【「LJL 2025」情報第2弾】 「LJL FORGE」フォーマットが判明! 「LJL 2024」チームはシード扱い、3KRは事実上不可に

2024.11.12 宮下英之
合同会社ライアットゲームズは、2025年の『リーグ・オブ・レジェンド』の日本国内の競技シーン「League of Legends Japan League presented by PLAYBRAIN」(LJL)の最初の大会である「LJL FORGE」の概要を公式Xにて発表した。

LJL 2025」は、3つのオープン予選を経て「LJL FINAL TOURNAMENT」を行い、優勝した1チームがアジア太平洋リーグである「LCP」の入れ替え戦に挑めるというシステムだ。


その中で、2025年1月に開催される「LJL FORGE」は、
  • 最大64チームでの「オープン予選」(グループステージ・ブラケットステージ)
  • スイス形式による「メインステージ」
  • トーナメント形式による「ノックアウトステージ」
という流れで行われる。


「LJL FORGE」は「Worlds」などとほぼ同じシステムに


「LJL FORGE」の概要を見ると、2024年の「PCS」や国際大会「MSI」や「Worlds」などで行われてきたシステムとかなり近いものになっている。それぞれグループステージ、ブラケットステージ、メインステージ、ノックアウトステージという4段階で行われる。詳細をチェックしていこう。


グループステージ(シングルラウンドロビン)


「グループステージ」は、最大64チームによる最初の予選にあたる。8チーム×最大8グループで、グループごとに1回ずつ総当たり戦(シングルラウンドロビン)により各グループの上位2チーム=トップ16チームが勝ち上がる。「最大8つのグループ」とあることから、たとえば32チームだった場合に、4チーム×8グループとするのではなく、8チーム×4グループといったかたちで、グループ数を調整するかたちになるのだろう。


すべての試合はBo1(1ゲーム先取)のため、バンピックによるお互いの探り合いなども許されない。事前の相手チームと選手の情報などから、その場その場での対応力が求められることになる。そして、各グループから2チームずつが勝ち上がることになる。

ブラケットステージ(シングルエリミネーショントーナメント)


「ブラケットステージ」はBo3(2ゲーム先取)となるため、前の試合でのバンピックによる駆け引きも生まれる。ここから勝ち上がるチーム数は10〜16チームとされているが、これは次のメインステージから「LJL2024」に参戦していたチームがシード参加するためだろう。そのため、シングルエリミネーションとしながらも、Round 1で負けたチーム同士による試合で負けると完全に敗退してしまう「LOSERS ROUND」も用意されている。


また、次の「メインステージ」からは「LJL2024」に参戦していたチームのシードが確定している。「LJL 2024」に参戦していたのは、Fukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)、DetonatioN FocusMe(DFM)、Sengoku Gaming(SG)、V3 Esports(V3)、Burning Core TOYAMA(BCT)、AXIZ CREST(AXC)の6チーム。このうちSGHとDFMは「LCP」参戦権を持っているため、4チームとなる可能性が高い。

そのため、「ブラケットステージ」から勝ち上がれるのは最大でも10チームと書かれている。SHG、DFMが「LCP」参戦権を持ってはいるものの、これらのチームがそのままのかたちで参戦するかどうかも未定なため、幅のある書き方となっているのだろう。

メインステージ(スイス)


「メインステージ」は、「Worlds」などでもお馴染みとなったスイス形式。試合は再びBo1となり、メタ読みとチームの完成度が問われる戦いとなる。


スイス形式は、3勝を挙げたチームから勝ち抜けていくことになるため、2回までは負けることが許される。ただし、勝ち抜け・負け越しの試合もBo1のため(「Worlds」などではBo3)、一瞬で勝負がついてしまう可能性もある。勝ち抜けられるのは8チームだ。

順当に行けば「LJL」を戦い抜いてきた4チームが勝ち残ると予想されるが、裏を返せば新たなチームが4チーム登場することはほぼ確実。過去に「LJL」でプロとして活動していた選手などの参戦の可能性もあるかもしれない。

どんなチームが出てくるのか想像がつかないという意味では、2017年から開催されてきた「LJL」史上、最も予想ができないシーズンとも言える。ある程度固定されたチームにより運営されてきた「LJL」の勢力図が、2025年の「ブラケットステージ」からガラっと変わる可能性もある。

ノックアウトステージ(シングルエリミネーショントーナメント)


「ノックアウトステージ」は言い換えれば準々決勝(Round 1)・準決勝(Round 2)・決勝(Round 3)までのトーナメント。勝ち上がった8チームによるシングルエリミネーションで行われ、準決勝まではBo3、決勝はBo5(3ゲーム先取)となる。


ここからは純粋に強いチームが勝つということと、「ブラケットステージ」でどんな勝ち方をしてきたかによって、有利不利が変わってくる。

また、おそらく3勝0敗で抜けたチームは3勝2敗のチームと当たることが予想されるため、シンプルに有利になるはずだ。ただし、一度でも負ければどのチームでも敗退が決まってしまうということは、下克上が十分に狙えるステージとも言える。


日本人選手の育成フェーズへ。事実上の3KRチームは不可


「LJL FORGE」に出場できる選手の要件をまとめると、

個人
  • 身分証明書、国籍証明書類を提出できること
  • 2025年9月1日時点で17歳以上
  • 2020年以降にダイアモンド3以上、または大会等で実力が認められること
  • 大会のルールや行動規範を遵守すること

チーム
  • 登録選手のうち3名以上が日本国籍
  • 代表者が日本語でコミュニケーションできる

外国籍選手

  • 外国籍選手の登録は2名以下
  • 過去にIMP居住者認定された選手も外国籍選手扱い

これらの発表の中で最も衝撃だったのは、出場要件から過去のIMP居住者認定選手も外国籍選手とみなされるようになった点だろう。


LJL 2024 Summer Split」時点のIMP認定選手は、
  • DasheR(SHG)
  • Steal(DFM)
  • Gaeng(SG)
の3名。いずれも上位のチームで、事実上の3KR(3名の韓国人選手が所属する)だった。これが認められなくなるということだ。例えば、Gaeng選手は引き続き「LJL」に参戦すること自体は可能だが、日本人枠ではなくなるため、外国人選手はあとひとりしか登録できないことになる。

なお、試合を最低限行うためには5名の登録が必要だが、いずれも「選手」を指しており、「コーチ」などについては含まれていない。そのため、韓国人コーチが参加すること自体は問題ないと考えられる。また、「登録選手」としてサブも含めて6名以上のケースもあるが、外国籍選手は2名しか登録ができないとされているため、サブメンバーも含めて外国籍を持つ選手は最大2名までとされるようだ。

ただ、この点は新体制での「LJL」を考えると、SHGとDFMが「LCP」に挑戦するということから言えば、大きな問題にはならないかもしれない。外国で実力があってもなかなか参戦の機会がない若手選手が、「LJL」に来てその才能を開花するというケースもこれまでもあった。参戦チーム数の大幅な増加も行われることは確実なため、「LJL」の活性化と同時に、新たな才能の獲得がしやすくなったとも言えるかもしれない。


「LJL 2025」で日本リーグはリセットされる


2014年、2015年のプレシーズンを経て、2016年から本格的にスタートした「LJL」も、実質10年もの歴史を持つリーグとなっている。設立当時からすでにチーム体制は確立されており、メンバーの入れ替えなどはありつつも、大きなチームの入れ替えはなかった。

しかし、2025年はこれまでの「LJL」のチームとはまったく違ったチームが参戦することが、半ば強制的になっている。少なくとも「ノックアウトステージ」に参戦する8チームの中に、過去の「LJL」にいなかったチームが参戦することはほぼ確定しているからだ。

そして重要なのは、「LJL FORGE」は3回あるシーズンのうちの最初の1回に過ぎないということ。「ノックアウトステージ」の上位4チーム、つまり準決勝まで勝ち残ったチームは、そのまま3月に開催される「LJL STORM」へのシード権を獲得できることになるが、2024年までの「Spring」「Summer」という2スプリット制と異なり、優勝というわけではない。その意味では、2025シーズン全体を考えた時に、どのような順位で次のシーズンに進むかという長期的な視野も必要になってくるだろう。

長期的な視野という意味ではもうひとつ、ここまでの戦績に応じて付与される「チャンピオンシップポイント」も重要だ。「LJL FORGE」で8位でも、「LJL STORM」で1位であれば、年間を通じた「LJL FINALS」への挑戦の可能性は残される。ひとつひとつの試合をどのように戦い、勝たなければならない試合、負けても逆転が可能な試合などもしっかり踏まえた上で、年間を通した戦略が求められることになるだろう。

気になるのは、これまでの「LJL」が参戦チームを固定してきた理由のひとつでもある、ファイトマネー方式の報酬や賞金の行方だ。今回の「LJL FORGE」の発表の中にも、それぞれの賞金や参戦費用等の発表はまだなく、「LCP」入れ替え戦に挑戦できる1チーム以外の63チームへの分配金などの情報は聞こえてこない。この点については今後の情報が待たれる。

それと合わせて、既存の「LJL」チームが参戦するかどうか、その動向も気になるところだ。いまやeスポーツは『LoL』だけでなく、FPSやカードゲーム、非対称対戦ゲームなど、さまざまなジャンルで展開されている。さらに、新たな覇権を目指すタイトルも続々登場してきている。「LJL」のレギュラーチームもそれぞれにさまざまなゲームの部門を持っており、『LoL』以外のタイトルに注力することも考えられる。

さらに、これまで「LJL」の人気を支えてきた実況配信やオフライン大会については、少なくとも「LJL FORGE」のオープン予選などの段階では難しいことは理解できるが、既存の「LJL」と同様に配信を行うとなるとどこからになるのかも気になるところだ。

これだけの数の試合を1月〜3月まででこなすとなれば、メインステージ以降からということにもなるかもしれない。ただ、今回から「LJL」の大会名には「presented by PLAYBRAIN」という名前も追加されている点で、期待が持てる。

プレイブレーンはこれまで「LJL」の配信などを一手に担当してきた会社でもあり(2024年の「LJL」は「PCS」側がメインで運営していた)、以前のようなきめ細やかな配信が楽しめるようになると期待できる。どの程度の時間の配信になるのか、オフライン大会は実現されるのかとといった部分も気になるところだが、きっとファンがより楽しめるものになるだろう。

2025年の最初のシーズンである「LJL FORGE」の発表だけではあるものの、まだまだ期待と不安が入り混じっている「LJL 2025」。続報を期待して待ちたい。


なお、「LJL FORGE」への参戦募集は、2024年11月〜2025年1月5日までとされている。応募フォーム等は追って発表されるとのことだ。


LJL 公式 X:https://twitter.com/Official_LJL
LoL Esports Japan 公式 X:https://twitter.com/lolesports_jp
LoL Esportsのサイト:https://lolesports.com/news


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