【DFM RayFarky選手インタビュー】「PSCプレーオフ」初のStage 2進出! 「さらにハイレベルな選手との対決が楽しみ」

2024.8.13 スイニャン
2024年8月5日に『リーグ・オブ・レジェンド』のアジア・パシフィック大会「PCS 2024 Summer Playoffs」が開幕した。「LJL」からはSummer Splitの上位3チームであるFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)、DetonatioN FocusMe(DFM)、Sengoku Gaming(SG)が参戦しており、この大会で上位2チームに入れれば世界大会「Worlds」に出場することができる。

「LJL」2位でStage 1からの出場となったDFMは、West Point Esports(WP)とTeam Bliss(TB)を倒し、見事ストレートでStage 2進出を決めた。今回筆者は現地取材を敢行中で、トップレーナーのRayFarky選手に別途お時間をいただきインタビューをさせていただいた。練習の直前にも関わらずいろいろとおうかがいしてきたので、さっそくお届けしたい。


コミュニケーション改善とHoonコーチによる個人指導がカギ



──まずはStage 2進出おめでとうございます。春から夏にかけて、DFMの調子が徐々に上がってきたように思います。以前からDFMは年間を通して調子を上げていくという印象でしたが、今年初めてDFMに入ったRayFarky選手から見てどんなところが改善されていったと感じますか。

RayFarky:個人技は当然のように上がっているんですけど、それぞれのメンバーがコミュニケーション自体を強化して話すようになったら、動きがスムーズになって目に見えてチームの連携が取れるようになったと思います。

実は「LJL Summer Split ファイナル」が終わったあとに、面談というか各選手が思っていることを全部言って、それをコーチがまとめて今後どうしようかみたいな話し合いがあったんです。その時にコミュニケーション面で必要最低限のことしか話さないという課題があるということがわかったので、それを改善していったら「PSCプレーオフ」ではスムーズに試合ができるようになりました。

──最初からいきなり興味深い話が聞けてありがたいです。では、RayFarky選手個人として、春に足りなかったものと夏にしっかりできたことは何だったのでしょうか。

RayFarky:春を思い返してみて一番足りなかったのは、自分のレーニングの力と中盤のローテーションのレスポンスの速さだと思います。チームに言われる前にローテーションを済ませるということがあまりできていなかったんですが、Hoonコーチが入ってから個人的に見てくれるようになり、自分の足りなかったレーニングとローテーションに関するマクロが改善されて良くなりました。

──実はちょうど次にHoonコーチに関する質問を用意していました。Hoonコーチに個人指導をしてもらっているという話を以前から聞いていたのですが、具体的にどんな練習をしているのか、聞かせていただけますか。

RayFarky:Hoonコーチと1対1をしてマッチアップの解説をしてもらったり、普段だったら対戦できないような強い選手と1対1の練習をしてから、その選手と意見交換をさせてもらったりしています。

Hoonコーチの顔が広いのか、LCKに出場しているような選手たちにコンタクトを取ってくれて、そういった練習がだいぶ助かりましたね。

──そうだったんですね。徐々に力をつけてきたDFMですが、今年の「LJL」では最終的にSHGに対して負け越してしまいました。ズバリSHGを倒せなかった理由はどこにあると考えていますか。

RayFarky:SHGとの差で最初に思い浮かぶのは、チーム全体の動きが円滑かどうかだと思っていて、それも結局コミュニケーションなんですよ。

ジャングルが必要な情報をレーナーが出して、それをジャングルがまとめて「じゃあ、どうするか」というのを決める速度がSHGはすごく早くて、チームの動きに迷いがないんです。チームの動きが自分たちより滑らかだなと思いますね。


「LJL」とは全然違う? 「PCS」や「LCO」のプレースタイルへの対策



──「LJL」が終わって「PCSプレーオフ」に向けての約1週間で、チームとして最も力を入れて練習した部分は何でしたか。

RayFarky:「LJL」ってほぼ全チームの戦い方が似ているんですけど、「PCS」と「LCO」はチームによって色が全然違うので、動画をコーチ陣と一緒に見ながら、「このチームはこういうチームだからこうしよう」というコンセプトを決めて練習しました。

練習していく上で最も力を入れたのは、やっぱりコミュニケーションですね。オブジェクト前での話をもっと早くするとか、チームで何をするか明確に決めるとか、本当にコミュニケーションが8割、9割でした。レーニングとかはみんな当然のようにできているので、本当にそこだけですね。

──試合を見た感じ、「PCS」や「LCO」のチームは全体的に「LJL」より積極的にファイトをするイメージがあるんですけど、実際に戦ってみてどんな違いを感じましたか。

RayFarky:ちょっと細かい話になるんですけど、「LCK」とか「LJL」のチームは、サイドウェーブを押してから、余った時間で主導権がある選手が寄ってそこで何かをするとか、ミッドのプッシュを見てあげるっていうプレーをよくするんですけど、攻撃的なチームはサイドレーンの主導権より人数差でファイトを見る(狙う)ことを優先するチームが多いんです。

だから、サイドレーンを押すべきときに「相手がいないんだけど……?」ってミアピンを出した瞬間にはもうミッドレーンにいるとか、予想外のエンゲージをしてきたりするので、ファイトが多いのはそういうことだと思いますね。

──なるほど。「PCSプレーオフ」では「WP」、「TB」と戦って2連勝でStage 2行きを決めましたが、この2チームに対してどんな対策や準備をしましたか。

RayFarky:1戦目の「WP」はジャングル中心のチームであることは事前の動画を見て明らかだったので、まずジャングルの動きに気をつけようと話していました。逆にジャングル中心だから、ジャングルがいないレーンでは1対1だったら強気に行っていいみたいな考え方でしたね。ジャングルがダメージ系のディーラーをピックしていてイニシエートがサポートしかいないから、そのポジションだけ気をつければ大丈夫とか、そういう対策をしていました。

West Point Esportsとのゲーム1、3つ目のドラゴンを狙うWPに対して、RayFarky選手が相手のジャングラーを倒し逆転へとつなげた


──スムーズな勝利の理由がわかった気がします。2戦目の「TB」もかなりしっかり研究していたんでしょうか。

RayFarky:正直、オセアニア(LCO)のチームとはあまり経験がなかったので「TB」だけを見たんですけど、本当に「ザ・グループ」っていうチームですね。

ファイトを見に来るわけではなく固まって、4人とか必要以上の人数を割いて確実に視界を取りに来る、みたいなチームなんですけど、そういうチームってサイド管理にあまり重点を置いていないんですよね。だから自分たちは、相手が何が何でもカバーに寄らなければならないようにサイドレーンのプッシュを強くしようとか、逆に(相手がサイドに)見えていなかったらほぼグループしていると考えていいから、視界を取るときにイニシエートに気をつけようっていう感じでしたね。

Team Bliss戦ではDFMが終始サイドレーンを制し、要所でRayFarky選手がタンク兼ダメージディーラーとして活躍した


──さて、いよいよStage 2が始まります。DFMにとっては初挑戦となりますが、最後にStage 2での意気込みや楽しみにしていることがあればぜひ教えてください。

RayFarky:負ける気は全然ないんですけど、「PCSプレーオフ」に来てからDFMはだいぶ大きく変化できたと思うので、もっと限界まで詰めていって自分たちがどこまで通用するのかっていうのが結構楽しみですね。

Stage 2からはもっとハイレベルな選手がいると思うので、1対1のレーニングでも強い選手との対決が本当に楽しみです。

※ ※ ※

インタビューをすると答えに詰まったりちょっと考え込んだりする選手も結構いるのだが、今回RayFarky選手は終始よどみなくしゃべっていたのが非常に印象的だった。インゲームのコミュニケーションに力を入れているとのことだったが、もしかしたら日常会話にも多少なりとも影響しているのかもしれない。

DFMのStage 2初戦は、8月14日(水)にPCS第2シードのDeep Cross Gamingとの対戦が予定されている。春のリベンジを果たしたDFMのさらなる躍進に期待したい。


RayFarkyのX:https://x.com/rayfarky
DetonatioN FocusMe:https://team-detonation.net/
LoLEsports:https://lolesports.com/
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