静音式ボタンや着脱式レバーなど数々のヒット商品を生み出すアーケードパーツの老舗「三和電子」に聞く! (2/2)

2019.8.7 井ノ川結希(いのかわゆう)

持ち運びに便利!
大会出場者に向けた着脱式レバー


——アーケードスティックのパーツをさらに進化させるということで着脱式レバーが誕生しましたね。


三和:実はこれなんですよ。

営業部 第一課 コンシューマーチーム 主任の佐藤望さん。格ゲーユーザーが求めるニーズを常に考え、新しい技術を投入してきた

——えっ、そうなんですか? ぱっと見ではわかりませんね。

三和:透明のレバーカバーが土台と固定する役割を持っています。レバーカバーを押さえれば下の土台が固定されるので、ボールを回すことでレバーが外れる仕組みになっています。

通常のレバーとは異なり、レバーカバーがレバーの付け根で固定されている。このカバーを押さえながらレバーを回すことでボールとレバーを外すことができる

土台からレバーを外したあと、レバーカバーも抜き取ればご覧の通り

三和:海外製でワンタッチで取り外せるものがあるじゃないですか? それと比べるとちょっと面倒に見えるかもしれませんが、それぞれメリットとデメリットがあるんです。

海外製のものはシャフトの部分の形状が通常のものとは異なるので、操作に違和感を感じる人もいます。一方で弊社の着脱式レバーは、なるべく通常のレバーと同じような操作感を保つように設計しました。

レバーカバーの有効活用法!
ボールを固く締めたい場合は、シャフトの裏側にあるくぼみにマイナスドライバーを差し込んで、シャフトを固定してからボールを締めるといいのだが、出先で「マイナスドライバーを持っていない!」ってときにはレバーカバーを活用することでシャフトを固定できる。


もちろんレバーカバーは金属製ではないので過度に力を入れると破損の恐れがあるが、どうしてもという緊急時にはこういう使い方もできるのだ。

——「EVO 2019」などは日本人も多く参加されるので、そういった海外に遠征に行くプレイヤーにとっては、着脱式のレバーって需要がありそうですね。

三和:そうですね。このレバーの部分が出っ張っていることで、収納しづらいのがアーケードスティックの欠点でもあったので、レバーを外して平らにできることは持ち運びに便利かと思います。

——確か今年のEVO JAPANで販売されてましたよね。

三和:はい。想像していた以上に大反響でして、2日間で売り切ろうと思って持って行ったのですが、1日目に物販を開始してほどなくして売り切れてしまったんです。

そこで急きょジェット便で追加分を運んでもらって2日目も販売したのですが、そうしたら2日目は長蛇の列で、1時間足らずで売り切れてしまいました(笑)。

——確かに会場に来るプレイヤーってアーケードスティックを持ち歩くユーザーでしょうから、需要はありまくりですよね(笑)。

Twitterで話題沸騰中の
アーケードスティックがおしゃれに収納できるアケコンバッグ!


——新しい企画と言えば、三和さんの公式Twitterで紹介されていたアーケードコントローラーバッグは画期的ですよね。


三和
:遊び心のある社長の案でアーケードスティックバッグを作ることになったのですが、そこにネタ要素を入れ込んでアーケードスティックのボールの部分が飛び出すようにしたことがきっかけですね。

——確かに大会で見かけたら後ろからレバーをさわりたくなっちゃいますよね(笑)。

三和:そんな感じでネタになればいいかなと思って作ってみました(笑)。

この7月に入社したばかりという営業部 第一課の鈴木智之さんも『ブレイブルー』勢の格ゲーマー

Twitterの画像はバッグからボールが飛び出しているものしかありませんが、実はボールも収納できるようにはなっていて普通に使うこともできます。

——アクセントにしたいときは出すみたいな?

三和:そうですね(笑)。

実は収納力も相当あって、PlayStation 4のようなコンシューマーゲーム機と、アーケードスティックの両方を収納できるんです。アーケードスティックもほとんどのメーカーのものが収納できるようになっています。

PlayStation4とアーケードスティックを入れてもまだこれだけの余裕がある。大会や友だちの家など、ゲーム機を持ち歩く機会が多いプレイヤーには魅力的な収納力だ

——アーケードスティックを入れなくても普段使いでもよさそうですね。

三和:中は仕切りがあるので、使い道はいろいろありそうですね。小さなポーチもセットになっているのもポイントです。

三和マスコットキャラでもあるゾウのプリントが愛くるしい。ロゴの由来は諸説あり、創業社長がゾウ好きだった説、ゾウが踏んでも壊れないパーツを作るメーカーにしたい説、インド好きだった創業社長がインドでガネーシャを見てそこから思いついた説など……

——おおっ、本格的だ。実際に販売する予定はありますか?

三和:今のところ予定はしてないですね。限定的にイベントで販売する形になると思います。

——これは今度の東京ゲームショウが楽しみです! 本日はありがとうございました!


―――――

普段何気なく使っているレバーやボタン。そこには三和電子の技術や魅力がふんだんに詰まっていた。自分の思っていることをダイレクトにゲームのキャラクターに伝えるためのノウハウや発想は、開発者や技術者自身がゲーマーであるからこそのものだと取材をして感じることができた。そして細部にまで一切の妥協をせず、日々進化し続けている点は、さすが日本企業といったところだ。

これからも三和電子の技術に感謝するとともに、さらなる発展を期待したい。
次回は三和電子オリジナルのパーツで構成されたアーケードスティック「SANWA STANDARD ARCADE STICK for PS4 MoNo」のレビューを紹介していこう。


三和電子オフィシャルサイト:https://www.sanwa-d.co.jp/
三和電子Twitter:https://twitter.com/sanwadenshi

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