【特集】eスポーツ入門

日本での「eスポーツ」の認知度と理解度は? eスポーツ関連調査から紐解く (3/7)

2019.3.15 eSports World編集部

2.ゲームの実施状況

普段行っている趣味について、ゲームが含まれる回答者は、全体の40.7%であり、ゲームの趣味としての人気は根強いことが伺える。一方で、回答が多かった趣味を多い順にみてみると、スマートフォンゲームは全趣味のうち第6位にランクインしているものの、家庭用テレビゲームは第9位、家庭用ポータブルゲームは第21位、パソコンで行うオンラインゲームは第23位、ゲームセンターで行うゲームは33位という結果となっている。日本ではゲームというとスマートフォンゲームが中心で、世界のeスポーツ市場の主流であるパソコンで行うオンラインゲームは趣味として人気が高いとはいえない。

趣味にゲームが含まれる人に対して、実施するゲームにおける対戦要素の有無を聞いたところ、「ヒトとの対戦要素はなく、一人で進めることができるゲーム」との回答が84.4%を占めた。対戦要素のない一人で進めることができるゲームが多く選ばれており、「対戦型」が前提となるeスポーツ系のゲームはあまり実施されていないことが分かる。

調査では1.ストラテジーゲーム、2.シューティングゲーム、3.レースゲーム、4.格闘ゲーム・格闘アクション、5.スポーツゲームを「eスポーツ系ゲーム5種」と定義している。「eスポーツ系ゲーム5種」のいずれかをやったことがあるかという質問では、全体の44.7%が「実施経験あり」と回答しており、実施経験だけでいえば経験者は半数近い。しかしながら、実施頻度・継続状況に関する質問では、「今は全くやっていない」、「ほとんどやっていない、やるとしても年1回以下」の合計が実施経験者の半数程度を占め、継続的に実施している人は少ないことが分かる。

日本においては、この「ゲームの実施状況」が、eスポーツを普及させるうえで大きな課題になってきた。

日本の多くのプレイヤーが遊んでいるのはスマートフォンゲームだが、eスポーツの主流はパソコンやコンシューマーゲーム機で行うオンラインゲームだ。ただし、近年のスマートフォンのスペック向上なども手伝って、スマートフォンとパソコン/コンシューマー機でのクロスプレイが可能なタイトルなども出始めている。また、従来はパソコンだけだったゲームがスマートフォンに進出する例、その逆の例もある。

ハードウェアの性能向上と、ネットインフラの速度向上によって、従来は特定のハードウェアでしか遊べなかったゲームが、ハードウェアの制約を受けずに誰もが遊べる時代になり始めている。開発環境が近しいものになってきたこともひとつの理由だろう。

フルスペックのゲーミングパソコンと同等の性能をスマートフォンに持たせるには、時間もしくは高額なハードウェアが必要になるだろうが、そう遠くない将来、クロスプレイのルールなども統一するかたちで、ボーダーレスにeスポーツを楽しみ、競い合うことができるようになるかもしれない。
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