【SFL2025 第10節 ZETA Viewing Party潜入取材!】ひぐち「0-40から這い上がるのが僕らのチーム」——翔不在から勝ち上がったZETAが強い本当の理由とは

ストリートファイター6』(スト6)の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」(SFリーグ 2025)が8月29日(金)より開催中。

本リーグは、出場する12チームがDivision S、Division FといったふたつのDivisionに分かれ、リーグ戦を行うeスポーツ大会だ。各試合では、チームメンバー4名の中から3名が、先鋒、中堅、大将として対戦をし、勝利するとそれぞれポイントが付与される。総合得点が高い方が勝利となり、同点の場合はリザーブ(控え)の選手同士による延長戦を実施。延長戦に勝利したチームが勝利となる。

Division Fに参戦しているZETA DIVISION Geeklyは、大会期間中に東京港区麻布台にあるゲーミングオフィス「ZETA DIVISION Headquarters」にてビューイングパーティを開催していた。販売サイト「ライブポケット」にて販売されているチケットを購入することで参加できる。

▲東京タワーが眺められるゲーミングオフィス「ZETA DIVISION Headquarters」。会場には先着販売でチケットをゲットできたファンたちでにぎわっていた

なお、選手たちは別フロアにてリーグに出場。試合後はビューイングパーティ会場に訪れ、ファンとの交流が行われるといった仕組みだ。

▲選手は試合前から会場入り。コンボ練習や、相手の攻撃に対しての差し替えしの練習をするなど、最終調整に余念がない

ちなみに、今回取材をしたのは11月25日(金)に開催された「SFリーグ 2025」本節の最終節となる第10節。ZETA DIVISION Geeklyは、すでに獲得ポイント上位にランクインしていたため、プレーオフ進出は確定していた。

第10節の対戦相手は、同じくプレーオフ進出を果たしていた広島 TEAM iXA。勝利内容によっては、プレーオフ進出の順位が入れ替わり、有利な条件でプレーオフに挑めるといった大事な試合でもあったため、なんとしてでも勝利をつかんでおきたい——そんな最終戦でもあったのだ。

しかし、結果は0:40と全敗。課題が残る結果とはなってしまったが、それでも手応えを感じていたと選手たちは語っていた。そんな彼らの生の声、ビューイングパーティの様子をお届けしよう。

▲ビューイングパーティでは毎回ゲストによるトークショーも実施される。第10節では鈴木ノリアキさん、チョコブランカさん、takeraさんが出演していた

プレーオフですぐにリベンジしたい——選手試合後インタビュー


▲試合終了後ファンサービスを終えた4人が集まってくれた(左から、ももち、ひぐち、ひかる、ヤマグチ)

——本日はおつかれさまでした! 本節を振り返っていかがでしたか?

ももち:今日は広島 TEAM iXA戦で、内容としては負けてしまった形にはなりますが、プレーオフの初戦で当たる相手なのですぐにリベンジの機会はあります。今回の負けはいい材料として次に向けて練習していければなと思っています。

プレーオフでは広島 TEAM iXAを倒して、その上にいるREJECTも倒して、グランドファイナルに向けてがんばりたいと思います!

ひぐち:今日の第10節は0:40で負けてしまいましたが、第3節のDetonatioN FocusMe戦での敗北と同様、0:40から這い上がるのが得意なチームなので、ここから多分ポンポンとプレーオフは抜けられるんじゃないかな。

全節振り返って見ると、なんとかプレーオフに進出できて「よくがんばったな」とは思っています。こういう困難な状況だからこそ、みんなの結束力が高まったと思っているので、ほかのチームよりもチームワークの良さを見せられたらいいんじゃないかなと思っています。

グランドファイナルに向けてがんばります!

ひかる:長かったようで始まってみれば一瞬でしたね。予想外な感じでしんどいところもありましたが、なんだかんだでちゃんとプレーオフに進出できたのはうれしかったです。

今日は負けてしまったんですけど、プレーオフでリベンジもできるので今日の試合を反省して、生かして優勝しようと思っています!


ヤマグチ:結果的に自分は試合に出ていないので精神的なプレッシャーみたいなものではなかったです。ただ3人(ももち、ひぐち、ひかる)は、本当にすごいプレッシャーの中でやっていたのではないかと——。本当に尊敬するし、おつかれさまでした!

今日も試合には出ませんでしたが、練習はずっとしてきているので、この力をプレーオフで思う存分発揮して、抜らけれるようにがんばります!

※ヤマグチ選手は途中から体調不良で欠場した翔選手のピンチヒッターとして後半から出場。延長戦のみオーダーできるという条件付きで参加していた

——翔選手の欠場という困難な状況だからこそ結束力が高まったとのことでしたが、具体的にどんなことをして絆を深めたのでしょうか。

ひかる:事務所で一緒にいる時間が増えたことですかね。

ひぐち:事務所で対戦ができるスペースがあるんですけど、そこでほぼ毎日一緒にやっていました。それだけでも相当同じ時間を共有できましたし、たくさん話をする機会もあったので絆が深まりましたね。

——練習が終わった後は一緒にご飯を食べに行くこともあった?

ももち:なんなら終電までずっと一緒にいるレベルで(笑)。

ひかる:23時くらいまでやって帰るみたいなとかね(笑)。

ももち:下手したら朝までやってたこともあったよね。

——すごいですね! 本節の前半ではメンバー全員がブランカを練習しているなんて話も出ていましたね。そういうのもなんかチームの結束力みたいなのが生かされましたか?

ももち:そうですね。「ブランカが強いんじゃないか」って話になって、みんなで攻略を共有できるとチームとしても強いし、伸びていくので——。ただ気がつけば、ひかるだけしか(ブランカを)使っていないという形にはなりましたけど(笑)。

ひぐち:いやいやチョコさん(ももち選手の妻)もいるでしょ(笑)。


——実際、リーグで唯一使っていたのはひかる選手でしたが、ブランカはどうでしたか?

ひかる:そうですね。かなり強さは感じているんですけど、大会では結果は振るわなかったですね。ただ、特に今日はブランカの感触がかなり良くなっていたので、今後に期待が持てる試合だったなと思っています。

大会に慣れてきた感じですね。

▲取材時の第10節では2本目でブランカを採用。結果的には負けてしまったものの、差し合いからの攻めや、画面端の攻防などブランカらしい立ち回りを見せていたひかる選手。©CAPCOM(https://www.youtube.com/live/hn17tmdaAzQ?si=hqK-oZdRnvJeCxYN&t=13014

——こういったビューイングパーティは選手にとってどのような存在ですか?

ももち:やっぱり近い距離で応援の声も聞けるので、やりがいがありますね。ただ、今日みたいに負けたあとだと、すごく申し訳ない気持ちでいっぱいで——。まあ、その裏返しで「負けられない!」という気持ちが強くなるのはいいですね。


ひぐち:いいプレッシャーになりますね。勝ったあとは堂々とファンの前に行けますし、負けたあとだと若干しぼんじゃってるみたいな(笑)。

まあ生で応援が聞けるのはうれしいです。

ひかる:ファンの方々の顔を覚えるくらい、毎回来てくださっているファンの方もいます。本当に毎回こんな遅い時間まで応援してくれるのはありがたいなと思っていますし、その分練習もがんばれるかなと思っています。

あとは、いい意味で緊張感を持って試合に臨めるのもうれしいですね。


ヤマグチ:そうそう。試合後に絶対にファンの皆さんに会いに行くっていうのはいい緊張になるよね。

——今日来ていたファンの中には、ひぐちさんのファンで大阪から初めて参加したという方もいらっしゃいましたよ!

ひぐち:ええっ! マジっすか!

次勝てるようにがんばるんで、また懲りずに応援してもらえるとうれしいです。わざわざ来ていただいてありがとうございます!


——ありがとうございました!

楽しみは観戦だけじゃない!
ファンの心をくすぐる企画が詰まった会場レポート


先述したとおり、ビューイングパーティの会場は東京タワーが一望できるゲーミングオフィス「ZETA DIVISION Headquarters」。広い会場ではプロジェクターで試合を観戦できる以外にも、ファンにとってはたまらない企画が複数用意されており、観戦と合わせてさまざまなアクティビティを楽しめる構成だ。

▲会場に入るとZETA DIVISIONのミネラルウォーターが配られる。オリジナルデザインで飲むのがもったいない!

▲またレッドブルは飲み放題という大盤振る舞い。レッドブルの形をしたクーラーボックスから自由に取っていいのだとか。応援にも熱が入るサービスだ

▲応援用のミニうちわも配られる。こちらは数量限定なため、数に限りがあるとのことだが、ビューイングパーティ参加の特典としてはうれしい

また、会場には物販コーナーも併設。試合開始前やインターバル中には限定グッズを買い求めるファンでにぎわっていた。

▲Tシャツやユニホームなど、ファングッズが販売されていた。会場初お披露目のTシャツも買えるというのもファンにとってはうれしいポイントだ

また、選手ユニホームのレプリカを購入すると、その場で選手の名前をプリントしてもらえるサービスも実施。通常レプリカのユニホームは選手の名前はプリントされていないので、こういったサービスならではのレアユニホームがゲットできるチャンスなのだ。

▲ユニホームの背中に推しの選手の名前がプリントされる。会場にはすでに名入りのユニホームを着て応援しているファンも多く見られた

さらにフリーの対戦台も併設。プロの試合を振り返りつつファン同士で対戦ができる環境が整っているので、格ゲーマーの腕試しの場としても楽しめる。

▲インターバル中にはゲストの鈴木ノリアキさんやtakeraさんもフリー対戦台に! ファンが見守る中、対戦を楽しんでいた

▲ゲーミングブランド「ZENAIM」より発売予定のZETA DIVISION監修レバーレス「ZENAIM ARCADE CONTROLLER」のプロトタイプも試遊できた。非常に浅いストロークなので、インパクトも超反応で返せそう!?

インターバル中にはピザパーティも。いろとりどりのピザが運ばれ、来場者は観戦の合間にリラックスしながらお腹も満たせるお楽しみタイムとなっていた。

▲こんな環境でピザが食べられるとか、おいしいにきまっているーーー!

▲チョコブランカさんのまわりには女性ファンが集まり、自然とプチ女子会に。ファン同士が仲良くなれる——そんなひとときが楽しめる

「SFリーグ 2025」は夕方18時からスタートし、1日に6チームにより3試合行われるので自ずと観戦も長丁場になってしまう。こういった合間合間にイベントがあると、いい感じで息抜きができるし、なにより来場者が特別な時間を共有できるのがうれしい。

ちなみにイートインができるスペースもあり、持ち込みもできる。

ファン同士が仲良くなれる
それがビューイングパーティの魅力


せっかくなのでビューイングパーティ常連のファンにもお話をうかがってみた。聞けば、サウジアラビアで開催されたeスポーツ大会「Esports World Cup 2025」を現地観戦できるというファンプログラムにも参加したというツワモノ。そんなファンが語るビューイングパーティの魅力とは!

▲今回お話をうかがったのは、れたすさん(写真右)。あかみーさん(写真左)も途中から参戦!

——ZETA DIVISIONのファンになったきっかけは?

れたす:もともと『スマブラ』をプレーしていたので、ZETA DIVISIONがスマブラ部門を設立した2022年頃から気になっていた_チームでした。ただ当時は、どちらかというと現在クリエイター部門で活躍されているtakeraさんの追っかけでしたね。

そんな中、ZETA DIVISIONがストリートファイター部門を設立するという話になって、しかも当時takeraさんが所属していた忍ismを吸収する形で部門が結成されたということもあり、takeraさんつながりで本格的にチームのファンになりました。


——ビューイングパーティの魅力はなんでしょうか。

れたす:ストリートファイターをオフラインで観戦するようになったのは、今年3月に開催された「カプコンカップ11」でした。そこで現地で観戦するのって楽しいって思うようになって、ZETA DIVISIONが実施しているイベントにも積極的に参加するようになりました。

▲両国国技館で開催された「カプコンカップ11」。世界中から強豪選手が集結し、翔選手が優勝したのは記憶に新しい

やっぱり同じチームを応援しているファンが集まるというのは、ほかでは味わえない魅力かなと思っています。一般的な大会の観戦だと、日本代表や日本の選手を応援しようといったざっくりとした雰囲気はあると思いますが、「このチームを応援しよう!」という一点で集まれるのは一体感があって楽しいですね。

あと今回みたいなビューイングパーティだと、試合が終わったあとに選手の人たちの話が聞けるのはうれしいですね。普段聞けない話が聞けたり、配信で見る姿とはまた違った雰囲気の選手が見られたりするのは面白いところかな。

——ビューイング_パーティを通してファン同士仲良くなることもありましたか?

れたす:ありますね。来年、旅行のついでに集まって対戦会をしようみたいな話になっていて、そういったつながりってビューイングパーティで会わなかったら絶対にないコミュニティだったので、僕としても非常に感謝しています。

あかみー:僕たちも「Esports World Cup 2025」のファンプログラムで仲良くなったんですよ。それまではまったく面識なく(笑)。最終日は一緒にご飯食べてね。

れたす:そうそう。対戦部屋があって、そこで対戦したのがきっかけですかね。「明日こういう予定なんだけど一緒に行かない?」みたいな。

あかみー:最終日は日本食が食べたくなっちゃったから、ホテルの隣にある日本食屋さんにふたりで行って「味噌汁うめー!」ってね(笑)。

——興味はあるけれど最初の一歩が踏み出せないファンへ、何か言葉をかけるとしたら?

れたす:実際開場来ているファンの人の中にも、ゲーム自体はプレーしていなかったり、ワンチャン抽選に当たったら観戦に行こうみたいなノリで来ている人もいるので、まったく観戦初心者みたいな人でも楽しめると思います。ファン層も幅広くて、みんな受け入れてくれるので、まずは勇気を出して一回来てみてほしいですね。

——最後に、ZETA DIVISIONの魅力もお聞かせください。

あかみー:豊富なタレントさんがいて、競技シーンも幅広くやられているところですね。今回のようなビューイングパーティも、週替わりでゲストの方入れ替わりするので、毎回違った話が聞けるのもうれしいですよね。

イベントがあると色んなタイトルで活躍している選手の方々が交えてコラボ的な話が聞けるのもZETA DIVISIONならではの強みなんじゃないかなーと思っています。

▲あかみーさん持参のメガホン。もともとは無地だったけど、ZETA DIVISIONにまつわるステッカーでデコレーションしてZETA愛感じる仕上がりに!

——ありがとうございました!

———

最近では、大会運営が主催するパブリックビューイングのほかに、チームが主体となって開催されるパブリックビューイングも増えてきた。ZETA DIVISIONやREJECTのように選手が会場で試合をして、その後ファンサービスが行われるといったパブリックビューイングは、まさに箱推しを後押しするイベントだと感じた。

eスポーツ業界も、こういった活動によってチーム推しの文化が根付いてきている。選手の移籍や部門の変化が多い業界だからこそ、チームそのものを応援してもらえるようなイベントが今後も増えてくるのではないだろうか。

チームを応援する気持ちは変わらない——そんなひとつの絆がファン同士をつなぎ、新たなコミュニティが生まれる環境は、リーグやチーム、ファンが共に作り上げるeスポーツ文化の核心と言える。こうした取り組みが積み重なっていくことで、日本のeスポーツはさらに成熟していくはずだ。

ちなみに、「SFリーグ2025」のプレーオフは12月13日(土)~14日(日)に開催される。


■関連リンク
ZETA DIVISION:
https://x.com/zetadivision

CAPCOM eSports:
https://x.com/CAPCOM_eSports

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025 プレーオフ:
https://esports-world.jp/tournament/54319

ももち:
https://x.com/momochi212

ひぐち:
https://x.com/higuchi010914

ひかる:
https://x.com/hikaru_shiftne

ヤマグチ:
https://x.com/yamae1128

翔:
https://x.com/Kakeru_FGC


撮影:いのかわゆう/宮下英之
編集:いのかわゆう


【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『Bloodborne』。

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