【特集】何から何までeスポーツ? 「eスポーツ×○○」

eスポーツをしながら学べる「英会話講座サービス」 4選

2023.10.3 宮下英之
書店をのぞけば「誰でも英語がしゃべれるようになる」といったうたい文句の書籍が並び、ネットを検索すれば「英語脳になれる」とか「1カ月でマスター!」のような魅惑的な動画や記事がヒットする。日本人は中学、高校で延べ6年間、英語を学んでおり、最近では小学校から授業が始まっている。

しかし、生きた英会話ができる日本人は決して多くはない。

そんななか、生きた英会話を学べるということで人気なのが、「eスポーツ×英会話」というサービスだ。


考えてみるとeスポーツと英会話は非常に相性がよく、勉強感覚ではなくゲームをプレイする感覚で、あるいはその延長線上で、自然と英語でのコミュニケーションができるようになるというのもうなずける。

今回は、eスポーツと英会話の親和性の高さと、eスポーツを活用した英会話学習を体験できるサービスをご紹介したい。


eスポーツが英会話学習に向いている理由


eスポーツはさまざまな英会話の教材や講座などと比較してみると、学習効率や効果が高いと言われている。その理由を考えてみよう。

海外ゲームは英語が基本

eスポーツタイトルには海外メーカーのタイトルが非常に多く、国境を超えて多くの国々で楽しまれている。オンラインで対戦する際には母国語で遊べるものの、大会などで言語の違いがあった場合に公用語となりうるのはやはり英語だ。

そんなこともあって、ゲーム自体の用語も世界的には英語が基本。日本語表示可能なゲームでは、カタカナで表記したり日本語に翻訳されているものも多いが、大まかな用語は英語のままで使われている。ゲームを楽しんでいるだけで、自然と用語を覚えてられてしまうというわけだ。

また、わからない単語が出てきた時にも、学習教材よりも積極的に調べたくなるもの。それだけに覚えも早い。

ゲーム内コミュニケーションは英会話としては非常にシンプル


ゲーム内でオンラインのボイスチャットやテキストチャットを使う場合、いくつかの英語表現さえ理解できていればなんとかなることが多い。

例えば、チーム全員がこっちに行くよ、という意味の指示や、敵がここにいるよ、といった警告などがそうだ。言語がなくても伝わる「ピン(Ping」」を焚く場合もあるが、音声コミュニケーションではよりシンプルに、より直感的に危険を察知できる。

そのようなコミュニケーションは、複雑な構文なども必要なく、場所を指定する単語とどう動くかのみを伝えるといったことも多い。使用する単語も少なく、シンプルな言い回しを覚えるだけで交流でき、しかも英語が通じた、という感覚を得られるため、学習がはかどるというわけだ。

好きなゲームについての話ができるので学習っぽくない


英語学習というと、教科書などに出てくるのは必ずしも自分が興味を持てる場所や環境ばかりではない。しかし、ゲームに関しては見えるものも持っている武器も、仲間のアカウントIDの意味さえも、気になるものばかりだ。

これらは自分から話しかけたり、質問したりするという、英語学習で最も大切な能動的な行動に結びつきやすい。誰かとマッチングしたら「Good luck have fun!」と声を掛ければいいし、仲間がミスしてしまっても「Nice try!」という言葉だけでフォローできる。

こうした交流がしやすいのも、eスポーツタイトルで英語学習を行うメリットのひとつと言える。


eスポーツ英会話講座4選


それでは、ここからはeスポーツやゲームを使った英会話サービスをご紹介しよう。

権利の関係、ゲームを用いて商売をするという制約、そしてなにより小学生などでも遊べる年齢制限の問題などもあってか、タイトルはバトルロイヤルゲームの『フォートナイト』と、サンドボックスゲームの『マインクラフト』が中心となっている。

eスポーツ英会話(ゲシピ)


Eスポーツを軸にしたメタバース教育を事業の柱とするゲシピの「eスポーツ英会話」は、ゲームを楽しむ時間をそのまま英会話の学びの時間にするという、世界初の英会話サービス。実績のある講師たちはそれぞれゲームへの理解度も高い。また、単にゲームを遊ぶだけではなく、コーチや仲間とのコミュニケーション能力、オンラインマナーなどもしっかり教えてくれる。

ゲームのジャンルは『フォートナイト』などの競技系シューティングや『マインクラフト』などなどのサンドボックスゲームで、希望するタイトルのレッスンに申し込める。

2023年7月現在、順番待ち・抽選となっており、事前登録を募集している。小学生から大人まで幅広く利用可能で、英語に自信がない人でも初心者向けフレーズ集などがあるので安心だ。なお、「eスポーツ英会話」「eスポーツイングリッシュ」という言葉は、ゲシピの登録商標となっている。

eスポーツ英会話

レッスン時間:80分〜
営業日:平日 16:00〜22:00、土日 9:00〜22:00
料金:8800円(月4回。毎週同じ時間帯で受講)
入会金:0円
使用ツール:Discord
ゲームジャンル:競技系シューティング(フォートナイトなど)、サンドボックス・ゲーム(マインクラフトなど)
運営会社:株式会社ゲシピ
URL: https://esports-english-service.gecipe.jp/



ゲーミング英会話(株式会社kiduku)


ゲーミング英会話」は、ゲームという共通の話題を通して、楽しみながら英会話を学び、グローバル人材を目指すサービス。受講する子どもに合わせた独自カリキュラムを持ち、学習スタイルに合わせたグループレッスンやマンツーマンレッスンなどを用意。

レッスン前には基礎的な英単語やスラングなどを学び、ゲーム内で会話しながら、講師と友達感覚で英語を楽しめる。授業の録画動画で復習も可能で、多数の講師がいることから事前予約なしにレッスンを受けられる。受講前に無料のカウンセリングも行っている。

ゲーミング英会話
レッスン時間:50分
営業日:平日10:00〜22:00、土日10:00〜18:50
料金:マンツーマンレッスン……1万3750円(月5回。好きな日時に予約可能)、グループレッスン……9350円(月4回。毎週決まった曜日・時間。最大3名)
使用ツール:Zoom
ゲームジャンル:フォートナイト(マンツーマンレッスンのみ)、マインクラフト
運営会社:株式会社kiduku
URL: https://gaming-english.com/


EG School(株式会社 アンジェ・21)


「EG School」は、eスポーツを楽しみながらオンラインで数学や英会話に加え、ウェブリテラシーも学習できる、家庭学習タイプの学習塾だ。高学歴なプロゲーマーたちが、低年齢の子どもには日本人講師、それ以外は英国人講師が担当。授業の締めくくりとして、講師や他の受講者と一緒に『フォートナイト』をプレイする時間を設け、ゲームで英会話を実践できる。

ちなみに、小学生を対象として週に1回、オンラインで多人数でのゲームを楽しみながら英語を学べる「eスポーツ学童」、小中学生向けに『フォートナイト』を使った算数・数学を学ぶコースもある。

EG School 英会話コース

レッスン時間:45分
営業日:月〜金 16:00〜21:30(要予約)
料金:6600円(月4回。オープニング価格)
使用ツール:Zoom
ゲームジャンル:フォートナイト
運営会社:株式会社kiduku
URL:https://www.eg-school.jp/english-conversation




オンラインゲーム英会話 すぴーきんぐ


主に小学生を対象とした、ゲームを通して子どもの自主性を育むオンラインゲーム英会話サービスが「すぴーきんぐ」だ。完全オリジナルの教材は、ゲームを楽しむための単語や会話、日常会話などが盛り込まれており、覚えた英会話をすぐにゲーム内で使えることで遊びの延長で勉強できる。複数でのレッスンでは、入ったばかりの友達に英語を教える側に回ることで定着率を高められるほか、ゲーム内で助け合ったり頼りにされるなど、ヒーローになれる場所があることで子どもの自信にもつながる。

レッスンには、ゲームを使ったものとは別に、ゲームレッスンでは学びきれないZoomを使ったレッスンも用意。こちらも『フォートナイト』の世界観をベースとしており、親しみやすくなっている。

すぴーきんぐ

レッスン時間:50分
営業日:平日 18:00〜18:50、19:00〜19:50、20:00〜20:50
料金:7200円(月3〜4回。)
使用ツール:Zoom、LINE(予約のため)
ゲームジャンル:フォートナイト
運営会社:株式会社デザインピース
https://www.onlinegame-english.jp/


まとめ


今回取り上げた以外にも、おそらく今後はもっともっとeスポーツ×英会話というサービスが増えていくだろう。年齢を問わずに学べるというところも時代のニーズに合致している。

無料体験が可能なサービスも多いので、興味を持ったらぜひ一度、無料体験に申し込んでみよう。もしかしたら今後、小中学校などでもeスポーツを使った英語学習が流行するかもしれない。


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