Shutoは……みんな言いそうですよね。やっぱり大活躍していますし、リュウというキャラに変更して、昨日の活躍ぶりは本当に目を見張るものがありました。
ふ〜ど:なんかおじさんが多いんですよ、合わせて。おそらく“中段”と“インパクト祭り”になるんじゃないかなって、そこが注目ポイントな気がします。だから、見ている人も結構盛り上がりやすいんじゃないかな。その中で、どう細かいプレーができるかだとは思ってるんですけど、“インパクト中段祭り”にならないREJECTにしたいなと思います。むしろ。
ときど:大丈夫だよ。全部ジャストパリィだよ(笑)。
──MCの2人が「インパクト〜!」って声をそろえるのも定番になってますからね。聞けますかね?
ふ〜ど:はい、「グランドファイナル」は聞けると思います。
LeShar:僕はかずのこさん。配信を結構見るんですが、かずのこさんが僕が好きなキャラクターが出るゲームを最近やってくれるので、それがうれしいからかずのこさんですかね。
──ちなみに何のゲームですか?
LeShar:『カービィのエアライダー』です。
全員:ああ〜〜! なるほど(笑)。
ウメハラ:あの活躍ぶりを見るとShutoかなと。ただ、リュウは比較的対策を立てられると思うので、そういう意味ではガチンコでやれると思うんですけど、どっちかっていうとC.ヴァイパーとかエレナを使っているかずのことどぐらの方がやりづらい感じはしますね、個人的には。こっち(Division F)には全くいなかったし、対策したことがほとんどないので、ちょっと苦労するかなと思います。
──LeShar選手は本節はテリーがメインでしたが、プレーオフでのテリーの出番はあったのか、今後CR戦に向けてテリーはどうしていくのかをお聞かせください。
LeShar:正直毎日変わっていて。今日エドでちょっと良くなかった内容があったので、あきらさんとかACQUAさんとかにはエドの調子が悪かったらテリーを出す可能性はありました。
CR戦では、僕が今まで使ってきた全部のキャラを出す可能性がありますね、時間があるので。テリーの可能性もあると思います。
──CRはエド、舞というRCが使いたがるキャラクターを全く使っておらず、エレナやC.ヴァイパーといった新しいキャラクターの練度も上がってきています。そこへの対策はいかがでしょうか。
ときど:これまでDivision Fにいなかったキャラクターも多いので、ちょっと大変かなとは思うんですけど、まだ時間もありますし、こちらの伸びしろも非常にありますので、スパーリングパートナーの皆さんにお世話になろうかなと思っております。
ふ〜ど:というよりも、レアキャラは練習していて楽しいので、1カ月間毎日、舞やエドと対戦している方が絶対きついんですよ。むしろヴァイパーとかエレナとか練習できるので、モチベがめっちゃ上がると思います。現状は対策自体がぬるいとは思うんですけど、もう楽しみです(笑)。みんなずっとエドと対戦して、ちょっと嫌になってたでしょ(笑)。
ときど:拒否ですよ、拒否、拒否(笑)。
ふ〜ど:だから、すげえ楽しみっすよね、練習も。
ときど:ゲームってやっぱり面白いものなので、いざ新しいキャラと向き合うのは、気持ちの切り替えにもなると思って、取り組ませてもらおうと思います。
──ちなみに、ときど選手のJPはどこに行ってしまったのでしょうか……。
ときど:布陣次第では出そうと思ってたんですけど、まさかの噛み合わずで。なので、「グランドファイナル」でぜひ。
──最後に、「グランドファイナル」に向けての意気込みをお願いします。
ときど:昨日CRにすごくいい試合を見させていただいて、僕らの練習のモチベーションもいっそう上がっています。相手はCRという大きいチームで、日本のeスポーツ業界を引っ張るチームだと思っていますので、むしろ僕たちは胸を借りるつもりで、しっかりと体を作ってぶつかっていきたいなと思います。よろしくお願いいたします!
■関連リンク
SPWN(有料チケット)ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025プレーオフ / グランドファイナル
https://spwn.jp/events/evt_251213-SFL2025POGF
CAPCOM eSports公式YouTubeチャンネル:
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プレーオフ チームマッチ1は3位ZETA DIVISION Geekly(ZETA)と2位広島 Team iXAの試合。1巡目はアウェーのZETAが30-10でリードするが、2巡目は大将戦以外で勝利して50-30と大きく差をつける。しかし、3巡目でiXAが先鋒・中堅を連勝して50-50に持ち込み、大将戦のももち(エド)vsあでりい(エド)の決戦は1巡目で負けたあでりいがリベンジ成功。70-50でiXAが勝利した。
迎えたチームマッチ2は、1位REJECT(RC)とiXAの試合。1巡目、iXAはアウェーながら先鋒・中堅で勝利するが、大将のあでりいがLeSharに敗れ20-20に。2巡目ではなんとアウェーのRCが3連勝して60-20と王手をかけると、3巡目の先鋒戦でこちらも1巡目で敗れたときど(ケン)があきら(キャミィ)にリベンジし、70-20の大差をつけてRCが勝利した。
関連記事:【結果速報 12月14日「SFL 2025 Pro-JP プレーオフ DAY2」】 「先鋒・中堅連敗からの大将LeSharの勝利が分岐点だった」 RC、ZETAを下したiXAに大差で勝利!
https://esports-world.jp/report/56934
今回は、12月14日の試合直後に行われた、RCの選手への合同インタビューの模様をお届けする。
全員でつかんだ分岐点──REJECT、死闘のプレーオフとグランドファイナルへの覚悟
──プレーオフでの勝利、おめでとうございます。まずは「グランドファイナル」進出のお気持ちをお聞かせください。

ときど:いや、すごく長い戦いでしたね。とにかく……勝てて安心してます。ただ、今はもう疲弊してますね。それくらい厳しい戦いでした。本当にチームメイトに感謝しています。
LeShar:勝ててうれしいです。一番難しい試合だと思っていた分、ミスも少しありましたけど、それでも難しいことや練習してきたことをちゃんと出せてよかったです。
ふ〜ど:プレーオフの肝は、やっぱりあでりい、ももちのエド。まあ、LeSharも俺もそうですけど、エドがすごく大事だということで、エド戦の準備ができたのは攻略として良かった。しかもLeSharがしっかり勝ってくれて、すごくうれしかったです。
ウメハラ:チーム戦をたくさんやってきて、先鋒・中堅が負けた後って、やっぱり大将は引きずると思うんですよ。引きずりもある中で、ちゃんと耐えて跳ね返したLeSharの大将戦の勝ちから、こっちが勝つ空気になった気がして。あそこが本当に分岐点だったなと。
そのあと、かなり優勢になったところでも気を抜かず、みんなでアドバイスし合いながら、たった10点なんだけど、その10点の重さをみんな知っているので、真剣に向き合えたのはすごく良かったと思いましたね。
──昨日「SFL」Division SでCrazy Raccoonが3位から勝ち上がるという下克上が発生しました。それを見てどう思われましたか。
ときど:怖いなと思いましたね。僕、Good 8 Squadの練習場にもお邪魔して練習させてもらったんですけど、本当に入念な下準備をしていましたし、僕がREJECTでこういう練習をするようになったのも、昔あそこで一緒に練習させてもらったのがきっかけでもあって。
今はどこも、そういう取り組みができるところは自分たちで環境を整えてやってますし、何と言っても1日で決まっちゃうものなので。
そうは言っても、自分たちの今までの取り組みを信じて、自信を持って戦うことが大切なので、そこがブレないようにしたいと思って戦いました。
勝敗を分けたオーダーと分岐点――0-20からの大将戦
──プレーオフは本節と違って2巡目までに全員が出るというルールで、特にREJECTファンからはウメハラ選手がどこで出るのか注目していたと思います。今回アウェーの中堅での出番になりましたが、どういった理由でこのオーダーになったんでしょうか。
ウメハラ:元々は、エド戦もすごくやっていて、あでりいに行く予定ではあったんです。ただ、うちのチームのすごく難しいところなんですが、チームメイトの2人(エドのふ〜どとLeShar)に勝率が悪いと、なんか出る気がなくなるっていうトラップがありました(笑)。他のエドに対してはかなり勝率が良かったから、普通に考えたら出るんですけど、出ない方がいいのかなって。しかも、それが昨日で。だから急きょLeSharに出てもらう形になりました。一応、ACQUAが出てきたら出る予定だったんですけど、ACQUAが出なかったので。
実は今回、正直キャミィ戦もリリー戦も全くやってなかったんですよ。だから出たら勝つ可能性はすごく低いなと思ってたんですけど、しかたがない理由があって。結果から言うと、「全然やってないから思い切ってやろう」みたいな気持ちになれたのが勝因だったのかな。縮こまらず、細かい対策とかじゃなくて、大事な読み合いだけ勝てればいいや、みたいな思い切りの良さが良かったのかなと思いました。

RCが10ポイントリードの中堅戦、多少の被弾もいとわないウメハラに、追い込まれたあきらが思わずCAを暴発。傍目には単純なミスに見えるが、同点か20点差かがかかった場面に追い込まれたあきらへのプレッシャーがあればこその駆け引きだった
──今日の1戦目はZETA DIVISION Geeklyと広島 Team iXAのどちらかで、両方対策していたと思いますが、正直どっちが来ると思っていましたか?
ときど:僕は五分五分だと思ってました。本当に両方分からないなと思って、50%ずつだと思って見てました。
──どっちが来た方がありがたいという思いは?
ときど:チームとして見たらどうですかね? iXAの方がやっぱり良かった?
ふ〜ど:俺目線では、ももちに自分が行く予定だから、責任重いなって思って見てました(笑)。
ときど:僕らは役割分担をしてたので、「このチームには自分はキーマンだな」みたいに、はっきり分かれていたので、そういう意味では人によってちょっと違いましたね。チームとして見た時は……。
ふ〜ど:トータルでiXAだと思う。ZETAでも自信はあったけど、iXAの方なのかな。まあ、本当に五分だったね。
上で待つ者の心理──手の内を見せないメリット
──今日のマッチ1(ZETA vs iXA)の間はどんなふうに過ごしていたのでしょうか。
ふ〜ど:みんなで試合を見ながら、どっちが勝つか最後まで本当に分からなかったんで、偏った対策はできなかったですね。60-0とか40-0だったら勝っている方の対策を重点的にやったかもしれないですけど、最後まで見ていました。
──配信でハメコ。さんが「マッチ1のあでりい選手の試合をみんなが見ていたから、LeShar選手が対策できていた」ともはなしていました。影響はありましたか。
LeShar:いや〜……あでりい選手のリプレーは結構見て、「こういう動きが多い」とか対策しましたけど、思ったより差し返しがうまくてびっくりしましたね。ただ、僕は最近テリーをやっていて、僕はあでりい選手の最近の試合は見られるけど、僕の(エドの)試合はなかったので、こっちが有利だと思いました。
──特に、1巡目の0-20という場面は、LeShar選手はどんな気持ちでしたか。
LeShar:やっぱりときどさん、ふ〜どさんが前に勝った相手に負けたから、よりプレッシャーはありました。正直負けると思いました。でも、ここで僕が勝てないと(試合に)負けると思ったし、あでりい選手との試合は結構運が良かったですね。ときどさんがしてくれた「相手の対空が遅いから、最後に垂直ジャンプ」というアドバイスも勝因でした。
──他の選手の皆様はどういう気持ちで見ていましたか。
ふ〜ど:まあ、LeSharは少なくともうちのチームで一番勝率が出ると思ったので、あとは頑張ってもらうだけ、と思って見てましたね。
ウメハラ:エド戦を詰める過程で、LeSharが豪鬼を使ってエド戦をやるのも見ていたんですけど、あらためて自分と同じキャラを使ってるのを見て、とんでもなくエド戦のレベルが高いと感じたんです。同キャラではその良さを生かしきるのは難しいかもしれませんが、これでダメなら仕方がないと思えるくらいの仕上がりだったので、心配はなかったですね。
ときど:自分が負けて、それに引っ張られたかは分かりませんがふ〜どもやられてしまって、この状態でLeSharにまた助けてもらうことになるのは、すごく心苦しかったんです。でも、2024年もLeSharはすごく勝ってましたけど、今年はみんな技術的には追いついてきたなと思うんですよ。
2024年の「グランドファイナル」はすごい試合で、LeSharはメンタル面でちょっと揺らいだ部分があったと思うんですけど、今年はすごく気合を入れて、わざわざ韓国から日本に来て、帰るつもりだったのにもう1回やってくれると言ってくれて……。普段から並々ならぬ思いで過ごしているので、逆境だけどメンタル面では一回り、二回り、何回りも大きくなって臨めていると思うので、そこは大丈夫だと思って見ていました。

「SFL 2024 グランドファイナル」では、言語の壁もあり、大事な大将戦でチームとしてLeSharのメンタルを支えられない面もあった(参考記事:https://esports-world.jp/report/46639)
──今回1カ所に集まってオフラインで参戦していましたが、集まった利点はありましたか?
ときど:ありましたね〜。特に、スパーリングパートナーの皆様に集まっていただいて、練習しながらマッチ1を見ていたんですが、直前まで練習させてもらったのは大きかったです。なんなら僕らは勝った方としか戦わないわけで、両方のチームが使うキャラのプレーヤーの方々に来ていただいて、ギリギリまで激戦でどっちかわかんない中、こっちは日和見的な感じで付き合ってもらえたのは、すごく大きいと思いましたね。
あとは単純に、連携が取りやすい。インターバルって相手にも時間を渡しちゃうことになるので、こっちはそれを使わず、短い時間でパパっと情報を伝えられたのは、非常に大きいと思います。
個々の戦いと進化――敗戦、覚悟、そして成長
──ふ〜ど選手は、本節で勝てていたひびき選手に今回ついに負けてしまいました。今日の試合はどんな感じでしたか。
ふ〜ど:やっぱり受け方とか、全然違いましたね。人読みで結構簡単に勝てちゃっていたんですよ。投げ系が多いからそれを狩るとか。そういうところを全然やっていなくて、逆にそこを狙われることもあったりして。準備されていてきつかったなと思いましたね。
──LeShar選手は配信でもふれていましたが、「グランドファイナル」で優勝したら本当に韓国に帰ってしまうんですか?
LeShar:僕は今年が最後のシーズンだと思っています。僕はやっぱり海外の人間だから、日本のリーグにずっといるのはちょっと正しくないと思って。2024年はイベントみたいな感じで来ていたんですけど、2025年はときどさんとREJECTに感謝があるから、今回こそ優勝を目指す感じで。(優勝できたら)来年はその理由がないので……。
再び「グランドファイナル」へ──Crazy Raccoonとの決戦
──「グランドファイナル」でCrazy Raccoonに当たることになりましたが、かなりキャラクターの構成に癖があり、ディビジョンFで全く当たらなかったキャラもいると思います。対策についてお聞かせください。
ときど:僕らの今までの練習方法として、いまも4人一緒にいるんですけど、この場所にいろいろな方にスパーリングで来ていただいて、毎日対戦していただくのは今後も続けていきたいと思います。本当にいい方々ばかりで、喜んで付き合っていただいてるので、引き続きその方向で「グランドファイナル」までやっていきたいと思います。
──「グランドファイナル」はオフラインですが、ファンに盛り上がってほしいとか、静かに見守ってほしいとか、要望はありますか?
ときど:対戦相手(CR)は本当に大きいチームで、ファンが非常に多いチームだと思うんです。でも我々REJECTもこれからそこに負けないくらいの熱量を持って、チームスタッフ一同で盛り上げて、なおかつちゃんと勝利いたしますので、ぜひ“大きく”よろしくお願いします(笑)。
ふ〜ど:アールさんとかハメコ。さんもやってほしいよね。
ウメハラ:チームREJECT。
ときど:皆さんの声援は僕らの力になりますので、当日は我々も仕上げていきますので、皆さんと一緒に楽しみながら、熱量を持ってプレーしたいなと思います。
──「グランドファイナル」は点数差の関係から、REJECTがホーム側から始まります。CRで警戒している選手とその理由をお聞かせください。
ときど:Shutoは……みんな言いそうですよね。やっぱり大活躍していますし、リュウというキャラに変更して、昨日の活躍ぶりは本当に目を見張るものがありました。
ふ〜ど:なんかおじさんが多いんですよ、合わせて。おそらく“中段”と“インパクト祭り”になるんじゃないかなって、そこが注目ポイントな気がします。だから、見ている人も結構盛り上がりやすいんじゃないかな。その中で、どう細かいプレーができるかだとは思ってるんですけど、“インパクト中段祭り”にならないREJECTにしたいなと思います。むしろ。
ときど:大丈夫だよ。全部ジャストパリィだよ(笑)。
──MCの2人が「インパクト〜!」って声をそろえるのも定番になってますからね。聞けますかね?
ふ〜ど:はい、「グランドファイナル」は聞けると思います。
LeShar:僕はかずのこさん。配信を結構見るんですが、かずのこさんが僕が好きなキャラクターが出るゲームを最近やってくれるので、それがうれしいからかずのこさんですかね。
──ちなみに何のゲームですか?
LeShar:『カービィのエアライダー』です。
全員:ああ〜〜! なるほど(笑)。
ウメハラ:あの活躍ぶりを見るとShutoかなと。ただ、リュウは比較的対策を立てられると思うので、そういう意味ではガチンコでやれると思うんですけど、どっちかっていうとC.ヴァイパーとかエレナを使っているかずのことどぐらの方がやりづらい感じはしますね、個人的には。こっち(Division F)には全くいなかったし、対策したことがほとんどないので、ちょっと苦労するかなと思います。
──LeShar選手は本節はテリーがメインでしたが、プレーオフでのテリーの出番はあったのか、今後CR戦に向けてテリーはどうしていくのかをお聞かせください。
LeShar:正直毎日変わっていて。今日エドでちょっと良くなかった内容があったので、あきらさんとかACQUAさんとかにはエドの調子が悪かったらテリーを出す可能性はありました。
CR戦では、僕が今まで使ってきた全部のキャラを出す可能性がありますね、時間があるので。テリーの可能性もあると思います。
──CRはエド、舞というRCが使いたがるキャラクターを全く使っておらず、エレナやC.ヴァイパーといった新しいキャラクターの練度も上がってきています。そこへの対策はいかがでしょうか。
ときど:これまでDivision Fにいなかったキャラクターも多いので、ちょっと大変かなとは思うんですけど、まだ時間もありますし、こちらの伸びしろも非常にありますので、スパーリングパートナーの皆さんにお世話になろうかなと思っております。
ふ〜ど:というよりも、レアキャラは練習していて楽しいので、1カ月間毎日、舞やエドと対戦している方が絶対きついんですよ。むしろヴァイパーとかエレナとか練習できるので、モチベがめっちゃ上がると思います。現状は対策自体がぬるいとは思うんですけど、もう楽しみです(笑)。みんなずっとエドと対戦して、ちょっと嫌になってたでしょ(笑)。
ときど:拒否ですよ、拒否、拒否(笑)。
ふ〜ど:だから、すげえ楽しみっすよね、練習も。
ときど:ゲームってやっぱり面白いものなので、いざ新しいキャラと向き合うのは、気持ちの切り替えにもなると思って、取り組ませてもらおうと思います。
──ちなみに、ときど選手のJPはどこに行ってしまったのでしょうか……。
ときど:布陣次第では出そうと思ってたんですけど、まさかの噛み合わずで。なので、「グランドファイナル」でぜひ。
──最後に、「グランドファイナル」に向けての意気込みをお願いします。
ときど:昨日CRにすごくいい試合を見させていただいて、僕らの練習のモチベーションもいっそう上がっています。相手はCRという大きいチームで、日本のeスポーツ業界を引っ張るチームだと思っていますので、むしろ僕たちは胸を借りるつもりで、しっかりと体を作ってぶつかっていきたいなと思います。よろしくお願いいたします!
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