JUPITERからZETA DIVISIONへ——オーナーが見た成功の軌跡 【ZETA DIVISIONオーナー 西原大輔氏インタビュー】

『PUBG』で頭角を表し、『オーバーウォッチ』で花開いたeスポーツチームJUPITER。設立当初は老舗チームも多い中で、決して突出した存在とはいえなかった。そんなJUPITERが『Counter-Strike: Global Offensive』の強豪チームAbsoluteのメンバーを取り入れ、『VALORANT』シーンへ挑戦するというまでの話が4年前のインタビューで語られた。

【参考】
強さだけじゃ足りない。いまeスポーツ選手に必要なのは格好よさ【JUPITERオーナー 西原大輔氏インタビュー】

そこから2019年にZETA DIVISIONへとリブランディングしたことをキッカケに、戦績も人気も一気にアップ。日本のeスポーツチームの中で、リブランディングにこれほどまで成功した事例は他にはないだろう。

その仕掛け人が、オーナーの西原氏だ。自身は決して元プロゲーマーや競技シーン経験者ではないにも関わらず、チームを世界的にも一目置かれる存在へと進化させた。

Absolute JUPITERとしてVALORANT部門を立ち上げた直前のインタビューから4年——。あれからどのような変化を経て今に至るのか。当時のインタビューを振り返りながら、4つのテーマであらためてお話をうかがった。

西原大輔(にしはらだいすけ)


GANYMEDE株式会社代表取締役。アートディレクター/グラフィックデザイナーとして広告制作や音楽アーティストのジャケットなどのデザイン業でキャリアを重ねると同時に、現在はeスポーツチーム「JUPITER」のオーナーとしてチーム運営にも携わる。

JUPITERからZETA DIVISIONへ——
突然のリブランディングの真相


——お久しぶりですね。今回は前回のインタビューを踏まえてお話をおうかがいします。まず大前提としてチームの名前が変わりました。この経緯をお聞かせください。

西原:実は、前回のインタビュー(2020年5月)の時点で、すでにチーム名を変える必要性は感じていました。その理由は単純に商標問題です。JUPITERという名称だと商標登録することがでなかった——。そこで新たなチーム名を考えていたというのが発端です。

我々は、eスポーツチームを運営する上でIP(知的財産)として、商標登録からしっかりしていきたいという思いがありました。そのためにはJUPITERという名前を捨てなければならなかったんです。

【ZETA DIVISIONの由来】
アルファベットの最後の文字であるZを冠し、「最終」「究極」などの極まった最終地点という意味合いと、DIVISIONの「区分」「領域」といった意図して分けた場所を意味する単語を組み合わせ、ゲーミングカルチャーを究極のエンターテインメントとして昇華させ、ライフスタイルとして確立した領域を作るという想いが込められています。その名の通り私たち「ZETA DIVISION」は、ゲーミングライフスタイルブランドの最終到達領域となるべく活動してまいります。(出典:リリースより

——そういった経緯があったんですね。個人的にはチーム名変更を発表した2021年7月あたりから、ZETA DIVISIONというチームが急成長していったようにも感じました。何か大きな転機があったのでしょうか。

西原:運と人に恵まれたというのが正直なところです。

例えば、チームの名称を変更したタイミングは、新型コロナウイルスが日本でも蔓延している最中でした。eスポーツの文化は新型コロナウイルスの影響による“ステイホーム”がひとつの追い風になった業界のひとつです。外出できない日が続く中、巣ごもり需要の要因として多くのeスポーツチームが注目されるようになった——。我々のチームもそのひとつです。

そして関優太(StylishNoob)、k4senをはじめとするストリーマーの加入によって、競技シーンを追いかけるファンだけではなく、普段からゲーム配信をカジュアルに楽しんでいる層からも、たくさん応援していただけるようになったと感じています。

さらに『VALORANT』の競技シーンは、日本でも大きく注目されるようになり、そんな『VALORANT』の競技シーンで好成績を収めることができていました。

総合的に見てZETA DIVISIONとして走り始めた事は大成功だったと感じています。その中で、JUPITERの頃から表現したかったことを実現できたのも、成功の要因だと思っています。

——表現したかったこと?

西原:試合に勝ったあと、応援してくれているファンの方々に何を提供できるかということです。試合に勝ったという熱狂が冷めやらぬ前に、自分たちの魅力をしっかりとアピールするコンテンツを提供することはとても大事だとJUPITER運営当初より常々感じていました。選手たちのおかげで試合に勝つ回数が増えるとともに提供できる機会も増え、時に試行錯誤しながら歩んで来られたのも、振り返ってみて重要なポイントだったのかなと。

▲VALORANT部門の選手が韓国に行く前に、ファンを募ってエールをもらうというイベントZETA-SITE(ぜーたさいと)。こうした選手とファンがつながれるイベントというのは、ここ最近では当たり前になってきているが、数年前まではそこまで浸透していなかったともいえる

こういったコンテンツにもコストを惜しまず、制作チームを構えるなどしてファンの皆様に喜んでもらえるものを日々考えています。

——そう考えると転機というよりは、着々と歩みを進めた結果、しっかりとそれを形にすることができたという感じですね。

西原:そうかもしれませんね。真摯(しんし)にマネジメントをし、「カッコよくあること。ファンに安心して応援してもらえること。」を大前提に、スタッフ一同コミュニティーファーストで活動してきた結果でもありますね。

男の子から見てもカッコいいと思える存在が、
ZETA DIVISIONの象徴


——先ほどお話しがあがった関さんもそうですが、そこからk4sen(かせん)さんや、鈴木ノリアキさん、ta1yo(たいよー)さんなど、多くのストリーマーがZETA DIVISIONに加入したようにも思えます。彼らからZETA DIVISIONに入りたいというアクションがあったのでしょうか。

西原:基本的に僕がアプローチして加入に至ることが多いです。ta1yoは元々JUPITER オーバーウォッチ部門から在籍し、マネジメントはさせてもらっていましたが、オーバーウォッチ・リーグに挑戦し帰国後、ZETAのストリーマーとして活動してほしいと僕から彼に打診しました。彼もその当時、海外チーム含めていろいろと誘われていたようです。

またk4senについては「k4senさん、ZETA入らない?」って僕が雑に電話したのがきっかけですね。その時に「はい」ってふたつ返事で加入してもらった覚えがあります(笑)。


——はやっ(笑)。

西原:もともとk4senはMCもできるキャスターでありクリエイターでもあるとても多才な人ですし、彼のYouTubeも昔から好きで見ていました。彼自身がクリエイターでもあるので、彼が加入することはZETAとしてシーンに大きな影響を与えられるのでは?と思い、声がけしました。

——今ではThe k4senという独自のコンテンツが大人気ですよね。

西原:あれは「なんかk4senさんの冠でイベントやりたいよね」って何気なく通話中に思いついた話が形になったコンテンツなんです。

——それもすごい。

西原:タイトルも「The k4senとかよくない?」って適当に話していた名前がそのまま形になっちゃったっていう(笑)。

▲『リーグ・オブ・レジェンド』のイベントとして絶大なる支持を得ているイベントThe k4sen。人気ストリーマーやVTuberで対戦を繰り広げるこのイベントは、『リーグ・オブ・レジェンド』の人気を後押ししているといっても過言ではない

——鈴木ノリアキさんはどうでしょう?

西原:ノリアキもずっと誘ってはいたんですけど「俺はいいっすわ〜」みたいな感じでずっと断られていました。ただ、「ノリアキは加入できないのね」的な反応がたくさんあり、その扱い自体が面白くなっちゃって、それもコンテンツにしはじめちゃいました。

▲時にはエイプリルフールのネタになったり


▲加入ムービーでもギリギリまで友情出演風な演出を匂わす。実は全シーンに鈴木ノリアキ氏が映っているとか

最終的にはk4senさんが加入したのも後押しして、正式に加入となりましたけど。

——こういったk4senさんや鈴木ノリアキさんのような、西原さんが求める人材というのはどういった人なんでしょうか。

西原:うまく言えないんですけど、スタイルがある人です。例えば関優太だったら、配信が面白いというのはもちろんなんですけど、芯があるというかブレない唯一無二の魅力がありますし、k4senはクリエイティビティを発揮し、コミュニティーを巻き込むアイデアマンでもあります。

ta1yoは洋服の着こなしなども含めてカッコいい存在でありながら、ゲーマーとしてのストイックな一面もあるし、配信者として面白い部分もあったりと、自分自身のカルチャーを持っています。

——流行廃りに流されない独自のスタイルっていう感じですね。

西原:そうですね。ざっくり説明するならば「男の子から見てもカッコいい」と思われる存在ですかね。

マネジメントを強化して、誰もが憧れるeスポーツチームを確立


——選手だけでなくストリーマーを含めるコンテンツ部門においても、改めてZETA DIVISIONのブランド力の強みを感じます。先ほどのお話しにもありましたが、ZETA DIVISIONにおけるマネジメントというのは、具体的にどの辺りまで管理しているのでしょうか。

西原:基本的にクリエイター部門に所属しているからには、自主的に配信やコンテンツ作成をしなければなりません。その中でイベントなど、やりたいことがあればスタッフや資金面などリソースを使って形にする——。「ZETA DIVISIONに加入することで、やりたかったイベントが主催できた」というふうに思ってもらえるようなマネジメントができるよう務めています。

——今や誰もが憧れるチームになっているのは、そういった下支えもあるということですね。

西原:現在そう思ってもらえているのであればうれしいですね。JUPITERの頃を振り返ると、今ほど加入したいと思ってもらえるようなチームではなかったように感じます。なぜなら、我々から声をかけても選手に選んでもらえないことも多々あったからです。

——ええっ。そうだったんですか?

西原:例えば金銭面で条件が他のチームと同じ、あるいは他のチームよりも好条件だったとしても「JUPITERより知名度が高いチームに誘われているので」といって相手にされなかったケースはよくありましたよ(笑)。

選手の立場からしたら当たり前ですよね。知名度があって人気があるチームに行きたいと思う気持ちはごく当たり前です。

そういった経験もあり、選手たちに母体として信頼してもらえるようなマネジメントを提供できるよう、日々務めています。選手たちは横のつながりもありますので、口コミでも我々がしっかりしているというのが浸透すれば、選手たちのなかで「ZETA DIVISIONに入りたい」って思ってもらえる人が増えるだろうと考えています。


——今でこそ少なくなりましたが、選手を搾取するようなeスポーツチームがあれば、瞬く間にウワサになりますもんね。

西原:選手を搾取〜の部分については、時々の事情があるかと思いますので実際の内情はわかりませんが、選手とチーム間のトラブルは選手を応援しているファンやeスポーツコミュニティからしても起こってほしくないはずです。

我々チームが選手を支える側にあることと、選手たちは若く社会経験に乏しい年頃でもあるので、我々チーム側がきちんとマネジメントすることによって、大体のトラブルは解決するはずだと思っていますし、そもそもの要因もほとんど発生しないと考えています。

またウワサは怖いもので、例えば経理ミスで活動報酬の支払い処理が1日遅れてしまったとします。でもそれは、報酬未払いというワードになって瞬く間に広まってしまうわけです。ひとつのミスが信頼を大きく失うことにつながるので、選手に対しての支払いに関しても特に気をつけている部分です。マネジメントの透明性については日々スタッフ達にその重要性を説いていますね。

例えば別のチームからオファーがあった時も、包み隠さず選手に報告しますしね。

——なんとなく手放したくないという一心で、オファーを選手に伝えないこともあるかと。

西原:オファーの取扱いについては他チームの契約や運営方針によるので是非はともかく、うちに限ってはすべて伝えるようにしていますし、契約にも明記しています。先にお話した透明性を重んじているのと、ZETA DIVISIONを選んでもらえるよう、日々僕も含めてマネジャーたちが選手たちと関係値を築けていると信じているからです。

選手が自分自身のキャリアを選択する上で、きっかけや選択肢を奪うことはしたくないので、そういった側面からも我々のマネジメントポリシーに則って運営しています。

ゲームタイトルとコミュニティとのハブになる——
eスポーツチームの役割とは


——前回のインタビューから大きく変わったのは事務所ですよね。東京タワーが一望できるゲーミングオフィスを開設されたことは大きな話題にもなりました。

▲麻布台ヒルズとも隣接する新オフィス。まさに誰もが憧れるeスポーツチームの象徴ともいえるゲーミングオフィスだ

西原:おかげさまで、あれからここまで成長することができました。「eスポーツチームは儲からない」という話をよく耳にしますが、ZETA DIVISIONチーム事業単体では毎年売上と利益を伸ばせてはいます。

——eスポーツチームというと資金調達の難しさや経営難など、資金面での悩みが尽きないイメージがありますが、ZETA DIVISIONはどのようにして売上を伸ばしているのでしょうか。

西原:スポンサーフィー、タレントマネジメント、制作事業、アパレル/グッズ販売などなど、売上の項目はさまざまですが、これら売上の配分がひとつに偏っていないことが特徴でもあります。例えば「スポンサーフィーが売上の7割を占めているのでスポンサー契約が切れたら経営難に陥る」といった状況ではありません。

——eスポーツチームというとスポンサーや優勝賞金で成り立っているというイメージがありましたが、そういった固定概念が大きく覆りますね。

西原:チームスポンサーも運営する上ではとても重要ですし、賞金も有るに越したことはないですけどね(笑)。ちなみにeスポーツチームに求められるモノって何だと思いますか?

——やっぱり強さと人気ですかね。

西原:その部分についてはおっしゃるとおりですね。ただ我々はそういった強さを追い求め、応援してもらえる存在になることが命題ではあるのですが、同時にゲームタイトル(パブリッシャー)とコミュニティーとのハブになることも重要な役割だと思っています。

——ハブ?

西原:eスポーツチームとプロ選手は、ゲームファンの人たちに魅力的にゲーム体験を向上させる役割を直接的にも間接的にも担っていると思っています。その課程で我々チームや選手に価値が生まれる、結果として事業や職業として成り立ちます。ゲームタイトルとそのコミュニティが盛り上がり大きくなることに誰もマイナスな要素はないはずです。

シビアな言い方をすれば、ゲームパブリッシャーの方々目線で考えれば、そういった役割を担えないプロチームや選手は、極論ではありますが存在価値がないと判断されるでしょう。パブリッシャーから求められるのは数字に表れる影響力、配信や動画の再生数やSNSにおけるインプレッションなど、実際の数字として可視化されてしまいますので、よりファンの方々に注目されそのゲームの魅力をたくさんの人たちに伝えることができる魅力的な存在であることが、eスポーツチームとして大切だと思っています。


——最後にZETA DIVISIONにおける今後の展望もお聞かせください。

西原:ZETA DIVISIONとして、今よりもグローバルに知名度を上げていき、応援してもらえるファンを増やしていきたいと思っています。本日は取材いただきありがとうございました。

——ありがとうございました!

———

日本のeスポーツシーンにおいて、ZETA DIVISIONは誰もが憧れるチームへと成長した。それは単純に人気のある選手を集めたからではなく、オーナーをはじめとする裏方が堅実に歩みを進めた結果にほかならない。

例えば選手に対する誹謗中傷やコンプライアンスに対する対策や意識も、eスポーツチームとしていち早く着目。外から見ても「ZETA DIVISIONはしっかりしている」といったイメージを着実に根付かせている。

JUPITERからZETA DIVISIONへリブランディングした際、ロゴについてのイメージを聞くと「インディーズ感を払拭したデザインにしたかった」と西原さんは語った。そういったデザインセンスの感度もZETA DIVISIONというブランドの価値を高めているのではないだろうか。

ブランドの価値が高まることで、新たに加入してきた選手も自ずと意識が高まる——。こうした自浄作用が働くことで、よりチームとしての魅力が高まっていくようにも感じた。

最近では、日本eスポーツアワードで6冠を受賞したZETA DIVISION。2024年もあっと驚くコンテンツを生み出してくる気がしてならない。

編集:いのかわゆう
撮影:Shunsuke Ishigaki


【番外編】現在のVALORANT競技シーンをオーナーはどう見ている?

——2023年から『VALORANT』の競技シーンは大きく変わり、リーグ制が導入されました。ZETA DIVISIONは日本代表としてインターナショナルリーグに参戦していますが、このリーグのあり方についてオーナー自身はどう感じていますか?

参考:
【VALORANT】新VCTの幕開け!2023年の大会概要・ルール変更点のまとめ

西原:僕個人の意見になりますが、以前の方がChampionsやMastersなど世界大会へ挑戦するロードマップが、観戦・応援する上でもわかりやすかったように感じます。インターナショナルリーグと国内リーグで分かれてしまったことにより、Masters以上の世界大会へ駒を進めるには、インターナショナルリーグに所属しその上で上位の成績を収める必要があるので、特に国内チームは数年越しの計画となりますから、出場障壁が格段に上がってしまいました。

また、インターナショナルリーグは国の垣根を越えて世界中から強豪選手が集まるので、必然的に競技シーンのレベルは加速度的にあがったように感じます。

——確かに、yay選手がアメリカからアジアにシーンを変えたように、多くの強豪選手が集結しやすい環境ではありますもんね。

西原:そうですね。また『VALORANT』があまり盛り上がっていない地域に属する選手としては、インターナショナルリーグのチームに所属する上では国や地域の垣根が緩和されたので、選手のパフォーマンスによっては活躍できる環境になっているのではないかと感じています。

——国内シーンはどうでしょうか。

西原:パシフィックリーグが韓国で開催されていることもあるので、通信距離や秘匿性の観点から、リーグ参加チームと国内チームとのスクリム(練習試合)が以前より盛んに行われるようになりました。韓国にリーグチームの拠点があることがいい意味で、国内チームの練習機会の創成につながっていますので、相対的に国内チームのレベルも上がっていくのでは、と期待しています。

また『VALORANT』の競技シーンは人気があるので、そこで活躍する選手の価値がとても高くなっています。競争力があり価値が高い=選手報酬の水準も伴って上がっていくのは需要があるからこそです。選手にとってはとてもいい環境だと思いますし、シーンが長く続くことは若い世代の台頭にもつながり、ひとつの職業として覚悟をもって選手を目指せるという意味でも健全です。

一方で、チーム事業を行う側として、資金的な部分で報酬の水準があがっているため、以前よりも新規参入は厳しいのではと感じます。既存チームとしても、ある程度の資金や予算を確保しないと、維持することは難しい状況になっています。前シーズン好成績を残していたチームも資金的に撤退を余儀なくされるというケースも国内外問わず発生していますので、そういうシビアさと危うさもはらんでいるように感じますね。

——実際にインターナショナルリーグに進出したことはメリットになっていますか?

西原:ZETA DIVISIONとしてひとつ上の広域リーグに進出できたこと自体は、世界のコミュニティへの認知にもつながったので率直にメリットではあります。また海外の他チームや運営会社などと常に情報交換を行えるような関係値を築けたこともあり、スタッフのノウハウ蓄積という点でもとてもプラスに影響しています。

インターナショナルリーグで戦い続けるためには、韓国での生活が必須になりました。ZETA DIVISIONでは4つの物件を韓国に構えているのですが、ビザの関係で、結果韓国法人も建てなければならないといった管理業務も増えていきます。そういうひとつひとつの業務が組織全体の運営レベルの底上げになっていると実感しますね。

——なるほど。ただ韓国でずっと大会に出場していると日本での露出が減ってしまうという懸念もありますよね。

西原:それはありますね。日本のファンの方々と交流できる機会が減ってしまったのは難しいところです。ファンの方々とのつながりが物理的に距離が離れてしまったことにより、どうしても希薄になってしまったのは、避けては通れない道でした。ですから、現在は日本にいるファンの方にも楽しんでもらえるように、ZETA DIVISIONとしてビューイングパーティやファンミーティングを定期的に催したりと、ファンの方々との距離は大事にして埋め合わせしていきたいですね。

そんな中、現地まで足を運んでくれる日本の方々がたくさんいることは、本当に感謝でしかないですし選手やスタッフの励みになっています。

今後、VCT Pacificが日本で開催されるとうれしいんですけどね。Riotさん、ぜひご検討ください(笑)。
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