【連載】Good 8 Squad カワノ備忘録
東京進出とオフ対戦会に明け暮れた日々の話【連載・Good 8 Squad カワノ備忘録 第2回】
はいどうもこんにちは、カワノです。
今回は連載の話に入る前に少しだけ、1月21日にグランドファイナルが行われた「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2022」(SFL2022)と、2月13日〜20日にかけて予定されている「CAPCOM CUP IX」について少しだけ話したいと思います。
まず、「SFL」では僕が所属するチーム「Good 8 Squad」が優勝することができました。たくさんの応援ありがとうございました。
個人的に今年の「SFL」は“挑戦に次ぐ挑戦”という言葉が当てはまりました。コーリンからルシアへ、ルシアからルークへ。本当に疲れました。
と同時に、自信もつきました。自キャラが弱くなったとしても他のキャラで頑張れる。これはそっくりそのまま『ストリートファイター6』移行への自信にもつながりました。
正直なところプレッシャーは多大なるものでした。ただ、「SFL」が始まった日から「グランドファイナル」の日まで、僕は「G8S」が優勝するイメージを崩したことはありませんでした。
絶対に優勝できる、絶対に勝てるというイメージのまま最終日を迎えられたということは、それだけの努力の裏付けがあったんだろうなと今になって思います。
努力はそのまま結果には結びつかないということを、僕は他の人よりかは知っているつもりです。だからこそ、今回の結果は素直にうれしかったです。
そして「CC」についてですが、正直まだどのキャラを使うかも決めていません。まぁやれることはやりたいなと思っています(笑)。
一応「トパンガリーグ」「EVO」「SFL」と獲ってきているんで、あとは「CC」を獲ればさすがに“ゲームクリア”だと思うんですよね。最後「CC」を獲って、有終の美を飾りたいと思います。
さて、連載の話にいきましょう。
前回は、のちに「Good 8 Squad」のマネージャーになるAさん、ガチくんとの出会いなどを経て、いよいよ東京へ向かうところまででした。その生活は『ストリートファイターV』一色。バイトもせず最低限の生活さえできればいいと、ひたすらオフライン対戦会に明け暮れる日々が始まりました(ここまでの経緯は第1回を読んでみてください)。
まずは寝るところ、住むところですが、Aさんと連絡をとって「Aさんが借りている東京の事務所に住ませてください」と頼み込みました。その時に「僕がちゃんと実績とかを残して強いプレイヤーになったら、僕をチームに雇ってください」とも言いました。
そこで決まったことが、
海外大会に関しては、それまで結果が出たことがなかったので(よしもとGamingプロ選抜に選ばれて参戦した「EVO 2018」で325位とか)TOP8に入れるかはわからなかったんですけど、あの東京のオフ対戦会の環境で努力すれば絶対に結果はついてくると思ってました。
そして、東京に行くことが決まりました。
東京に着いて一番最初に食った飯は、ぶぶか油そばのカップ麺でした。なぜかいまだに覚えてます。あれ、美味しいですよね。追加でマヨネーズぶち込むとたまらないですよね。
そして意気揚々と本来の目的であったプロのオフ対戦会に臨むわけですが、もう負けに負けまくる。5先ルールで回してるんですけど、ずっと誰と対戦しても0-5で負けるっていう有様でした。
当時の参加メンバーはそこまで覚えていませんが、りゅうせいさん、藤村さん、ときどさん、ウメハラさん、ガチくん、ネモさんあたりはほぼ毎日いた気がします。同年代のShutoはまだ大学が忙しかったのか対戦会に来ることはそんなになかったので、おそらく僕が一番年下の環境でした。
じゃあ居心地が悪かったのかというとそうではなく、かなり皆さん親しみやすく接してくれました。僕自身もそもそも学生の時から年上の方と接する事が多かったため、そこにやりづらさは感じませんでした。
対戦が終わるごとに「こういうことをやってみたのだけど、どうでしたか?」とか、「あの技ってどういうふうに返すべきなんですか?」とか対戦してくれた相手に聞きまくっていました。「どうやったら勝てますかね?」とか抽象的な質問は避けるように心がけていました。それは質問された側も困るし、僕にとってもタメにならないなと思っていたんで、できるだけ具体的な質問を毎回していました。
で、オフ対戦会って自分が強ければ相手側から対戦を誘われますけど、自分が弱かったらやっぱり僕側から対戦を誘うんですよ。でもその頃の僕って、毎回毎回0-5で負け続けて超弱いし、なおかつ毎回質問してたんで超めんどくさいヤツだったと思うんですよね。
でもみんな嫌な顔せずに対戦してくれました。正直めんどくさいと感じてた人もいると思います。俺がされてもちょっとめんどくさいなって思いますもん(笑)。本当にこんな超弱くてめんどくさいやつと対戦してくれて、今思い返しても感謝しかないです。
普通だったらちょっと遠慮がちになる場面ではあると思うんですけど、当時の自分に遠慮する余裕とかはなかったので、とにかく毎日オフ対戦会が始まる昼12時くらいに行って、終わる夜21時ごろに帰ってました。
そしてオフ対戦会から帰ってきたらオンラインでレアキャラ対策をしていました。当時のオフ対戦会って少数精鋭だったんで、対戦するキャラがある程度かぶっちゃうんですよね。なので対策漏れを防ぐためにも、オンラインでいろんなキャラの方たちと対戦していました。本当にゲーム三昧でしたね。
みなさんが気になる生活費はどうしていたのかというと、飲みに行った後のタクシー代でした。当時からウメハラさんによく飲みに連れていってもらっていて、基本的に終電がなくなった後に飲みが終わっていたため、帰りにタクシー代をもらっていました。
このタクシー代が本当にありがたくて、本人には言わずに隠れてタクシー使わずに、駅で始発まで待って電車で帰ってました。あのタクシー代がなかったら生活できてなかったと思います。
今思えば、ここまでウメハラさんに良くしてもらえたのは僕にやる気があったからかなと。何かの記事でウメハラさんが「やる気があるやつの近くにいるべき」といったことをおっしゃっていたので、それが理由なのかなと思っています。
事務所に住まわせてもらっていたAさんも、基本大阪に住んでるんですけど、たまに東京の事務所に来ることがあって、その時よくコンビニとかにパシられるんですが、そのコンビニ代のお釣りとかをもらってました。
このおかげで、最低限の生活ではあると思うんですが、ちゃんと暮らすことができていました。
バイトをする選択肢もあるっちゃあったんですけど、最低限でも生活できてるんなら、残りの時間はバイトじゃなくてゲームに全振りするべきだなと思って、やっていませんでした。
そんなこんなで東京での生活が始まっていきました。
次回はいよいよ海外大会に出始めた頃の話です。ここからが挫折の連続だったと思います。ご期待ください。
(続く)
カワノのTwitter:https://twitter.com/kawanoChannn
カワノ|Good 8 Squad:https://good8squad.com/
SFL カワノ:https://sf.esports.capcom.com/player/kawano/
今回は連載の話に入る前に少しだけ、1月21日にグランドファイナルが行われた「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2022」(SFL2022)と、2月13日〜20日にかけて予定されている「CAPCOM CUP IX」について少しだけ話したいと思います。
「SFL2022」優勝と「CAPCOM CUP IX」に向けて
まず、「SFL」では僕が所属するチーム「Good 8 Squad」が優勝することができました。たくさんの応援ありがとうございました。
個人的に今年の「SFL」は“挑戦に次ぐ挑戦”という言葉が当てはまりました。コーリンからルシアへ、ルシアからルークへ。本当に疲れました。
と同時に、自信もつきました。自キャラが弱くなったとしても他のキャラで頑張れる。これはそっくりそのまま『ストリートファイター6』移行への自信にもつながりました。
正直なところプレッシャーは多大なるものでした。ただ、「SFL」が始まった日から「グランドファイナル」の日まで、僕は「G8S」が優勝するイメージを崩したことはありませんでした。
絶対に優勝できる、絶対に勝てるというイメージのまま最終日を迎えられたということは、それだけの努力の裏付けがあったんだろうなと今になって思います。
努力はそのまま結果には結びつかないということを、僕は他の人よりかは知っているつもりです。だからこそ、今回の結果は素直にうれしかったです。
そして「CC」についてですが、正直まだどのキャラを使うかも決めていません。まぁやれることはやりたいなと思っています(笑)。
一応「トパンガリーグ」「EVO」「SFL」と獲ってきているんで、あとは「CC」を獲ればさすがに“ゲームクリア”だと思うんですよね。最後「CC」を獲って、有終の美を飾りたいと思います。
東京生活のために交わした約束
さて、連載の話にいきましょう。
前回は、のちに「Good 8 Squad」のマネージャーになるAさん、ガチくんとの出会いなどを経て、いよいよ東京へ向かうところまででした。その生活は『ストリートファイターV』一色。バイトもせず最低限の生活さえできればいいと、ひたすらオフライン対戦会に明け暮れる日々が始まりました(ここまでの経緯は第1回を読んでみてください)。
まずは寝るところ、住むところですが、Aさんと連絡をとって「Aさんが借りている東京の事務所に住ませてください」と頼み込みました。その時に「僕がちゃんと実績とかを残して強いプレイヤーになったら、僕をチームに雇ってください」とも言いました。
そこで決まったことが、
- 東京の事務所に住まわせてもらうこと
- 収益の分配などを決めたマネジメント契約
- 海外大会に3回行かせてもらえること(TOP8に入るごとにもう1回、海外大会に行かせてもらえる)
海外大会に関しては、それまで結果が出たことがなかったので(よしもとGamingプロ選抜に選ばれて参戦した「EVO 2018」で325位とか)TOP8に入れるかはわからなかったんですけど、あの東京のオフ対戦会の環境で努力すれば絶対に結果はついてくると思ってました。
そして、東京に行くことが決まりました。
東京に着いて一番最初に食った飯は、ぶぶか油そばのカップ麺でした。なぜかいまだに覚えてます。あれ、美味しいですよね。追加でマヨネーズぶち込むとたまらないですよね。
オフ対戦会漬けの日々
そして意気揚々と本来の目的であったプロのオフ対戦会に臨むわけですが、もう負けに負けまくる。5先ルールで回してるんですけど、ずっと誰と対戦しても0-5で負けるっていう有様でした。
当時の参加メンバーはそこまで覚えていませんが、りゅうせいさん、藤村さん、ときどさん、ウメハラさん、ガチくん、ネモさんあたりはほぼ毎日いた気がします。同年代のShutoはまだ大学が忙しかったのか対戦会に来ることはそんなになかったので、おそらく僕が一番年下の環境でした。
じゃあ居心地が悪かったのかというとそうではなく、かなり皆さん親しみやすく接してくれました。僕自身もそもそも学生の時から年上の方と接する事が多かったため、そこにやりづらさは感じませんでした。
対戦が終わるごとに「こういうことをやってみたのだけど、どうでしたか?」とか、「あの技ってどういうふうに返すべきなんですか?」とか対戦してくれた相手に聞きまくっていました。「どうやったら勝てますかね?」とか抽象的な質問は避けるように心がけていました。それは質問された側も困るし、僕にとってもタメにならないなと思っていたんで、できるだけ具体的な質問を毎回していました。
で、オフ対戦会って自分が強ければ相手側から対戦を誘われますけど、自分が弱かったらやっぱり僕側から対戦を誘うんですよ。でもその頃の僕って、毎回毎回0-5で負け続けて超弱いし、なおかつ毎回質問してたんで超めんどくさいヤツだったと思うんですよね。
でもみんな嫌な顔せずに対戦してくれました。正直めんどくさいと感じてた人もいると思います。俺がされてもちょっとめんどくさいなって思いますもん(笑)。本当にこんな超弱くてめんどくさいやつと対戦してくれて、今思い返しても感謝しかないです。
普通だったらちょっと遠慮がちになる場面ではあると思うんですけど、当時の自分に遠慮する余裕とかはなかったので、とにかく毎日オフ対戦会が始まる昼12時くらいに行って、終わる夜21時ごろに帰ってました。
そしてオフ対戦会から帰ってきたらオンラインでレアキャラ対策をしていました。当時のオフ対戦会って少数精鋭だったんで、対戦するキャラがある程度かぶっちゃうんですよね。なので対策漏れを防ぐためにも、オンラインでいろんなキャラの方たちと対戦していました。本当にゲーム三昧でしたね。
生活費のメインはウメハラさんからのタクシー代
みなさんが気になる生活費はどうしていたのかというと、飲みに行った後のタクシー代でした。当時からウメハラさんによく飲みに連れていってもらっていて、基本的に終電がなくなった後に飲みが終わっていたため、帰りにタクシー代をもらっていました。
このタクシー代が本当にありがたくて、本人には言わずに隠れてタクシー使わずに、駅で始発まで待って電車で帰ってました。あのタクシー代がなかったら生活できてなかったと思います。
今思えば、ここまでウメハラさんに良くしてもらえたのは僕にやる気があったからかなと。何かの記事でウメハラさんが「やる気があるやつの近くにいるべき」といったことをおっしゃっていたので、それが理由なのかなと思っています。
事務所に住まわせてもらっていたAさんも、基本大阪に住んでるんですけど、たまに東京の事務所に来ることがあって、その時よくコンビニとかにパシられるんですが、そのコンビニ代のお釣りとかをもらってました。
このおかげで、最低限の生活ではあると思うんですが、ちゃんと暮らすことができていました。
バイトをする選択肢もあるっちゃあったんですけど、最低限でも生活できてるんなら、残りの時間はバイトじゃなくてゲームに全振りするべきだなと思って、やっていませんでした。
そんなこんなで東京での生活が始まっていきました。
次回はいよいよ海外大会に出始めた頃の話です。ここからが挫折の連続だったと思います。ご期待ください。
(続く)
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