【連載】ねむしの『リーグ・オブ・レジェンド』マスターランクへの道

【「Worlds 2023」直前情報】読書の秋、食欲の秋、そして「Worlds」の秋! 今大会の注目チーム&選手は?

2023.10.10 ねむし
こんにちは! ライターのねむしです。

皆さん、今スプリットも終盤ですが、ランクはプレイされていますか? 僕はようやく「スタティックシヴ」が弱くなってきたので、最近またプレイし始めました(笑)。サイラスが強くてとても楽しい環境です!

さて、今回は「10月だ!秋だ!Worldsだ!」ということで、マスターランクへの道から少し寄り道をして、「Worlds 2023」の見どころや注目選手などを解説していこうと思います!

アナリストではないながらもある程度プロシーンは追えているので、ピックやメタの予想も交えながらお話していきたいと思います!

JD Gaming(中国)

まずはいきなりの優勝大本命、「JDG」です。今季LPL1位・MSI優勝者であるJDGの強さはなんといっても「個人能力の高さ」にあります。

369選手(トップ)、kanavi選手(ジャングル)とだけ見ても世界最高峰のプレイヤーが上を固め、ミッドは非常に優れたフィジカルプレイヤーであるknight選手、サポートはmissing選手という安定的で強力な選手が控えています。どの選手をとってもまず間違いなく世界トップ3に入るというまさにドリームチームなのがこのチームです。

プレイスタイルはその圧倒的な個人能力を生かした「スノーボール」にあります。元々LPLはファイトを好む気質が強いですが、このチームは個人能力に裏付けされた強力さを秘めています。レーニングから小規模戦、オブジェクトにつなげていく疾風怒濤の攻撃的マクロは必見です

Ruler(ADC)


特に注目したいのが今年から移籍したRuler選手でしょう。世界中のアナリストが最強と太鼓判を押すADCが、最強のメンツがそろうチームに来たのですから、まさに水を得た魚状態。これ以上ADCを生かす布陣を再現するのは難しいと言えるほどの贅沢環境です。

彼の強みはレーニングの安定性とクラッチ能力。デビューした年から当時最高峰のボットデュオ相手にも善戦し、大敗するということがほとんどありませんでした。

中盤以降では、集団戦で凄まじい存在感を見せ、お互いの前衛が疲弊した後の盤面で積極的に前に出るプレイングを得意とします。

ダメージを出す能力は言わずもがな。コミュニティではしばしば「時間が長引けばRulerがいるチームが勝つ」とまで形容されるほどです。

最高のADCが最高のチーム環境でどんな活躍を見せるのか、今から楽しみです!

Gen.G(韓国)


優勝大本命その2、「Gen.G」です。LCKを1位で優勝したこのチームは「ピックバンの多彩さ」が強みです。

JDGに負けず劣らずの強力な選手たちがそろっているため、彼らは多様な戦術を打ち出すことができます。

特に得意とするのが後半を見据えたレイトゲーム構成であり、これは前述のRulerという強力なADCが長く在籍した名残とも言えます。

Chovy(ミッド)

選手陣の中ではChovy選手にぜひ注目してもらいたいです。


彼のミッドは昔から非常に攻撃的でキャリー気質なモノで、有利の波及やマクロゲームが課題と言われていました。しかし、昨シーズンからはメタであったアーリやルブランでその課題を解決しはじめ、今シーズンでは完璧にモノにしているように感じます。

チームもその“有利波及”に応えるように動いており、彼のプレイスタイルの変化はチームに非常によく作用していると言えるでしょう。

とはいえ元々はキャリー気質なプレイヤー。「Worlds」パッチではヨネ、サイラス、アカリのような元々彼の得意だったチャンピオンもピック可能な水準だと予想されます。新人ながら”2人目のRuler”とまで評されるADC、Peyz選手と共にキャリーの一角を担うのか。はたまた、メイジで丁寧なゲームメイクを作るのか。彼らのピックバンとその根幹を担うChovy選手のプレイングに期待です!

G2 Esports(ドイツ)


ヨーロッパリーグで準優勝した「G2」の試合もぜひ注目してもらいたいです。彼らの「破天荒な戦術」は未だ健在であり、昔から観ていて面白いチームです。

”G2スペシャル”と呼ばれるソロレーナー2人によるスプリットプッシュで2ndタワーを破壊するムーブや、多彩なオフメタピック等を駆使し、嵌め手搦め手を駆使しながら果敢に立ち向かっていく様に胸がアツくなったのは記憶に新しいです。

さすがに全盛期ほどのギラつきはなくなり、安定的な側面が増えましたが、正直プロチームとしては自然な流れだと思います(笑)

BrokenBlade(トップ)

ヨーロッパ最強と名高いトップレーナ―であり、あの強力なレーニングが特徴のEvi選手をソロキルしたことで我々にもその名を知らしめました。


メタのタンクやファイターはもちろん、さまざまなオフメタピックで果敢にレーニングを勝ちに行くことが特徴で、今シーズンだけでカシオペア、クレッド、ダリウス、スウェインといったピックがあります。

安定性が無いという評価があるため、どれだけ劣勢時で活躍できるかにも注目していきたい選手です!

Cloud9(北米)


名門eスポーツチームである「C9」は、北アメリカ地域らしくゆっくりとしたペースでゲームを構築していましたが、昨今の『LoL』の調整を受け序盤型のチームに毛色を変えました。ジャングルのBlaber選手は序盤を最重視し、レーナ―もそれに呼応するようなピックとプレイスタイルを取ります。

特にドラゴンを重要視しており、なんと開始5分でドラゴンにさわることもあったほどでした。それはドラゴンソウルの獲得により優秀なADCであるBerserker選手のキャリーを促す点と、課題である中盤での失速への保険という意味合いもありました。

一昨年こそ大躍進を見せましたが、去年は1勝5敗という戦績となり、ヨーロッパと共に凋落してしまったと評されています。しかし今年はアナリストからは”欧米圏で最もバランスの取れたチーム”と期待を寄せる声がかけられているので、彼らのリベンジに期待です。

Zven(サポート)

C9のエースはなんといっても爆発的なダメージディール能力を誇るADC、Berserker選手です。しかし、彼は今季が初めての国際戦。パフォーマンスの揺らぎは止められないでしょう。そこをベテランのプロプレイヤーであるZvenが支えてあげられるかが重要と言えます。


彼自身、10年もの間ADCとしてプレイしてきました。ADCとしての技術的な心得はもちろん、大舞台でのADCが感じるプレッシャーも知っているはず。それらの点も含め、文字通り”サポート”してあげられるかが重要と言えます。

ピックはタンクメタであってもレナータ・グラスクやナミを選択することが多く、エンチャンター寄りのプールと言えます。メイジサポートや、キャリアを生かしたセナといった選択肢も見られるのではないかと密かに期待しています!

GAM Esports(ベトナム)


ベトナムリーグの優勝常連である「GAM」はいわゆる「大番狂わせ」が得意な独特のプレイスタイルをしています。今季も非常にアグレッシブに戦闘を行い、有利をモノにしようとする流れが目立っていました。

エースであるジャングル、Levi選手を主軸になだれ込むように戦闘を行うのが特徴で、相手の弱点や付け入る隙を見逃しません。

特に「Worlds」パッチではこのLevi選手の相方であるミッドのKati選手の得意とするリサンドラ、ツイステッド・フェイト、ガリオといった味方を支援するピックがメタに上がってきており、また、ADCもアッシュやジンがピック可能になると予想されるので、チーム全体がこのエースジャングルのお膳立てを行える環境になることでしょう。

しばしば形容される“ベトナムの風”は会場である韓国に吹くのか? 彼らのジャイアントキリングに期待したいです!

Levi(ジャングル)

エースであるLevi選手はキャリー気質のあるプレイヤーです。それはタンクジャングルメタであってもリー・シン、リリア、キンドレッドを出すほど。


大量のゴールドが集まれば彼がダメージを受け、ダメージを出すという一人で何役もこなすことができるメカニクスを持ちます。実力で言えばメジャーリージョンのプレイヤーに比肩しうる存在でしょう

一時期は北米や中国のチームを渡り歩きましたが、コミュニケーションの問題などから不振が続き、ベトナムに戻ってきました。その際に彼の実力自体を疑う声が大きかったのですが、昨年中国2位だったTESへの勝利に大きく貢献し、彼の実力は疑う余地のないものであると世界に知らしめました。

今回も彼のキャリーに期待しながら観戦したいところです! ちなみに名前の読みはリヴァイ。そう、大人気漫画『進撃の巨人』のリヴァイから来ています。まさに巨人を打ち倒すチームのエースに相応しい名前ですね!


我らが代表、DFMの布陣は?



最後に、我らが日本代表のDetonatioN FocusMeの選手についても見ていきましょう。

Yutapon(トップ)

”日本のDeft”とまで形容される伝説的ADC、Yutapon選手。彼は6年ぶりに以前のロールであるトップに戻りましたが、そのパフォーマンスはADCの時と変わらずでした。

10年というキャリアに裏打ちされたゲーム理解度、そしてそれに裏打ちされた立ち回りが特徴で、安定性がありながら要所で強烈なプレイをしていく選手です。ランブルで集団戦を作り、レク=サイでバックドアをしたシーンは記憶に新しいです。

彼の得意とするサイオン、レネクトン、ポッピーすべてがピック可能なパッチであり、サマースプリットに比べてマルファイトもパワーを取り戻してきています。名だたるレーナ―相手にレーニングを安定して過ごし、集団戦で活躍する姿に期待です。

apaMEN(トップ)

夏から急遽ロースター入りを果たしたapaMEN選手は、LJLファンの中ではおなじみの選手です。Sengoku Gaming、Fukuoka SoftBank HAWKS gamingという強豪チームのトップを常に任されてきた彼は、あのEvi選手とも雌雄を決する戦いを繰り広げてきました

予定通りこの「Worlds」に出場すれば、全選手中最年長という記録が立つほどの大ベテランプレイヤーです。僕は個人的に、プロには“なるより維持する方が難しい”と思っています。彼がこの2週間に1度で変更されるゲームで常にプロゲーマーであったというのは、プレイヤーとしての堅牢さを物語っていると感じませんか?

調整が間に合ったようで、apaMEN選手がスターターとのことですが、DFMとどういったチューニングをしてくれたのかが楽しみです!

Steal(ジャングル)

Steal選手も我々日本のファンにはなじみ深い選手ですね。

優れたメカニクスで序盤から盤面を動かすことが得意な選手でしたが、徐々にチームプレイに軸を置き始め、現在はHarp選手と連帯したエンゲージ役としてDFMを支えています。

得意ピックのノクターンは「ストライドブレイカー」のバフにより確実に強力なピックになっていますし、ヴァイ・セジュアニ等もピック可能な域でしょう。昨年は緊張か調整不足か、パフォーマンスが芳しくなかったので、新体制になって間もない現在のDFMで真価を発揮できるかにかかっています。

Aria(ミッド)

僕は元韓国1部チームkt Rolsterの凄腕ミッドレーナ―、Aria選手に特に注目しています。Faker選手をソロキルするほどのメカニクスはいまだ健在であり、DFMに戻ってきてくれた現在も大活躍しています。

Chovy選手に近い変遷を辿っており、キャリーピックから有利を波及させる動きを習熟してきています。

現状のDFMは「キャリーはこの選手」という明確な形はなく、全員で連帯して集団戦を勝っていくビジョンを描いているように思えるので、その動きの根幹を担う彼の動きは最も重要です。Steal選手とのペアでどう試合を動かしていくのかに注目しましょう。

個人的にはアカリ・サイラスでのキャリーも見たいところです……!

Milan(ADC)

Crest Gaming Act所属のADC、Milan選手はリソースと盤面が整った際に爆発的なプレイングができるADCです。CGA時代ではチームの毛色的にそれは叶いませんでしたが、現状のDFMではその形に持っていく試合が増えてきています。

プールも非常に幅広く、ゼリ、アフェリオス、ザヤといった盤面次第で超火力を出すチャンピオンでのパフォーマンスに定評があります。

今季の「Worlds」では脅威を積んだジン、ミス・フォーチュンあたりも出てくる可能性があるので、脅威ADC+Harp選手のエンゲージを生かしたセットプレイを軸にした展開も考えられます。

国際戦が初となるため緊張が少し心配ですが、ベテランのチームメイトに支えてもらいながらいつものように伸び伸びとダメージを出していただきたいです!

Harp(サポート)

Steal選手と並んでチームの切り込み隊長を務めるHarp選手もキーパーソンのひとりです。「LJL」決勝では対SHG戦で凄まじいパフォーマンスを見せ、勝利に大きく貢献しました。

レーン戦が特に強力な選手であり、相手のわずかな隙をついてのフックを得意とします。国際戦においてはこの攻撃的なスタイルが裏目になり、彼自身が捕まってしまうことが目立ちましたが、今回はどう修正してくるか。

とはいえ、新メンバーであるMilan選手との調整を1シーズンで、しかもボットという密なロールで行い、形にしてきているのはさすがとしか言いようがありません。自信を持ってプレイし、チームも彼のアグレッシブさをアシストしている様子が見て取れました。「Worlds」でも彼のチャンスメイクに期待したいです!


最後に


いかがでしたでしょうか?ざっくりではありますが、注目チームと選手たちを解説してみました。観戦するゲームや特に見たい選手の参考になっていただければ幸いです!

我らがDFMの初陣は10月11日水曜日の16時からです! お隣、韓国に向けて声援を送りましょう!


LoL Esports
https://lolesports.com/

eSports World の
Discord をフォローしよう
SALE 大会 チーム 他にも...? 他にも

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます