【特集】 eスポーツ言いたい放題
【eスポーツ言いたい放題 2025-2026〈第2話〉】日本人気はなぜ落ちたのか?——『VALORANT』、『LoL』から見える“競技とエンタメ”の分岐点
2026年度(令和8年度)4月からの新生活がスタートしてはや1カ月。新たな環境、人間関係の中で、学校や会社、地域コミュニティでも少しずつ馴染んできた頃だろう。eスポーツ業界にとっても、主に学生や社会人のチームメンバーの出会いと別れ、新たなeスポーツタイトルにふれるきっかけにもなりやすい季節だ。
第1話では、『スト6』や『Apex Legends』に焦点を置きつつ、ここ最近のeスポーツシーンを振り返った。
第2話では、絶大な人気を誇る『VALORANT』や『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』について考えてみた。ということで引き続き、ラフでゆる〜い部分はご容赦いただきつつ読んでみてほしい。
宮下:ここまでの話題は日本での大会でしたが、他国での世界大会は俺は『LoL』、井ノ川さんは『VALORANT』も見てるじゃないですか。2025年大会はどうでした?
井ノ川:相変わらずすごい盛り上がりでしたよ。『VALORANT』は国内リーグしか現地取材は行けてないですけど、オフライン会場では、グッズ売り場は長蛇の列。売り切れ続出といった感じで、まだまだすごく勢いのあるコンテンツだなって感じましたね。

宮下:ただ、今回の世界大会は日本チームが出場していなかったですよね。日本のファンの反応は?
井ノ川:やっぱりファンが縮小されたって言ったら変だけど、一定のコアなファンだけが残ったような感じはしますね。なかなか海外のシーンまでは追えないじゃないですか。
私はよくゴルフの試合を見るんですけど、気がつけば海外の選手も応援するようになっていました。スイングを見ただけで、「これは誰々だ」とか分かるようにはなってきた。でもこれってかなりコアな方じゃないですか。『VALORANT』もそれに近い感じがします。
ライトなファンの人って、やっぱり日本勢が活躍していないとなかなか食指が動かないんですよ。「え? 日本チームが優勝しそうなの? どれどれ」みたいな。ラグビーもWBCもワールドカップも、全然ルールを知らなくてもなんか日本が活躍していたから応援したくなっちゃう——みたいな。
宮下:そうだよね。スポーツって国同士の対決みたいなところがやっぱり面白いから。日本人が活躍していると話題に上りやすいし、見るきっかけにもなる。
井ノ川:eスポーツも同じで、世界大会のような海外勢との試合で日本勢が活躍していると同接(ライブ配信中、リアルタイムで見ている視聴者の数)も増えますし、コメント欄も活発になりますもんね。
一方で、『VALORANT』においては、日本人選手が活躍している国内大会「Challengers Japan」や、女子部門の「Game Changers」でさえ同接が減ってきているのは懸念というか課題だと思っています。コメントの数が明らかに減ったというか、言い方は悪いですけど、下火感がどうしても出ちゃっている。
全盛期から見ている私にとって、結構衝撃なことだととらえています。
宮下:『LoL』の方は、日本で活躍していた外国人選手も世界大会の「Worlds」にはほとんどいないけど、相変わらず一定数のファンがしっかり見てはいますね。絶対数は減った気はするけど……。
宮下:国内大会でいえば、『LoL』も厳しい現状です。「LJL 2025」は視聴数がガタ落ちになってしまった。
井ノ川:ちなみに、2024年と比べて肌感でどれくらい減ったんですか。
宮下:例えば、2024年の「Worlds」出場がかかった「LJL 2024 Summer Split GRAND FINALS」のDFM vs SHG戦は、YouTubeで7万回再生なのに対して、「LJL 2025」のREJECT vs QT DIG∞は5万再生くらい。どちらも全盛期と比べるとかなり減りました。2023年は17万再生でしたから。
大きな理由はやはり、日本の最強チームだったDFMとSHGが、「LCP」っていうアジアのリーグに参戦しているから。日本リーグは育成目的のリーグになっていて、それ自体を観戦する目的が薄く感じてしまっているのかもしれない。決してつまらなくはないんだけど、上位と下位のチームの差は結構大きいです。
井ノ川:なるほど。その辺は『VALORANT』の国内リーグと似ていますね。どうしてもTier 2感が出ちゃうから、観戦する目的としては優先度が下がってしまう——。『LoL』に関しては完全に「League the k4sen」(LTK)に(視聴者が)食われちゃったのかなと思っています。
だって、「LTK」はストリーマーとかのスターぞろいだし、プレーがプロレベルじゃなかったとしても、彼らが『LoL』をやって騒いでいるだけでもめっちゃ面白い。
さらに、みんなが努力しているスクリムなどのストーリーもつぶさに見られるし——。そういうのを見ると、なんとなくそっちに持っていかれちゃったんじゃないかな、みたいに勝手に思っちゃってました。
宮下:たしかに、2025年の「LTK」は俳優・モデルの本田翼さんも出場していたり、2026年は元プロや新人が参加していたりもしますしね。これはk4senさんだからこそかもしれないけど、「LTK」は試合後に勝ったチームだけじゃなく負けたチーム全員にもじっくり話を聞いてて、その時間も結構長いのに、ファンはみんな楽しみに聞いて泣いたりもしてるんですよ。
井ノ川:すごい。
宮下:スポーツの競技後のコメントって、本来なら負けた側も含めて全員に聞く必要はないと思うんです。負けた理由なんていくらでも話せるけど、そういうことは話したくないし言い訳にしか聞こえない、ってファンもいるからね。それでも、「LCP」とか「VCT Ascension」では、日本を代表して戦っているからこそしっかりインタビューに応えてくれている。そこでヘラヘラしてるとヤジさえ飛んでくる。
じゃあ、なんで「LTK」ならそれが成立するかって言ったら、「競技」じゃなく「エンタメ」だからなんですよね。
井ノ川:そうですよね。勝っても負けてもみんなが主役。
宮下:すごいのは、「LTK」はスクリム段階からコンテンツとして公開しているところで。その頑張りもずっと追いかけてきているから、やっぱり話を聞きたいと思う気持ちは芽生える。
それって本当は、「LJL」とか「VALORANT Challengers Japan」にもできると思うんです。まだ全然知られていないチーム・選手とか、勝てないとインタビューされない選手ひとりひとりを知ってもらう機会になる。チームでやったっていいと思うけど、そういうことはあまりしないんですよね。
井ノ川:それに似てるかもしれないけど、「SFL: Pro-JP 2025」は試合後の勝利者インタビューじゃなく、個別にチームのパブリックビューイングに行って取材したんです。
試合後に用意していただいたインタビューはMVP選手ひとりに対する囲み取材だったのと、その直前にぶいすぽっ!さんが同じ選手にインタビューもされていることもあって、冗長感を感じていました。私のわがままでもあるんですが、どうしても選手に向き合って話が聞きたかった。「あのシーンのあの場面はなんだったのか」とか、試合に関しての話がしたかったんですよ。
REJECTさんとZETA DIVISIONさんにOKもらって、実際に試合後に話が聞けたのはとてもドラマチックな記事になったんじゃないかなと思っています。

宮下:eSports Worldとしては、競技として努力してきたものをぶつけ合った結果、感動だったり悔しさだったり涙だったりというところを伝えたいですしね。試合直後は、大会の演出的にも時間的にも難しいのも分かりますが、選手にもっとフォーカスが当たるようにしてほしいという思いもありますね。
井ノ川:日本チームの人気が下がってしまった理由のもうひとつは、スター選手がいなくなったことなのかな。『LoL』なら韓国のレジェンドともいえるFaker選手、『VALORANT』で言えばLaz選手みたいな。「聞いたことはある」みたいなカリスマ性があるじゃないですか。
いまの日本チームには、個で目立つ選手がいない気がするんですよね。
宮下:現役でいったら、「日本eスポーツアワード」も受賞しているSHGのEvi選手。彼だけが唯一日本人として海外リーグで戦った選手でもある。『VALORANT』はLazさんだけじゃなく、Meiy、Dep、GONみたいなヒーローがいっぱいいる気がします。
「LJL」にももともとプロとして活躍していた選手もたくさんいるし、若手のkkkkkkkkk選手(ケーナイン)とかもいるんですよ。だけど、彼らが輝けるようなプロチームのポジションが空いていない。やっぱり「LCP」に行けないとダメでしょうね。
井ノ川:まあ、GON選手は現役一時休止を発表してからもなお人気ですけどね(笑)。つまり、競技を追っている人間からすれば有名な選手はいっぱいいるけど、一般層にまで届くようなスターが不在で、そのギャップがいまの人気に影響している気もします。
宮下:確かに。残念ながら、一般人に『LoL』プレーヤーと聞いてポンと出てくるのは、k4senさんとかVTuberの方が多いでしょうね。プロ選手は、配信で自分の戦術を安易に見せられないというゲーム性もあって、『LoL』なんかは特に難しいだろうなぁ。
井ノ川:そのあたりって、スター不在というよりも、プロ選手がスターになりにくい構造ができちゃっている感じもしますよね。
宮下:eスポーツとひとくくりにできなくなってきているとも思いますが、タイトルによって日本国内だけでビジネスとして回る大会と、そうじゃない大会が明確に分かれた。
『VALORANT』は国内大会だけでも十分にオフライン大会も動員できるけど、『LoL』は国内だけだと同じ規模のファンが集まるのは多分無理です。『レインボーシックス シージ』なんかも、国内よりは海外大会で日本代表が頑張ってくれているし、そういう分かれ方はしてきているかもしれないですね。
井ノ川:ものすごく人任せな発言になってしまいますが、マスメディアを含めて、プロ選手がもっと広く届く仕組みを作っていく必要があるのかもしれませんね。
——第3話に続く——
編集:いのかわゆう
第1話では、『スト6』や『Apex Legends』に焦点を置きつつ、ここ最近のeスポーツシーンを振り返った。
第2話では、絶大な人気を誇る『VALORANT』や『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』について考えてみた。ということで引き続き、ラフでゆる〜い部分はご容赦いただきつつ読んでみてほしい。
宮下英之
eSports Worldの企画・立ち上げから関わっている中堅編集者。『LoL』ではついにシルバーに到達したものの、また大きな壁にぶつかり、サポートからレーン変更を検討中。モルガナOTP。
eSports Worldの企画・立ち上げから関わっている中堅編集者。『LoL』ではついにシルバーに到達したものの、また大きな壁にぶつかり、サポートからレーン変更を検討中。モルガナOTP。
井ノ川結希(いのかわゆう)
eSports Worldの企画・立ち上げから関わっている編集者兼ライター。『スト2』全盛期から格闘ゲームにどハマりするも、ふとしたきっかけで『Counter-Strike: Global Offensive』をプレーしFPSに足を突っ込む。そんなこんなで今では、『ストリートファイター6』や『VALORANT』がメインの担当に。ゴルフにはまりすぎてeスポーツ界隈の人とラウンドするきっかけをうかがってしまうゴルフ女子。
eSports Worldの企画・立ち上げから関わっている編集者兼ライター。『スト2』全盛期から格闘ゲームにどハマりするも、ふとしたきっかけで『Counter-Strike: Global Offensive』をプレーしFPSに足を突っ込む。そんなこんなで今では、『ストリートファイター6』や『VALORANT』がメインの担当に。ゴルフにはまりすぎてeスポーツ界隈の人とラウンドするきっかけをうかがってしまうゴルフ女子。
日本で人気だった2大タイトル、振るわず
宮下:ここまでの話題は日本での大会でしたが、他国での世界大会は俺は『LoL』、井ノ川さんは『VALORANT』も見てるじゃないですか。2025年大会はどうでした?
井ノ川:相変わらずすごい盛り上がりでしたよ。『VALORANT』は国内リーグしか現地取材は行けてないですけど、オフライン会場では、グッズ売り場は長蛇の列。売り切れ続出といった感じで、まだまだすごく勢いのあるコンテンツだなって感じましたね。

2025年8月に京王アリーナで開催された『VALORANT』の国内大会「VALORANT Challengers Japan 2025」の様子。多くのファンが会場に集まる様子を見ても、いまだ人気衰えずといったところか
宮下:ただ、今回の世界大会は日本チームが出場していなかったですよね。日本のファンの反応は?
井ノ川:やっぱりファンが縮小されたって言ったら変だけど、一定のコアなファンだけが残ったような感じはしますね。なかなか海外のシーンまでは追えないじゃないですか。
私はよくゴルフの試合を見るんですけど、気がつけば海外の選手も応援するようになっていました。スイングを見ただけで、「これは誰々だ」とか分かるようにはなってきた。でもこれってかなりコアな方じゃないですか。『VALORANT』もそれに近い感じがします。
ライトなファンの人って、やっぱり日本勢が活躍していないとなかなか食指が動かないんですよ。「え? 日本チームが優勝しそうなの? どれどれ」みたいな。ラグビーもWBCもワールドカップも、全然ルールを知らなくてもなんか日本が活躍していたから応援したくなっちゃう——みたいな。
宮下:そうだよね。スポーツって国同士の対決みたいなところがやっぱり面白いから。日本人が活躍していると話題に上りやすいし、見るきっかけにもなる。
井ノ川:eスポーツも同じで、世界大会のような海外勢との試合で日本勢が活躍していると同接(ライブ配信中、リアルタイムで見ている視聴者の数)も増えますし、コメント欄も活発になりますもんね。
一方で、『VALORANT』においては、日本人選手が活躍している国内大会「Challengers Japan」や、女子部門の「Game Changers」でさえ同接が減ってきているのは懸念というか課題だと思っています。コメントの数が明らかに減ったというか、言い方は悪いですけど、下火感がどうしても出ちゃっている。
全盛期から見ている私にとって、結構衝撃なことだととらえています。
宮下:『LoL』の方は、日本で活躍していた外国人選手も世界大会の「Worlds」にはほとんどいないけど、相変わらず一定数のファンがしっかり見てはいますね。絶対数は減った気はするけど……。
この先国内リーグが盛り上がるために必要なものとは
宮下:国内大会でいえば、『LoL』も厳しい現状です。「LJL 2025」は視聴数がガタ落ちになってしまった。
井ノ川:ちなみに、2024年と比べて肌感でどれくらい減ったんですか。
宮下:例えば、2024年の「Worlds」出場がかかった「LJL 2024 Summer Split GRAND FINALS」のDFM vs SHG戦は、YouTubeで7万回再生なのに対して、「LJL 2025」のREJECT vs QT DIG∞は5万再生くらい。どちらも全盛期と比べるとかなり減りました。2023年は17万再生でしたから。
「LJL 2025」の決勝戦。ほぼ負けなしだったREJECTを、QT DIG∞(元Sengoku Gaming」が破るという展開で見どころはあったものの、ほぼ「LJL」自体を再構築したような1年間になってしまった
大きな理由はやはり、日本の最強チームだったDFMとSHGが、「LCP」っていうアジアのリーグに参戦しているから。日本リーグは育成目的のリーグになっていて、それ自体を観戦する目的が薄く感じてしまっているのかもしれない。決してつまらなくはないんだけど、上位と下位のチームの差は結構大きいです。
井ノ川:なるほど。その辺は『VALORANT』の国内リーグと似ていますね。どうしてもTier 2感が出ちゃうから、観戦する目的としては優先度が下がってしまう——。『LoL』に関しては完全に「League the k4sen」(LTK)に(視聴者が)食われちゃったのかなと思っています。
だって、「LTK」はストリーマーとかのスターぞろいだし、プレーがプロレベルじゃなかったとしても、彼らが『LoL』をやって騒いでいるだけでもめっちゃ面白い。
さらに、みんなが努力しているスクリムなどのストーリーもつぶさに見られるし——。そういうのを見ると、なんとなくそっちに持っていかれちゃったんじゃないかな、みたいに勝手に思っちゃってました。
宮下:たしかに、2025年の「LTK」は俳優・モデルの本田翼さんも出場していたり、2026年は元プロや新人が参加していたりもしますしね。これはk4senさんだからこそかもしれないけど、「LTK」は試合後に勝ったチームだけじゃなく負けたチーム全員にもじっくり話を聞いてて、その時間も結構長いのに、ファンはみんな楽しみに聞いて泣いたりもしてるんですよ。
井ノ川:すごい。
「LTK」はストリーマー大会ではあるものの、k4senさんのプロへのリスペクトと『LoL』というゲームへの情熱が随所にみられる点が単なるゲームイベントとは雰囲気が異なる
宮下:スポーツの競技後のコメントって、本来なら負けた側も含めて全員に聞く必要はないと思うんです。負けた理由なんていくらでも話せるけど、そういうことは話したくないし言い訳にしか聞こえない、ってファンもいるからね。それでも、「LCP」とか「VCT Ascension」では、日本を代表して戦っているからこそしっかりインタビューに応えてくれている。そこでヘラヘラしてるとヤジさえ飛んでくる。
じゃあ、なんで「LTK」ならそれが成立するかって言ったら、「競技」じゃなく「エンタメ」だからなんですよね。
井ノ川:そうですよね。勝っても負けてもみんなが主役。
宮下:すごいのは、「LTK」はスクリム段階からコンテンツとして公開しているところで。その頑張りもずっと追いかけてきているから、やっぱり話を聞きたいと思う気持ちは芽生える。
それって本当は、「LJL」とか「VALORANT Challengers Japan」にもできると思うんです。まだ全然知られていないチーム・選手とか、勝てないとインタビューされない選手ひとりひとりを知ってもらう機会になる。チームでやったっていいと思うけど、そういうことはあまりしないんですよね。
井ノ川:それに似てるかもしれないけど、「SFL: Pro-JP 2025」は試合後の勝利者インタビューじゃなく、個別にチームのパブリックビューイングに行って取材したんです。
試合後に用意していただいたインタビューはMVP選手ひとりに対する囲み取材だったのと、その直前にぶいすぽっ!さんが同じ選手にインタビューもされていることもあって、冗長感を感じていました。私のわがままでもあるんですが、どうしても選手に向き合って話が聞きたかった。「あのシーンのあの場面はなんだったのか」とか、試合に関しての話がしたかったんですよ。
REJECTさんとZETA DIVISIONさんにOKもらって、実際に試合後に話が聞けたのはとてもドラマチックな記事になったんじゃないかなと思っています。

参考記事:【SFL2025 第3節 REJECT HUB潜入取材!】因縁のウメ×マゴ戦でファン熱狂——LeShar「ファンからの応援も力になる」、ふ〜ど「REJECTは一番コーチが多いチーム」と語る試合の舞台裏
宮下:eSports Worldとしては、競技として努力してきたものをぶつけ合った結果、感動だったり悔しさだったり涙だったりというところを伝えたいですしね。試合直後は、大会の演出的にも時間的にも難しいのも分かりますが、選手にもっとフォーカスが当たるようにしてほしいという思いもありますね。
スター不在か、それとも構造の問題か
井ノ川:日本チームの人気が下がってしまった理由のもうひとつは、スター選手がいなくなったことなのかな。『LoL』なら韓国のレジェンドともいえるFaker選手、『VALORANT』で言えばLaz選手みたいな。「聞いたことはある」みたいなカリスマ性があるじゃないですか。
いまの日本チームには、個で目立つ選手がいない気がするんですよね。
宮下:現役でいったら、「日本eスポーツアワード」も受賞しているSHGのEvi選手。彼だけが唯一日本人として海外リーグで戦った選手でもある。『VALORANT』はLazさんだけじゃなく、Meiy、Dep、GONみたいなヒーローがいっぱいいる気がします。
「LJL」にももともとプロとして活躍していた選手もたくさんいるし、若手のkkkkkkkkk選手(ケーナイン)とかもいるんですよ。だけど、彼らが輝けるようなプロチームのポジションが空いていない。やっぱり「LCP」に行けないとダメでしょうね。
井ノ川:まあ、GON選手は現役一時休止を発表してからもなお人気ですけどね(笑)。つまり、競技を追っている人間からすれば有名な選手はいっぱいいるけど、一般層にまで届くようなスターが不在で、そのギャップがいまの人気に影響している気もします。
宮下:確かに。残念ながら、一般人に『LoL』プレーヤーと聞いてポンと出てくるのは、k4senさんとかVTuberの方が多いでしょうね。プロ選手は、配信で自分の戦術を安易に見せられないというゲーム性もあって、『LoL』なんかは特に難しいだろうなぁ。
井ノ川:そのあたりって、スター不在というよりも、プロ選手がスターになりにくい構造ができちゃっている感じもしますよね。
宮下:eスポーツとひとくくりにできなくなってきているとも思いますが、タイトルによって日本国内だけでビジネスとして回る大会と、そうじゃない大会が明確に分かれた。
『VALORANT』は国内大会だけでも十分にオフライン大会も動員できるけど、『LoL』は国内だけだと同じ規模のファンが集まるのは多分無理です。『レインボーシックス シージ』なんかも、国内よりは海外大会で日本代表が頑張ってくれているし、そういう分かれ方はしてきているかもしれないですね。
井ノ川:ものすごく人任せな発言になってしまいますが、マスメディアを含めて、プロ選手がもっと広く届く仕組みを作っていく必要があるのかもしれませんね。
——第3話に続く——
編集:いのかわゆう
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