【連載】ねむしの『リーグ・オブ・レジェンド』マスターランクへの道
『LoL』クラス別攻略「コントローラー」編:集団戦を掌握し、チームとともに勝利を目指せ!
こんにちは! 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の新人ライター、ねむしです。
最近「アリーナ」が楽しくてやめられません! オーグメントを使ってサモナーズリフトにはないビルドを構築するの、楽しすぎます。
2対2の小規模戦の練習にもなりますし、ぜひ『LoL』を始めたての方もプレイしてみて下さいね。
さて、今回も第1回でご紹介した「『LoL』チャンピオン適正診断【初・中級者向け】」の診断結果に応じて、各クラス・サブクラスの特徴や初心者に向けた使い方をご紹介していきます。
解説するのはチームメイトを支援し、集団戦を強化するクラスである「コントローラー」です。
コントローラーと診断されたアナタは、縁の下の力持ち的な役割が大好き。ふとしたときにいてくれてよかった。そう思ってもらえるとうれしい方のはずです。
目立つポジションではないけれど、時にはインパクトのあるプレイもしたいと思っていたり。結構いろいろなことをしたい気持ちも強いことでしょう。
一貫して言えるのは味方と連携したいということ。全クラスの中でこの傾向は強いはずです。
そんなチームワーク好きなアナタに向けてコントローラーチャンピオンの特徴をご紹介します。
コントローラーはその言葉通り、戦闘をコントロールする力に長けています。多くのチャンピオンはサポートロールに属し、ゴールドを必要としないのにもかかわらず、敵味方に多大な影響をもたらすことができます。
時にそのスキルは敵をCCによってロックし、味方のキルにつなげ、あるいは敵の仕掛けから味方を救います。卓越したコントローラーは文字通り、試合の流れそのものをコントロールしてしまいます。個人的にはキルを重ねたアサシンたちとは一味違うかっこよさがあります……!
あらゆる集団戦に駆けつけ、味方を勝利に導きましょう!
コントローラーは味方に多大なユーティリティをもたらします。『LoL』では主に戦術拡張性のようなニュアンスを持つ言葉で、味方を強化し、敵を弱体化させることは戦術の多様性を生むのです。
たとえばファイタークラスの一人であるダリウス。彼は強力なダメージと耐久性を持つ代わりに、敵に接近することが課題になるジャガーノートというサブクラスを持ちます。そんな彼に移動速度の上昇を付与したり、あるいは彼のいるタイミングで敵を引き寄せるフックを命中させたりすることで、彼の弱点を補うことができるのです。
味方の弱点を補完することができるのはコントローラーの大きな特徴と言えます。
しかしながら、“できることの多さ”というのは時には迷いを生み出すのも確か。本当に味方にもたらすべきユーティリティは何かを考え続ける奥深さがコントローラーの魅力と言えます。
コントローラーたちに一貫して言えるのはダメージの低さです。彼らは戦局を変える一手を打てる一方で、ダメージを出すことはあまり得意としていません。
この点はタンクと似通っていますが、タンクには耐久力とそこそこの火力があります。コントローラーたちはそのどちらもないので、常に味方の位置に気を付けてプレイするという視野の広さが求められます。
また、控えめとは言いましたが、序盤のダメージは確約されているのも大きな特徴です。彼らの多くはゴールドを必要としない特性上、ダメージを大きく増加させていくことはできないものの、最低ラインは担保されているのです。
この特徴はあまりファームをせず、味方と行動しやすくするようにデザインされていると言えますね。
前回のマークスマンチャンピオンと同じく、コントローラーの8割以上はbotレーンが適正レーンになっています。「サポート」と呼ばれるロールをプレイし、まずは味方と共に戦う感覚をつかみましょう。
サポートロールでは前述のとおり、1人ではダメージを出すことも、キルを取ることも叶いません。場合によっては敵陣地に侵入することも1人では困難です。
そういう時はping機能を活用し、味方との連携を図りましょう。サポートは中立クリープはミニオンを倒すファームを一切必要としない唯一のロールです。その分のリソースはぜひ味方とのコミュニケーションに使いましょう。
あなたが協力しようとする姿勢は、その正誤や結果の良し悪しに関わらず、チームにいい影響をもたらすはずです。味方との連携はチャンピオン同士だけの関係にあらず。常にプレイヤー同士の絆を育むことを忘れないでくださいね!
先ほどコントローラーの基本は「敵に死を! 味方に救いを!」とお話ししました。もっと掘り下げれば、これは味方が好きそうなことをしてあげて、敵には嫌がることをするということになります。
これには他クラスの理解度も少なからず必要だと僕は考えています。コントローラーの項だというのに本末転倒ですが、このクラスは特に他チャンピオンとの関わりが強い上に、複雑な操作などは要求されないため、クラス自体の習熟はさほど意味がありません。むしろ相手(敵・味方)を知ることが習熟につながることが多い稀有なクラスなのです。
主役を立てるにはまずは主役を知ること。道理はシンプルです。他クラスの解説もぜひご覧になって、初心者向けチャンピオンで経験を積んでみて下さい!
僕の印象ではコントローラーが好きなタイプは割と慎重派な感じがします。先々を見据えたり、大局を見て行動する能力に優れている、そんな方が多いです。
ですが、そんな方ほど『LoL』に慣れてくると定石に沿った、安全で謙虚なプレイに落ち着いてしまいます。再三になりますが、このクラスは取れる戦術の広さがウリ。時にはセオリーを打ち破る、大胆な一手を打てる方ほどデキるコントローラーと言えます。
アイテムもまさにその代表格で、統計で一番選ばれているアイテムだけでなく、時には新しいスタイルのアイテムなども研究してみると、よりできる役割が変わり、新たな戦術を打ち立てられることでしょう。
ここからは、コントローラーの中でも特徴によって分類した「サブクラス」をより細かく見ていきましょう。
キャッチャーはその名の通り、敵をキャッチ=捕まえることが得意なチャンピオンたちです。方向を指定して敵にCCを与えるスキルを必ず1つ以上保有し、味方にキルチャンスを提供することができます。
そのプレッシャーから、相手を下がらせることで安全なエリアを形成するという「スキルを使わないことによる強さ」も重要なサブクラスです。
■「キャッチャー」のオススメチャンピオン
・ブリッツクランク(1350ブルーエッセンス)
ブリッツクランクはキャッチャーの代名詞的存在です。彼ほどシンプルで強力なキャッチャーは他にいません。
「Q-ロケットグラブ」は最初に命中した敵を自分のもとに引き寄せます。非常にとっつきやすくシンプルなスキルです。敵を引っ張ることに成功したら、「E-パワーフィスト」でさらにノックアップ! これだけで彼の基本的なコンボは完了します。
「W-オーバードライブ」により自分の移動速度も上げることができ、敵に急接近してから「E」で直接ノックアップを与えることもできます。選択肢の一つとして持っておきましょう。
また、彼は「P-マナバリア」という瀕死の時にシールドを獲得するパッシブを持つ、かなりタフなキャッチャーです。すべてのスキルのクールダウンが長いため、スキルを使い切ったら相方のadcの盾になってあげましょう。
・モルガナ(1350ブルーエッセンス)
ケイルの実妹であり、堕天使であるモルガナ。彼女もキャッチャーとしての入門に最適です。少し遠くから戦況をコントロールしたい・メイジが好き・器用なことがしたいという方は彼女の力を借りるといいでしょう。
「Q-ダークバインド」は最初に命中した対象をその場に留めるスネアを付与します。その秒数は最大3秒。海外では「食らったら寝る暇が生まれる」というジョークが生まれるのも納得の長さです。
もし寝る暇を与えることができたら、すぐにその相手の下に「W-苦悶の影」を敷いてやり、追加のダメージを与えましょう。
そして極めつけは「E-ブラックシールド」。魔法ダメージとすべてのCCを無効化するシールドを味方に貼ることができます。扱うのは少し難しいものの、非常に強力なスキルで味方を敵のキャッチから守ることができます。
また、自分に貼ることもできるため、モルガナは相手をキャッチできるのに、相手はモルガナをキャッチしづらいのです。なんて無慈悲なチャンピオンでしょう!
3レーンに渡って活躍できるのも器用な点。ぜひ好きなレーンから挑戦してみて下さい!
エンチャンターは味方を強化することに重点を置いたチャンピオンたちです。直接ステータスを強化したり、シールドを付与したり、特殊な状態にしたり。さまざまな方法で敵の脅威から守ることができます。
一方で、エンチャンター本人に耐久性はないので敵から狙われやすいことには注意しなければなりません。
■「エンチャンター」のオススメチャンピオン
・ソラカ(450ブルーエッセンス)
永遠の命を手放してまで人間を暴力から救いにやってきたという、とても慈悲深いチャンピオンです。その設定どおり、彼女の「W-星霊の癒し」は味方に自分のヘルスを分け与えます。
味方を回復するスキルは少なくないですが、自分の命まで捧げるのは彼女の他にはいません。クールダウンも非常に短く、連発するとあっという間に彼女は瀕死になってしまいます。
そこで「Q-星のささやき」を使います。指定した地点に星を落下させ、敵チャンピオンに命中すると体力を少しずつ回復する「再生」というバフを得るスキルです。
このスキルを命中させてから味方に「W」を使うことで、味方にも「再生」を付与することができます。基本的には「Q」を命中させてから「W」を味方に使っていきましょう。
「R-星に願いを」は味方全員を回復させるという強烈な効果を持つスキル。彼女の慈悲深さはbotレーンだけに留まりません。余裕ができたら他レーンの動向をチェックし、窮地から救ってあげましょう!
・タリック(1350ブルーエッセンス)
タリックは唯一の近距離型ファイターの特性を持つエンチャンターです。非常にユニークなクラスをしている一方で、スキルはシンプルで入門にオススメできます。耐久性と支援性を両立しているため、他ゲームでパラディンのようなクラスが好きな人は彼が大好きになるでしょう。
彼のスキルは「W-バスティオン」から始まります。このスキル自体は味方1人とリンク状態になり、物理防御を増加させるだけですが、後述のすべてのスキルがリンク対象からも発動するようになります。
これにより自分がヒールする「Q-スターライトタッチ」は味方を回復できるようになりますし、指定した方向にビームを放ちスタンさせる「E-ダズル」も味方からも発せられるようになります。
極めつけは「R-コズミックレディアンス」。2.5秒後に周囲の味方全員を少しの間無敵にするという強力なスキルで、なんとこちらもリンクした味方からも放たれます。うまく連携が取れれば味方全員が無敵状態になり、敵の攻撃すべてを無効化することができるのです!
発動までが少し遅めなスキルが多いのも事実ですが、それにさえ慣れれば彼ほど心強い存在もなかなかいません。相手の動きに素早く呼応していきましょう!
最後に、マークスマンのプレイが少しでもイメージできるように、トッププレイヤーたちが見せたスーパープレイをご紹介します。少し古いものもあり、現在のパッチやメタとは異なりますが、各チャンピオンの特性を生かした動きがきっと参考になるはずです。
2023年度の世界王者「T1」。その前身であるチーム「SKT」に所属していたWolfという選手のザイラをご紹介します。
実に6年も前のプロシーンからで恐縮ですが、タイトル通り、“試合を決定づける集団戦”を、コントローラーから行ったという例としてここまでのものはないと思います!
この動画では日本公式の字幕がついており、一時停止を交えながら解説を行うため、チーム全体の意図などもわかり、非常に面白い内容になっています。全体でも6分ほどですので、ぜひ見てみて下さい。
キャッチャーとしてのザイラのポテンシャルをこれでもかと発揮したワンプレイで、今見てもチーム全体のセットアップはもちろん、Wolf選手の技巧がわかります。
次は国内リーグ決勝のDFM vs SHGから。以前この試合についてのレポートを書かせていただいたのですが、彼のレナータは今年見たエンチャンターの中で最も印象に残りました……!
何度見てもアリスターの仕掛けに対する返答が完璧です。ヒールにより距離を取り、味方のタンク陣が前を張ってくれている間に十分に距離を取り、ここぞというタイミングで「R-敵対的買収」を発動。
深く入りすぎたアーリにそれが命中したと見るや否や、前にフラッシュを行い、キルを確実なものにします。
その後は「W-緊急支援」で前衛を担ってくれたサイオンの命を救います。この一連のプレイの間にも彼は絶え間なく通常攻撃を繰り返し、「P-レバレッジ」を発動させ、味方の火力を増強させている点も見逃せません。
エンチャンターはこのように、多くのマルチタスクを行うことで、チームに長大な利益をもたらすことができます。このタスク処理はアサシンのような鮮やかなコンボとは違う難易度を誇りますが、達成した時の影響力は他クラスを圧倒すると言えるでしょう。
先ほどはソラカをご紹介しました。マナに加え、自分のヘルスすら使って味方を回復させる彼女のポテンシャルをお見せします。
敵3人に囲まれ、ヌヌ&ウィルンプの「R-アブソリュート・ゼロ」を喰らってしまうカイ=サ。彼女はマークスマンですから、この量の攻撃を喰らってしまえば本来倒されています。
しかし、敵から狙われずにいるソラカが彼女を回復し続け、ツイステッド・フェイトをキル。そこからは相手の火力源がいなくなってしまい、立て続けに4人もの敵を2人で倒してしまいます。
このすさまじい勢いで回復させる力は、全エンチャンターを見ても彼女にしかない特徴です。両名がうまくやったのはもちろんですが、敵チームはソラカから狙うべきでした。彼女本人は無防備な代わりにこれほどの回復をもたらせるわけですから。
ちなみにこのワンプレイの後、全体チャットでツイステッド・フェイト「なんなんだよ、そのヒール!」と文句と賛辞が入り混じったチャットが送られてきています(笑)。
今回は「コントローラー」についての紹介でした!
ゴールドがなくても集団戦で貢献できるというのは、初心者の方でも成功体験を積めるいいクラスだと思います!
個人的には、忙しく操作するのが大好きなのでエンチャンターをよく使います。いろいろな仕事ができたときは他のどのクラスにもない達成感を味わえますよ!
さて、こちらの“『LoL』マスターランクへの道”も残すところあと1回となりました……! 僕自身、7年ほどこのゲームをプレイしましたが、クラスから掘り下げた経験がなかったので非常に面白い知見を得ることができてとても楽しかったです。
それでは、次回「スペシャリスト編」でお会いしましょう! 皆さんよき『LoL』ライフを!
最近「アリーナ」が楽しくてやめられません! オーグメントを使ってサモナーズリフトにはないビルドを構築するの、楽しすぎます。
2対2の小規模戦の練習にもなりますし、ぜひ『LoL』を始めたての方もプレイしてみて下さいね。
さて、今回も第1回でご紹介した「『LoL』チャンピオン適正診断【初・中級者向け】」の診断結果に応じて、各クラス・サブクラスの特徴や初心者に向けた使い方をご紹介していきます。
解説するのはチームメイトを支援し、集団戦を強化するクラスである「コントローラー」です。
「コントローラー」とは?
コントローラーと診断されたアナタは、縁の下の力持ち的な役割が大好き。ふとしたときにいてくれてよかった。そう思ってもらえるとうれしい方のはずです。
目立つポジションではないけれど、時にはインパクトのあるプレイもしたいと思っていたり。結構いろいろなことをしたい気持ちも強いことでしょう。
一貫して言えるのは味方と連携したいということ。全クラスの中でこの傾向は強いはずです。
そんなチームワーク好きなアナタに向けてコントローラーチャンピオンの特徴をご紹介します。
敵に死を! 味方に救いを!
コントローラーはその言葉通り、戦闘をコントロールする力に長けています。多くのチャンピオンはサポートロールに属し、ゴールドを必要としないのにもかかわらず、敵味方に多大な影響をもたらすことができます。
時にそのスキルは敵をCCによってロックし、味方のキルにつなげ、あるいは敵の仕掛けから味方を救います。卓越したコントローラーは文字通り、試合の流れそのものをコントロールしてしまいます。個人的にはキルを重ねたアサシンたちとは一味違うかっこよさがあります……!
あらゆる集団戦に駆けつけ、味方を勝利に導きましょう!
味方に「ユーティリティ」をもたらす
コントローラーは味方に多大なユーティリティをもたらします。『LoL』では主に戦術拡張性のようなニュアンスを持つ言葉で、味方を強化し、敵を弱体化させることは戦術の多様性を生むのです。
たとえばファイタークラスの一人であるダリウス。彼は強力なダメージと耐久性を持つ代わりに、敵に接近することが課題になるジャガーノートというサブクラスを持ちます。そんな彼に移動速度の上昇を付与したり、あるいは彼のいるタイミングで敵を引き寄せるフックを命中させたりすることで、彼の弱点を補うことができるのです。
味方の弱点を補完することができるのはコントローラーの大きな特徴と言えます。
しかしながら、“できることの多さ”というのは時には迷いを生み出すのも確か。本当に味方にもたらすべきユーティリティは何かを考え続ける奥深さがコントローラーの魅力と言えます。
ダメージは控えめ
コントローラーたちに一貫して言えるのはダメージの低さです。彼らは戦局を変える一手を打てる一方で、ダメージを出すことはあまり得意としていません。
この点はタンクと似通っていますが、タンクには耐久力とそこそこの火力があります。コントローラーたちはそのどちらもないので、常に味方の位置に気を付けてプレイするという視野の広さが求められます。
また、控えめとは言いましたが、序盤のダメージは確約されているのも大きな特徴です。彼らの多くはゴールドを必要としない特性上、ダメージを大きく増加させていくことはできないものの、最低ラインは担保されているのです。
この特徴はあまりファームをせず、味方と行動しやすくするようにデザインされていると言えますね。
「コントローラー」初心者が覚えておきたい立ち回り
積極的にコミュニケーションを取ろう!
前回のマークスマンチャンピオンと同じく、コントローラーの8割以上はbotレーンが適正レーンになっています。「サポート」と呼ばれるロールをプレイし、まずは味方と共に戦う感覚をつかみましょう。
サポートロールでは前述のとおり、1人ではダメージを出すことも、キルを取ることも叶いません。場合によっては敵陣地に侵入することも1人では困難です。
そういう時はping機能を活用し、味方との連携を図りましょう。サポートは中立クリープはミニオンを倒すファームを一切必要としない唯一のロールです。その分のリソースはぜひ味方とのコミュニケーションに使いましょう。
あなたが協力しようとする姿勢は、その正誤や結果の良し悪しに関わらず、チームにいい影響をもたらすはずです。味方との連携はチャンピオン同士だけの関係にあらず。常にプレイヤー同士の絆を育むことを忘れないでくださいね!
他クラスをプレイしてみよう!
先ほどコントローラーの基本は「敵に死を! 味方に救いを!」とお話ししました。もっと掘り下げれば、これは味方が好きそうなことをしてあげて、敵には嫌がることをするということになります。
これには他クラスの理解度も少なからず必要だと僕は考えています。コントローラーの項だというのに本末転倒ですが、このクラスは特に他チャンピオンとの関わりが強い上に、複雑な操作などは要求されないため、クラス自体の習熟はさほど意味がありません。むしろ相手(敵・味方)を知ることが習熟につながることが多い稀有なクラスなのです。
主役を立てるにはまずは主役を知ること。道理はシンプルです。他クラスの解説もぜひご覧になって、初心者向けチャンピオンで経験を積んでみて下さい!
時には大胆に動いてみよう!
僕の印象ではコントローラーが好きなタイプは割と慎重派な感じがします。先々を見据えたり、大局を見て行動する能力に優れている、そんな方が多いです。
ですが、そんな方ほど『LoL』に慣れてくると定石に沿った、安全で謙虚なプレイに落ち着いてしまいます。再三になりますが、このクラスは取れる戦術の広さがウリ。時にはセオリーを打ち破る、大胆な一手を打てる方ほどデキるコントローラーと言えます。
アイテムもまさにその代表格で、統計で一番選ばれているアイテムだけでなく、時には新しいスタイルのアイテムなども研究してみると、よりできる役割が変わり、新たな戦術を打ち立てられることでしょう。
「コントローラー」のサブクラス
ここからは、コントローラーの中でも特徴によって分類した「サブクラス」をより細かく見ていきましょう。
キャッチャー
キャッチャーはその名の通り、敵をキャッチ=捕まえることが得意なチャンピオンたちです。方向を指定して敵にCCを与えるスキルを必ず1つ以上保有し、味方にキルチャンスを提供することができます。
そのプレッシャーから、相手を下がらせることで安全なエリアを形成するという「スキルを使わないことによる強さ」も重要なサブクラスです。
■「キャッチャー」のオススメチャンピオン
・ブリッツクランク(1350ブルーエッセンス)
ブリッツクランクはキャッチャーの代名詞的存在です。彼ほどシンプルで強力なキャッチャーは他にいません。
「Q-ロケットグラブ」は最初に命中した敵を自分のもとに引き寄せます。非常にとっつきやすくシンプルなスキルです。敵を引っ張ることに成功したら、「E-パワーフィスト」でさらにノックアップ! これだけで彼の基本的なコンボは完了します。
「W-オーバードライブ」により自分の移動速度も上げることができ、敵に急接近してから「E」で直接ノックアップを与えることもできます。選択肢の一つとして持っておきましょう。
また、彼は「P-マナバリア」という瀕死の時にシールドを獲得するパッシブを持つ、かなりタフなキャッチャーです。すべてのスキルのクールダウンが長いため、スキルを使い切ったら相方のadcの盾になってあげましょう。
・モルガナ(1350ブルーエッセンス)
ケイルの実妹であり、堕天使であるモルガナ。彼女もキャッチャーとしての入門に最適です。少し遠くから戦況をコントロールしたい・メイジが好き・器用なことがしたいという方は彼女の力を借りるといいでしょう。
「Q-ダークバインド」は最初に命中した対象をその場に留めるスネアを付与します。その秒数は最大3秒。海外では「食らったら寝る暇が生まれる」というジョークが生まれるのも納得の長さです。
もし寝る暇を与えることができたら、すぐにその相手の下に「W-苦悶の影」を敷いてやり、追加のダメージを与えましょう。
そして極めつけは「E-ブラックシールド」。魔法ダメージとすべてのCCを無効化するシールドを味方に貼ることができます。扱うのは少し難しいものの、非常に強力なスキルで味方を敵のキャッチから守ることができます。
また、自分に貼ることもできるため、モルガナは相手をキャッチできるのに、相手はモルガナをキャッチしづらいのです。なんて無慈悲なチャンピオンでしょう!
3レーンに渡って活躍できるのも器用な点。ぜひ好きなレーンから挑戦してみて下さい!
エンチャンター
エンチャンターは味方を強化することに重点を置いたチャンピオンたちです。直接ステータスを強化したり、シールドを付与したり、特殊な状態にしたり。さまざまな方法で敵の脅威から守ることができます。
一方で、エンチャンター本人に耐久性はないので敵から狙われやすいことには注意しなければなりません。
■「エンチャンター」のオススメチャンピオン
・ソラカ(450ブルーエッセンス)
永遠の命を手放してまで人間を暴力から救いにやってきたという、とても慈悲深いチャンピオンです。その設定どおり、彼女の「W-星霊の癒し」は味方に自分のヘルスを分け与えます。
味方を回復するスキルは少なくないですが、自分の命まで捧げるのは彼女の他にはいません。クールダウンも非常に短く、連発するとあっという間に彼女は瀕死になってしまいます。
そこで「Q-星のささやき」を使います。指定した地点に星を落下させ、敵チャンピオンに命中すると体力を少しずつ回復する「再生」というバフを得るスキルです。
このスキルを命中させてから味方に「W」を使うことで、味方にも「再生」を付与することができます。基本的には「Q」を命中させてから「W」を味方に使っていきましょう。
「R-星に願いを」は味方全員を回復させるという強烈な効果を持つスキル。彼女の慈悲深さはbotレーンだけに留まりません。余裕ができたら他レーンの動向をチェックし、窮地から救ってあげましょう!
・タリック(1350ブルーエッセンス)
タリックは唯一の近距離型ファイターの特性を持つエンチャンターです。非常にユニークなクラスをしている一方で、スキルはシンプルで入門にオススメできます。耐久性と支援性を両立しているため、他ゲームでパラディンのようなクラスが好きな人は彼が大好きになるでしょう。
彼のスキルは「W-バスティオン」から始まります。このスキル自体は味方1人とリンク状態になり、物理防御を増加させるだけですが、後述のすべてのスキルがリンク対象からも発動するようになります。
これにより自分がヒールする「Q-スターライトタッチ」は味方を回復できるようになりますし、指定した方向にビームを放ちスタンさせる「E-ダズル」も味方からも発せられるようになります。
極めつけは「R-コズミックレディアンス」。2.5秒後に周囲の味方全員を少しの間無敵にするという強力なスキルで、なんとこちらもリンクした味方からも放たれます。うまく連携が取れれば味方全員が無敵状態になり、敵の攻撃すべてを無効化することができるのです!
発動までが少し遅めなスキルが多いのも事実ですが、それにさえ慣れれば彼ほど心強い存在もなかなかいません。相手の動きに素早く呼応していきましょう!
世界のコントローラーのスーパープレイ
最後に、マークスマンのプレイが少しでもイメージできるように、トッププレイヤーたちが見せたスーパープレイをご紹介します。少し古いものもあり、現在のパッチやメタとは異なりますが、各チャンピオンの特性を生かした動きがきっと参考になるはずです。
①SKT Wolfのザイラ
2023年度の世界王者「T1」。その前身であるチーム「SKT」に所属していたWolfという選手のザイラをご紹介します。
実に6年も前のプロシーンからで恐縮ですが、タイトル通り、“試合を決定づける集団戦”を、コントローラーから行ったという例としてここまでのものはないと思います!
この動画では日本公式の字幕がついており、一時停止を交えながら解説を行うため、チーム全体の意図などもわかり、非常に面白い内容になっています。全体でも6分ほどですので、ぜひ見てみて下さい。
キャッチャーとしてのザイラのポテンシャルをこれでもかと発揮したワンプレイで、今見てもチーム全体のセットアップはもちろん、Wolf選手の技巧がわかります。
②DFM Harpのレナータ・グラスク
次は国内リーグ決勝のDFM vs SHGから。以前この試合についてのレポートを書かせていただいたのですが、彼のレナータは今年見たエンチャンターの中で最も印象に残りました……!
何度見てもアリスターの仕掛けに対する返答が完璧です。ヒールにより距離を取り、味方のタンク陣が前を張ってくれている間に十分に距離を取り、ここぞというタイミングで「R-敵対的買収」を発動。
深く入りすぎたアーリにそれが命中したと見るや否や、前にフラッシュを行い、キルを確実なものにします。
その後は「W-緊急支援」で前衛を担ってくれたサイオンの命を救います。この一連のプレイの間にも彼は絶え間なく通常攻撃を繰り返し、「P-レバレッジ」を発動させ、味方の火力を増強させている点も見逃せません。
エンチャンターはこのように、多くのマルチタスクを行うことで、チームに長大な利益をもたらすことができます。このタスク処理はアサシンのような鮮やかなコンボとは違う難易度を誇りますが、達成した時の影響力は他クラスを圧倒すると言えるでしょう。
③ソラカのポテンシャル
先ほどはソラカをご紹介しました。マナに加え、自分のヘルスすら使って味方を回復させる彼女のポテンシャルをお見せします。
敵3人に囲まれ、ヌヌ&ウィルンプの「R-アブソリュート・ゼロ」を喰らってしまうカイ=サ。彼女はマークスマンですから、この量の攻撃を喰らってしまえば本来倒されています。
しかし、敵から狙われずにいるソラカが彼女を回復し続け、ツイステッド・フェイトをキル。そこからは相手の火力源がいなくなってしまい、立て続けに4人もの敵を2人で倒してしまいます。
このすさまじい勢いで回復させる力は、全エンチャンターを見ても彼女にしかない特徴です。両名がうまくやったのはもちろんですが、敵チームはソラカから狙うべきでした。彼女本人は無防備な代わりにこれほどの回復をもたらせるわけですから。
ちなみにこのワンプレイの後、全体チャットでツイステッド・フェイト「なんなんだよ、そのヒール!」と文句と賛辞が入り混じったチャットが送られてきています(笑)。
あとがき
今回は「コントローラー」についての紹介でした!
ゴールドがなくても集団戦で貢献できるというのは、初心者の方でも成功体験を積めるいいクラスだと思います!
個人的には、忙しく操作するのが大好きなのでエンチャンターをよく使います。いろいろな仕事ができたときは他のどのクラスにもない達成感を味わえますよ!
さて、こちらの“『LoL』マスターランクへの道”も残すところあと1回となりました……! 僕自身、7年ほどこのゲームをプレイしましたが、クラスから掘り下げた経験がなかったので非常に面白い知見を得ることができてとても楽しかったです。
それでは、次回「スペシャリスト編」でお会いしましょう! 皆さんよき『LoL』ライフを!
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