【連載】jyoriのなぜ? なに? ルーンテラ攻略
すべてのカードゲームプレイヤーに捧ぐ! カードゲームにおける「運」のカラクリを知ろう!【連載第10回】
どうも! こんにちは。なぜなにカードゲームおじさん、Atlas Gaming所属のjyori(ジョリ)です。
今回はいつもと趣向を変えて、『レジェンド・オブ・ルーンテラ』はもちろん、勝利を追い求めるカードゲーム全般に共通する考え方のお話です。
読者の皆さんの中には、「カードゲームって課金してカードを集めても運で負けるから嫌だ!」と思っている人が結構いるんじゃないでしょうか?
確かに「運」はカードゲームでは切り離せない要素ですが、実はそれって「カードゲームの努力の仕方」を知っているだけで劇的に変えることができるのです。そう、実は「運」はコントロールできるのです!
eスポーツとしてのカードゲームを戦う上で、一度は考えるであろう「運」の要素について、今回はjyoriの考えを語ってみたいと思います。
言わずもがな、デッキ構築はカードゲームの勝敗に大きく寄与しています。
デッキが回るのは単に運がいいからではなく、「構築がいいという前提があるから」ということを忘れてはいけません。逆に言えば、デッキが何回やっても思ったように回らない場合は、不運を嘆く前に構築を見直してみて下さい。
では、具体的にデッキを構築するときに何を考えればよいのでしょうか?
デッキ構築の良しあしは「なぜこのカードを採用しているのかを、デッキのすべてのカードについて説明できるか?」に尽きると思います。デッキの多くはチャンピオンを軸に組んでいることが多いので、デッキ内の多くのカードは「チャンピオンといかにシナジーがあるか?」という説明になると思います。
オリジナルデッキを組んでみた際は、採用したすべてのカードの採用理由をかき出してみてください。
例えば「ニーラ」を軸に組んでいるデッキは、カードをドローするカード中心に構築をすることになります。カードを引くこと自体とシナジーがあって、さらにはこのカードがカードのドローにも寄与してくれる「高天のクラウドワインダー」はまさに「ニーラ」と相性抜群のカードとなります。
また、環境デッキをサイトなどからコピーしてきたはいいけど、なぜか勝てないといったときにもこれは有効で、カードの採用理由が理解できていない(=このデッキでやりたいことが理解できていない)からデッキを適切に使えていないということがあります。
行き詰まったときは、カード単位でその採用理由を考えてみてください。
『ルーンテラ』で個人的に大事にしているのが、「3ラウンド(以下、3R)目までの動きをどのように想定するか?」です。
なぜ「3R」なのかというと、『ルーンテラ』ではそれまで何もせずに3R目を迎えると、マナジェム3つとスペルマナ3つを持った状態でラウンドを迎えることとなるからです。
スペルマナのストックは「3」までなので3R目も何もせずに終えると、3マナを失った上で全く何のアクションもないまま4R目を迎えることとなり、完全に主導権を失います。
対面がアグロデッキであれば、3R目までなにもできなかった時点で勝負ありです。テンポを巻き返せないまま詰め切られて負けてしまうでしょう。
なので、3R目までに使えるカード(ユニットで言えば3コスト以下、スペルであれば6コスト以下)がデッキ内にどれくらい含まれているか、また序盤の動き出しの悪さをどれぐらい許容できるかが大事になってくるというわけです。
ただしこれは、スペルマナのシステムがある『ルーンテラ』に限った話。例えば『シャドウバース』のように、使用しきれなかったマナは持ち越せず、破棄されるようなシステムのゲームとなると話は変わり、最初からきっちり動けるような構築が求められます。
その点においては、『ルーンテラ』は運の要素に左右されにくいシステムになっていると思います。
「運ゲー」という言葉をときどき聞くことがあります。この言葉が、「運だけのゲーム」という使い方と、「運が絡むゲーム」という使い方で併用されているので問題視されていますが、ここでは「運が絡むゲーム」という意味で使っていきます。
そもそも、カードゲームを「運だけのゲーム」ととらえるのは間違いです。
特にここでは、カードゲームを全くしたことがない、あるいは子どもの頃によくわからないまま少しだけさわったことのある人への誤解を解いておきたいと思います。
まず一つに、カードゲームは「坊主めくり」や「くじ引き」をしているわけではないということです。
くじで例えるなら「引けるカードの確率をある程度コントロールすることができる」ので、運だけのゲームではない!という点から、カードゲームは実力で戦うゲームであると断言できます。『ルーンテラ』に限らず、他のカードゲームでも毎回予選などがある大きな大会で常連プレイヤーがたくさんいるというのも、その裏付けとなります。
また、子どもの頃のカードゲームとなると、お小遣いの範囲で戦っているのでどうしてもカード資産の差によって勝敗が分かれやすくなりがちです。そのため、「カードゲームに不平等なイメージ」を抱いている人もいるかもしれません。
しかし、デジタルカードゲームの多くは無料ですべてのカードが集まるシステムになっています。よって「そのカードを持っていた」「持っていなかったから勝った・負けた」のレベルと、「平等な資産を持っているデジタルカードゲーム」はわけが違うということを理解していただきたいのです。
「カードゲームなんてしょせん運ゲーだからクソ」とよく言ってる人にこそ、ここからの項目は読んでほしいです。うまいカードゲーマーほど、運をコントロールする努力を怠っていないのです。
例えば、相手の残りライフが1点で競っていて、是が否にも次のラウンドで試合を決めたい状況。前のラウンドで「盤面のユニットを交換ですべて失った」としましょう。
【次のラウンドにトップで「ノクサスの狂熱」を引いてきたのはいいけれど、盤面上にこちらのユニットが居ないので狂熱を打てない状況が生まれた(※「ノクサスの狂熱」は味方ユニットを対象に取らないとプレイできない)】
……これを「運が悪い」と言えるでしょうか?
もちろん、答えは「ノー」です。
実際にトップで「ノクサスの狂熱」を引いてくるとは限りませんが、「もし」引いてきた時の心構え(このシチュエーションで言うなら、前のラウンドでユニットを盤面に残しておくこと)ができるかで、戦局どころか勝ち負けを決めてしまうこともあります。
俗的ではありますが「トップ狂熱を想定して受けを作っておく」というような表現で使います。
もっと、実践的で私の経験した例をお話しします。
前のラウンドで「流浪の星飼い」に武具を装備しておけば、最終ラウンドで「残虐」によってリーサルの可能性を見い出せたのに、気づくことができず自らその権利を手放してしまった、という試合がありました。
「流浪の星飼い」(盤面上の一番右のカード)には、「トリスターナ」の効果で+1|+0のバフが乗って3|1スタッツ、「愛用の釣り竿」(ハンドの左から3番目のカード)には「腕自慢の料理人」で+1|+1のバフが乗り3|1のスタッツとなっていました。
ひとつ前のラウンドで「流浪の星飼い」に「愛用の釣り竿」を装備しておけば、上画像の状況では3|1スタッツだった「流浪の星飼い」が6|2スタッツになります。「残虐」の「味方1体をキルしてその攻撃力に等しいダメージを指定した対象に与える」によって、相手ネクサスに6点飛ばすことができるので、相手に対抗策がなければ勝利でした。
実際に「残虐」が通っていたかはわかりませんが、リーサルに持ち込めるわずかな可能性を自ら0にしてしまったのです。
カードゲームにおいては、「最後は運に頼る」みたいな場面がたしかに多くあります。
しかし、その「運に頼る」という土俵に上がるために、努力や準備が必要ということです。
ちなみに、なんとこの試合で勝てば公式大会のプレイオフ(APACサーバーのベスト64)に入れたという、とても大事な試合で起こった出来事でした。いまだにリアルタイムで気づけなかった自分が悔しいです……。
プレイヤーの実力としては、
よく「私は人より運が悪い!」と嘆く人がいますが、その人は運が悪いわけではありません。「なぜ運が悪かったのか?」を客観的に分析して「運を掴むための行動」を起こせていないから「再び運が悪い状況に見舞われる」という悪循環に陥っているのです。
ぼーっと待っているだけのプレイヤーに運なんて訪れません。「真に戦う人間にのみ、運は平等に降り続ける」ということを、私たちは知っておくべきなのです。
今回の記事で言いたかったことをまとめてみました。
同じ「運で負けた」という言葉でも、「運を引き寄せる努力を把握した上で、割り切って運を含めた実力を認める」のと、「ただの運ゲーだと放り投げる」のでは決定的に違います。
「運」に対する考え方を理解して、さらには運を味方につけて、勝てる試合を物にできるようになりたいものですね!
今回も最後まで見てくれた皆様、ありがとうございました!
今回はいつもと趣向を変えて、『レジェンド・オブ・ルーンテラ』はもちろん、勝利を追い求めるカードゲーム全般に共通する考え方のお話です。
読者の皆さんの中には、「カードゲームって課金してカードを集めても運で負けるから嫌だ!」と思っている人が結構いるんじゃないでしょうか?
確かに「運」はカードゲームでは切り離せない要素ですが、実はそれって「カードゲームの努力の仕方」を知っているだけで劇的に変えることができるのです。そう、実は「運」はコントロールできるのです!
eスポーツとしてのカードゲームを戦う上で、一度は考えるであろう「運」の要素について、今回はjyoriの考えを語ってみたいと思います。
カードの特性を知ってデッキを組む工夫
言わずもがな、デッキ構築はカードゲームの勝敗に大きく寄与しています。
デッキが回るのは単に運がいいからではなく、「構築がいいという前提があるから」ということを忘れてはいけません。逆に言えば、デッキが何回やっても思ったように回らない場合は、不運を嘆く前に構築を見直してみて下さい。
では、具体的にデッキを構築するときに何を考えればよいのでしょうか?
①カードの採用理由の説明ができるか
デッキ構築の良しあしは「なぜこのカードを採用しているのかを、デッキのすべてのカードについて説明できるか?」に尽きると思います。デッキの多くはチャンピオンを軸に組んでいることが多いので、デッキ内の多くのカードは「チャンピオンといかにシナジーがあるか?」という説明になると思います。
オリジナルデッキを組んでみた際は、採用したすべてのカードの採用理由をかき出してみてください。
例えば「ニーラ」を軸に組んでいるデッキは、カードをドローするカード中心に構築をすることになります。カードを引くこと自体とシナジーがあって、さらにはこのカードがカードのドローにも寄与してくれる「高天のクラウドワインダー」はまさに「ニーラ」と相性抜群のカードとなります。
また、環境デッキをサイトなどからコピーしてきたはいいけど、なぜか勝てないといったときにもこれは有効で、カードの採用理由が理解できていない(=このデッキでやりたいことが理解できていない)からデッキを適切に使えていないということがあります。
行き詰まったときは、カード単位でその採用理由を考えてみてください。
②3ラウンド目までの動きを想定できているか
『ルーンテラ』で個人的に大事にしているのが、「3ラウンド(以下、3R)目までの動きをどのように想定するか?」です。
なぜ「3R」なのかというと、『ルーンテラ』ではそれまで何もせずに3R目を迎えると、マナジェム3つとスペルマナ3つを持った状態でラウンドを迎えることとなるからです。
スペルマナのストックは「3」までなので3R目も何もせずに終えると、3マナを失った上で全く何のアクションもないまま4R目を迎えることとなり、完全に主導権を失います。
対面がアグロデッキであれば、3R目までなにもできなかった時点で勝負ありです。テンポを巻き返せないまま詰め切られて負けてしまうでしょう。
なので、3R目までに使えるカード(ユニットで言えば3コスト以下、スペルであれば6コスト以下)がデッキ内にどれくらい含まれているか、また序盤の動き出しの悪さをどれぐらい許容できるかが大事になってくるというわけです。
ただしこれは、スペルマナのシステムがある『ルーンテラ』に限った話。例えば『シャドウバース』のように、使用しきれなかったマナは持ち越せず、破棄されるようなシステムのゲームとなると話は変わり、最初からきっちり動けるような構築が求められます。
その点においては、『ルーンテラ』は運の要素に左右されにくいシステムになっていると思います。
③確率を上げるための努力ができているか
「運ゲー」という言葉をときどき聞くことがあります。この言葉が、「運だけのゲーム」という使い方と、「運が絡むゲーム」という使い方で併用されているので問題視されていますが、ここでは「運が絡むゲーム」という意味で使っていきます。
そもそも、カードゲームを「運だけのゲーム」ととらえるのは間違いです。
特にここでは、カードゲームを全くしたことがない、あるいは子どもの頃によくわからないまま少しだけさわったことのある人への誤解を解いておきたいと思います。
まず一つに、カードゲームは「坊主めくり」や「くじ引き」をしているわけではないということです。
くじで例えるなら「引けるカードの確率をある程度コントロールすることができる」ので、運だけのゲームではない!という点から、カードゲームは実力で戦うゲームであると断言できます。『ルーンテラ』に限らず、他のカードゲームでも毎回予選などがある大きな大会で常連プレイヤーがたくさんいるというのも、その裏付けとなります。
また、子どもの頃のカードゲームとなると、お小遣いの範囲で戦っているのでどうしてもカード資産の差によって勝敗が分かれやすくなりがちです。そのため、「カードゲームに不平等なイメージ」を抱いている人もいるかもしれません。
しかし、デジタルカードゲームの多くは無料ですべてのカードが集まるシステムになっています。よって「そのカードを持っていた」「持っていなかったから勝った・負けた」のレベルと、「平等な資産を持っているデジタルカードゲーム」はわけが違うということを理解していただきたいのです。
「カードゲームなんてしょせん運ゲーだからクソ」とよく言ってる人にこそ、ここからの項目は読んでほしいです。うまいカードゲーマーほど、運をコントロールする努力を怠っていないのです。
④偶然に対する「心構え」ができているか
例えば、相手の残りライフが1点で競っていて、是が否にも次のラウンドで試合を決めたい状況。前のラウンドで「盤面のユニットを交換ですべて失った」としましょう。
【次のラウンドにトップで「ノクサスの狂熱」を引いてきたのはいいけれど、盤面上にこちらのユニットが居ないので狂熱を打てない状況が生まれた(※「ノクサスの狂熱」は味方ユニットを対象に取らないとプレイできない)】
……これを「運が悪い」と言えるでしょうか?
もちろん、答えは「ノー」です。
実際にトップで「ノクサスの狂熱」を引いてくるとは限りませんが、「もし」引いてきた時の心構え(このシチュエーションで言うなら、前のラウンドでユニットを盤面に残しておくこと)ができるかで、戦局どころか勝ち負けを決めてしまうこともあります。
俗的ではありますが「トップ狂熱を想定して受けを作っておく」というような表現で使います。
⑤運ゲーに持ち込むための準備ができているか
もっと、実践的で私の経験した例をお話しします。
前のラウンドで「流浪の星飼い」に武具を装備しておけば、最終ラウンドで「残虐」によってリーサルの可能性を見い出せたのに、気づくことができず自らその権利を手放してしまった、という試合がありました。
「流浪の星飼い」(盤面上の一番右のカード)には、「トリスターナ」の効果で+1|+0のバフが乗って3|1スタッツ、「愛用の釣り竿」(ハンドの左から3番目のカード)には「腕自慢の料理人」で+1|+1のバフが乗り3|1のスタッツとなっていました。
ひとつ前のラウンドで「流浪の星飼い」に「愛用の釣り竿」を装備しておけば、上画像の状況では3|1スタッツだった「流浪の星飼い」が6|2スタッツになります。「残虐」の「味方1体をキルしてその攻撃力に等しいダメージを指定した対象に与える」によって、相手ネクサスに6点飛ばすことができるので、相手に対抗策がなければ勝利でした。
実際に「残虐」が通っていたかはわかりませんが、リーサルに持ち込めるわずかな可能性を自ら0にしてしまったのです。
カードゲームにおいては、「最後は運に頼る」みたいな場面がたしかに多くあります。
しかし、その「運に頼る」という土俵に上がるために、努力や準備が必要ということです。
ちなみに、なんとこの試合で勝てば公式大会のプレイオフ(APACサーバーのベスト64)に入れたという、とても大事な試合で起こった出来事でした。いまだにリアルタイムで気づけなかった自分が悔しいです……。
プレイヤーの実力としては、
- リアルタイムで気づくことができて実践できて「一流」
- ターン終了後・あるいは試合後振り返って気づけて「二流」
- 気づけず「運が悪かった」と嘆いているのが「三流」
よく「私は人より運が悪い!」と嘆く人がいますが、その人は運が悪いわけではありません。「なぜ運が悪かったのか?」を客観的に分析して「運を掴むための行動」を起こせていないから「再び運が悪い状況に見舞われる」という悪循環に陥っているのです。
ぼーっと待っているだけのプレイヤーに運なんて訪れません。「真に戦う人間にのみ、運は平等に降り続ける」ということを、私たちは知っておくべきなのです。
まとめ
今回の記事で言いたかったことをまとめてみました。
- カードゲームにおいて「運」は切っても切り離せない要素ではあるが、それはコントロールできる
- 「運」の悪さを嘆く前に、なぜ運が悪かったのかを分析すべき
- 待っているだけのプレイヤーには「運」は降りてこない。分析して、行動して、はじめて「運」の戦いに参加できる
同じ「運で負けた」という言葉でも、「運を引き寄せる努力を把握した上で、割り切って運を含めた実力を認める」のと、「ただの運ゲーだと放り投げる」のでは決定的に違います。
「運」に対する考え方を理解して、さらには運を味方につけて、勝てる試合を物にできるようになりたいものですね!
今回も最後まで見てくれた皆様、ありがとうございました!
【連載】jyoriのなぜ? なに? ルーンテラ攻略
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