【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界

【レビュー】スティック故障の不安にサヨナラ——Victrix PRO BFGにドリフト防止+精度向上が付加される「ホールエフェクトモジュールパック」が便利!

ゲームパッドの進化はめざましく、ここ最近はさまざまなメーカーから新機能を備えたゲーミングゲームパッドが発売されている。中でも、背面ボタンなどのカスタムボタンを兼ね備えたゲームパッドは高級志向なものが多く、高性能がゆえに高価格になりがちだ。

そんな高価格帯のゲームパッドの代表ともいえるのが、ゲーミングブランドVictrixから発売されている「Pro BFG」だ。4つの背面ボタンに加え、スティック部分やボタン部分はモジュラー式になっているため、6ボタンレイアウトに変更したり、スティックの向きを変更したりと、さまざまなカスタマイズが可能だ。さらに、PlayStation版、Xbox版のふたつのレイアウトに加え、どちらもPC接続可能と、至れり尽くせりだ。

▲スティックや方向ボタンの替えはもちろん、ボタンレイアウトが変更できる追加モジュールも付属している「Pro BFG」。高級感があるケースが付属しているのもうれしいポイントだ

そんな「Pro BFG」の価格も2万円台後半とかなり高め。スティック部分がへたってきたとか、ボタンが堅くなってきたなど経年劣化による買い換えは極力避けたいところだ。しかし、そんな不安を払拭(ふっしょく)する、新たなモジュール「ホールエフェクトモジュールパック」が発売された。

価格は5,980円とお手頃価格で、スティック部分は非接触型のホールエフェクト方式にパワーアップ。ドリフト(スティックが勝手に入力される現象)が起きにくくなるメリットも付加されるので、単純にお手持ちの「Pro BFG」が正統進化しちゃうという優れものなのだ。

パープルを基調としたデザインが◎


内容物は非常にシンプルで左右のスティック+ボタン部分のモジュールとクイックオンラインマニュアルへのURLが記載された簡易マニュアルだ。

オリジナルとの比較はスティック部分や方向キー、各種ボタンの色がパープルになっているという点。それ以外に大きな違いはない。

▲スティックの外周にある円形のガイドもパープル仕様になっている。パープルを基調としたデザインは、よりVictrixらしさが出ている

スティック部分や方向キーなどの仕様はオリジナルと変わらない。気分や仕様タイトルに応じてお好みに換装するのもアリだ。

▲方向キー、スティック、ガイドは簡単に取り外しができる。既存のブラックを基調としたデザインがお好みならば、オリジナルに換装することも可能だ

▲こちらは「Pro BFG」本体に付属している交換パーツ。もちろん、これらを使うこともできる

ご覧のとおり、ぱっと見はオリジナルのモジュールとほとんど変わらない。内部のパーツを見ると、オリジナルとの違いを確認することができる。

▲奥がオリジナルのスティック部分、手前がホールエフェクト採用のスティック部分。スティック部分に緑のパーツを使っているのが特徴。その他にもボタン部分を制御する基板に穴が空いていないなど、違いが確認できた

本体付属のドライバーで楽々換装


取り付けは非常に簡単で、「Pro BFG」に備え付けのドライバーを使って既存のモジュールを取り外し、新たに「ホールエフェクトモジュールパック」を取り付ければOK。

▲左右のモジュールはふたつの六角穴ネジで固定されている。ふたつを緩めればモジュールを外すことができる

▲外すとこんな感じ。左右対称ではないので、右のモジュールを左に取り付けるといったカスタマイズはできない

あとは、取り外した要領の逆の手順で「ホールエフェクトモジュールパック」を取り付ければOKだ。

▲スティックとボタン部分が新品に!

専用アプリでリキャリブレーション


「ホールエフェクトモジュールパック」を取り付けたあとは、すぐに使うことができるが、このままではスティック部分が正しく動作しないこともある。具体的には、スティックを倒しきっても、最大まで倒したことにならないといった具合だ。

「Pro BFG」をはじめとする、Victrix製ゲームパッドの設定ができる専用アプリ「Victrix Control Hub」をPCにインストールして、スティック部分のリキャリブレーション(再調整)を行おう。なお、操作方法さえ覚えておけば、スティックのリキャリブレーションは、アプリを使わなくても同様の操作で行える。

Victrix Control Hub:
https://apps.microsoft.com/detail/9nfsmmcp8xjt?hl=ja-JP&gl=JP

「Victrix Control Hub」を起動したら、診断→アナログスティックと進み、「テスト開始」を実行してみよう。

▲「ホールエフェクトモジュールパック」に換装後、上記のようにスティックが最大まで入力できないことがある(スティック部分の円が、操作領域を示す紫色に塗りつぶされない部分がある)

ホーム画面に戻り、□ボタン(Xボタン)を長押しして「リキャリブレーション」を実施。


すると、スティックのリキャブリレーションのやり方が画面に表示されるので、指示に従ってリキャブリレーションを行おう。

▲この画面が表示されたら、画面の指示に従って左右のスティックのリキャブリレーションを行う

リキャブリレーションのやり方は以下の通り。

  • アナログスティック押し込み(R3やL3ボタン)と機能ボタンを長押しする
  • アナログスティックを大きく円を描くように数回動かす
  • アナログスティックを元の位置に戻し、機能ボタンを押す

▲リキャブリレーション実行中は機能ボタンのLEDが素早く白く点滅する。この点滅している間にスティックを大きく動かそう

リキャブリレーションが終わったら、念のためテストを実行し下記のように表示されれば、スティックの再調整が正しく実行されていることが分かる。


新品同様の操作感でキビキビに!


「ホールエフェクトモジュールパック」に換装した操作感に大きな変化はない。逆を言えば、使い慣れた「Pro BFG」の操作感そのままで、新品同様のパフォーマンスを発揮できるというのが本製品の強みだ。スティックは長期間使い続けると、ブレが生じたり、がたつきが生じたりする。「あれ、なんかおかしいな」といつからか感じるようになるのがゲームパッドのスティックにおける常。

そういった不具合を感じたら「ホールエフェクトモジュールパック」を導入してみよう。本体を買い換えることなくパーツ交換で新品の操作感を取り戻すことができるぞ。

なお「ホールエフェクトモジュールパック」はブラックとホワイトの2カラー展開している。本体に合わせてカラーを選ぶといいだろう。ひとつ欠点なのは、ボタン表記がXbox準拠となっている点だ。PlayStation版の「Pro BFG」にも物理的には対応しているが、ボタンの表記が変わってしまう。

ここから先は保証対象外となる改造に近いカスタムになるが、オリジナルのボタンキャップを取り外し、「ホールエフェクトモジュールパック」に換装することで、ボタン表記を戻すこともできる。どうしても○、△、□、×のPlayStation表記にしたいという人は自己責任で試してみるのも手だ。

▲まずモジュール背面にある4カ所のネジを外す。ネジ穴は+なのでお手持ちの精密ドライバーを使おう

▲中身が動かないようにゆっくりと土台を外し、スティック部分の基板も取り外す

▲ボタン部分のシリコンを取り外すと、ボタンパーツを見つけることができる。本体を逆さまにするか、下から突き上げればボタン部分を外すことができる

▲同様に「ホールエフェクトモジュールパック」側のボタンパーツを取り外して、ボタンを入れ替える。あとは分解した逆の手順でモジュールを組み立てていく。ボタン部分のシリコンは向きがあるので間違えないようにしよう

▲こちらはスティック部分のガイド。裏返して押し込めばツメが外れて取り外せる。またガイドが付いている固定パーツはオリジナルと同じ形状なので、そのままオリジナルを流用しても構わない

▲見た目はオリジナル。だけどスティック部分はホールエフェクトのモジュールの完成だ!

まとめ


個人的に「Pro BFG」は背面ボタンのあるゲームパッドの中でもグリップ、操作性ともに最高品質だと感じていたので、こういった追加パーツで本体の寿命の延命+パワーアップできるのはかなりうれしい。6,000円以下という低価格なのもお財布にやさしくうれしいポイントだ。

一方で、ボタン表記がXbox準拠のみというのは残念ポイント。せっかくならばPlayStation準拠のバージョンも発売してほしい。また、最近は6ボタンモジュールのレイアウトが調整された「Pro BFG Reloaded」が発表された。こちらは「Pro BFG」よりも高価なので、こういったボタンレイアウトが気軽に変更できるモジュールを単体発売してくれると、「Pro BFG」愛好家にとっては選択肢が増えるのではないだろうか。

【eSports World編集部の評価】

操作性:★★★★★
機能性:★★★★☆
デザイン性:★★★★☆
価格:★★★★★
携帯性:★★★★★

総合評価:4.6

既存の本体を無駄にせずスティックやボタン部分だけを交換できるパーツは、コストパフォーマンスに優れている。本体さえ物理的に故障しなければ、何度でも新品同様用に復活するギミックはうれしいポイントだ。

こういった交換モジュールタイプでボタンレイアウトの種類が増えれば、さらにカスタマイズ性は高まるのではないだろうか。


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