【連載】jyoriのなぜ? なに? ルーンテラ攻略

【年末年始スペシャル座談会】日本最強の『レジェンド・オブ・ルーンテラ』研究勢が語る、盛り上がるための方法とは? (4/7)

2023.12.30 宮下英之

『ルーンテラ』にあって他のゲームにないもの


宮下:いまうかがった『ルーンテラ』の面白さ、他のゲームと違うハマった部分など、他のゲームを経験された皆さんからうかがってみたいです。


Zetavzee:一番は相手のアクションに対して、対応のアクションがとれるゲーム性。連載では「双方向性」と言っていましたが、それが強いゲームっていうところかなと思います。

基本的に他のカードゲームの強いデッキって、相手を倒す動きを押し付けるようなデッキが強いことが多いんですけど、『ルーンテラ』に関しては相手が考えている勝ち方をさせないデッキとかもかなり強いデッキとして上がってきてることが多くて。

他のカードゲームでも、そういういわゆる「コントロールデッキ」はあるんですけど、やっぱりド派手な効果を持ってるカードがキーカードでよく挙げられたりするんですよ。相手の持ってるカードを全部破壊するとか。

でも、『ルーンテラ』は本当にわずかな状況とか、それだけで相手の動きを全部さばく、みたいなことが現実的で、相手との読み合いがかなり深くできるところが楽しいですね。

宮下:大半のカードゲームって、このカードを持ってるからめっちゃ強くなれた、みたいな喜びもあるじゃないですか。でも、日々の積み重ねや考え方で勝てる要素があるところが魅力っていうことですかね。

Zetavzee:そうですね。悪い言い方になっちゃうんですけど、「このカード持ってたら強くなれた」みたいな楽しみ方は、僕はもう小学生ぐらいの時に卒業してしまって、それ以降は選べるアイテムから好きなものを持ってくるという前提で戦ってきたので。押し付けみたいな動きだけじゃない勝ち方がしっかりできる分、『ルーンテラ』はいいゲーム性だと思いましたね。

タキ:僕も同じで、相手の行動に対してアクションできるっていうのが一番面白いです。『遊戯王マスターデュエル』がリリースされてやってみたんですけど、相手のターンを眺めてるだけなんですよね。

『ルーンテラ』はそういうことはなく、相手がやってきたことに対してアクションもできるし、例えば自分が押し付けるデッキを使っていたとしても、相手がこうしてくるかもしれないから、じゃあ動きを貯めて次のターンで攻めよう、3ターン後にやろうとか、いろいろ考えられるんです。先に除去させてからこのカードを出そうとか、読み合いがあるところが一番面白いところですね。

僕がやっていた『WIXOSS』にも、対戦相手のターンに介入する「アーツ」っていう要素があったんです。それがすごくゲームとして面白い要素で、多分それがめちゃくちゃ面白くて流行ってたと思うんですよ。今はその「アーツ」の要素がなぜか消されてしまったんですけど。

jyori:なんで消したんやろ?

タキ:難しくなりすぎて一部しかいなくなったから、多分初心者を見込んでじゃないかな。

Zetavzee:それは、『ルーンテラ』も多分同じだよね。読み合いとか相手に対応するっていうアクションが、「初心者バイバイ」なんですよ。

宮下:確かに難しく感じるかもしれませんね。

タキ:『ルーンテラ』がなぜ流行らないか、の話にもつながるんですけど。カードゲームに慣れ親しんできたオタクたちには、そこが面白いんです。

Zetavzee:僕がメインで遊んでた『MTG』も『WIXOSS』とルールがかなり似てるって言われるんですけど。

タキ:そうですね、ヤソ(八十岡翔太)が作ったゲームなんで……(編集部注:八十岡氏は『MTG』のプロとして活動してきた人物。ホビージャパン入社後に、『WIXOSS』などを手掛けた)。

Zetavzee:そう、かなり似てるって言われるのも、相手の行動に対してアクションができるところで。僕らはそれが楽しくてやってきたので、『ルーンテラ』のシステムは受け入れられるんですけど、今まで流行ってきた『ハースストーン』とか『シャドウバース』って、基本的に相手のターンには何もできないんですよ。そういうものしかさわってこなかった人からしたら、このシステムは理解するのも大変だし、理解したとしてどうやってそのゲームの価値につなげるかも大変。初心者さんを外す要素のひとつにはなってるかなとは思ってしまいますね。

タキ:ゲームとしての難易度が高すぎるとは思います。

宮下:ライアットももちろんわかってるけれども、そのせいで初心者が入ってこれない、人口が増えないっていう悩みはもちろん抱えてて。

タキ:ライアットからも『ルーンテラ』開発秘話が公開されていまして、『ハースストーン』が出る前に、実は『ルーンテラ』の初期版を作っていたらしいんです。で、『ハースストーン』が出た瞬間に「俺の作ったモデルよりおもろいやん」と作り直した。それで、リリースが2年ぐらい遅れ、『ハースストーン』に勝てるゲームを作ろうとした結果、こういうゲーム性になったんだと思うんですね。

宮下:そう聞くと納得はできますよね。キャラのベースになっている『LoL』自体が流行っているから余計に僕も思いますけど、あの複雑なシステムと、160体以上のチャンピオン、さらにアイテムの介入もあって、パッチノートが年間20回も更新されるという。

タキ:カードゲームをMOBAでたとえると、『シャドウバース』が『ポケモンユナイト』で、『ルーンテラ』が『LoL』だと思います。

Zetavzee:逆に、どうして『LoL』ってあんなにプレイヤーを獲得できるに至ったのかなと。あれも障壁としては高いと思うんですよ。

jyori:ハードルめちゃくちゃ高いですね。

タキ:あれは『Dota』っていうゲームが元々あったからじゃないかな。

Zetavzee:だとしても、結局新規層のハードルは高いでしょう?

タキ:多分「世界一流行ってるオンラインゲーム」っていう口コミが日本人の中で受けて、やってる人がそこそこいる。

Zetavzee:『ルーンテラ』もどうにかして、瞬間的に世界一流行ればいいのかな。

jyori:「世界一遊ばれているカードゲーム」って。

宮下:世界一流行っているカードゲームって、やっぱり『MTG』ですか?

タキ:『ポケモンカード』じゃないですかね。

宮下:『ポケカ』か……。

タキ:『マジック』くんもやらかしすぎて減ってますから、人が。

宮下:ここちいさんはどうですか?

ここちい:同じような意見なんですけど、補足するなら「スペルマナシステム」はすごく良かったですね。1、2ターン目に行動ができなかったとしても、後でその分のマナを使えるっていうシステム。

jyori:それは、私も言おうと思ってた、うん。

ここちい: 『シャドウバース』を例にすると、1ターン目にカードを出せず、2ターン目にもカードを出せないとかなりやばい状況なんです。でも『ルーンテラ』だと、そういう状況でもちゃんと立て直しができるし、なんなら1、2ターン目は動かないことを前提にしたようなデッキ構築も許される。

あと、さっき挙げた『アルテイル』というゲームは、「いっせーのせ!」でカードを出すゲーム性なんです。先攻・後攻の格差がかなり緩和されていて、どちらもルールから公平感が感じられる。他のゲームと比べて、そこが『ルーンテラ』の魅力として補足できるかなと思いました。

宮下:スペルマナの話は他のゲームと大きく違いますよね。読み合いがあるということも、公平感も、eスポーツに寄ったゲームの作り方をされていると。

ここちい:かなり実力系になっていますね。

タキ:そうですね。うまいやつが勝つゲームがみんなやりたいんですよ。

jyori:なるほど。うまいやつがちゃんと勝つ、認められもする、ということか。

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