【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界
【レビュー】多ボタンマウスはゲーム以外でも大活躍!——親指ボタンやEasy Shift機能でカスタマイズは無限大なTurtle Beach「Kone II/Kone II Air」を紐解く

マウスの進化はさまざまで、eスポーツ関連では軽量化やセンサー性能、高ポーリングレート対応といった機能が重視されている。一方で、多ボタンもその進化の亜種として一定の人気がある機能のひとつだ。
筆者は多ボタンマウスが好きで、今までさまざまな多ボタンマウスを使ってきた。今回はアメリカのゲーミングデバイスブランドTurtle Beach(たーとるびーち)より発売されているワイヤレスゲーミングマウスの「Kone XP Air」および有線ゲーミングマウスの「Kone II」をレビューしていこう。
モデル名のとおり、今回紹介するマウスは前モデルの進化版となっている。前モデルは「Kone XP Air」というモデル。こちらはゲーミングデバイスブランドROCCAT(ろきゃっと)がTurtle Beachに買収される前から発売されているマウスで、現在も発売中だ。
あえて新モデルと紹介しているが、いうならば別モデルというくらい機能に違いがある。まずはそれぞれどんな違いがあるのか比較表を作ったので確認してほしい。

大きな違いはボタンの数、サイズ、重量、充電ドックの有無だ。結論から言えば、単純にボタンの数が多い方がよければ、「Kone XP Air」がおすすめ。逆に、より高性能センサーで、大きめのサイズ感がお好みならば「Kone II Air」、軽さと多ボタンを両立させたいなら「Kone II」を選択肢に入れるといい。
「Kone II」シリーズは、サイズ的にはかなり大きめの部類に入るため、手が大きめだと包み込むようなかぶせ持ちがしやすい。一方で手が小さめだとかなり大きいギアを持っている感があるので、かぶせ持ちはもちろん、つかみ持ちも難しい。
「Kone II Air」のみもうひとつ大きな違いがある。それはスクロールが2タイプから選べるというもの。ラチェット式スクロールと、フリースクロールに切り替えられるのだ。要はホイール部分のスクロールをカチカチタイプにするのか、ヌルヌルタイプにするのかをボタンで切り替えることができる。


以上のことから「Kone II」シリーズはどちらもボタン数は同じであるが、「Kone II Air」にはカスタマイズできない物理ボタンを含めた数になっているため、実質ボタン数は「Kone II」の方がひとつ多いことになる。

次に外観をチェックしてみよう。「Kone II Air」、「Kone II」ともにブラックとホワイトのカラー展開になっていて、表面はマット仕上げになっている。また裏面は3カ所にソールが貼られている。手にぺたりと吸い付くというよりはサラサラとした感触で手に馴染むといった質感だ。またソールは大きめなので重量の割にはしっかり滑ってくれる印象だ。


また、背面にはトランスミッターを収納できるスペースがあるので、持ち運びする際に活用できる。

サイドボタンは側面にふたつ。そして底面に大きめのボタンがついているのが大きな特徴だ。

この底面のボタンが実に入力しやすい。特につかみ持ちで使用している際、親指を下げるだけで入力できるのはうれしいポイントだ。

先述したとおり、「Kone II Air」のみホイールはスクロールのタイプを2パターンに変更できる。また両モデルともに左右にチルトすることも可能だ。

「Kone II Air」と「Kone II」ではスクロールの仕様が異なるせいか、「Kone II Air」のラチェット式スクロール時の音は大きめだった。割とゴリゴリゴリゴリというスクロール音がするので気になる人はクリック音も含めて、下記の比較動画を見てほしい。
クリック音はカチカチと小さめな音でやや浅めなクリック感だ。
「Swarm II」はTurtle Beachのゲーミングデバイスを一括管理できるアプリで、さまざまな設定を変更・保存することができる。
URL:
https://support.turtlebeach.com/s/downloads?language=ja&co=ja_JA#/319/Swarm-II


各マウスの設定ではDPIやポーリングレートの設定など、自分好みにカスタマイズすることができる。また、これらの設定は最大5つのプロファイルに保存が可能で、設定を書き出すこともできる。例えば別のPCで同じマウスを使いたいときは、その設定ファイルをもうひとつのPCにインストールした「Swarm II」経由でインポートすればOKだ。

なお、ポーリングレートはゲームをがっつりやるのであれば最大値の1,000に設定しておくのがベター。数値が高ければ高いほどマウスの操作が滑らかになり、ゲーム中に表示される映像も滑らかになるのだ。
また各種ボタンの設定は、キーボードの組み合わせやWindowsの機能など、さまざまな入力に割り当てることができる。操作も直感的で使いやすいので、こういったアプリを使ったことがない人にもおすすめだ。

今回は「Swarm II」オリジナルの機能として、「Easy Aim DPI」と「Easy Shift」のふたつの機能に焦点を当てて解説していこう。
「Easy Aim DPI」は、割り当てたボタンを押している間だけDPIを一時的に切り替えられる機能だ。あらかじめ設定した5つのDPIから選べるほか、任意の数値に変更することも可能。例えば、スコープを覗いて精密射撃をするときはDPIを下げ、逆に一時的に視点移動を速くしたいときはDPIを上げる――といった使い方ができる。

なお、Easy Aim DPI1〜5は上記のDPI設定で設定した5種類のDPIに変更できるというもので、Easy Aim カスタムDPIは任意のDPIに変更可能だ。「割り当てたボタンを押している間だけこのDPIにしたい」という数値があるのであれば、Easy Aim カスタムDPIを選択しよう。
「Easy Shift」は、割り当てたボタンを押している間だけ、他のボタンに別の機能を割り当てられる機能だ。
例えば普段は射撃に使う左クリックも、「Easy Shift」を押しながらだとマップ表示に切り替えられる――といった具合だ。
要はひとつのボタンに通常時(PRIMARY)と「Easy Shift」時の2種類のアクションを仕込める機能である。ゲームプレーだけでなくデスクワークにも便利。例えばサイドボタンに「Easy Shift」を割り当てておき、ONの間は左クリック=ブラウザの「戻る」、右クリック=「進む」と設定しておけば、快適にブラウジングが楽しめる。

なお、「Easy Shift」のメニューは下記の3種類ある。
Easy Shift:
ボタンを押している間「Easy Shift」が発動
Easy Shift すべてのデバイス:
ボタンを押している間「Easy Shift」対応製品すべてのデバイスで「Easy Shift」が発動
Easy Shift すべてのデバイスのデバイスでロック/ロック解除:
ボタンを一回押すごとに「Easy Shift」のオンオフが切り替えられる
多ボタンや「Easy Shift」の使い方は人それぞれだが、ここでは一例として使い方を紹介しよう。
多ボタンマウスはその名の通り通常のマウスよりもボタンが多いので、FPSのようなマウス操作に集中したい時には使いづらい場面ではあるが、『リーグ・オブ・レジェンド』といったMOBAや、『ディアブロ IV』のようなアクションRPGのように、キーボードでの操作が多いゲームで真価を発揮する。左手だけではまかないきれない操作をマウス側で補えるのは大きなアドバンテージだ。

その他にも[Escキー]や[Tabキー]など、たまに使うんだけど左手だとちょっと押しづらいというのを割り当てておくのもアリ。仮に間違って入力してしまってもさほど影響がないので、気兼ねなく使っていけるという感じだ。
またブラウジングなどでおすすめなのが「Easy Shift」を使ったスクロール方法。例えば「Easy Shift」を押している間はマウスのホイールのスクロールを上下ではなく左右のチルト移動に割り当てる。

Webページやエクセルファイルなど横長のファイルを閲覧している際、ホイールで左右にチルト移動できるのは思いのほか便利なのだ。
ほかにもタブを閉じる、閉じてしまったタブを再度開くといったボタンをサイドボタンに割り当てれば、Google検索で開きまくったタブをワンボタンで閉じられるようになったり、間違って閉じてしまったタブをワンボタンで復活させたりと、ブラウジングが一気に快適になる。

また地味に便利なショートカットはAlt+F4。これは開いているアプリケーションを即座に終了させるショートカットで、プレー中のゲームを即終了させることができる。わざわざタイトル画面に戻って「ゲームを終了」みたいなメニューを開かないとゲームが終了できないタイトルや、オートセーブする前にいったんゲームを落としたいなんて時に、マウスのワンボタンで終了できるので楽ちんだ。

テキストのコピー&ペーストなど頻繁に使うけどキーボードショートカットはちょっと煩わしいといった機能をマウスに割り当てて使ってもまだボタンが足りるというのが多ボタンマウスの魅力。さらにTurtle Beachの「Easy Shift」機能を使えば、同じボタンで2種類の機能を割り当てられるので、カスタマイズ性はさらに広がるのだ。
非常に多機能な「Kone II」シリーズ。ゲームもPC作業もどちらも便利にしたいという人におすすめのデバイスと言える。しかし、がっつりゲームをやりたいのであれば、高ポーリングレートに対応したマウスが魅力に感じる。さらに「Kone II Air」は重量が110gと、比較的ずっしりしているため、多ボタンかつ軽量を求めるのであれば有線接続の「Kone II」がおすすめだ。

また多ボタンとはいうものの、アクセスしづらいホイール下部のボタンや、一般的なゲーミングマウスに付随しているサイドボタンを除けば、側面と底面にあるボタンのみなので、多ボタンマウスといわれると微妙なところだ。しかしEasy Shift機能を使えば、カスタムの幅はぐっと広がる。FPSというよりはMOBAやRPG、また普段のブラウジングやワーキングのオトモにおすすめしたいマウスだ。
また単純に物理ボタンが多い方がお好みであれば「Kone XP Air」の方が圧倒的にボタンの数が多いのでおすすめ。筆者は割と物理ボタン多めが好きなタイプなので、どちらかといえば「Kone XP Air」の方が使用頻度は多いと感じた。

「Kone XP Air」と「Kone II Air」ではサイズ感も若干異なるため、購入前に実機がさわれる店舗で確認してみるのもアリだ。
Kone II Air:
https://amzn.asia/d/hrqABhC
Kone II:
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筆者は多ボタンマウスが好きで、今までさまざまな多ボタンマウスを使ってきた。今回はアメリカのゲーミングデバイスブランドTurtle Beach(たーとるびーち)より発売されているワイヤレスゲーミングマウスの「Kone XP Air」および有線ゲーミングマウスの「Kone II」をレビューしていこう。
前モデルとの差別化となった新モデル
モデル名のとおり、今回紹介するマウスは前モデルの進化版となっている。前モデルは「Kone XP Air」というモデル。こちらはゲーミングデバイスブランドROCCAT(ろきゃっと)がTurtle Beachに買収される前から発売されているマウスで、現在も発売中だ。
あえて新モデルと紹介しているが、いうならば別モデルというくらい機能に違いがある。まずはそれぞれどんな違いがあるのか比較表を作ったので確認してほしい。

大きな違いはボタンの数、サイズ、重量、充電ドックの有無だ。結論から言えば、単純にボタンの数が多い方がよければ、「Kone XP Air」がおすすめ。逆に、より高性能センサーで、大きめのサイズ感がお好みならば「Kone II Air」、軽さと多ボタンを両立させたいなら「Kone II」を選択肢に入れるといい。
「Kone II」シリーズは、サイズ的にはかなり大きめの部類に入るため、手が大きめだと包み込むようなかぶせ持ちがしやすい。一方で手が小さめだとかなり大きいギアを持っている感があるので、かぶせ持ちはもちろん、つかみ持ちも難しい。
「Kone II Air」のみもうひとつ大きな違いがある。それはスクロールが2タイプから選べるというもの。ラチェット式スクロールと、フリースクロールに切り替えられるのだ。要はホイール部分のスクロールをカチカチタイプにするのか、ヌルヌルタイプにするのかをボタンで切り替えることができる。

▲「Kone II Air」のみホイールの下部にスクロール切り替えボタンがある。ボタンは誤作動しないよう、カチカチ音が鳴る押しボタン式になっている

▲「Kone II」のホイール下部には単純に物理ボタンがふたつついている。こちらは後述する「Swarm II」でお好みの操作を割り当てることが可能だ
以上のことから「Kone II」シリーズはどちらもボタン数は同じであるが、「Kone II Air」にはカスタマイズできない物理ボタンを含めた数になっているため、実質ボタン数は「Kone II」の方がひとつ多いことになる。

▲左が前モデル「Kone XP Air」で右が新モデルの「Kone II Air」のサイズ感。見てのとおり「Kone II Air」の方がかなり大きめであることが分かる
シックなデザインに上品なLEDをプラス
次に外観をチェックしてみよう。「Kone II Air」、「Kone II」ともにブラックとホワイトのカラー展開になっていて、表面はマット仕上げになっている。また裏面は3カ所にソールが貼られている。手にぺたりと吸い付くというよりはサラサラとした感触で手に馴染むといった質感だ。またソールは大きめなので重量の割にはしっかり滑ってくれる印象だ。

▲全体的にマット調なので上品な印象。左右にLEDでライティングされるラインがデザインされていて、これもまた質感を高めてくれる

▲背面のソールはこんな感じ。上下は大きめで、センサー付近に円形のソールが付いている
また、背面にはトランスミッターを収納できるスペースがあるので、持ち運びする際に活用できる。

▲2.4GHz接続する際に使用するトランスミッター(写真右)。写真左のアダプターを使えば、付属のケーブルを使ってマウス本体の近くにトランスミッターを設置できる。より無線接続を安定させたいユーザーにおすすめだ
サイドボタンは側面にふたつ。そして底面に大きめのボタンがついているのが大きな特徴だ。

▲サイドボタンは一般的なマウスと同じで前後にふたつついているが、底面にあるボタンはなかなか珍しい
この底面のボタンが実に入力しやすい。特につかみ持ちで使用している際、親指を下げるだけで入力できるのはうれしいポイントだ。

▲誤作動しないようクリック感はあり、それでいて軽い力で入力できる底面ボタン。地味に使用頻度が高くなる快適さだ
先述したとおり、「Kone II Air」のみホイールはスクロールのタイプを2パターンに変更できる。また両モデルともに左右にチルトすることも可能だ。

▲ホイール部分もLEDでライティングされる
「Kone II Air」と「Kone II」ではスクロールの仕様が異なるせいか、「Kone II Air」のラチェット式スクロール時の音は大きめだった。割とゴリゴリゴリゴリというスクロール音がするので気になる人はクリック音も含めて、下記の比較動画を見てほしい。
クリック音はカチカチと小さめな音でやや浅めなクリック感だ。
マウスのカスタマイズが可能なSwarm IIの使い方
「Swarm II」はTurtle Beachのゲーミングデバイスを一括管理できるアプリで、さまざまな設定を変更・保存することができる。
URL:
https://support.turtlebeach.com/s/downloads?language=ja&co=ja_JA#/319/Swarm-II

▲Turtle Beach製のゲーミングデバイスを接続した状態で「Swarm II」を起動すると、現在接続されているギアが画面上に表示される。所持しているデバイスによって画面上のカラーも変更できるのも地味にうれしいポイントだ

▲「Swarm II」ではデバイスのファームウェアアップデートも行うことができる。メニューに従ってアップデートをしておこう
各マウスの設定ではDPIやポーリングレートの設定など、自分好みにカスタマイズすることができる。また、これらの設定は最大5つのプロファイルに保存が可能で、設定を書き出すこともできる。例えば別のPCで同じマウスを使いたいときは、その設定ファイルをもうひとつのPCにインストールした「Swarm II」経由でインポートすればOKだ。

▲DPIは50単位で調整可能で、最大5つまでプリセットを登録できる。設定したプリセットは「DPIアップ」や「DPIダウン」などに設定したボタンで切り替え可能だ
なお、ポーリングレートはゲームをがっつりやるのであれば最大値の1,000に設定しておくのがベター。数値が高ければ高いほどマウスの操作が滑らかになり、ゲーム中に表示される映像も滑らかになるのだ。
DPIとCPIについて
マウスの感度を示す値としてDPIやCPIといった単位が使われる。DPIはDot Per Inchの略で、マウスを1インチ(約2.5cm)移動させたときに何ドット分カーソルが移動するかを示している。DPI400なら400ドット、DPI1,000なら1,000ドット移動することになり、数値が高ければ高いほどカーソルが速くなることを示している。

一方で、CPIとはCounts Per Inchの略で、マウスを1インチ(約2.5cm)移動させたときに送信されるカウント数を示している。言葉のニュアンスは異なるものの、どちらも1インチあたり、どれだけカーソルが動くかを示している。CPIは主にSteelSeriesが採用している単位で、他社メーカーはDPIを採用している。
ちなみにeDPIとはDPI × ゲーム内感度で算出される数値で、異なるDPIのマウスでも、ゲーム内での感度を統一したい時に使用される数値だ。例えば400DPIと800DPIで同じ感度にしたい場合は下記のようなゲーム感度に設定すればいい。
400DPI × ゲーム内感度2.0 = 800eDPI
800DPI × ゲーム内感度1.0 = 800eDPI
マウスの感度を示す値としてDPIやCPIといった単位が使われる。DPIはDot Per Inchの略で、マウスを1インチ(約2.5cm)移動させたときに何ドット分カーソルが移動するかを示している。DPI400なら400ドット、DPI1,000なら1,000ドット移動することになり、数値が高ければ高いほどカーソルが速くなることを示している。

一方で、CPIとはCounts Per Inchの略で、マウスを1インチ(約2.5cm)移動させたときに送信されるカウント数を示している。言葉のニュアンスは異なるものの、どちらも1インチあたり、どれだけカーソルが動くかを示している。CPIは主にSteelSeriesが採用している単位で、他社メーカーはDPIを採用している。
ちなみにeDPIとはDPI × ゲーム内感度で算出される数値で、異なるDPIのマウスでも、ゲーム内での感度を統一したい時に使用される数値だ。例えば400DPIと800DPIで同じ感度にしたい場合は下記のようなゲーム感度に設定すればいい。
400DPI × ゲーム内感度2.0 = 800eDPI
800DPI × ゲーム内感度1.0 = 800eDPI
ポーリングレートとは
マウスがPCに情報を送信する頻度を示す項目で、Hz(ヘルツ)の単位で表示される。基本的に数値が高いほど滑らかで、ラグの少ない入力が可能になる。しかし高いポーリングレート値の恩恵を受けるには、モニターのリフレッシュレートも高くなければならない。自分の環境が高ポーリングレートの恩恵を受けているのかは、下記のようなサイトで視覚的に確認することができる。
ポーリングレートテスト:
https://www.clickcpstest.com/ja/polling-rate-test


マウスがPCに情報を送信する頻度を示す項目で、Hz(ヘルツ)の単位で表示される。基本的に数値が高いほど滑らかで、ラグの少ない入力が可能になる。しかし高いポーリングレート値の恩恵を受けるには、モニターのリフレッシュレートも高くなければならない。自分の環境が高ポーリングレートの恩恵を受けているのかは、下記のようなサイトで視覚的に確認することができる。
ポーリングレートテスト:
https://www.clickcpstest.com/ja/polling-rate-test

▲画面の青い部分をクリックし、青い部分でマウスを左右に振って計測する。リフレッシュレートの高いモニターであれば1,000Hzの恩恵は得られていると確認できる

▲設定を変えてマウスのカーソルを見るのが一番変化を確認しやすい。125Hzに比べ1,000Hzの方が、カーソルの軌跡が多く滑らかに表示される。FPSタイトルで確認する場合は、制止しているオブジェクトを見ながらマウスを左右に振ってみよう。見え方の違いが確認できるはずだ
また各種ボタンの設定は、キーボードの組み合わせやWindowsの機能など、さまざまな入力に割り当てることができる。操作も直感的で使いやすいので、こういったアプリを使ったことがない人にもおすすめだ。

▲ボタンの割り当ては非常に簡単。画面左部にあるマウスのアイコンをクリックして割り当て画面を表示。画面に映ったマウスのイラストのボタンをクリックして、割り当てたい機能を右のメニューから選べばOKだ
今回は「Swarm II」オリジナルの機能として、「Easy Aim DPI」と「Easy Shift」のふたつの機能に焦点を当てて解説していこう。
「Easy Aim DPI」は、割り当てたボタンを押している間だけDPIを一時的に切り替えられる機能だ。あらかじめ設定した5つのDPIから選べるほか、任意の数値に変更することも可能。例えば、スコープを覗いて精密射撃をするときはDPIを下げ、逆に一時的に視点移動を速くしたいときはDPIを上げる――といった使い方ができる。

▲「Easy Aim DPI」は右側にあるメニューのDPIカテゴリーから選ぶことができる
なお、Easy Aim DPI1〜5は上記のDPI設定で設定した5種類のDPIに変更できるというもので、Easy Aim カスタムDPIは任意のDPIに変更可能だ。「割り当てたボタンを押している間だけこのDPIにしたい」という数値があるのであれば、Easy Aim カスタムDPIを選択しよう。
「Easy Shift」は、割り当てたボタンを押している間だけ、他のボタンに別の機能を割り当てられる機能だ。
例えば普段は射撃に使う左クリックも、「Easy Shift」を押しながらだとマップ表示に切り替えられる――といった具合だ。
要はひとつのボタンに通常時(PRIMARY)と「Easy Shift」時の2種類のアクションを仕込める機能である。ゲームプレーだけでなくデスクワークにも便利。例えばサイドボタンに「Easy Shift」を割り当てておき、ONの間は左クリック=ブラウザの「戻る」、右クリック=「進む」と設定しておけば、快適にブラウジングが楽しめる。

▲「Easy Shift」は右側にあるメニューのEasy Shiftカテゴリーから3種類の設定を選ぶことができる
なお、「Easy Shift」のメニューは下記の3種類ある。
Easy Shift:
ボタンを押している間「Easy Shift」が発動
Easy Shift すべてのデバイス:
ボタンを押している間「Easy Shift」対応製品すべてのデバイスで「Easy Shift」が発動
Easy Shift すべてのデバイスのデバイスでロック/ロック解除:
ボタンを一回押すごとに「Easy Shift」のオンオフが切り替えられる
多ボタンマウスのすすめ
多ボタンや「Easy Shift」の使い方は人それぞれだが、ここでは一例として使い方を紹介しよう。
多ボタンマウスはその名の通り通常のマウスよりもボタンが多いので、FPSのようなマウス操作に集中したい時には使いづらい場面ではあるが、『リーグ・オブ・レジェンド』といったMOBAや、『ディアブロ IV』のようなアクションRPGのように、キーボードでの操作が多いゲームで真価を発揮する。左手だけではまかないきれない操作をマウス側で補えるのは大きなアドバンテージだ。

▲『VALORANT』で使う際、マウス底面にあるボタンを「ボイスチャット」のオンオフに割り当てている。話したいときだけ親指を少し下げればいいので、このボタン配置はかなりお気に入りだ
その他にも[Escキー]や[Tabキー]など、たまに使うんだけど左手だとちょっと押しづらいというのを割り当てておくのもアリ。仮に間違って入力してしまってもさほど影響がないので、気兼ねなく使っていけるという感じだ。
またブラウジングなどでおすすめなのが「Easy Shift」を使ったスクロール方法。例えば「Easy Shift」を押している間はマウスのホイールのスクロールを上下ではなく左右のチルト移動に割り当てる。

▲「Easy Shift」発動時のボタン設定は、変更したいボタンを選択後、画面下部にあるEasy Shiftのアイコンをクリックしてから右の機能メニューから割り当てたい機能を選択すればOK。なお、マウスの操作は標準カテゴリー内から選択できる
Webページやエクセルファイルなど横長のファイルを閲覧している際、ホイールで左右にチルト移動できるのは思いのほか便利なのだ。
ほかにもタブを閉じる、閉じてしまったタブを再度開くといったボタンをサイドボタンに割り当てれば、Google検索で開きまくったタブをワンボタンで閉じられるようになったり、間違って閉じてしまったタブをワンボタンで復活させたりと、ブラウジングが一気に快適になる。

▲Chrome系のブラウザならば、タブを閉じるショートカットはCtrl+W、最後に閉じたタブを開くはCtrl+Shift+Tなので、それぞれのショートカットをサイドボタンに割り当てれば、タブを閉じたり開いたりをマウス操作だけで行える
また地味に便利なショートカットはAlt+F4。これは開いているアプリケーションを即座に終了させるショートカットで、プレー中のゲームを即終了させることができる。わざわざタイトル画面に戻って「ゲームを終了」みたいなメニューを開かないとゲームが終了できないタイトルや、オートセーブする前にいったんゲームを落としたいなんて時に、マウスのワンボタンで終了できるので楽ちんだ。

▲ホイール下部にあるボタンは、誤作動しづらい場所にあるので、とっておきの強制終了ボタンとしてAlt+F4を割り当てておくのもアリ!
テキストのコピー&ペーストなど頻繁に使うけどキーボードショートカットはちょっと煩わしいといった機能をマウスに割り当てて使ってもまだボタンが足りるというのが多ボタンマウスの魅力。さらにTurtle Beachの「Easy Shift」機能を使えば、同じボタンで2種類の機能を割り当てられるので、カスタマイズ性はさらに広がるのだ。
まとめ
非常に多機能な「Kone II」シリーズ。ゲームもPC作業もどちらも便利にしたいという人におすすめのデバイスと言える。しかし、がっつりゲームをやりたいのであれば、高ポーリングレートに対応したマウスが魅力に感じる。さらに「Kone II Air」は重量が110gと、比較的ずっしりしているため、多ボタンかつ軽量を求めるのであれば有線接続の「Kone II」がおすすめだ。

▲付属のケーブルは非常に柔らかい素材なので有線接続でも快適に操作できる
また多ボタンとはいうものの、アクセスしづらいホイール下部のボタンや、一般的なゲーミングマウスに付随しているサイドボタンを除けば、側面と底面にあるボタンのみなので、多ボタンマウスといわれると微妙なところだ。しかしEasy Shift機能を使えば、カスタムの幅はぐっと広がる。FPSというよりはMOBAやRPG、また普段のブラウジングやワーキングのオトモにおすすめしたいマウスだ。
また単純に物理ボタンが多い方がお好みであれば「Kone XP Air」の方が圧倒的にボタンの数が多いのでおすすめ。筆者は割と物理ボタン多めが好きなタイプなので、どちらかといえば「Kone XP Air」の方が使用頻度は多いと感じた。

▲やはりボタンの数だけでいえば、写真奥の「Kone XP Air」の方が圧倒的に多い。がっつりボタンがほしいのであれば「Kone XP Air」に軍配が上がる
「Kone XP Air」と「Kone II Air」ではサイズ感も若干異なるため、購入前に実機がさわれる店舗で確認してみるのもアリだ。
【eSports World編集部の評価】
操作性:★★★★☆
機能性:★★★☆☆
デザイン性:★★★★★
価格:★★★★☆
携帯性:★★★★★
総合評価:4.2
多ボタンマウスは選択肢が多いとはいえ、まだまだ標準的なマウスに比べるとラインアップは少なめ。そんな中、しっかりとしたメーカーの多ボタンマウスというのはうれしいポイント。一方で、多ボタンマウスというには少しボタンが少なめなのが気になるところ。「Easy Shift」で擬似的にボタンの数を増やすことができるが、やはり物理ボタンが多めの方が使い勝手はいい。
やはり注目はマウス底面にあるボタン。これが非常に使い勝手が良くて、操作性もバッチリ。ゲームだけでなく普段使いでもさりげなく使えるボタン配置が秀逸だ。
ポーリングレートは1,000Hzと最近のゲーミングマウスにしては低めなので、ガッチガチにゲーム使いというよりは普段使いとの併用マウスとして使っていくといいだろう。
セール時の価格はKone II Airが1万円前後、Kone IIが6,000円前後と、大変お買い得になるタイミングもあるのでのセール時を狙うのもアリ!
操作性:★★★★☆
機能性:★★★☆☆
デザイン性:★★★★★
価格:★★★★☆
携帯性:★★★★★
総合評価:4.2
多ボタンマウスは選択肢が多いとはいえ、まだまだ標準的なマウスに比べるとラインアップは少なめ。そんな中、しっかりとしたメーカーの多ボタンマウスというのはうれしいポイント。一方で、多ボタンマウスというには少しボタンが少なめなのが気になるところ。「Easy Shift」で擬似的にボタンの数を増やすことができるが、やはり物理ボタンが多めの方が使い勝手はいい。
やはり注目はマウス底面にあるボタン。これが非常に使い勝手が良くて、操作性もバッチリ。ゲームだけでなく普段使いでもさりげなく使えるボタン配置が秀逸だ。
ポーリングレートは1,000Hzと最近のゲーミングマウスにしては低めなので、ガッチガチにゲーム使いというよりは普段使いとの併用マウスとして使っていくといいだろう。
セール時の価格はKone II Airが1万円前後、Kone IIが6,000円前後と、大変お買い得になるタイミングもあるのでのセール時を狙うのもアリ!
Kone II Air:
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https://amzn.asia/d/9gqswXd
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