【特集】eスポーツ大会を開催しよう!
【特集:eスポーツ大会を開催しよう!】第三回 いよいよ大会本番!大会直前~当日までの流れを確認しよう!
皆様こんにちは!
【特集:eスポーツ大会を開催しよう!】も第3回目となりました。前回は運営体制の確保や大会の告知、エントリーフォームやスポンサーの募集など、大会を開くのに必要な環境の整備についてご紹介をしていきました。
今回はいよいよ大会本番に向けて、直前から当日までの流れを説明していきます。今回の内容で大会までの流れは完了となりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
大会を開くための環境が整い、いよいよ大会当日に向けた具体的な準備となります。当日のトラブルを避けるため、事前にきちんと準備を行っていきましょう。
大会の直前での準備として、まず大会参加者との連絡を行うためのコミュニケーションツールの準備を行います。ツールはいくつかありますが、eスポーツ界隈では、Discordというコミュニケーションツールが一般的かと思います。
Discord:
https://discord.com/
Discordはチャット機能と通話機能があり、用途によりチャンネルを分けて使用することで、運営のみ書き込みが行えるチャンネルや参加者が問い合わせやコミュニケーションを行うためのチャンネルを作成し、権限を分けて運用が行えます。
また、通話機能のチャンネルをチームごとに作成し、当日のチーム内でのボイスチャットにも使用していただくことで、参加者の管理や不正の防止が行いやすくなります。
参考までに筆者が第14回時貞杯用にDiscordで作成したサーバーはこんな感じです。
運営用に大会概要の説明やチーム表のチャンネル、参加者コミュニケーション用のチャンネル等、権限を分けて作成しました。Discordのサーバーを作成したら、参加者の招待を行い、サーバーへの参加状況の確認を行います。
エントリーフォームにて収集した参加者への連絡方法を使用し、サーバーの招待URLを連絡する方法や、先着順での募集であればエントリーフォームの受付完了時に招待URLを送るようにしてもいいかと思います。
招待連絡を見落としている方も結構いるので、招待時には参加期限を設けておくのをおすすめします。参加期限を設けていないと、別の方に参加していただくかの判断をするタイミングが難しく、のちのちトラブルになる可能性があります。
また、Discord内への参加状況の確認について、チームリーダーが取りまとめるルールにするなど、簡易的に管理ができるようにしておくと負荷が少なくなると思います。例えば『Apex Legends』ですと、60人の参加確認が必要になりますが、チームリーダーがメンバーがそろったことを報告する形にすれば20チームの確認で済みます。
ルールの周知についても端的にわかりやすく、募集時と変更があった場合には念入りに説明をするようにしましょう。参加者からの不明点を減らすことで質問対応の負荷を減らし、お互いのストレスを軽減できます。
時貞杯では、使用するマップや終了予定時間などよくある質問については事前に概要にも記載を行うようにし、チームのポイント制限など大会特有の制限ルールがある場合にはチーム組みのパターン例をあげるなど、できるだけわかりやすく伝わるように工夫しました。
ここまで来たら大会の内容もだいぶ固まっていると思います。当日の進行がスムーズに行くようにタイムテーブルの作成を行いましょう。
慣れていればタイムテーブルがなくても差し支えないですが、特に複数の運営者にて大会を行う場合は、当日の流れがまとまっていないと無駄な待ち時間や段取り間違いが起きて、参加者の大会への印象がかなり悪くなってしまいます。
より大会をスムーズに運営できるよう、出場者の紹介や試合ごとの時間配分なども考慮してタイムテーブルを作っておきましょう。
参考までに以前使用したタイムテーブルはこんな感じでした。
この時は複数の予選の実況解説や参加が入り組んでいたので、誰がどちらのマッチで対応を行っているかがわかるように管理をしていました。こういったタイムテーブルを運営陣で共有しておき、常に今何が起きているのかを把握できるようにしておくことが大切です。
参加者メンバーがそろってきたら、テストマッチを実施しましょう。テストマッチとは、大会の予選や本戦とは別に、より大会の形式に近い形で試験的に試合を行うものです。進行の粗出し、参加者へのルール周知、運営と参加メンバーのコミュニケーション、などを目的に実施していきます。
テストマッチについては、大会概要発表時に日程に組み込んでいてもいいですし、適当に日程を決めて集まれるメンバーで行ってもいいです。ただし、ルールが複雑な場合や、進行が心配な場合は、あらかじめ日程に組み込んで、全員参加に近い形で開催を行うのがいいと思います。
ここまでできちんと準備できていると、テストマッチもとっても楽しい物になると思いますが、問題点が出たようであれば本番までに改善していきましょう。
さあ、いよいよ当日までの準備が整いました、わくわく楽しい大会本番です。ですが、どうしても当日のトラブルというのはつきものです。私が大会を開催した際にも例えば以下のようなエラーがありました。
「参加者が来ない」については、大勢で行うゲームですとどうしても避けられません。急な病気やお仕事の都合、寝坊なんてパターンもありました。こういったイレギュラーの対応について大事なのは、トラブルに対する対応の一貫性と、ある程度の透明性かと思います。
例えば、一般参加の方が急な都合で来られなくなった場合にはメンバー入れ替えを認めず、仲のいい方が寝坊した際に代打をOKにする——など、平等性を欠いたような対応をすると、参加者の不満になり大会の信頼性を損なわれることになります。
大会のルールに沿って対応を行うことが大事ですし、入れ替えの可否など思いつくことは事前にルールとして決めておいてもいいかも知れません。
ちなみに時貞杯で参加者が来ない場合は、より競技志向に強い開催回の場合は入れ替えを不可として予定通り進行を行い、エンジョイ志向の強い開催回の場合には飛び入り参加も認めて行っていました。
「ルール違反」については、他参加者からの情報提供があり発覚するパターンが多いです。この場合、きちんと事実確認を行った上で対応を行うことをおすすめします。筆者が以前開催した大会でもランク制限の大会でポイントオーバーといったことがあり、本人たちへの事実確認の上で失格にしたことがありました。
「鯖落ち(サーバーダウン)」については、全体が落ちる場合と一部の参加者が落ちてしまう場合があります。例えばゲーム全体がサーバークラッシュなどで正常な進行が行えない場合、進行中の試合を無効として上で再試合を行います。
次に一部の参加者だけがサーバーダウンにより試合に参加できなくなった場合は、例えば、3分経過までに3人以上回線落ちしたら再試合、などと対応を決めておくといいでしょう。ほかの大会でのルールも参考にしながら、大会の方針を決めておきましょう。
ちなみに時貞杯では明確な定義を定めずに、運営が進行困難と判断した場合に再試合としてます。参加者との信頼関係や大会の位置づけなどを考慮して判断しましょう。
3回にわたってeスポーツ大会の開催についてお伝えしてまいりました。個人での大会開催はなかなか大変な部分も多いですが、新しい出会いもたくさんありますし、終わった時の達成感も得られますし、何よりとっても楽しいです。どんなきっかけであれ大会を開催してみたい、と思われた方にとって、この記事が少しでも参考になるとうれしいです。
【特集:eスポーツ大会を開催しよう!】も第3回目となりました。前回は運営体制の確保や大会の告知、エントリーフォームやスポンサーの募集など、大会を開くのに必要な環境の整備についてご紹介をしていきました。
今回はいよいよ大会本番に向けて、直前から当日までの流れを説明していきます。今回の内容で大会までの流れは完了となりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
大会直前~当日まで
大会を開くための環境が整い、いよいよ大会当日に向けた具体的な準備となります。当日のトラブルを避けるため、事前にきちんと準備を行っていきましょう。
コミュニケーションツールの整備・参加者確認・ルール周知
大会の直前での準備として、まず大会参加者との連絡を行うためのコミュニケーションツールの準備を行います。ツールはいくつかありますが、eスポーツ界隈では、Discordというコミュニケーションツールが一般的かと思います。
Discord:
https://discord.com/
Discordはチャット機能と通話機能があり、用途によりチャンネルを分けて使用することで、運営のみ書き込みが行えるチャンネルや参加者が問い合わせやコミュニケーションを行うためのチャンネルを作成し、権限を分けて運用が行えます。
また、通話機能のチャンネルをチームごとに作成し、当日のチーム内でのボイスチャットにも使用していただくことで、参加者の管理や不正の防止が行いやすくなります。
参考までに筆者が第14回時貞杯用にDiscordで作成したサーバーはこんな感じです。
運営用に大会概要の説明やチーム表のチャンネル、参加者コミュニケーション用のチャンネル等、権限を分けて作成しました。Discordのサーバーを作成したら、参加者の招待を行い、サーバーへの参加状況の確認を行います。
エントリーフォームにて収集した参加者への連絡方法を使用し、サーバーの招待URLを連絡する方法や、先着順での募集であればエントリーフォームの受付完了時に招待URLを送るようにしてもいいかと思います。
招待連絡を見落としている方も結構いるので、招待時には参加期限を設けておくのをおすすめします。参加期限を設けていないと、別の方に参加していただくかの判断をするタイミングが難しく、のちのちトラブルになる可能性があります。
また、Discord内への参加状況の確認について、チームリーダーが取りまとめるルールにするなど、簡易的に管理ができるようにしておくと負荷が少なくなると思います。例えば『Apex Legends』ですと、60人の参加確認が必要になりますが、チームリーダーがメンバーがそろったことを報告する形にすれば20チームの確認で済みます。
ルールの周知についても端的にわかりやすく、募集時と変更があった場合には念入りに説明をするようにしましょう。参加者からの不明点を減らすことで質問対応の負荷を減らし、お互いのストレスを軽減できます。
時貞杯では、使用するマップや終了予定時間などよくある質問については事前に概要にも記載を行うようにし、チームのポイント制限など大会特有の制限ルールがある場合にはチーム組みのパターン例をあげるなど、できるだけわかりやすく伝わるように工夫しました。
タイムテーブルの作成
ここまで来たら大会の内容もだいぶ固まっていると思います。当日の進行がスムーズに行くようにタイムテーブルの作成を行いましょう。
慣れていればタイムテーブルがなくても差し支えないですが、特に複数の運営者にて大会を行う場合は、当日の流れがまとまっていないと無駄な待ち時間や段取り間違いが起きて、参加者の大会への印象がかなり悪くなってしまいます。
より大会をスムーズに運営できるよう、出場者の紹介や試合ごとの時間配分なども考慮してタイムテーブルを作っておきましょう。
参考までに以前使用したタイムテーブルはこんな感じでした。
この時は複数の予選の実況解説や参加が入り組んでいたので、誰がどちらのマッチで対応を行っているかがわかるように管理をしていました。こういったタイムテーブルを運営陣で共有しておき、常に今何が起きているのかを把握できるようにしておくことが大切です。
テストマッチの実施
参加者メンバーがそろってきたら、テストマッチを実施しましょう。テストマッチとは、大会の予選や本戦とは別に、より大会の形式に近い形で試験的に試合を行うものです。進行の粗出し、参加者へのルール周知、運営と参加メンバーのコミュニケーション、などを目的に実施していきます。
テストマッチについては、大会概要発表時に日程に組み込んでいてもいいですし、適当に日程を決めて集まれるメンバーで行ってもいいです。ただし、ルールが複雑な場合や、進行が心配な場合は、あらかじめ日程に組み込んで、全員参加に近い形で開催を行うのがいいと思います。
ここまでできちんと準備できていると、テストマッチもとっても楽しい物になると思いますが、問題点が出たようであれば本番までに改善していきましょう。
当日のイレギュラー対応
さあ、いよいよ当日までの準備が整いました、わくわく楽しい大会本番です。ですが、どうしても当日のトラブルというのはつきものです。私が大会を開催した際にも例えば以下のようなエラーがありました。
- 参加者が来ない
- ルール違反
- 鯖落ち(サーバーダウン)
「参加者が来ない」については、大勢で行うゲームですとどうしても避けられません。急な病気やお仕事の都合、寝坊なんてパターンもありました。こういったイレギュラーの対応について大事なのは、トラブルに対する対応の一貫性と、ある程度の透明性かと思います。
例えば、一般参加の方が急な都合で来られなくなった場合にはメンバー入れ替えを認めず、仲のいい方が寝坊した際に代打をOKにする——など、平等性を欠いたような対応をすると、参加者の不満になり大会の信頼性を損なわれることになります。
大会のルールに沿って対応を行うことが大事ですし、入れ替えの可否など思いつくことは事前にルールとして決めておいてもいいかも知れません。
ちなみに時貞杯で参加者が来ない場合は、より競技志向に強い開催回の場合は入れ替えを不可として予定通り進行を行い、エンジョイ志向の強い開催回の場合には飛び入り参加も認めて行っていました。
「ルール違反」については、他参加者からの情報提供があり発覚するパターンが多いです。この場合、きちんと事実確認を行った上で対応を行うことをおすすめします。筆者が以前開催した大会でもランク制限の大会でポイントオーバーといったことがあり、本人たちへの事実確認の上で失格にしたことがありました。
「鯖落ち(サーバーダウン)」については、全体が落ちる場合と一部の参加者が落ちてしまう場合があります。例えばゲーム全体がサーバークラッシュなどで正常な進行が行えない場合、進行中の試合を無効として上で再試合を行います。
次に一部の参加者だけがサーバーダウンにより試合に参加できなくなった場合は、例えば、3分経過までに3人以上回線落ちしたら再試合、などと対応を決めておくといいでしょう。ほかの大会でのルールも参考にしながら、大会の方針を決めておきましょう。
ちなみに時貞杯では明確な定義を定めずに、運営が進行困難と判断した場合に再試合としてます。参加者との信頼関係や大会の位置づけなどを考慮して判断しましょう。
大会のアーカイブを残す
今後大会を継続的に開催したい、実績として過去の大会を残しておきたい、という方は大会をアーカイブとして残しておきましょう。特にTwitchを使用して大会を配信する場合、アーカイブの保存期間があるため注意が必要です。Twitchでアーカイブを残す場合、まずは「過去の配信を保存する」を有効にしておく必要があります。
この設定を有効にしている状態でも、保存される有効期限が決まっているので、期限が切れて削除される前に別途対応を行う必要があります。
アーカイブの保存期間は原則として14日間です。パートナー、Turboユーザー、Primeユーザーの場合は保存期間が60日間まで延長されます。Amazonプライム会員の方は他にもいろいろと特典がありますので、忘れずにTwitchとの紐づけを行っておきましょう。
アーカイブを保存するには、ダウンロード機能を使用するのが確実かと思います。上記の配信メニューからコンテンツ→ビデオプロデューサーと進み、対象のコンテンツを選択して、「ダウンロード」を選択しましょう。
また、上記の画面から「ダイジェスト」を作成したり、YouTubeへの「エクスポート」を実施してもコンテンツを残しておくことが可能になります。
私はこれをおろそかにしていたため、過去の大会の様子がほとんどなくなってしまいました……。大会開催時にはそれほど必要ではないと思っていても、念のため残しておくことをオススメします。また、動画の保存が問題なく行えるかは、事前にテストを行っておきましょう。
今後大会を継続的に開催したい、実績として過去の大会を残しておきたい、という方は大会をアーカイブとして残しておきましょう。特にTwitchを使用して大会を配信する場合、アーカイブの保存期間があるため注意が必要です。Twitchでアーカイブを残す場合、まずは「過去の配信を保存する」を有効にしておく必要があります。
この設定を有効にしている状態でも、保存される有効期限が決まっているので、期限が切れて削除される前に別途対応を行う必要があります。
アーカイブの保存期間は原則として14日間です。パートナー、Turboユーザー、Primeユーザーの場合は保存期間が60日間まで延長されます。Amazonプライム会員の方は他にもいろいろと特典がありますので、忘れずにTwitchとの紐づけを行っておきましょう。
アーカイブを保存するには、ダウンロード機能を使用するのが確実かと思います。上記の配信メニューからコンテンツ→ビデオプロデューサーと進み、対象のコンテンツを選択して、「ダウンロード」を選択しましょう。
また、上記の画面から「ダイジェスト」を作成したり、YouTubeへの「エクスポート」を実施してもコンテンツを残しておくことが可能になります。
私はこれをおろそかにしていたため、過去の大会の様子がほとんどなくなってしまいました……。大会開催時にはそれほど必要ではないと思っていても、念のため残しておくことをオススメします。また、動画の保存が問題なく行えるかは、事前にテストを行っておきましょう。
まとめ
3回にわたってeスポーツ大会の開催についてお伝えしてまいりました。個人での大会開催はなかなか大変な部分も多いですが、新しい出会いもたくさんありますし、終わった時の達成感も得られますし、何よりとっても楽しいです。どんなきっかけであれ大会を開催してみたい、と思われた方にとって、この記事が少しでも参考になるとうれしいです。
【時貞 プロフィール】
40歳を超えてからTwitchでゲーム配信活動を開始。『フォートナイト』や『Apex Legends』などで「時貞杯」というエンジョイ大会を個人で開催している。ゲームはオールジャンル好きだがどれも初心者の域を抜け出せない。
Twitter:@gogogoqcom
40歳を超えてからTwitchでゲーム配信活動を開始。『フォートナイト』や『Apex Legends』などで「時貞杯」というエンジョイ大会を個人で開催している。ゲームはオールジャンル好きだがどれも初心者の域を抜け出せない。
Twitter:@gogogoqcom
【特集】eスポーツ大会を開催しよう!
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