【EVO Japan 2025 鉄拳8部門優勝インタビュー】 「EVO Japan」初代王者・KNEE、完全復活! 「ファンの激励があったからこそ今の自分がある」

2025.5.11 宮下英之
世界規模の格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2025 presented by レバテック」が2025年5月9日(金)〜11日(日)にかけて開催され、『鉄拳8』部門で、韓国出身のKNEE選手が4度目の「EVO Japan」優勝を果たした。


韓国勢の若手とベテランが入り乱れるベスト8


『鉄拳8』部門のエントリー総数は982名。9日(金)〜10日(土)にかけて予選を行い、11日(日)にベスト8のトーナメントが実施された。

「EVO Japan」に置いて鉄拳部門は、2018年〜2020年、2023年〜2025年と、6回すべてで開催されている。今大会は4位までに入賞すると「Esports World Cup」への招待枠を得られるほか、「TEKKEN WORLD TOUR 2025」(TWT2025)対象の大規模大会としても最初の大会となった。

ベスト8には、過去の「EVO Japanにも名を連ねるそうそうたる選手が集結。ウイナーズ側には韓国の若手3人とレジェンドKNEE選手が名を連ねたが、KNEE選手が盤石の立ち回りで無敗を貫き、グランドファイナルに駒を進めた。

ルーザーズ側には、日本のVARREL所属のPINYA選手と「TWT 2024」の覇者であるRangchu選手が参戦。ULSAN選手がRangchu選手を、PINYA選手が唯一の北米勢・Shadow 20z選手を下したが、ウイナーズから降りてきたMulgold選手がPINYA選手をも倒してルーザーズファイナルへ進出する。

この時点でPINYA選手の4位が確定し「EWC」への出場権を手にした。


ルーザーズファイナルのMangja選手とMulgold選手の若手対決は、昨年の釜山の大会でも優勝して勢いに乗るMulgold選手がストレートで勝利。再び打倒KNEEに挑む。


一度は負けてしまったカードだが、Mulgold選手はクラウディオで中段を巧みに使い、KNEEの動きを封じていく。しかし、リセットまであと1セットに迫った2-0から、KNEE選手のブライアンの動きがキレ味を増し、Mulgold選手の隙をついて的確なダメージを与えていく。

一見大きなダメージに見えない堅実な戦いながら、気がつけばKNEE選手が盤面を制圧し、左右ステップなどもハマって一気に2-2まで追いつくと、ベテランならではのプレッシャーをかけてMulgold選手を圧倒。効率のいい技や正解とは異なる、プレーヤーの力量を見せつけるかたちで、見事に3タテで優勝を果たした。


KNEE選手の「EVO Japan」優勝は、2018年の第1回以来2度目。優勝賞金137万5000円を獲得した。




KNEE選手「若手が私に勝つには錯乱するような動きが必要」


──「EVO Japan」は2018年以来久々の優勝となりました。今の気持ちをお聞かせください。

KNEE:1年以上前に『鉄拳8』が発売されてプレーした時、最初は相性が悪いゲームだなと思いました。ですが、苦戦していく中でファンの皆様から激励の言葉を多くいただき、それが励ましにもなり、今の自分に至ります。率直にもううれしい気持ちでいっぱいでした。

──それまでのフェンやスティーブからブライアン一本に絞るなど、いろいろ工夫されてきたと思いますが、今回優勝できた要因はなんでしょうか?

KNEE:『鉄拳』は1からやり始めましたが、今まではどちらかというと防衛的なスタンスを取ることが多かったんです。ですが、今回の『鉄拳8』を機にもうちょっとアグレッシブで攻撃的なスタンスに変えていこうかなと考えながら工夫をしていった結果、うまくいきました。

──今日の試合は結果的に全勝となりましたが、今日2度目の対戦となったMulgold戦は、2セット取られるところまでほとんど手を出しているように見えませんでした。様子を見ているというか、応戦しているように見えたのですが、どんなふうに考えて戦っていたのでしょうか?

KNEE:最初は緊張感などもあって、少し鈍い動きを見せてしまいましたが、長年のノウハウや経験などの積み重ねをベースに、2セット取られてからは相手の動きが少しずつ見えて、相手のパターンを少し読み取ることができました。そこからどんどん形成逆転に持っていくことができました。

──若いプレーヤーも増えていますが、意識していますか?

KNEE:若い選手は自分より10個下だったり20個下だったり、そういう年の差もありますけど、それでもやっぱり「鉄拳」の選手として若い子たちにも挑戦していきたいです。自分が今まで積み上げてきたものを見せつけたいというか、負けず嫌いな気持ちはずっと変わりません。

──今の若い選手たちに対して伝えたい、“KNEE選手を倒すために必要なこと”はなんですか?

KNEE:今日ご覧になった通り、最初の2ラウンドは苦戦していて、適応するまでの時間がかかりました。若い選手たちがもし僕に挑みたい・勝ちたいのであれば、そういう状況の中でもう少しパターンを多様化したり変えていったりしながら、錯乱させるような動きを多く取れば、自分も全然負ける可能性はあります。

実際に今日の決勝はいろいろと気合も入っていましたが、もしこれが予選だったら、そういう選手がいたら全然負けていたというのが正直な思いです。

──今後の目標についてお聞かせください。

KNEE:新しい『鉄拳』が出る頃には僕は多分50代を過ぎているでしょう。選手生活は厳しいかもしれません。そうなったら、自分が適応していくよりも、今後の選手たちの成長に努めていきたい。自分のノウハウや知識、そして経験を伝授していきながら、今後の選手たちの成長を見守っていきたいです。

昨年はいろいろつらい思いもしましたし、苦難がありましたが、今年は『鉄拳8』にも適応できました。次の「EWC」に関しては、どちらかというと余裕を持って臨みたいと思っています。


EVO Japan 2025 presented by レバテック
鉄拳8部門 リザルト(ベスト8)



優勝 KNEE
2位 Mulgold
3位 Mangja
4位 PINYA
5位 Meo-IL
5位 ULSAN
7位 Rangchu
7位 Shadow 20z

EVO Japan 2025 鉄拳8 リザルト(start.gg)
https://www.start.gg/tournament/evo-japan-2025-presented-by-levtech/event/evo-japan-2025-tekken-8

EVO Japan 2025 presented by レバテック
https://www.evojapan.gg/


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©︎EVO Japan 2025

 
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