【インタビュー】misaya「早く楽になりたかった」——IGLを支えたYuran、そして全員でつかんだQT DIG∞悲願の日本一
- 「ステージで見た光景は一生忘れない」——RCとの激戦の末、ついに掴んだ日本一の座
- 自身のピックマップを大差で落としたQTD、その時のチームの雰囲気は?
- 「ここからがボーナスステージ」——misayaの今後の選手生活の進退について
- misaya選手の約5年間の軌跡——移籍をせずQTDに残りつづけたワケ
- 世界を戦ったYuranの持つ圧倒的な強みは「ふてぶてしさ」
- 「三笘薫くらい全盛期」——あのスーパープレーから感じるmisayaの勢い
- 「一番緊張する」——IGL・misayaが背負った決勝の重圧
- 「このメンツで1日でも長くやりたい」——日本一を取ったチームの目指す先とは
『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2026 Season Finals」の準決勝・決勝戦が、7月25日(土)~26日(日)にかけて開催された。REJECT(RC)、IGZIST(IGZ)、QT DIG∞(QTD)、FENNEL(FL)の国内の強豪チームが白熱した試合を見せ、会場を大いに盛り上げた。

26日の決勝戦では、前日の勝者同士が相対する「RC対QTD戦」が行われた。1マップ目はQTD側のピックマップでもありながら、4-13というスコアでRCが圧勝。QTDが劣勢かのように思われたが、続く2マップ目は13-10でQTDが見事勝利した。その後もお互い譲らぬ攻防が続き、試合はついに5マップ目までもつれこんだ。

結果は、13-11という僅差でQTDが勝利。Main Stageから無敗のRCを打ち倒し、念願の日本一の座を手にすることとなった。

今回はそんなQTDから、長年同チームを牽引してきたmisaya(みさや)選手、そしてZETAアカデミー出身で、Pacificリーグへの出場経験をも持つ、Yuran(ゆらん)選手がインタビューに応じてくれた。試合直後の興奮冷めやらぬ中、チーム間や試合中のさまざまな裏話をうかがう。

——まずは優勝おめでとうございます!
misaya・Yuran:ありがとうございます!
——今の率直な感想をお聞かせください。
misaya:そうですね……率直な感想を聞かれるのは500回目くらいなんですけど——。
——(笑)。
misaya:もう本当にうれしいですね。このステージで見た光景は一生忘れないだろうなって思います。本当にありがとうございます。
Yuran:このメンツで初優勝できて良かったです。それだけですね。
——優勝の実感はありますか?
misaya:実はあんまなくて。なんか泣いたな、って感じですね。うれしかったから、条件反射的に泣いちゃったんでしょうね。

——過去のインタビューでも、「Sengoku Gaming(改名前のチーム名)は日本一になれるチーム」だと話していましたが、特に今回のチームに関してはどのように思いますか?
参考記事:【SG Misaya選手インタビュー】プレーは負けていなかった、差は日本一というプライドだけ——SGブース突撃インタビュー!
misaya:なにもかもが高水準ですね。やりたいことを言ったら、それらを全部やってくれるし、やりたいことがあったら、それも言ってくれるし。本当にいいチームメイトに恵まれているなと思います。

——Yuran選手から見て、ご自身やチーム全体のパフォーマンスはどうでしたか?
Yuran:僕のパフォーマンスは、1マップ目が本当に悔しかった。それさえなければ、もっと伸びたのかなと思います。でも、2~5マップ目は悪くなかったんじゃない? フェニックスとしての仕事はできてたかな。
みんなのパフォーマンスは、もう一番グッド。特にコール面とか、細かい動きとかがマジで良かった。
misaya:Yuranはすごく細かいコールをいっぱいするんで。
Yuran:こんぐらいっす、こんぐらい。

misaya:マジでこんなもんですけど、MVPかなって。

——1マップ目はQTD側のピックマップにも関わらず、4-13という大差で負けてしまいました。その時のチームの雰囲気やパフォーマンスには、なにか影響がありましたか?
misaya:なかったよね。
Yuran:逆にブチ上がったんじゃね。控室でめちゃくちゃ喋ってたからね。
misaya:「ぶっ倒してやる」じゃないけど(笑)。
Yuran:みんな「どうせ3-0でRCやろ」とか思ってただろうけど、甘い甘い。マジで誰だと思ってんのって話。
misaya:納豆学校?
Yuran:納豆学校、納豆の学校——あっ、すいません。

——納豆学校……とは?
Yuran:「納豆学校」って知らないですか? TikTokで有名なんですけど。あの、知ってる人いますか?

——ちょっと聞いたことないかも……。
misaya:混ぜながら「納豆学校」って言うやつ。
Yuran:TikTokで検索してみてください。マジでおもろいんで。

——スミマセン。勉強不足で……。
Yuran:(笑)。
misaya:Yuranと俺が合わさるとダメなんよ。ちょけるから!
Yuran:誰も止める人がいないから(笑)。
——ちょっと真面目な話に戻りますが——。
misaya:そうですよね、すいません(笑)。
——過去のインタビューでは、何度かご自身の進退について口にしていたかと思います。ただ今回の勝利を受けて、プロ選手生活を続けるにあたって、大きな自信となったのではないでしょうか。
Yuran:ここからボーナスステージじゃね?
misaya:確かに。「進退」って言うのは、つまり引退するかってことですよね?

——そうですね。
Yuran:辞める?
misaya:まあ、まだ未定で。
——まだ手応えはありそうですか。
misaya:僕はまだイケるけど……。
Yuran:どこで終わるかだよね。メッシも欲張ったからね。それでワールドカップに行って、結局2位だったから。
misaya:欲張るか、欲張らないかっすね。ただ選手としてのモチベーションはありますね。面白いから。
——実はmisaya選手、日本のプロの中で最も長く同じチームに在籍しつづけた選手だそうで——。
misaya:そうなの?
Yuran:そうそう、130日ね。
misaya:短っ。
一同:(笑)。
Yuran:パフォーマンスよ?

——なぜ移籍することなく、このQTDに残り続けることとなったのでしょうか?
Yuran:他に行くチームがなかったんでしょ?

misaya:そうですね、他に行くチームがなくて……。
Yuran:情けで残されてただけなんで。
misaya:そう、情けですね——って、冗談です。
Yuran:(笑)。
misaya:オーナーやいすみさん(QTDスタッフ)にも御恩があるので——。実はオファーもあったらしいんですけど、このQTD残って優勝できて良かったと思います。
——Yuran選手は以前、ZETA DIVISIONに所属しており、Pacificリーグへの出場経験もあるかと思います。今この日本リーグで戦ってみて、なにか感じたことはありましたか?
Yuran:さすがにティア1(世界)とティア2(日本)はレベルが違うんで。僕もそうなんですけど、みんな一緒にそこへ向かえるようにがんばってきたつもりです。

——Pacificリーグでの経験は生きていたと思いますか?
Yuran:どう思う?
misaya:めっちゃ生きてたでしょ。細かいコールもそうだし、メンタル面でも「コイツ強えな」って思って。
Yuran:恥ずかしい、ちょっと(笑)。
misaya:ふてぶてしいというか。なにを言われても「納豆学校」だし。
Yuran:(笑)。
misaya:正直、メンタル面は僕よりも強いので参考にしています。
——特にmisaya選手のヘイヴンでの4キルには度肝を抜かれましたが、あの時は何か考えていましたか?
misaya:まあ、見えたら倒すだけですね。Ryanguru(フィジカルコーチ)の真髄なんで。むしろ何も考えてなかったですね。

Yuran:でも残り3発しか弾がない状態で待ってたのマジで偉い。
misaya:めっちゃ怖かったよ俺。
Yuran:俺も怖い。「ヤバい、Persiaマジで来ないでくれ!」って思ってたもん。
misaya:「3発しかない俺! 来たら負ける!」ってなってた。

——過去の自分と比べて、今はどのくらい成長したと思いますか。
Yuran:全盛期じゃない?
misaya:そうそう。
Yuran:misayaさんは特にね。スタッツもエグいもん。
misaya:24歳にして、マジで今が全盛期。

Yuran:三笘薫やん。
misaya:そうなん?
Yuran:三笘薫くらい全盛期よ。
misaya:アーロン・ゴードンってこと?
Yuran:誰?
misaya:遅咲きのNBA選手。バスケ好きなんで……。
——すみません。勉強不足で……。
misaya:(笑)。
Yuran:俺たちのチョイスが下手すぎて気まずくなっとるやん!(笑)

——今回のRC戦はかなり大変な戦いだったかと思いますが、特にIGLであるmisaya選手は、試合中なにか「辛いな」と思ったタイミングはありましたか?
misaya:僕はずっと死にたいって思ってました。
Yuran:(笑)。

misaya:僕は結構、『VALORANT』でメンヘラになるので……。
Yuran:よくがんばったよ! マジで。
——気のせいかもしれませんが、画面に映る表情が後半になるにつれて、どんどんと辛そうになってきていると感じたのですが。
misaya:早く楽にしてくれ、って思ってました(笑)。もちろん「絶対負けないぞ」という信念は持ってましたけどね……。
一同:(笑)。
Yuran:一番緊張するもんね。
misaya:そうそう。
——そういった部分をYuran選手が支えてくれたんでしょうか。
misaya:もうみんなですね。
——なんて声をかけてあげたのでしょうか。
Yuran:納豆学校……?
misaya:納豆の学校。
Yuran:あー、でもなんだろうな。でもやっぱり、俺が一番叫んでたもん。カラオケで5時間歌ったあとの声みたいになってたし。かすれすぎてて、自分でもびっくりした。

misaya:「大丈夫?」って聞かれてたし。
——今後のチーム全体としての目標はなんですか?
misaya:Championsだよね。
Yuran:Championsもそうだし、なによりこのメンツで1日でも長くやれたらなって。

misaya:えっ、そんなこと普段言わないじゃん!
Yuran:(笑)。
misaya:でもまあ、来年は同じメンバーか分からないからね。
Yuran:Championsで優勝したらワンチャンあるかもね。でも、さすがにないかも。だからこそ、このメンバーで少しでもいい結果を残したいね。

——この優勝の喜びを一番に伝えたい人は誰ですか。
misaya:僕はいすみさん。
Yuran:まあ、妹かな。兄の背中見とけって感じ(笑)。
misaya:かっこいいな。
Yuran:まだ11歳なんで。
——では最後に、ファンの方々へのメッセージと、「VCT Pacific Play-ins」へ向けての意気込みをお願いします。
misaya:いつも皆さん、本当に応援ありがとうございます。Play-insで勝って、Championsに行って、また男泣きを見せたいと思いますので、応援よろしくお願いします!
Yuran:日本代表ということで、それに恥じないようなプレーを精一杯できたらと思います。応援よろしくお願いします。
——ありがとうございました!
筆者は、何度かSengoku Gaming(現QTD)やmisaya選手を取材させていただいた経験があるが、そのどれもが、非常に惜しい場面まで駒を進め、あと一歩のところで敗退という結果に終わっていた。その時のmisaya選手含めたチームメンバーの表情は、気丈に振る舞いながらも、どこか隠しきれない悔しさがにじんでいるような、複雑な表情をしていたのが印象深い。
しかし今回、「さすがにRCが勝つだろう」という下馬評を大きく覆し、まさかの大金星を取ってしまったQTD。非常にギリギリの試合展開ではあったものの、ここで勝ち切ることができたのは、メンバー全員のたゆまぬ努力と最後まで諦めなかった精神力の賜物であろう。試合後のシーンを見た誰もが感じたことだろうが、トロフィーを手にしたmisaya選手の表情には、さすがに心を強く動かされてしまった。
……ただ、まだ大会は終わったわけではない。次に見据えるのは世界だ。VALORANTのプロシーンが変革期を迎える中、彼らはどこまで世界に通用するのだろうか。Championsまでの道のりは決して楽なものではないが、どこまでQTDが各国の強豪チームと渡り合えるのか、ともに見届けたいところだ。

■関連リンク
misaya:
https://x.com/misaya_vl
Yuran:
https://x.com/YURANjp
QT DIG∞:
https://x.com/QT_DIG
撮影:まいる/いのかわゆう
編集:いのかわゆう

▲1日目の準決勝の試合を終え、勝ち進んだのはRCとQTDだ。会場内はややQTDがアウェーだろうか。とはいえ、両チームの選手たちに向けた熱い声援が飛び交った
26日の決勝戦では、前日の勝者同士が相対する「RC対QTD戦」が行われた。1マップ目はQTD側のピックマップでもありながら、4-13というスコアでRCが圧勝。QTDが劣勢かのように思われたが、続く2マップ目は13-10でQTDが見事勝利した。その後もお互い譲らぬ攻防が続き、試合はついに5マップ目までもつれこんだ。

▲最後はPkmのマルチキル。エコラウンドを獲得し、その流れのままにRCを下した(https://www.youtube.com/live/6UtIJQHhAOU?si=pbgiD_Kvl-y5Evf1&t=29534)
結果は、13-11という僅差でQTDが勝利。Main Stageから無敗のRCを打ち倒し、念願の日本一の座を手にすることとなった。

今回はそんなQTDから、長年同チームを牽引してきたmisaya(みさや)選手、そしてZETAアカデミー出身で、Pacificリーグへの出場経験をも持つ、Yuran(ゆらん)選手がインタビューに応じてくれた。試合直後の興奮冷めやらぬ中、チーム間や試合中のさまざまな裏話をうかがう。

▲左から、Yuran、misaya(リーダー)
「ステージで見た光景は一生忘れない」——RCとの激戦の末、ついに掴んだ日本一の座
——まずは優勝おめでとうございます!
misaya・Yuran:ありがとうございます!
——今の率直な感想をお聞かせください。
misaya:そうですね……率直な感想を聞かれるのは500回目くらいなんですけど——。
——(笑)。
misaya:もう本当にうれしいですね。このステージで見た光景は一生忘れないだろうなって思います。本当にありがとうございます。
Yuran:このメンツで初優勝できて良かったです。それだけですね。
——優勝の実感はありますか?
misaya:実はあんまなくて。なんか泣いたな、って感じですね。うれしかったから、条件反射的に泣いちゃったんでしょうね。

▲「正直泣くつもりはなかった」と語ったステージ上でのインタビュー。ようやく手にした日本一の座は、misaya選手にとって思いのほか大きいものだったようだ(https://www.youtube.com/live/6UtIJQHhAOU?si=oEPEM2K1Jn-rpQAR&t=29902)
——過去のインタビューでも、「Sengoku Gaming(改名前のチーム名)は日本一になれるチーム」だと話していましたが、特に今回のチームに関してはどのように思いますか?
参考記事:【SG Misaya選手インタビュー】プレーは負けていなかった、差は日本一というプライドだけ——SGブース突撃インタビュー!
misaya:なにもかもが高水準ですね。やりたいことを言ったら、それらを全部やってくれるし、やりたいことがあったら、それも言ってくれるし。本当にいいチームメイトに恵まれているなと思います。

——Yuran選手から見て、ご自身やチーム全体のパフォーマンスはどうでしたか?
Yuran:僕のパフォーマンスは、1マップ目が本当に悔しかった。それさえなければ、もっと伸びたのかなと思います。でも、2~5マップ目は悪くなかったんじゃない? フェニックスとしての仕事はできてたかな。
みんなのパフォーマンスは、もう一番グッド。特にコール面とか、細かい動きとかがマジで良かった。
misaya:Yuranはすごく細かいコールをいっぱいするんで。
Yuran:こんぐらいっす、こんぐらい。

misaya:マジでこんなもんですけど、MVPかなって。

▲4マップ目のブリーズ、Yuranの3キルによりマッチポイントを獲得。サイト内がアビリティでぐちゃぐちゃになる中、各メンバーの緻密かつ素早い連携が光るお手本のようなリテイクだ(https://www.youtube.com/live/6UtIJQHhAOU?si=3hx-yPBHSLjBHHVV&t=25040)
自身のピックマップを大差で落としたQTD、その時のチームの雰囲気は?
——1マップ目はQTD側のピックマップにも関わらず、4-13という大差で負けてしまいました。その時のチームの雰囲気やパフォーマンスには、なにか影響がありましたか?
misaya:なかったよね。
Yuran:逆にブチ上がったんじゃね。控室でめちゃくちゃ喋ってたからね。
misaya:「ぶっ倒してやる」じゃないけど(笑)。
Yuran:みんな「どうせ3-0でRCやろ」とか思ってただろうけど、甘い甘い。マジで誰だと思ってんのって話。
misaya:納豆学校?
Yuran:納豆学校、納豆の学校——あっ、すいません。

▲唐突にはじまった「納豆学校」トーク
——納豆学校……とは?
Yuran:「納豆学校」って知らないですか? TikTokで有名なんですけど。あの、知ってる人いますか?

▲記者やスタッフが「納豆学校」を知らなかったため、絶望するYuran(画面右)
——ちょっと聞いたことないかも……。
misaya:混ぜながら「納豆学校」って言うやつ。
Yuran:TikTokで検索してみてください。マジでおもろいんで。

▲あまりピンと来ていない記者たちのために「納豆学校」を説明するmisaya(画面左)。数カ月ほど前から、主にTikTokで流行しているネットミームのようだ
——スミマセン。勉強不足で……。
Yuran:(笑)。
misaya:Yuranと俺が合わさるとダメなんよ。ちょけるから!
Yuran:誰も止める人がいないから(笑)。
「ここからがボーナスステージ」——misayaの今後の選手生活の進退について
——ちょっと真面目な話に戻りますが——。
misaya:そうですよね、すいません(笑)。
——過去のインタビューでは、何度かご自身の進退について口にしていたかと思います。ただ今回の勝利を受けて、プロ選手生活を続けるにあたって、大きな自信となったのではないでしょうか。
Yuran:ここからボーナスステージじゃね?
misaya:確かに。「進退」って言うのは、つまり引退するかってことですよね?

——そうですね。
Yuran:辞める?
misaya:まあ、まだ未定で。
——まだ手応えはありそうですか。
misaya:僕はまだイケるけど……。
Yuran:どこで終わるかだよね。メッシも欲張ったからね。それでワールドカップに行って、結局2位だったから。
misaya:欲張るか、欲張らないかっすね。ただ選手としてのモチベーションはありますね。面白いから。
misaya選手の約5年間の軌跡——移籍をせずQTDに残りつづけたワケ
——実はmisaya選手、日本のプロの中で最も長く同じチームに在籍しつづけた選手だそうで——。
misaya:そうなの?
Yuran:そうそう、130日ね。
misaya:短っ。
一同:(笑)。
Yuran:パフォーマンスよ?

▲misaya選手が正式に所属を発表したのが、2021年9月だ。そこから約5年間、ずっとこのチームの第一線として戦ってきたのだ
——なぜ移籍することなく、このQTDに残り続けることとなったのでしょうか?
Yuran:他に行くチームがなかったんでしょ?

misaya:そうですね、他に行くチームがなくて……。
Yuran:情けで残されてただけなんで。
misaya:そう、情けですね——って、冗談です。
Yuran:(笑)。
misaya:オーナーやいすみさん(QTDスタッフ)にも御恩があるので——。実はオファーもあったらしいんですけど、このQTD残って優勝できて良かったと思います。
世界を戦ったYuranの持つ圧倒的な強みは「ふてぶてしさ」
——Yuran選手は以前、ZETA DIVISIONに所属しており、Pacificリーグへの出場経験もあるかと思います。今この日本リーグで戦ってみて、なにか感じたことはありましたか?
Yuran:さすがにティア1(世界)とティア2(日本)はレベルが違うんで。僕もそうなんですけど、みんな一緒にそこへ向かえるようにがんばってきたつもりです。

——Pacificリーグでの経験は生きていたと思いますか?
Yuran:どう思う?
misaya:めっちゃ生きてたでしょ。細かいコールもそうだし、メンタル面でも「コイツ強えな」って思って。
Yuran:恥ずかしい、ちょっと(笑)。
misaya:ふてぶてしいというか。なにを言われても「納豆学校」だし。
Yuran:(笑)。
misaya:正直、メンタル面は僕よりも強いので参考にしています。
「三笘薫くらい全盛期」——あのスーパープレーから感じるmisayaの勢い
——特にmisaya選手のヘイヴンでの4キルには度肝を抜かれましたが、あの時は何か考えていましたか?
misaya:まあ、見えたら倒すだけですね。Ryanguru(フィジカルコーチ)の真髄なんで。むしろ何も考えてなかったですね。

▲ガレージから現れたふたりと、即座に振り向いてウィンドウのひとりを倒すというスーパープレー。人数不利の状況を一瞬で覆した見事な立ち回りだ(https://www.youtube.com/live/6UtIJQHhAOU?si=FusIsYFErFjBf68c&t=20842)
Yuran:でも残り3発しか弾がない状態で待ってたのマジで偉い。
misaya:めっちゃ怖かったよ俺。
Yuran:俺も怖い。「ヤバい、Persiaマジで来ないでくれ!」って思ってたもん。
misaya:「3発しかない俺! 来たら負ける!」ってなってた。

▲残るPersiaが間近に迫っていることは分かっていたが、決死のBサイトへのスパイク設置。しかし、Kippeiのカバーにより見事ラウンドを獲得(https://www.youtube.com/live/6UtIJQHhAOU?si=IdLqBwYq0EPKe2d7&t=20882)
——過去の自分と比べて、今はどのくらい成長したと思いますか。
Yuran:全盛期じゃない?
misaya:そうそう。
Yuran:misayaさんは特にね。スタッツもエグいもん。
misaya:24歳にして、マジで今が全盛期。

Yuran:三笘薫やん。
misaya:そうなん?
Yuran:三笘薫くらい全盛期よ。
misaya:アーロン・ゴードンってこと?
Yuran:誰?
misaya:遅咲きのNBA選手。バスケ好きなんで……。
——すみません。勉強不足で……。
misaya:(笑)。
Yuran:俺たちのチョイスが下手すぎて気まずくなっとるやん!(笑)

「一番緊張する」——IGL・misayaが背負った決勝の重圧
——今回のRC戦はかなり大変な戦いだったかと思いますが、特にIGLであるmisaya選手は、試合中なにか「辛いな」と思ったタイミングはありましたか?
misaya:僕はずっと死にたいって思ってました。
Yuran:(笑)。

misaya:僕は結構、『VALORANT』でメンヘラになるので……。
Yuran:よくがんばったよ! マジで。
——気のせいかもしれませんが、画面に映る表情が後半になるにつれて、どんどんと辛そうになってきていると感じたのですが。
misaya:早く楽にしてくれ、って思ってました(笑)。もちろん「絶対負けないぞ」という信念は持ってましたけどね……。
一同:(笑)。
Yuran:一番緊張するもんね。
misaya:そうそう。
——そういった部分をYuran選手が支えてくれたんでしょうか。
misaya:もうみんなですね。
——なんて声をかけてあげたのでしょうか。
Yuran:納豆学校……?
misaya:納豆の学校。
Yuran:あー、でもなんだろうな。でもやっぱり、俺が一番叫んでたもん。カラオケで5時間歌ったあとの声みたいになってたし。かすれすぎてて、自分でもびっくりした。

▲「納豆学校」をキャンセルして、急に真面目な表情になるYuran
misaya:「大丈夫?」って聞かれてたし。
「このメンツで1日でも長くやりたい」——日本一を取ったチームの目指す先とは
——今後のチーム全体としての目標はなんですか?
misaya:Championsだよね。
Yuran:Championsもそうだし、なによりこのメンツで1日でも長くやれたらなって。

misaya:えっ、そんなこと普段言わないじゃん!
Yuran:(笑)。
misaya:でもまあ、来年は同じメンバーか分からないからね。
Yuran:Championsで優勝したらワンチャンあるかもね。でも、さすがにないかも。だからこそ、このメンバーで少しでもいい結果を残したいね。

▲ステージ上で、渾身の「よいしょー!」を披露するmisaya。何度も見た彼の悔しそうな表情を思い出すと、「ようやく報われたな」とただただ実感するばかりだ
——この優勝の喜びを一番に伝えたい人は誰ですか。
misaya:僕はいすみさん。
Yuran:まあ、妹かな。兄の背中見とけって感じ(笑)。
misaya:かっこいいな。
Yuran:まだ11歳なんで。
——では最後に、ファンの方々へのメッセージと、「VCT Pacific Play-ins」へ向けての意気込みをお願いします。
misaya:いつも皆さん、本当に応援ありがとうございます。Play-insで勝って、Championsに行って、また男泣きを見せたいと思いますので、応援よろしくお願いします!
Yuran:日本代表ということで、それに恥じないようなプレーを精一杯できたらと思います。応援よろしくお願いします。
——ありがとうございました!
———
筆者は、何度かSengoku Gaming(現QTD)やmisaya選手を取材させていただいた経験があるが、そのどれもが、非常に惜しい場面まで駒を進め、あと一歩のところで敗退という結果に終わっていた。その時のmisaya選手含めたチームメンバーの表情は、気丈に振る舞いながらも、どこか隠しきれない悔しさがにじんでいるような、複雑な表情をしていたのが印象深い。
しかし今回、「さすがにRCが勝つだろう」という下馬評を大きく覆し、まさかの大金星を取ってしまったQTD。非常にギリギリの試合展開ではあったものの、ここで勝ち切ることができたのは、メンバー全員のたゆまぬ努力と最後まで諦めなかった精神力の賜物であろう。試合後のシーンを見た誰もが感じたことだろうが、トロフィーを手にしたmisaya選手の表情には、さすがに心を強く動かされてしまった。
……ただ、まだ大会は終わったわけではない。次に見据えるのは世界だ。VALORANTのプロシーンが変革期を迎える中、彼らはどこまで世界に通用するのだろうか。Championsまでの道のりは決して楽なものではないが、どこまでQTDが各国の強豪チームと渡り合えるのか、ともに見届けたいところだ。

■関連リンク
misaya:
https://x.com/misaya_vl
Yuran:
https://x.com/YURANjp
QT DIG∞:
https://x.com/QT_DIG
撮影:まいる/いのかわゆう
編集:いのかわゆう
【まいるプロフィール】
関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。
X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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