【インタビュー】アジア競技大会eスポーツ日本代表・ゆうき——『ぷよぷよ』最年少代表が体験したHPSCの科学的トレーニングとは
アジア地域最大級の国際総合スポーツ競技大会「第20回アジア競技大会」が2026年9月19日(土)〜10月4日(日)の期間中に開催される。本大会はオリンピック同様、4年に1度開催される大会で、2023年(コロナ禍により2022年度開催を延期)に開催された「第19回アジア競技大会」にて、eスポーツが正式種目として採用。今年もまたeスポーツが競技として採用された。なお、eスポーツ競技の日程は2026年9月23日(水)〜10月2日(金)。
大会に先立ち、ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)内に、eスポーツに特化したトレーニング施設「HPSC ESPORTS LAB」を新設。eスポーツ選手のパフォーマンス上昇が期待される。

7月31日(金)には、「HPSC ESPORTS LAB」新設の発表会が行われ、日本代表である貴田 英貢也選手(eFootball™/PC)と、栗原 悠輝選手(ぷよぷよeスポーツ)の2名が練習環境でデモンストレーションを行った。

そんなデモンストレーションを終えた、ゆうき選手に囲み取材を実施。実際に「HPSC ESPORTS LAB」で練習してみた手応えをうかがった。
——今日、アイトラッキングで自分の視点を見てみてどうでしたか。
ゆうき:結構びっくりしました。思っていたよりも相手の盤面を見ていなかったり、思っていたより緊張していたはずなのに心拍数がそんなに高くなかったり——。「意外だなぁ」という感じでした。
——アイトラッキングは初めて?
ゆうき:多分、初めてですね(笑)。「あの機械ってどうやって作っているんだろう」っていうところが、ちょっと気になりました。
——以前のインタビューで「凝視力が落ちた」と話していました。アイトラッキングで、そこは鍛えられそうですか。
参考:【インタビュー】ゆうき「前半は様子見でした」——ともくんを追い詰めた『ぷよぷよeスポーツ』年間王者の“見えすぎる盤面”
ゆうき:「意識はできるかな」と思いました。凝視は必要な技術でもあるので、これからも凝視を鍛えられるように、(アイトラッキングを)活用していきたいと思っています。
——アイトラッキングは、自身の技術向上において、どのように役立てそうですか?
ゆうき:凝視力は鍛えられると思います。今、自分の苦手なプレーでもある中盤戦——少ない連鎖で「おじゃまぷよ」を送り合う場面ですね。そこで相手に刺すための確率が上がっていくと思うので、そういうところで役立てそうです。
——心拍数の低さも驚かされました。普段から意識されているんですか?

ゆうき:普段は測ったことがなかったんですけど、心拍数って緊張したら上がると思うんです。でも、緊張してもそこまで上がらなくて——。不思議だなって思いました。
——ほかに「こんな機能が欲しい」というものはありましたか?
ゆうき:今、何を考えているかとかが分かる機能があったらうれしいですね。感覚でしかやっていないことが実際に分かると思うので。
——初心者だとネクストぷよ(次に落下してくるぷよぷよ)をずっと見てしまいます。アイトラッキングの動きを見ていると、一瞬相手の盤面を見て、すぐに自分の盤面に視線が動いているように見えたのですが、その間もネクストぷよは見えているのでしょうか。
ゆうき:見てましたね。
——中盤戦が苦手とのことでしたが、逆に得意なプレーはありますか?
ゆうき:真逆のプレーにはなりますが大連鎖が得意です。中盤戦というと盤面の半分より少し上のことを示すんですけど、もう少し上にぷよが積み上がった状態で戦うのも得意です。
——ぷよぷよを始めたのはいつ頃ですか?
ゆうき:6歳です。小1の最初ぐらいですね。本気でやろうと思ったのも同じくらいですね。
——いろいろなゲームがある中で、ぷよぷよに行き着いた理由は。
ゆうき:やっぱり一番楽しかったからですね。連鎖が打てたら楽しいし、一番自分に合うゲームだし、好きなゲームだなと思ったので。
——1日どれくらい練習を?
ゆうき:そこまでやってなくて。やらない日もあれば、やる日も1時間くらいです。

——ぷよぷよの一番の魅力は?
ゆうき:「大連鎖を打つと楽しい」というところですね。
——普段はどこで練習をしていますか?
ゆうき:家です。
——家とこちらの施設。どちらの方が集中できそうですか?
ゆうき:家かも……。ただ人がいなかったら、こっちの施設も同じくらい集中できると思います。
——こういう施設ができて、日本代表という実感は沸いてきましたか?
ゆうき:はい。アスリートと同じ環境で練習できるっていうのはうれしいですしね。
——アジア大会では、優勝シーンと大連鎖のどちらを見てほしいですか。
ゆうき:大連鎖を見てほしいですね。
——代表最年少と言われていますが。
ゆうき:うれしいですね。いろんな記録をちょっと塗り替えていきたいなって思います!
——年上の選手と戦うことについて気にはなりますか?
ゆうき:特に気にならないですね。そっちの方(年上と戦う方が)が楽しくなります。
——eスポーツが「スポーツ」というカテゴリーで語られることについてどう感じていますか?
ゆうき:うれしいです。より広く感じるというか——。
——フィジカルスポーツは得意ですか?
ゆうき:いや、全然。多分得意ではないです。体力測定の成績も平均ぐらいでした。
——いい結果を残したら、ご褒美に欲しいものは。
ゆうき:うーん……今思ったんですけど、宝石がちょっと欲しいかも!
キラキラしているのが好きで、宝石とかそういう系が好きなんで。

——ありがとうございました!
囲み取材ではテレビ局や新聞社など、普段見慣れない多くのメディアが参加していた。にもかかわらず、しっかりと物おじせず自分の言葉で答えていたのは、ゲーム中の心拍数が安定していることを妙に納得させてくれた。
eスポーツがフィジカルスポーツと同じ土俵に立ち、国を背負ってメダルを争う——。そんな舞台が整い、選手を支える環境までもが用意されたことは、eスポーツメディアとしても素直にうれしい。
9月23日(水・祝)に開幕するeスポーツ競技で、ゆうき選手の大連鎖が炸裂するのか——そして念願の宝石はゲットできるのか——。彼の活躍に注目したい。なお、『ぷよぷよeスポーツ』の決勝トーナメント〜決勝は、9月26日 (土)の9時から開催予定だ。
■関連リンク
ゆうき X:
https://x.com/kryu_puyo
第20回アジア競技大会 X:
https://x.com/AsianGames_2026
第20回アジア競技大会 公式:
https://www.aichi-nagoya2026.org/ja/
第20回アジア競技大会 eスポーツ競技特設ページ:
https://jesu.or.jp/ag2026/
撮影:いのかわゆう
編集:いのかわゆう
大会に先立ち、ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)内に、eスポーツに特化したトレーニング施設「HPSC ESPORTS LAB」を新設。eスポーツ選手のパフォーマンス上昇が期待される。

▲HPSCはオリンピック、パラリンピックなどのトップアスリートの国際競技力向上を目指した施設。そんな施設内に、eスポーツ選手のトレーニングに特化した施設が新設されたのだ
HPSCとは
日本スポーツ振興センター(JSC)が運営している強化拠点。スポーツ医・科学の研究を担う国立スポーツ科学センター(JISS)と、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)を一体で運用し、トレーニングから診察・リハビリ、心理サポート、栄養設計された食事、宿泊までを同一敷地内で完結できる。競技力を上げるための「生活まるごと」を設計した施設である。「HPSC ESPORTS LAB」は、その敷地内にある屋内トレーニングセンター・イーストに設けられた。
日本スポーツ振興センター(JSC)が運営している強化拠点。スポーツ医・科学の研究を担う国立スポーツ科学センター(JISS)と、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)を一体で運用し、トレーニングから診察・リハビリ、心理サポート、栄養設計された食事、宿泊までを同一敷地内で完結できる。競技力を上げるための「生活まるごと」を設計した施設である。「HPSC ESPORTS LAB」は、その敷地内にある屋内トレーニングセンター・イーストに設けられた。
7月31日(金)には、「HPSC ESPORTS LAB」新設の発表会が行われ、日本代表である貴田 英貢也選手(eFootball™/PC)と、栗原 悠輝選手(ぷよぷよeスポーツ)の2名が練習環境でデモンストレーションを行った。

▲心拍数やアイトラッキングなどが計測できる環境でゲームをプレー。対戦中、どのような視線移動をしているのか——またどのようなタイミングで心拍数が変化するのかなどが可視化されていた
そんなデモンストレーションを終えた、ゆうき選手に囲み取材を実施。実際に「HPSC ESPORTS LAB」で練習してみた手応えをうかがった。
HPSC ESPORTS LABでの練習を終えて
——今日、アイトラッキングで自分の視点を見てみてどうでしたか。
ゆうき:結構びっくりしました。思っていたよりも相手の盤面を見ていなかったり、思っていたより緊張していたはずなのに心拍数がそんなに高くなかったり——。「意外だなぁ」という感じでした。
——アイトラッキングは初めて?
ゆうき:多分、初めてですね(笑)。「あの機械ってどうやって作っているんだろう」っていうところが、ちょっと気になりました。
——以前のインタビューで「凝視力が落ちた」と話していました。アイトラッキングで、そこは鍛えられそうですか。
参考:【インタビュー】ゆうき「前半は様子見でした」——ともくんを追い詰めた『ぷよぷよeスポーツ』年間王者の“見えすぎる盤面”
凝視力(凝視)とは
「ぷよぷよ」シリーズで使われる用語で、試合中に相手のフィールドを見ることを示している。基本的に「ぷよぷよ」シリーズでは、自分のフィールドを見ることで精一杯になりがちだが、上級者は相手のフィールドも逐一チェックし、相手がどのタイミングで攻めてくるのか、どんな攻撃を仕掛けてくるのかなどを事前に把握している。
「ぷよぷよ」シリーズで使われる用語で、試合中に相手のフィールドを見ることを示している。基本的に「ぷよぷよ」シリーズでは、自分のフィールドを見ることで精一杯になりがちだが、上級者は相手のフィールドも逐一チェックし、相手がどのタイミングで攻めてくるのか、どんな攻撃を仕掛けてくるのかなどを事前に把握している。
ゆうき:「意識はできるかな」と思いました。凝視は必要な技術でもあるので、これからも凝視を鍛えられるように、(アイトラッキングを)活用していきたいと思っています。
——アイトラッキングは、自身の技術向上において、どのように役立てそうですか?
ゆうき:凝視力は鍛えられると思います。今、自分の苦手なプレーでもある中盤戦——少ない連鎖で「おじゃまぷよ」を送り合う場面ですね。そこで相手に刺すための確率が上がっていくと思うので、そういうところで役立てそうです。
——心拍数の低さも驚かされました。普段から意識されているんですか?

▲対戦中も画面中央に心拍数が常に表示されていた。ゆうき選手は対戦中、非常に心拍数が安定。状況に左右されず80〜90前後をキープしていたのが印象的だ
ゆうき:普段は測ったことがなかったんですけど、心拍数って緊張したら上がると思うんです。でも、緊張してもそこまで上がらなくて——。不思議だなって思いました。
——ほかに「こんな機能が欲しい」というものはありましたか?
ゆうき:今、何を考えているかとかが分かる機能があったらうれしいですね。感覚でしかやっていないことが実際に分かると思うので。
——初心者だとネクストぷよ(次に落下してくるぷよぷよ)をずっと見てしまいます。アイトラッキングの動きを見ていると、一瞬相手の盤面を見て、すぐに自分の盤面に視線が動いているように見えたのですが、その間もネクストぷよは見えているのでしょうか。
ゆうき:見てましたね。
——中盤戦が苦手とのことでしたが、逆に得意なプレーはありますか?
ゆうき:真逆のプレーにはなりますが大連鎖が得意です。中盤戦というと盤面の半分より少し上のことを示すんですけど、もう少し上にぷよが積み上がった状態で戦うのも得意です。
練習時間は1日1時間?——「ぷよぷよ」の魅力とは
——ぷよぷよを始めたのはいつ頃ですか?
ゆうき:6歳です。小1の最初ぐらいですね。本気でやろうと思ったのも同じくらいですね。
——いろいろなゲームがある中で、ぷよぷよに行き着いた理由は。
ゆうき:やっぱり一番楽しかったからですね。連鎖が打てたら楽しいし、一番自分に合うゲームだし、好きなゲームだなと思ったので。
——1日どれくらい練習を?
ゆうき:そこまでやってなくて。やらない日もあれば、やる日も1時間くらいです。

——ぷよぷよの一番の魅力は?
ゆうき:「大連鎖を打つと楽しい」というところですね。
——普段はどこで練習をしていますか?
ゆうき:家です。
——家とこちらの施設。どちらの方が集中できそうですか?
ゆうき:家かも……。ただ人がいなかったら、こっちの施設も同じくらい集中できると思います。
——こういう施設ができて、日本代表という実感は沸いてきましたか?
ゆうき:はい。アスリートと同じ環境で練習できるっていうのはうれしいですしね。
——アジア大会では、優勝シーンと大連鎖のどちらを見てほしいですか。
ゆうき:大連鎖を見てほしいですね。
アジア大会への意気込み
——代表最年少と言われていますが。
ゆうき:うれしいですね。いろんな記録をちょっと塗り替えていきたいなって思います!
——年上の選手と戦うことについて気にはなりますか?
ゆうき:特に気にならないですね。そっちの方(年上と戦う方が)が楽しくなります。
——eスポーツが「スポーツ」というカテゴリーで語られることについてどう感じていますか?
ゆうき:うれしいです。より広く感じるというか——。
——フィジカルスポーツは得意ですか?
ゆうき:いや、全然。多分得意ではないです。体力測定の成績も平均ぐらいでした。
——いい結果を残したら、ご褒美に欲しいものは。
ゆうき:うーん……今思ったんですけど、宝石がちょっと欲しいかも!
キラキラしているのが好きで、宝石とかそういう系が好きなんで。

——ありがとうございました!
———
囲み取材ではテレビ局や新聞社など、普段見慣れない多くのメディアが参加していた。にもかかわらず、しっかりと物おじせず自分の言葉で答えていたのは、ゲーム中の心拍数が安定していることを妙に納得させてくれた。
eスポーツがフィジカルスポーツと同じ土俵に立ち、国を背負ってメダルを争う——。そんな舞台が整い、選手を支える環境までもが用意されたことは、eスポーツメディアとしても素直にうれしい。
9月23日(水・祝)に開幕するeスポーツ競技で、ゆうき選手の大連鎖が炸裂するのか——そして念願の宝石はゲットできるのか——。彼の活躍に注目したい。なお、『ぷよぷよeスポーツ』の決勝トーナメント〜決勝は、9月26日 (土)の9時から開催予定だ。
■関連リンク
ゆうき X:
https://x.com/kryu_puyo
第20回アジア競技大会 X:
https://x.com/AsianGames_2026
第20回アジア競技大会 公式:
https://www.aichi-nagoya2026.org/ja/
第20回アジア競技大会 eスポーツ競技特設ページ:
https://jesu.or.jp/ag2026/
撮影:いのかわゆう
編集:いのかわゆう
【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。
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ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。X:@sdora_tweet
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