【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界

そのパワーはデスクトップを超える!4K+120Hzの超高性能ラップトップ【ROG ZEPHYRUS S17 GX703HS レビュー】

ゲーミングデバイスとよばれるデバイスは数多く存在するが、中でも実際ゲームのパフォーマンスに直結するものとして、ゲーミングPCがある。自身がプレイしているゲームが最高のパフォーマンスで動作するかは、PCの性能に大きく依存される。

そんな中、パソコンパーツをはじめとした周辺機器メーカーASUSのゲーミングブランド「ROG」から、4k+120HzのラップトップPCが登場。ゲーマーにとってまさに「勝つためのデバイス」として注目を浴びている。

今回は実際に「ROG ZEPHYRUS S17 GX703HS」をお借りして、その性能をチェックしてみた。

所有欲を存分に満たしてくれるスタイリッシュで高級感のある外観


ゲームでの使用に特化させたゲーミングブランドとして名高い「ROG」は、瞳のようなロゴが印象的だ。「ROG ZEPHYRUS S17 GX703HS」は高級感のある質感で、いい意味でゲーミング感をそぎ落としている印象だ。

▲マット仕上げの本体に、光沢のあるロゴがアクセントになっている背面部。質感が非常に上品だ

▲液晶のパネルの下には控えめに「ROG ZEPHYRUS」のロゴが。内部も全体的にマット仕上げになっているので、さわり心地がいい。あとはなんといっても起動画面がかっこいい。「シュンッ」という効果音とともに真っ赤なロゴが表示される。思わず「かっこいい!」と口に出してしまうほど

ラップトップとは思えないハイスペックは、
まさに持ち運べるデスクトップ


まずはざっと「ROG ZEPHYRUS S17 GX703HS」のスペックを紹介しよう。

ROG ZEPHYRUS S17 GX703HSスペック

CPU:Intel Core i9 11900H 2.50Hz
GPUNVIDIA GeForce RTX 3080 Laptop GPU
メモリー:DDR4-3200 32GB
ストレージ:NVMe SAMSUNG SSD 2TB
バッテリー:非充電時、約5.5時間連続使用可能
ディスプレイ:17.3型ワイドTFTカラー液晶
解像度:3,840×2,160ドット(120Hz)
サイズ・質量:幅394.9mm×奥行き264.3mm×高さ19.99~22.5mm、約2.75Kg

各パーツ、どれをとってもハイスペックでなんといっても、4K+120Hzの超美麗ディスプレイは圧巻のひとこと。ディスプレイサイズも17.3インチと、かなり大きめなので、迫力ある映像を楽しむことができる。

一方、気になるのは2.75kgという重さ。控えめにいっても「かなり重い」印象だ。気軽に持ち出してカフェで作業という使い方には不向き。どちらかというと、大会やイベントなどで遠征に行く際に持ち運べるPCという位置づけだ。

▲17.3インチの液晶を備えているため、サイズもそれなりに大きい。しかし「勝つためのデバイス」と銘打っていることを考えると、コンパクトさを犠牲にしてスペックを重視したという意図がしっかりと読み取れる

▲左側面にはバッテリー端子、HDMI端子、有線LANポート、Thunderbolt 4 (Type-C) ×1、USB3.2 (Type-C/Gen2) ×1、USB3.2 (Type-A/Gen2)×1、ステレオミニジャックが搭載。有線LANポートがあるあたりが、ゲーマー向けのポイントといえる

▲右側面にはUSB3.2 (Type-A/Gen2)×2とSDカードスロットを搭載。データの移行もしやすい設計なのはうれしい

また、キーボードはテンキー付きの変則フルサイズを採用。光学メカニカルスイッチ搭載により、反応速度は0.2msと、申し分ない反応速度を実現している。

▲赤軸や茶軸のような控えめな打鍵音で小気味よい

テンキーがあるのはうれしいポイントなのだが、変則型配列なのが非常に残念なポイントである。そもそもテンキーを必要としているユーザーは、数値を入力する機会が多いユーザーであり、数字キーではなく、使い慣れたテンキーで素早く数値を入力したいから。

▲一般的なテンキーの配列。0キーが大きく、右側にマイナスキー、プラスキー、エンターキーが配置されている

▲一方で、本機のテンキー。0キーは2キーの真下にあり、プラスキー、マイナスキーは左側に集約。エンタキーは排除されている

筆者はさまざまなキーボードを長年使ってきているが、この0キーのサイズが半分になっただけで、非常に使いづらくなるのを過去にも経験し痛感している。またエンターキーがないことや、変則配置により、タッチタイピングは困難となり、結果数値キーを入力しているのと変わらない不便さを感じてしまうのだ。

もともと本体サイズもコンパクトさをウリにしている訳ではないので、ここは多少本体サイズが大きくなってしまっても、フルサイズの純正配置にしてほしかった。

しかし全体的に入力しやすいのは、なんといっても人間工学に基づいた5度の傾斜にある。

▲本体を開くと、キーボードがせり上がり、いい感じの傾斜になる。また、この隙間からは大量の空気が流入するため、PCの冷却性もアップしているのだ

このわずかな傾斜が肝で、素早いタイピングを可能にしている。

4K120Hzの実力やいかに! eスポーツタイトル動作確認比較


さて、ここからは細かい話は抜きにして、現在主流となっているeスポーツタイトルの動作を確認。4K+120Hzの実力を存分にチェックしてみよう。

Apex Legends


eスポーツシーンのみならず、ストリーマーをはじめとする著名人もプレイしている人気タイトル。3人一組で戦うバトルロイヤルゲームとして人気を博している。


4k設定では、50〜80fpsとまずまずの結果に。爆風など重たい処理が発生すると40fps台になることもあり、常用は難しいといえる。解像度を1080p(1920*1080)に落とせば、120〜145fpsまで上昇するため、120Hzの恩恵を得るならば1080pでプレイするのが吉。

フォートナイト


小さなお子様にも人気なTPSタイトル。バトルロイヤルゲームの中で、唯一「建築」という斬新なシステムを導入しているのも魅力のひとつ。出血表現といった残虐な演出もないため、親御さんも安心のタイトルといえる。


4K設定では40〜55fpsと60fpsも出ない。ファンもガンガン回っているため、かなり無理をしているイメージだ。一方で1080p設定ならば、120〜150fpsを記録。ヌルヌル描写で快適なプレイが楽しめた。検証中はおかげさまで初のビクロイも!

VALORANT


今eスポーツシーンの中で、もっとも注目を浴びているタイトルともいえる『VALORANT』。5対5のタクティカルシューティングは戦略性が高く、人気ストリーマーも続々プレイ中だ。また、ほかのタイトルに比べて動作が軽いのも魅力のひとつ。


4k設定では110fps前後で動作。さすが軽いゲームだけあって4kでもサクサク動かせる。1080p設定ならば180〜250fpsと、モニターのリフレッシュレートを超えるfpsをたたき出した。OVERスペックともいえるくらい快適にプレイすることが可能だ。

▲しかし4k設定では大きな欠点があり、クロスヘアが極端に小さくなってしまう。4k用にゲーム側でクロスヘアを再設定するなどの対応が必要だ

ストリートファイターV


格闘ゲームの代名詞ともいえる人気タイトル。数多くの格闘ゲーマーがプレイしている、いわば格闘ゲームの金字塔だ。


ベンチマークの結果はPERFECT。多くの格闘ゲームが60fpsの動作になるため、120Hzの恩恵は小さいが、遠征時でも本機があれば場所を選ばず快適にプレイできるだろう。

DaVinci Resolve


番外編として動画編集ソフト「DaVinci Resolve」の動作チェックもしてみた。CPU、GPUともにハイスペックなだけに、4KHDR動画もサクサク編集が可能。

▲カットページでもシークバーの表示が非常になめらか。ストレスなく編集が可能だ

なお、10分程度の4kHDR動画の書き出し速度は以下の通り。

4K mp4で書き出し:13分45秒
1080p mp4で書き出し:4分30秒

1080pでの書き出し速度にいたっては驚異のスピード。4k動画でも動画の長さと、ほぼ等倍に近い速度で書き出しできた。

結論としては、4K120Hzの恩恵を最大限受けられるeスポーツタイトルは現段階では少ないという結果になった。ゲームのパフォーマンスを重視するのであれば、1080pまで解像度を落としてプレイすることをおすすめしたい。

また、動画編集ソフトや、Photoshop、illustratorといった映像編集ソフトの動作はサックサク。eスポーツプレイヤーだけでなく、ストリーマーやYouTuberといった配信者にもおすすめできるデバイスといえる。

スペックだけじゃない!
随所にちりばめられた便利な機能の数々


ゲーミングPCというと、どうしてもスペックばかりが注目されがちだが、「ROG ZEPHYRUS S17 GX703HS」はスペック以外にも便利な機能がちりばめられている。

さまざまな設定が変更できる「Armoury Crate」


キーボードにあるROGキーを入力すると起動する「Armoury Crate」は、ASUS製のゲーミングPCにおいて、さまざまな設定が確認、変更できるユーティリティソフトだ。


シーンに合わせてPCのパフォーマンスを設定できたり、WINキーやROGキー、タッチパッドなどを無効化したり、各種ドライバーをアップデートできたり、まさにかゆいところに手が届く万能ユーティリティだ。

▲キーボードのカラーも設定可能。特定のキーだけを別の色に変えたり、入力したときにエフェクトを追加させたりと、お好みのカラーリングを楽しめる

HDMI端子やUSB Type-C端子でマルチディスプレイ環境を実現!


本機はHDMI端子はもちろん、USB Type-C端子を使って外部モニターに出力が可能。動画編集や配信など、複数のディスプレイを使いたい場面は多々あるが、そういうニーズにもしっかりと応えてくれている。

▲マルチディスプレイ環境もサクッと構築可能。なお、Thunderbolt4兼用のUSB Type-C端子より外部ディスプレイに出力すればG-syncも使用可能になる

Webカメラ搭載で、リモート会議もお手のもの


本機はWebカメラにマイクも搭載されているので、配信はもちろんリモート会議もそつなくこなせる。なお、内蔵のWebカメラは高度な2DNR+3DNRテクノロジーでノイズを軽減。暗所でもクリアな映像で描写できる。

▲基本的に暗所ではノイズが出てしまうのが常だが、本機のカメラはノイズを低減してくれる

まとめ


高スペックで高性能という申し分ないものの、4K+120Hzで動作するeスポーツタイトルが少ないのが残念なポイント。しかしこれ1台であれやこれやとこなせるポテンシャルは◎。そのサイズと重さから携帯性はいいとはいえないが、大会や遠征に持ち運べばどこでも同じ環境で戦えるのは強み。

希望小売価格は494,800円で発売は2021年8月中旬予定。価格としては決して安いものではないので、店頭で実機を見たり、質感を確認してから購入を検討してほしい。

【eSports World編集部の評価】

スペック:★★★★☆
機能性:★★★★☆
デザイン性:★★★★★
価格:★★★☆☆
携帯性:★☆☆☆☆

総合評価:3.0


予約サイト:
https://jp.store.asus.com/store/asusjp/ja_JP/pd/ThemeID.4850018000/productID.5530314000

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