【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界

【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界:アケコン編第3弾「SANWA STANDARD ARCADE STICK for PS4 MoNo」を紐解く!【レビュー】 (1/2)

2019.11.6 井ノ川結希(いのかわゆう)
ゲームをするにあたって必要不可欠といえるのがコントローラー。特に細かな操作やシビアな入力が要求される格闘ゲームは、「アーケードスティック」や「アーケードコントローラー」、通称「アケコン」と呼ばれる専用のコントローラーでプレイするプレイヤーが多いのが特徴。当然アケコンの種類も多種多様で、どのアケコンがオススメなのか悩んでいるプレイヤーも多いはず。

今回の特集では、そんな格闘ゲームで主流となっているデバイス「アケコン」のなかでも、アーケードパーツ製造販売の老舗、三和電子株式会社(以下、三和電子)から発売されている「SANWA STANDARD ARCADE STICK for PS4 MoNo」(以下「MoNo」)を紹介していこう。

アーケードパーツ製造販売の老舗「三和電子」


以前のインタビューでもご紹介したが、三和電子はアーケードパーツ製造販売の老舗メーカー。ボタンやレバーといったアケコンに使われているパーツなどの製造、販売を行っている。現在販売しているアケコンのほとんどが、三和製のレバーやボタンを搭載しているといっても過言ではないほど。三和電子の名前を知らない人も、実は三和製のパーツが使われているアケコンを使っていた……ということも少なくない。

そんな三和電子から発売されているアケコンが、今回紹介する「MoNo」だ。

▲黒と白を基調としたデザインは、MoNoの名にふさわしいモノトーン仕上げになっている

今回は「MoNo」で遊び尽くした筆者が、徹底的にレビューをしていく。なお、コントローラーの検証には、現在格闘ゲームの中でメジャーとなっている『ストリートファイターV アーケードエディション』や、筆者が長年プレイしているため、操作感の違いがより顕著に体感できる『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』のタイトルを用いている。

シンプル・イズ・ベストに特化した
無駄のない構造がポイント


「MoNo」をひとことで言い表すならシンプルという言葉に尽きる。デザインもさることながら、機能も非常にシンプル。それでいて三和製のパーツを惜しみなく使用している「MoNo」は、ひとつの集大成とも言える作品だ。実際に手に取り、筐体に手を置いてみると、なんとも言えない安心感がそこにあった。

どこにでもありそうなアケコンというイメージだが、そこはアーケードパーツに精通した三和製。絶妙なバランスでアーケード筐体さながらの安定感を生み出している。

▲手前部分の傾斜がポイントで、手を置いたときにしっくりくる構造になっている

基本スペック

まずは筐体のスペックを紹介しよう。なおレバーやボタンは、アーケード筐体にも使われている、ジョイスティックレバー「JLF-TP-8YT」、押しボタンスイッチ「OBSF-30-W」を採用している。

【基本スペック】

サイズ:約(幅)365mm × (奥行き)285mm×(高さ)65 mm
重量:約2.4kg
ケーブル長:195mm
ボタン配置:ブラスト配列
パーツ:三和製
対応デバイス:PlayStation®4/PlayStation®3/PC

【ボタン配列について】

市販されているアーケードスティックの配列は大きく分けてノアール配列とビュウリックス配列の2パターンに分けられるが、「MoNo」はブラスト配列になっている。ブラスト配列は、1990年代から2000年代まで稼働していたブラストシティやアストロシティの筐体を基準にして作られた配列。ゲームセンター全盛期のプレイヤーのほとんどが、この配列の筐体でプレイしていたと言っても過言ではない。レバーとボタンの間が狭いのが特徴だ。


なおノアール配置は、レバーとボタンの間隔が広めに取られていることや、ボタン配置が「への字」になっているのが特徴。この指の長さに準じたへの字のボタン配列により、ボタンが押しやすいので人気がある。アーケード版の『鉄拳7』は、このノアール配列の筐体を採用しているため、鉄拳プレイヤーにも好まれている。


一方ビュウリックス配列は、レバーとボタンの間隔が近く、ボタンはほぼ横並びに配置されているのが特徴。多くのアケコンがこちらの配列を採用していることもあり、現在はこの配列がメジャーである。アーケード版の『ストリートファイター 4』や『ブレイブルー』の筐体で使われていることもあり、それらを中心にプレイしているプレイヤーにも人気がある。


特筆すべきはブラスト配列。ゲームセンター全盛期とも言われている90年代のゲーマーがもっともしっくりくる配列ではないだろうか。筆者が筐体に手を置いたとき、なぜかしっくりしている印象を受けていたのは、この配列が原因なのかも知れない。また重量2.4kgというアケコンの中では比較的軽量型なのもうれしいポイント。

■天板の広さ


ご覧の通り、市販されているアケコンの中では比較的小ぶりだが、小さすぎて心もとないということはないスペースは確保されている。

▲こちらは今はなきMad Catz製の「Arcade FightStick Tournament Edition 2」通称TE2の寸法だ。「MoNo」もこの手のタイプに属している。いわゆるちょうどいいサイズ

■レバーの高さ


レバーの高さは標準的な25mm。長くもなく短くもなくちょうどいいグリップ感だ。先述したとおり、レバーはジョイスティックレバー「JLF-TP-8YT」を採用している。

三和製パーツのアルファベットの意味とは

三和製のアーケードパーツの型番はアルファベットと数字の羅列が特徴的で、「MoNo」で使用されているパーツも、「JLF-TP-8YT」「OBSF-30」といった型番になっている。実はこれ、日本語表記の頭文字をベースに作られていることはご存知だろうか。
型番というと英数字の羅列でなかなか覚えにくいというのがあるが、三和のパーツは商品名から型番が連想できるので、非常に覚えやすいのが特徴。ちなみに、着脱式レバーの「JLFD-TP-8YT」も同様で、FのあとのDは脱着のDとなっている。

無駄を削ぎおとしたシンプルなボタン配置

「MoNo」の天板は非常にシンプルで、必要最低限のボタンのみ配置されている。左上にはPlayStation®4、PlayStation®3の切り替えスイッチ。その隣にはSHAREボタンやOPTIONボタンが配置されている。天板右上にあるのはPSボタンだ。

▲SHAREボタンやOPTIONボタンは間違って押してしまわないよう、硬めボタンが採用されている。大会のような誤作動が命取りになる場面でも安心だ

▲背面にはコードを収納するスペースがある。フタは付いていないが、よほど激しく振らない限りコードが落ちてくることはないので、気にならない

タッチパッド、R3、L3といったボタンはない。『ストリートファイターV アーケードエディション』のトレーニングモードのように、ショートカットボタンを割り当てることができないのは残念なポイントだが、通常のプレイに支障が出るわけではない。純粋に格闘ゲームを楽しむ分には十分といえる。

【「MoNo」の使用感やカスタマイズ性については 】は次のページへ!

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