【連載】Yomiの「『LoL』をゼロからひとりでも始められるハウツー講座」

【『LoL』0-1-2講座 STEP 15】集団戦を意識した「チーム構成」をつくってみよう

2023.7.4 Yomi
記事公開日:2020年4月16日 最終更新日:2023年7月4日 監修協力:和藤新
本記事は、当時の記事内容を踏襲しつつ、「シーズン2023 ミッドアップデート」時点の情報をもとにアップデートして再掲しております。

みなさんこんにちは。Yomiです。

前回では、『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のレーンごとの役割である「ロール」について学びました。

『LoL』は5人がそれぞれチャンピオンを選んでチームを組みます。5人全員がそろって戦う「集団戦」は、もっともゲームが動くシーンであり、このゲームの一番の見どころとも言えるでしょう。

今回はこの集団戦の基本的な形を知り、クラスやロールの知識を踏まえた上で、どのような組み合わせ方があるのか、「チーム構成」について話していきたいと思います。

集団戦とは



「集団戦」はその名の通り、複数人でまとまって戦う戦闘です。2人ずつで戦う場合から5人全員まとまって戦う場合まで、すべて集団戦です。いろいろなチャンピオンが交錯するので、1vs1よりも複雑さが増し、単純に何も考えずに戦ってもなかなか勝つことはできません。なので、ここでは集団戦の基本的な考え方を知っていきましょう。

集団戦の基本(1)敵の数を減らす


まず一番大切なのが、敵よりも早くひとりでも多く敵チャンピオンを倒すことです。このゲームは人数差がそのまま戦力差として現れることがほとんどです。なので、確実に敵の数を減らしていく行為はとても大切です。

そのために必要な考え方としては、以下のものが挙げられます。

  • みんなで同じ敵を狙う
  • 柔らかい敵を狙う

みんなで同じ敵を狙うことを「フォーカスを合わせる」と言います。1人で攻撃するより5人で攻撃したほうが早く倒せるのは当たり前ですよね? しかし、その時の立ち位置や攻撃範囲の関係から思うように攻撃できなかったり、プレイしているのはバラバラの人間なので、単純に意思疎通がうまくいかないことは多々あります。

とても簡単そうな要素に見えますが、この「フォーカス」の判断はおそらく『LoL』を遊んでいく中で常に課題として残り続けると思います。

もうひとつの柔らかい敵を狙う。これもわかりやすいですね。防御アイテムを持っている相手よりも、攻撃アイテムばかり持っているチャンピオンのほうが早く倒せます

また、攻撃アイテムばかり持っているチャンピオンが早くいなくなると、それだけこちらが受けるダメージが減るというメリットもあります。攻撃するチャンピオンを選ぶ余地があるなら、柔らかい敵にフォーカスを合わせるべきです。

集団戦の基本(2)陣形を考える


柔らかい敵にフォーカスを合わせれば勝てる。それはもちろん、お互い承知の上で戦っています。なので、攻撃アイテムばかり持っているチャンピオンは倒されないように、基本的に狙われにくい位置にいるでしょう。

すると自然と、倒されにくいチャンピオンが前に出て、柔らかいチャンピオンは後ろに下がる陣形になります。


この前に出ているチャンピオンたちがいる位置を「フロントライン」、後ろに控えている位置を「バックライン」と呼びます。

ここで、柔らかい敵を倒すために機動力のあるチャンピオンが、ひとりでラインを無視して強引に突撃したとします。するとどうなるでしょうか。


上の画像のように、攻められた側はみんなで飛び込んできた敵を攻撃できるので、すぐに倒すことができますが、仲間は移動しないといけないのですぐに攻撃することができず、さらに攻撃できたとしても敵のフロントラインです。

また、強引に柔らかい敵を攻撃しようとすると、フロントラインを作る余裕もないので、敵は次のフォーカスを選び放題になります。したがって、基本的には飛び込んだ側が一方的に損をする形になってしまいます。

なので、フロントライン・バックラインを維持しながら、フォーカスを合わせられる敵を確実に倒すことは、柔らかい敵を狙うことよりも優先される事項になります。

集団戦の基本(3)陣形を崩す


陣形を維持したまま戦うと、必然的にフロントラインを倒すのが早いほうが勝ち、逆転は起こりにくくなってしまいます。そこで、フロントラインを溶かすのが遅い側が勝つためには、敵の陣形を崩す工夫が必要になってきます。

陣形を崩す方法はとてもたくさんありますが、ここではいくつかの例を挙げてみます。

フロントライン・バックラインを分断する

タリヤの「R」や、アニビアの「W」、ランブルの「R」などで、バックラインが前に出て来られない状況を作ります。すると、こちらが一方的にフロントラインを攻撃できるので、敵のバックラインが火力を出せない時間分の有利を作ることができます。

バックラインの敵を前に連れてくる

スカーナーの「R」、ブリッツクランクの「Q」、リー・シンの「R」(インセク)などで、奥に引きこもっている敵を強引に前に引っ張り出します。すると、無理なく柔らかい敵をフォーカスできるので、成功すれば簡単に倒すことができ、そのまま人数差を活かして勝つことができるようになります。

フロントラインもバックラインもまとめて倒す

フロントラインから攻撃するのは基本ではありますが、まとめて倒せるならそれに越したことはありません。まとめて攻撃できるAOE(Area of Effect)スキルが多い場合は、たとえフロントラインを倒せなくてもバックラインを攻撃できるので、集団戦においてとても強力です。

AOEスキルが広範囲であれば、敵がそれを避けるために陣形を崩す場合もあるので、そうなるとしっかり陣形を保てているこちらが勝てるようになります。

フロントラインをかわしてバックラインに飛び込んで倒し切る

ゼドのようなアサシンの場合、フロントラインでにらみ合っていてもできることはあまりありません。なので、裏に回り込んだり、壁の横から飛び出したりと、なんとかフロントラインに妨害されないようにバックラインに飛び込んでいきます。

そして、持ち前の火力を活かして敵を一瞬で倒し、捕まらないうちに離脱をします。少しでも倒すのに時間がかかると、敵にフォーカスを合わせられて倒されてしまうので、リスクはありますが成功するとリターンはとても大きい行為になります。


「チーム構成」に必要な要素


では、集団戦がどのように行われるかを知ったところで、チーム構成を考える上で、どのような観点が必要かを見ていきましょう。

「物理ダメージ」と「魔法ダメージ」


チャンピオンが出すことができるダメージは、「物理ダメージ」と「魔法ダメージ」の2種類に分かれます。
(確定ダメージは防御に関係なく、簡単にたくさん出せるものでもないので、ここでは置いておきます)

チャンピオンによって、どちらのダメージを出すのが得意かは異なります。もしチーム全員が物理ダメージしか出せないとなると、フロントラインが物理防御アイテムを積むだけで誰も倒すことができず、勝つのがとても難しくなってきます。

△例:アーリは「魔法ダメージ」を出すのが得意

なので、チーム全体で出せる物理・魔法ダメージの割合はできるだけバランスよくしましょう。

「単体ダメージ」と「範囲ダメージ」


ダメージの観点は物理・魔法の種類以外にもあります。ひとりだけを攻撃するのが得意なチャンピオンもいれば、まとめて攻撃するのが得意なチャンピオンもいます。

単体攻撃、範囲攻撃には以下のメリットが挙げられます。

単体攻撃のメリット
  • 確実に当たるものが多い
  • ダメージ量が高め

単体攻撃が多いと、それだけ 1vs1 が戦いやすくなりますが、敵が密集すると攻撃したい敵を思うように攻撃できず、全員倒すのに時間もかかるので、集団戦では戦いにくくなります。

また、もしミニオンがたくさんいても、倒すのに時間がかかるので無駄な時間が増え、その間敵を自由に行動させてしまいます。


範囲攻撃のメリット
  • 敵が密集していてもまとめて倒せる
  • ミニオンを倒すのが早い

範囲攻撃が強力だと、単純に集団戦で効率よく敵を倒せます。またミニオンを倒すのが早いと、それだけ自由に動ける時間が増えるので、ゲームの流れをコントロールしやすくなります。

さらに、敵からミニオンと一緒にタワーに押し込まれても、倒すのが早ければオブジェクトを守るのもやりやすくなります。ミニオンの群れは「ウェーブ」という単位で数えるので、ミニオンを処理する力は「ウェーブクリア」力と呼ばれます。

ただし、範囲攻撃に偏った場合、確実に当たるスキルやダメージを出せるスキルがないと1vs1の安定性も欠け、敵を倒し切ることができず逃してしまいます。さらに1vs1ができないと、どうしても後手後手に回ってしまうので、そもそも集団戦をする前に勝負がついたりもします。また、範囲攻撃で火力を出すためには、アイテムもある程度必要なので、すぐに力を発揮することはできません。

あらゆる状況で臨機応変に戦うためにも、単体・範囲攻撃のバランスも良いに越したことはありません。

「攻撃役」と「防御役」


攻撃の種類だけでなく、チーム内での「攻撃役」と「防御役」もバランスが大切です。

例:アーリはダメージが優れている

もしどちらかに偏った場合は、以下のようなリスクがあります。

攻撃役に偏った場合
  • うまく攻撃されると簡単に全員デスするリスクがある
  • ポーク(遠距離からの攻撃)に弱い

簡単にデスするリスクがあるということは、どれだけ勝っていてもワンチャンスでいつでも負けてしまうということです。敵をうまく倒せた時の爆発力はありますが、集団戦で敵のAOEにうっかり全員捕まってしまったら目も当てられません。

また、全員が柔らかいと敵は誰から倒してもいいので、無理なくフォーカスを合わせられてしまい、フロントラインもなにもありません。さらに、集団戦としてしっかり戦い合うことなく、交戦できない距離から攻撃をされた場合、その攻撃を受けられる人がいないので、誰に当たっても致命傷になってしまいます。

防御役に偏った場合

  • 敵を倒せない
  • オブジェクトを壊せない

防御役ばかりだと、単純に敵のフロントラインを倒せないので、バックラインにやられたい放題になってしまいます。しかも、万が一勝てたとしても、敵のタワーを壊すのもドラゴンやバロンを倒すのも時間がかかってしまうので、ゲームの有利を広げにくく、勝ち切ることが難しくなってしまいます。

『LoL』は一度有利になるとさらに有利を作りやすくなる「スノーボール」という性質を強く持っているので、せっかく作った有利を無駄にしないためにも、攻撃役・防御役のチーム内での割合をバランスよくすることはとても大切です。

行動妨害スキル



以前の記事でご紹介した「行動妨害(CC)」は、『LoL』においてとても重要な要素のひとつです。

行動妨害スキルがあれば、以下のことができるようになります。

集団戦が始まる前
  • 誰かを捕まえて集団戦を起こす
  • 集団戦を起こしにきた敵を拒否する

集団戦が始まったら
  • 敵を分断する
  • 敵を1カ所にまとめる(AOEをまとめて当てられるようになる)
  • フロントラインを越えさせないようにする
  • 飛び込んできた敵を拘束する
  • バックラインを拘束する
  • 逃げる敵を捕まえる

逆に、行動妨害スキルがなければこれらの行為はできません。つまり、やりたい放題されるということです。どれだけ火力が高くても、どれだけ耐久力があっても、やりたいことをやられ続けては決して勝つことはできません。

なので、チームに何人かは行動妨害を確実に行使できるチャンピオンを用意したほうがいいでしょう。

シナジー


チャンピオンによって得意なことが変わってきますが、得意なことが噛み合うと、相乗的に効果を発揮できるようになってきます。これを「シナジー(synergy)」と呼びます。

シナジーがあるチャンピオンを意識的に組み合わせることで、より強力なチームを作ることができます。

●シナジーがあるチャンピオンの組み合わせ例
  • 複数の敵を打ち上げる「マルファイト」 + 打ち上げた敵を攻撃できる「ヤスオ」
  • 敵に飛び込める「ジャーヴァンⅣ 」+ 味方の位置に飛び込む「ガリオ」
  • 仲間のAAでスタンさせられる「ブラウム」 + AAを素早くたたき込める「ルシアン」

仲間のスキルがきれいに噛み合い、敵を一層できるようなコンボは「Wonbo Combos」と呼ばれ、あらゆる逆境を乗り越えられる力を秘めています。決まると最高に気持ちいいので、ぜひ仲間とのシナジーを考えながらチームを組み、狙ってみてください。

Wonbo Combos 集

チームカラー


バランスよくとは言っても、どのようなチャンピオンを集めるかでそのチームが何が得意かが変わってきます。大まかにどのような分類があるかを見ていきます。

ハードエンゲージ構成



「ハードエンゲージ構成」は、自分たちが集団戦をしたい時にいつでも集団戦を起こせるようにする構成です。ジャーヴァンⅣやウーコン、セジュアニのように、機動力を活かし広範囲の行動妨害を使い、それを口火に仲間が敵を倒していきます。

突撃した味方に合わせられるように、ダメージを出すキャリー陣も、アーリやシヴィア、ルシアンなど、機動力があるチャンピオンが多いとよりやりやすくなります。

カウンターエンゲージ構成



「カウンターエンゲージ構成」は、どっしりと構えて戦いに備える構成です。自分から戦いを起こすのは苦手ですが、がっちり戦い合ったときは強力無比の力を発揮します。

アニビアやコグ=マウ、ハイマーディンガーのように、機動力はないけれど広範囲で火力が出るチャンピオンと、タリックやタム・ケンチのような、たとえエンゲージされても仲間を守って戦い切れるチャンピオンで構成されます。

ポーク構成



「ポーク構成」は、そもそも集団戦を好まない構成です。がっちり戦い合わない距離から、エズリアルやヴァルス、ジグスのように遠くから攻撃できるチャンピオンが攻撃をし続けて、敵の体力を減らしていきます

敵の体力が減って何もできなくなり撤退したところで、オブジェクトを進めて勝利につなげます。もし敵が仕掛けてきても攻撃をいなせるように、ジャンナ、グラガスなどのディスエンゲージ(敵からの突撃をいなして避けること)ができるチャンピオンもいると安定するでしょう。


チームカラー同士の相性


先ほどの3つの構成は、その特性から以下のような三すくみの力関係になっています。


「ハードエンゲージ構成」は、たとえエンゲージしても集団戦で返り討ちにされてしまう「カウンターエンゲージ構成」に弱く、「カウンターエンゲージ構成」は自分から集団戦を起こせないまま体力を削られてしまう「ポーク構成」に弱く、「ポーク構成」は強引に集団戦に持ち込まれる「ハードエンゲージ構成」に弱い、というわけです。

相性が悪すぎると勝負にならないので、プロの試合でもどのチャンピオンをチームに入れるかを選ぶ「ドラフトピック」の段階で、すでに試合が決まってしまったと言われる試合も多くありますね。

レーン単体だけでなく、チーム構成から試合の流れを想像できるようになると、『LoL』がもっと楽しくなると思うので、ぜひ意識してみてください。

あとがき


今回は、集団戦の流れや、チーム構成について話してきました。

次回からはいよいよ、チームとしてどういう動きをしていけばいいのかを知るために、各レーンごとの役割や動きについて話していきたいと思います。ご期待ください。

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