【連載】プロゲーマー小路KOGの「勝つための『GBVS』立ち回り指南」

【第9回・プロゲーマー小路KOGの「勝つための『グラブルVS』立ち回り指南】〜Ver 1.31アップデート考察〜

2020.4.30 小路KOG
みなさまこんにちは!
「SG8/SUSANOO GAMING8」所属のプロゲーマー、小路KOG(こうじ けいおーじー)(@kkkog)と申します!!

前回に引き続き『グランブルーファンタジー ヴァーサス』(以下、『グラブルVS』)に関する記事を執筆させていただこうと思います。

9回目である今回は、2020年4月28日(火)に行われた大型アップデートについてご紹介したいと思います!
DLC含めた全キャラクターに調整が入るのはこれが初めてですね。

みなさんが現在進行形で使用しているキャラ、もしくは使用する予定のキャラはどのように生まれ変わったのか?
公式の変更点を確認しつつ、自分で実際に調べた情報をこちらに記載していこうと思います。

それでは、1キャラずつ、主な変更点の感想と補足を書き連ねようと思います!
なお、アップデートの詳しい内容は、下記の公式サイトで確認できます!

https://versus.granbluefantasy.jp/system/update/20200428?lang=ja

グラン


おもな変更点は下記の通り。

  • 近距離中攻撃が有利から五分に
  • 遠距離弱攻撃が発生遅くなった
  • トリプルアタックの2段目が必殺技でキャンセル可能に変更

有利を取りつつ大ダメージを期待できた近距離中攻撃の固めが弱体化。DLCのジータやソリッズ、後述するカタリナとランスロットなどを見るに、近距離中攻撃で有利を取る方向性の調整はなくなりそうだ。

ただし、近距離弱攻撃の有利フレーム自体は全キャラ変わっていないはずなので、弱攻撃をガードさせてからの暴れ潰しと投げの二択は健在だ。

▲反撃確定技として非常に優秀だったグランの遠距離弱攻撃の発生が遅くなった。主な反撃技である弱版「ドライブバースト」には相変わらず確定するので、同キャラ戦が別ゲーに変わることはなさそうだ

▲A連二段目からキャンセルできる調整により、対空からのコンボの伸びが素晴らしいことに。まだまだ新しい発見がありそうな変更点に、グラン使いの未来は明るそうだ

カタリナ


おもな変更点は下記の通り。

  • 遠距離立ち強攻撃の持続減少、硬直増加
  • 近距離中攻撃が有利から微不利に変更
  • 近距離中攻撃の認識間合いが狭くなった

主力技の弱体化が痛いカタリナ。特に近距離中攻撃は、

  1. 再度近距離中攻撃が繋がらない
  2. しゃがみ食らいにしゃがみ中攻撃が繋がらない
  3. 下段を二回刻んでからの近距離中攻撃が出ない

と、根本的に固めを見直す必要が迫られる。

▲今回、おそらく最も痛い調整を受けたカタリナ。しかし、しゃがみ中攻撃や各種ジャンプ攻撃などは強力なままなので、上位から転げ落ちる可能性は低いだろう

シャルロッテ


おもな変更点は下記の通り。

  • 強版「グリッターオンスロート」のダメージ低下、相殺レベル低下
  • 「ホーリーラダー」落下部分に相殺追加
  • 中版「グリッターオンスロート」の相殺レベル上昇
  • トリプルアタック二段目の発生が遅くなった

猛威を振るっている通称EXローリングこと、強版「グリッターオンスロート」が弱体化。ただし、スピードが遅くなったり反撃を受けるようになった訳ではないので、そこまで気にならない変更点と言えるだろう。相対的に評価が上がるキャラのひとりだ。

▲相殺という単語が頻出するシャルロッテの調整項目。強版「グリッターオンスロート」は遠距離強攻撃に一方的に負けるようになったので、完全に読めていれば手痛い反撃を負わすことができる

▲パッと見弱体化に感じるトリプルアタック二段目の発生鈍化。実は発生が遅くなったことで、より相手に密着するようになり、「ホーリーラダー」をはじめとしたキャラ限定コンボが全キャラに確実に入るようになった。地味だがかなり喜べる調整だ

ランスロット


おもな変更点は下記の通り。

  • 強版「ヴォーゲンシュトローム」の持続、飛距離が短くなった
  • 強版「ヴォーゲンシュトローム」の発生保障が短くなった
  • 強版「ブレードインパルス」の発生が遅くなった
  • 近距離中攻撃が有利から五分になった
  • 空中版「ヴィルベルヴィント」に着地硬直追加

前回のキャラ対策記事でも大々的に取り上げたランスロットの超主力技「弾」こと「ヴォーゲンシュトローム」が弱体化。発生保障が早かったために、見てから攻撃しても、本体のランスロットを殴った後に氷が飛んできて逆にランスロットのターンになることが多々あった状況が完全に起こらなくなった。

また「空中高速移動」こと、空中版「ヴィルベルヴィント」に着地硬直がついたので、厳しい表裏がガードされやすくなったり、とっさの暴れがランスロット相手に打ち勝ちやすくなった。

▲「ヴォーゲンシュトローム」の弱体化で特に恩恵を受けるキャラクターがフェリ。前バージョンまでだと、残った氷がヒットしてしまうため、「ヴォーゲンシュトローム」にゲシュペンストを当てても引き寄せてから起き攻めに行くことができなかったが、今バージョンでは気兼ねなく引き寄せることができる。画像は前バージョンで良く起こった一枚

▲遠距離中攻撃から強版「ブーレドインパルス」が繋がらなくなり、対空のリターンが大幅に低下。とっさのアドリブが難しくなった。逆に発生が遅くなったことにより、近距離強攻撃→強版「ブレードインパルス」→近距離強攻撃→解放奥義といった新たな高火力ルートも見つかっている。研究次第では強化点と言える日が来るかも?

パーシヴァル


おもな変更点は下記の通り。

  • 「トロイメライ」が暴発しにくくなった
  • 「プラッツェン」の簡易入力で相手が大きく吹き飛ぶように変更
  • 「ローエン・ヴォルフ」の簡易入力の有利時間減少

前回のバージョンアップで数々の強化をもらったパーシヴァルは、今回どちらかというと不具合修正に近い形に落ち着いた。とはいえ、無敵技の「プラッツェン」や奥義の「ローエン・ヴォルフ」は、テクニカル入力を行わないと状況が少し悪くなるという調整なので、キャラクター使用難易度はアップしている。

▲強化技である「トロイメライ」が暴発しにくくなったのは地味だがかなりうれしい調整。密着でこの技が暴発して泣いているパーシヴァル使いは数多く存在した

ファスティバ


おもな変更点は下記の通り。

  • 立ち、しゃがみ、歩き、避け、回り込みの各種モーションのやられ判定拡大
  • 近距離立ち弱攻撃と遠距離立ち弱攻撃の硬直増加
  • 強版「漢女のラリアット」のダメージ低下

文面だけではわかりづらいが、あらゆるモーションでのやられ判定が拡大したことが今後どれぐらい響いてくるか。大型キャラ特有の、ファスティバ相手限定コンボや崩しが見つかる可能性も否定できない。また、コンパクトで使いやすかった弱攻撃の硬直が増えたのも少なからず影響を及ぼすだろう。

▲コンボに組み込みやすい強版「漢女のラリアット」のダメージが200下がったのも気になるポイント。しかしコマンド投げ関連が弱体化されていないので、投げキャラとしては十分な性能

▲近距離弱攻撃→大足のコンボや、遠距離弱攻撃→遠距離中攻撃(しゃがみ喰らい)というコンボが軒並み繋がらなくなった。打撃よりコマンド投げのプレッシャーで戦うキャラに変貌したと言えるだろう

メーテラ


おもな変更点は下記の通り。

  • 遠距離立ち弱攻撃の足元のやられ判定が拡大
  • 近距離立ち中攻撃が有利から五分に
  • 弓矢を打つ通常技が、相手にヒットorガードした時に相殺が発生しなくなった

大幅な変更点は少なく、パーシヴァル同様不具合修正に近いメーテラ。前回の調整で強化された対空攻撃や設置技の「エーテリアルシール」、今回の調整で弱体化された相性の悪いランスロットとの組み合わせなど、対戦環境に影響を与えるキャラクターなのは間違いなさそうだ。

▲判定が非常に強い遠距離弱攻撃。今回の調整でやられ判定が拡大した。リターンがほとんどないため、連発する技でもないのだが、この技に差し返しされるようになるのは地味にキツかったりする

ローアイン


おもな変更点は下記の通り。

  • ダブルアタック(A連二段目)が地上判定になり、キャンセル可能に変更
  • 「戦争兵器」が暴発しにくくなった

前回の調整で各種通常技の強化を受けたローアイン。今回はA連打のトリプルアタックの仕様変更により、必殺技キャンセルできるカ所が増えて面白い調整に。A連二段目から投げ、各種設置技、ポコパンの三択が迫れるようになったため、固めの幅が増えた。

▲グラン、ローアインの2キャラはA連二段目が空中判定だったので、必殺技でキャンセルができなかった。今回の調整で地上判定になったので、攻めのバリエーションが大幅に増えるだろう

フェリ


おもな変更点は下記の通り。

  • 遠距離立ち中攻撃の硬直増加
  • 足払い攻撃の相殺レベル減少
  • 強版「迎え撃て、ペッポ!」の発生が遅くなった

なんといっても無敵技である強版「迎え撃て、ベッポ!」の発生鈍化が一番大きな変更点であろうフェリ。シャルロッテやベルゼバブ同様、簡単に詐欺重ねされるため、前より起き上がりなどでぶっぱなし辛くなった。また対空としても使っていた技であったため、発生が遅くなったことにより前まで落とせていた飛びが落とし辛くなるだろう。

▲大足は相殺レベルが変更。硬直や発生は変わっていないので相変わらず非常に強い技ではあるのだが、差し返されたり打ち負けやすくなった点にだけは注意

▲強版「迎え撃て、ベッポ!」は無敵必殺技の中でも最も遅い11Fの発生。前バージョンが7F発生だったことを考えると、約2倍の遅さだ。フェリ相手の安全なセットプレイが数多く生まれる未来が予想される

ゼタ


おもな変更点は下記の通り。

  • 各種必殺技が暴発しにくなった
  • 空中「プロミネンスダイブ」が全段ヒットするように変更
  • 「シリウスロア」がロックしなかった時のダメージ増加

前回の調整からほぼ強化オンリーな調整が目立つゼタ。今回は奥義二種類がより使いやすく、ほか必殺技が暴発しにくくなるといいことづくめの調整だ。

▲演出に入らなかった時のダメージがものすごく低かった「シリウスロア」。今回の調整でかなりまとまったダメージを奪えるようになったので、遠目の対空でも十分使える性能になった

バザラガ


おもな変更点は下記の通り。

  • 近距離立ち弱攻撃の攻撃レベル低下
  • 近距離中攻撃の硬直増加。代わりに少し前進するようになった
  • 弱版「バタリアンズ・オブ・フィア」のダメージがアップ
  • ジャンプ中攻撃、ジャンプ強攻撃のノックバックが少なくなった

他キャラクター同様、近距離での攻めに弱体化のメスが入ったバザラガ。足が遅く、密着付近に近づくまで苦労するキャラなので崩しが弱くなった点は厳しいところ。

代わりにジャンプ攻撃後の状況がよくなったり、突進必殺技のダメージがアップしていたりとうれしい強化点もある。

▲弱版「バタリアンズ・オブ・フィア」は先端ガードで有利を取れる主力突進技。動こうとした相手に引っかかることも多いので、ダメージアップは後半戦になるほど効いてくる

▲近距離立ち弱攻撃の攻撃レベル低下により、一部のコンボが繋がらなくなったバザラガ。コンボパーツや固めのレシピを再構築する必要がありそうだ

ベルゼバブ


おもな変更点は下記の通り。

  • 「ブラックフライ」の発生保障が短くなった
  • 各種必殺技の簡易入力で当てた後の状況が悪くなった
  • ・← ↙ ↓ ↘ → +ボタンで入力時、「ブラックフライ」が「ランジュラン・フィールド」より入力優先順位が高くなるように変更

システム面での統一化に合わせるため、結果的には弱体化してしまったベルゼバブ。コマンド投げの「アンセム」、無敵技の「ランジュランフィールド」、奥義の「黒き槍」はなるべく簡易ではなくテクニカル入力で出したい技となった。各種通常技の性能そのものには調整は入っていない。

▲全キャラクター共通だが、← ↙ ↓ ↘ → +ボタンで入力することにより、他の技が暴発せずに↓ ↘ →コマンドの必殺技を打つことができるようになった。いわゆる「ダッシュ慣性飛び道具」が打てるようになるので、戦略の幅が広がるだろう。もちろん、ベルゼバブもその恩恵を受けているひとりだ

ナルメア


おもな変更点は下記の通り。

  • 抜刀時の立ち弱攻撃の判定を拡大、硬直減少
  • 「刹那」の出始めのやられ判定縮小
  • 「万里一空」と「夢幻神楽」の攻撃時に少し前進
  • 地上版「繊月」のやられ判定を縮小、着地後の硬直減少

通常技、必殺技共に強化が目立つナルメア。納刀、抜刀時両方とも使いやすくなった技が増え、よりバランスよく戦えるようになった。当身、無敵技共に前進するようになったためスカる心配が減り、発生前に潰されがちだった居合こと「刹那」の強化は、中距離以上での立ち回りをより強固なものに変えるだろう

▲弱版、中版の「繊月」は立ちガードされると微不利を背負うことは変わらずのまま。工夫を重ねてしゃがみガードを狙っていこう。その後の抜刀時の立ち弱攻撃が強化されているので、攻めの能力がアップされているナルメアは大幅強化と言えるだろう

ソリッズ


おもな変更点は下記の通り。

  • 「インパクトナックル」のダメージアップ
  • 「ロックスマッシュ」が暴発しにくくなった

ソリッズ、ジータのふたりはリリースされてから間もないキャラということもあり、調整はほとんどない模様。ふたりとも近距離中攻撃が五分だったりするので、グランやカタリナはこのふたりを基準に調整されたと考えられる。

▲主力中の主力である「インパクトナックル」のダメージアップは十分すぎる強化。勢いで大会を席巻する日もそう遠くない?

ジータ


おもな変更点は下記の通り。

  • 近距離立ち弱攻撃の硬直増加
  • 「大いなる破局」をアーマー技に当てた時の凄まじい火力を修正

グラン、カタリナ、ファスティバ、ジータの4キャラは近距離弱攻撃の硬直が増えた。この4キャラに共通しているのは発生の早い無敵技に対して詐欺ができる、いわゆる「小パン詐欺」ができていた点だ。

このテクニックが今回の調整でなくなったことにより、発生の早い無敵技に対して純粋に読み合いを強いられるようになった。

▲「超一騎当千」に対して一撃必殺のダメージを与えられていた「大いなる破局」。このダメージが見られなくなるのは寂しいが当然の修正といったところ

▲硬直増加により、近距離弱攻撃からしゃがみ中攻撃と足払いが連続ヒットしなくなったのがジータの痛い弱体化点。男らしく投げと近距離強攻撃の二択を迫っていこう

まとめ


調整後のキャラクター考察記事、いかがだったでしょうか?

各種必殺技の暴発がしにくくなっていたり、ダッシュの先行入力の幅が緩和していたりと、とにかく操作性が見直されたのは素晴らしいですね!

どちらかというと弱体化が多く見受けられる今回の調整ですが、しっかり強化されているキャラクターもいますので今後のキャラクター選びの参考にしていただければと思います。

次回はシーズン1最後のDLCキャラクター「ゾーイ」の記事をお届けしようと思います。どうぞお楽しみに!

【小路KOGプロフィール】
JeSUライセンス保持で『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』にてワールドランキング1位の実力を持つオールラウンダーな格ゲーマー。プロゲーマーのほかにも、イベント業務全般を担当するマルチな才能を持っている。eスポーツに関わるビジネスで利益を上げつつ、ゲームの腕前は最強、というプロゲーマーの新たなロールモデルを目指すべく、日々勉強中。現在の目標はプロジェクトX出演。

Twitter:https://twitter.com/kkkog


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