【特集】eスポーツ入門
日本での「eスポーツ」の認知度と理解度は? eスポーツ関連調査から紐解く (4/7)
3. フィジカルスポーツとeスポーツの関係
野球やサッカー、マラソンといったフィジカルスポーツの習慣の有無が、eスポーツへの関心を左右するかを分析したところ、スポーツ活動の習慣がない人に比べて、スポーツ活動の習慣がある人の方が、eスポーツの内容理解率は高く、ポジティブな印象を持っている傾向が強いことが分かった。
具体的には、スポーツ活動の習慣がある人の内容理解率(45.9%)は、習慣がない人の内容理解率(27.0%)を上回っており、スポーツ活動の習慣がある人のポジティブな印象(60.9%)は、習慣がない人のポジティブな印象(36.3%)を上回っている。
eスポーツは、ゲームの一種ではあるものの、「スポーツ」という言葉を使っていることで、スポーツに馴染みのある人の関心を惹き、印象を良くしている可能性がある。
なお、本調査では、スポーツ実施頻度別、実施している競技別にeスポーツ系ゲームの実施状況についても分析したが、特に相関が認められなかった。
フィジカルスポーツ=実際に肉体を動かして行うスポーツとeスポーツとの関係については、理解度が高いという点は、調査では明確になったが、競技別の相関関係がみられなかったという。
素直に考えて、サッカーのプレイヤーがサッカーゲームに親和性が高いのは理解しやすいが、FPSのようなゲームはある意味で「ゲーム内だからこそできる体験」であり、限られた種類のフィジカルスポーツ経験が連動しないのも当然の結果だろう。逆に、おそらくサバイバルゲーム経験者であればFPSへの理解度はより高いということも容易に想像がつく。
むしろ、チーム同士での競技などの関係性や、大勢でひとつの作品を奏でる吹奏楽などの音楽経験者と、チーム方式のバトルゲームの親和性の方が興味が感じられる。プロゲーマーの中には共同生活を行ってチームワークを鍛え、磨き合うケースも多いが、そういった集団行動や連携プレイの向き不向きというところに、フィジカルスポーツの経験が生きている可能性もありそうだ。
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