【特集】ストリートファイターリーグ2025

【SFL2025出場チームインタビュー Saishunkan Sol 熊本】ネモ「こばやんはザンギエフの強さをちゃんと証明してほしい」——こばやん「いっぱい点稼ぎます。頑張ります!」

ストリートファイター6』(スト6)の国内公式プロリーグである「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2025」(SFリーグ 2025)が8月から開幕する。

8シーズン目となる本リーグは、昨年同様12チームが出場。ふたつのディビジョンに分かれて戦う「2ディビジョン制」が採用される。

Division SDivision F
Good 8 Squad REJECT
Crazy Raccoon FUKUSHIMA IBUSHIGIN
Saishunkan Sol 熊本 広島 TEAM iXA
CAG OSAKA ZETA DIVISION Geekly
名古屋NTPOJA VARREL
Victrix FAV gaming DetonatioN FocusMe

本特集記事では全12チームに出場前の意気込みや、気になる選手などをうかがった合同記者会見の様子をチームごとに分けてお届けする。気になるチームは下記の特集ページから確認してほしい。

【特集】ストリートファイターリーグ2025

今回紹介するチームは、3年連続プレーオフ進出と、安定の強さを誇るSaishunkan Sol 熊本(SS熊本)。リーダーのネモを除く3名が入れ替えとなり、初参戦のこばやんを採用するなど、装いも新たに今年のリーグに挑む。悲願の初勝利となるのか——期待が高まるチームだ。

▲左上からネモ、こばやん、cosa、まちゃぼー(下段)

■ロスター
・ネモ:オリジナルメンバー
・まちゃぼー:ex.DetonatioN FocusMe
・cosa(こさ):ex.FUKUSHIMA IBUSHIGIN
・こばやん:初参戦

延長戦のルール変更は問題なし!
Saishunkan Sol 熊本が描く勝ち筋とは


──現時点で使用予定キャラと、新しく加入された選手の印象をお聞かせください。

ネモ:使用キャラクターはベガとブランカを使おうかなと思っています。

まちゃぼーは昔から一緒にゲームをやっていて、ほんとにゲームがうまいやつなので、割と自分にない攻略の視点とかを聞けると思うので、チーム全体としてゲームの攻略度が上がるんじゃないかなと感じています。

cosaはすごい真面目な人っていうのが、前に組んだ時(2023年度はcosa、ひぐちが同メンバー)からよく分かっていました。

当時はその真面目さで、「俺らちょっと不真面目すぎないか?」って感じたり、ひぐちも「cosaがいるとやる気にさせられますね」って感じたりした部分もあったので、いい意味で自分たちにプレッシャーがかかるかなと。

こばやんに関しては、今回新しく入ったので、まず気楽にやってほしいなっていうのと、あとはザンギエフの強さをちゃんと証明してほしいです。すごく頼もしい勢力になると思ってます(笑)。


——新しく加入したみなさんは、現時点で使用予定キャラとチームの印象をお聞かせください。

まちゃぼー:使用キャラクターはリュウを使う予定です。SS熊本のイメージは、とにかくちゃんとしているチームだなぁというところですね。

別に今まで入っていたチームがちゃんとしてないわけではないんですけど、すべてにおいて本当にしっかりとしたチーム・企業だと、入る前に前回コーチもやらせていただいた時から、今になっても同じような印象を持っています。


cosa:使用予定はメインはリュウで、あとはケンを使う予定です。SS熊本へのイメージは、すごく愛されてるチームだなってずっと思っています。なぜ愛されているのかっていうのは、それぞれ理由はあると思うんですけど——。あと、僕も真面目なチームっていう印象があります。

こばやん:使用予定のキャラクターはザンギエフの予定です。

SS熊本のイメージは、SFリーグが始まってからずっとある古豪というか、昔からある強いチームっていうイメージなんですけど、ここに入った若いプレーヤーは、だいたい活躍していくルートをたどっているので、それに続けるように頑張りたいです。


——今回、ルール変更でリザーブの出番が多くなると思います。昨年のように飛び抜けた実力のある選手がいれば勝ちが狙えるというところから、チームの総合力が求められるようになった新ルールをどう感じていますか?

延長戦のルール変更について

本リーグは、まず先鋒、中堅、大将を選出して対戦。勝利して獲得したポイントが高い方が勝利となる。先鋒、中堅が勝利すると10ポイント、大将が勝利すると20ポイント獲得するため、同点となり延長戦に突入する機会が多いのが特徴だ。

昨年までの延長戦では任意の選手が選出できたのに対し、今年はリザーブ(先鋒、中堅、大将に含まれない控えの選手)が必ず出場しなければならない。また昨年までの延長戦がBO1(1本先取)だったのに対し、今年はBO3(2本先取)に変更。延長戦も試合中の駆け引きがより楽しめる内容に変更された。

そのため、あらかじめ延長戦を加味したチーム編成にするのか、延長戦に持ち込まずに勝ちを取りに行く編成にするのかなど、戦略の幅が広がった。

ネモ:延長線に持っていかなければ関係ないと思うんで、まずはこばやんが20点、僕は10点取れば勝てる。なので、あまり変わってないなって思います(笑)。


——こばやん選手に「気楽に」って言ってたような……。SS熊本の強みやファンに向けて見てほしい部分も教えてください。

ネモ:まだ新しい3人なんで、正直これから作っていかなきゃいけないなと思ってます。ただ、一緒に練習している感じだと、結構みんな馴染んでいる気はしています。

割と話もしているし、攻略もストレスなくやれてんじゃないかなと。ただ、リーグが始まってみるとまた変わるかもしれないので、そこのバランスをうまくとっていきたいです。

ファンサービスを新しいメンバーのみんながいろいろ発信してくれるとうれしいなって思ってるんで、そこも含めてこれからのSS熊本を楽しみにしていてください。

──今回振り分けられたディビジョンSの印象や注目選手をお聞かせください。

ネモ:割と硬派なキャラクターがそろっているのかなって思います。ディビジョンFの方がクセが強そうなキャラクターがいる感じで、対策は結構絞れるかなと。

ただ春麗を使う選手が多いので対策をどういうふうにしていこうかは考えてます。

注目しているチームはVictrix FAV gaming(FAV)ですね。藤村、もけ、りゅうきちっていう割と一緒に強くなっていった仲良し3人が同じチームにいるので、そこのチームワークがすごく形成されてると思います。ディビジョンSでかなり勝つんじゃないかなっていう気はしているので、まずはFAVを倒さないとダメだろうなと感じています。

まちゃぼー:個人的にはREJECT(RC)とZETA DIVISION Geekly(ZETA)とは被りたくないなって思っていたので、その2チームと被らなかったのはもう暁光(ぎょうこう)です。個人的にやりたくないキャラクター、例えばZETAのひかる選手のA.K.I.とか、ディビジョンFにはふたりダルシム使いがいるんですけど、そういう嫌なキャラを使う選手がいないですしね。

昨年、僕はDetonatioN FocusMe(DFM)から参戦したんですけど、その時もベガ、エド、豪鬼といった硬派なキャラというか、使用キャラが偏ってるチームが多かったので、今年も似たような感じにはなるのかなと思いつつ、自分としてはそっちの方がありがたいので、うれしいディビジョンだなと思っています。

気になるチームはGood 8 Squad(G8S)ですかね。昨年は4人目がダルシム使いのYHC-餅さんだったと思うんですけど、ダルシムって少し尖ったキャラクターで、ホームだと使いやすいけど、アウェイだとどうしても出番はほぼないんですよね。ただ、今年は4人目に若くて強いさはら選手が加入しています。エドという強くて万能キャラクターを使っていて、その万能さが仕上がって、さらに強くなってくるとどうなるんだろうという気持ちで注目しています。

cosa:僕もまちゃぼーさんと同じような印象を受けたのと、あとは昨年FUKUSHIMA IBUSHIGIN(IBSG)で同じチームだった翔くんとは違うディビジョンなんだなぁというのが印象深いですね。

実際にリーグで攻略していくってなった時に、昨年ディビジョンが違ったCrazy Raccoon(CR)とFAVの選手たちは、また新しくデータを取っていかないといけないと思ってます。僕、めちゃくちゃデータを集めるタイプなんで。


このチームがやばいぞみたいなので言うと、SS熊本がかなり光っては見えるんですけど、自分たちから見てだと、僕はCRが強そうだなって思っています。

あと、8月5日(火)にサガットが追加される予定なんで、ボンちゃんさんがもしかしたら新しいキャラクターで猛威を振るうかもしれないし、Shutoさんがもしかしたらマリーザにカムバックする可能性もあるし——。かなり自分たちのチームもパワーがすごいチームだと思うんですけど、Crazy Raccoonも結構パワーを感じるので、どう攻略しようかなと注目してます。

こばやん:そうですね……。ダルシムいないんで、いっぱい点稼ぎます(笑)。頑張ります!

当たりたくないなって思うのはCRです。やっぱり選手のひとりひとりがほとんど2キャラ、3キャラと使いこなせる人もいるので、結構的を絞りづらいなって思うのがひとつと、個人的にやっぱ昔から強いだけあって、人読みがしづらいなって——。実際リーグになると自分は人読みされる側、対応する側になると思うので、結構きつい試合にはなるかなと思ってます。

──リーグ問わず気になる選手はいますか?

ネモ:僕が気になっているのは、名古屋NTPOJA(OJA)のSeiya選手です。『ウルトラストリートファイター4』の時にゲーセンでよく対戦してたんですよ。しかも同じキャラを使ってたっていう。ただ今回、僕はくせ者キャラクターを使うのに対し、彼は春麗という割と正統派なキャラクターを使うんですよね。

最近の試合を見ても、すごくいいプレーをしていて「Seiyaって、こんなに反応良かったっけ?」というプレーを結構見せてくれるので、このリーグでどういうふうに戦っていくのかっていうのは注目ですね。

まちゃぼー:僕の中で『スト6』が世界で一番強いのは、今回RCのLeshar選手だと思っています。今回は違うディビジョンなので、そういう意味ではちょっとホッとしてる部分であるんですけど、去年の活躍も目覚ましかったので、今年もどれぐらい勝つんだろうなって、ディビジョンFも眺めてようかなと。

cosa:僕はチリのBlaz選手が1番注目しています。「カプコンカップ11」でみんなその活躍を見て、すごい選手だと知ったと思うんですけど、練習の内容を見ていても、アッと驚かされる選択肢が多くて——。ほんとに1試合1試合を大事にして、意識の高いコンボ選択とかが見えるんで、今年も本当に強いんだろうなって注目しています。

▲チリ出身のBlaz選手。15歳という若さで、強豪選手を次々に倒していく姿は多くのファンの心をわしづかみにした(カプコンカップ 11より)

こばやん:リーグの反対にいるDFMの板橋ザンギエフ選手です。

どうしてもダルシムだったり、嫌なマッチアップが続くとは思うんですけど、どう相手に圧力とかプレッシャーをかける立ち回りをリーグでするのか——。板ザンさんは長らくリーグをやられていますし、そういうところは自分も将来もしかしたらあり得る可能性があるので、同じキャラクターを使ってることもあって、そこはしっかり今年1年見習いたいと思ってます。

──cosaさんとこばやんさんはリーグ屈指の筋肉があると思うんですけど、チーム全体で鍛えていこうみたいな動きがあったりしますか。

cosa:今のところはないです。

──ふたりだけで切磋琢磨していく?

cosa:というより、彼がぶち抜けているので(笑)。

──こばやんさんは兼業で行かれるんでしょうか?

こばやん:言ってもいいですかね。分かんないですけど……じゃあ黙っておきます(笑)。


cosa:僕らも黙っておいた方がいいですか?

こばやん:まあ、うっすら言うくらいで(笑)。

——ありがとうございました!

———

筋肉率高めの新生SS熊本。なんといっても今年初参戦となるパワー系のこばやん選手は注目株だ。5月に開催された格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2025」でもストリートファイター6部門で3位に入賞するなど、実力は折り紙付き。

個人的にはミスター最適解との異名を持つまちゃぼー選手と、データ収集に余念がないcosa選手の融合がどのように作用するのかも楽しみだ。


■関連リンク
Saishunkan Sol 熊本:
https://x.com/saisys_esports

ネモ:
https://x.com/GOOD_NEMO

まちゃぼー:
https://x.com/mcb_0726

cosa:
https://x.com/cosazeku

こばやん:
https://x.com/kobayan_new

SFリーグ 公式:
https://sf.esports.capcom.com/sfl/


©CAPCOM


撮影:いのかわゆう
編集:いのかわゆう


【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。

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