【「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」マスターデュエルの部 日本代表インタビュー】 「必ず世界一を獲る!」 たすく、フリーダム、ゆき。が語る“勝つためのチーム”作り
- 異なる入り口から「遊戯王カードゲーム」の世界へ
- 世界一から逆算して作られたチーム
- チーム戦だからこそ味わえる楽しさと責任
- 忘れられない「WCS 2025」での敗戦
- 2026年は「テーマ選び」が勝敗を分ける
- 新カード実装から短期間で最適解を探す
- 3年ぶりの日本開催で、友人やファンの待つ舞台へ
- 世界を制するために集まった3人
『遊戯王 マスターデュエル』(マスターデュエル)の世界一を決める大会「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」(WCS 2026)に、日本代表として出場するたすく選手、フリーダム選手、ゆき。選手。
いずれも世界大会の舞台を経験しながら、あと一歩のところで優勝を逃してきた3人が、2026年はひとつのチーム「Glory Future」として世界の頂点を目指す。
異なる経歴とプレースタイルを持つ3人が、どのようにチームを結成し、世界大会に向けてどんな準備をしているのか。昨年の悔しさ、日本人選手と海外選手との違い、2026年大会の環境予想、そして日本開催への思いを聞いた。(※本インタビューは7月4日に東京都内で実施した)

「WCS 2023」日本大会の会場レポートはこちら
【大会レポート】「Yu-Gi-Oh! World Championship 2023」で感じた、世界での『遊戯王』の強さとファンの愛
たすく選手の「WCS 2024」代表決定時のインタビューはこちら
「WCS 2024」日本代表・たすく選手インタビュー「世界一を目指して、楽しみながら勝ちたい」
──まずは、それぞれの「遊戯王カードゲーム」歴と、これまでの歩み、好きなカードを教えてください。
フリーダム:小学校低学年の頃に兄から教えてもらい、中学受験が始まるまでの数年間、『遊戯王OCG』を遊んでいました。その後もカジュアルに続けていて、『遊戯王 マスターデュエル』がリリースされてからも最初の1年半くらいは競技を意識せず、好きなデッキで遊んでいました。

転機になったのは、好きだったテーマ「宝玉獣」が強化されたことです。「このデッキで勝ちたい」と思って上位を目指すようになり、そこから競技にのめり込んでいきました。もともとは競技プレーヤーというより、純粋に「遊戯王カードゲーム」が好きなところから始まっています。
一番好きなカードは「宝玉の絆」です。イラストが好きなのはもちろん、「宝玉獣」を支えるカードとして、カードデザインも気に入っています。

ゆき。:自分は『マスターデュエル』がリリースされてから始めたので、「遊戯王カードゲーム」歴も3~4年ほどです。それ以前は、子どもの頃に親戚の家でカードに少しふれたくらいでした。

『マスターデュエル』は知り合いが遊んでいたことをきっかけに始めたのですが、それまで遊んでいた他のカードゲームとはかなり毛色が違っていて、そこに惹かれました。普通では考えられないような盤面を、ありえない方法で返すような体験ができて、展開の自由度や一気に状況が動くところが面白かったですね。
好きなカードは「氷剣竜ミラジェイド」です。カードとして強力で、相手の盤面を大きく崩せるところが好きです。

たすく:自分は5歳くらいから始めていて、「遊戯王カードゲーム」歴は20年以上です。漫画もアニメも見て、家庭用ゲームもほとんど遊んできました。文字どおり『遊戯王』と一緒に年を重ねてきたと思います。

競技以外にもいろいろなゲームにはふれていますが、中心にあるのはずっと「遊戯王カードゲーム」です。ほかのゲームで学んだ勝ち方や考え方も、「遊戯王カードゲーム」に持ち込んでいます。
好きなカードは毎年変わるのですが、今年挙げるなら「閃刀姫=ゼロ」(せんとうき=ゼロ)です。「閃刀姫」というテーマのストーリーや、登場人物たちが戦いを通じて関係を築いていくところも好きですね。

──今回、たすく選手がフリーダム選手とゆき。選手を誘った理由は?
たすく:フリーダムさんとは昨年も同じチーム(Dream's Future)で出場したのですが、優勝にはあと一歩届きませんでした。その悔しさを晴らすためにリベンジをしたいという思いもあります。
フリーダムさんは細部まで正確にプレーできるタイプです。自分は比較的大ざっぱな部分もあるので、自分とは違う強みを持っている選手として誘いました。
ゆき。さんは、相手の盤面を崩して逆転する「まくり」、つまり後攻から試合を返すプレーが得意です。使えるデッキの系統やプレースタイルも自分とは違います。自分に足りないものを持っている2人ですし、2人に足りないものは自分が補える。そういうチームにしたいと考えました。

──誘われたおふたりは、「Glory Future」をどのようなチームだと感じていますか?
フリーダム:3人とも使えるデッキの幅が広いのが、このチームの強みです。
「WCS」では3人がそれぞれ2デッキずつ登録するので、チーム全体では6デッキになります。どのテーマを選び、誰がどの2デッキを担当するかが非常に重要です。
でもこの3人なら、環境に存在するデッキの大半を扱えると思います。選択肢が多くなるぶん、勝率がより高い構成を探せるチームになっています。
ゆき。:昨年、自分は別のチーム(Soul Form)のリーダーだったのですが、チーム内でデッキ構成を考えられる役割の人がチームメンバーの中では自分しかいなかったため、友人に協力してもらったりもしていました。
でも、今年は3人で意見を出し合えるチームだと感じているので、昨年よりも理想的な構成を考えられる可能性が高そうで楽しみです。
デッキプールが広いだけでなく、得意な系統が少しずつ違うので、かなり柔軟な戦略が組めます。話し合っていても楽しいですし、頼りになるチームだと感じています。
──『マスターデュエル』は普段は個人で戦うゲームですが、チーム戦という形式についてはどう感じていますか?
ゆき。:どちらかというと個人戦の方が好きです。負けた時にほかの人にも責任を負わせたくないんですよね。すべて自分の責任になる個人戦の方が、気持ちとしては整理しやすいので。
ただ、チーム戦ならではのテンションや、一緒に戦っている感覚は楽しいです。

フリーダム:自分はチーム戦の方が好きですね。昔は将棋もかなりやっていたのですが、将棋は運がほとんど絡まないので、負けた時は100%自分が悪いと感じてしまいます。
でもチーム戦は、責任も3倍になるかもしれませんが、楽しさも3倍になります。仲間の試合を応援したり、勝った時に一緒に喜べたりするところが好きです。
たすく:自分もチーム戦の方が好きです。個人戦で負けると、そのままひとりで帰ることもありますが、チーム戦なら試合後に「このあとどうする?」とか、「あの場面はどうすればよかった?」という話ができます。
自分は野球部だったので、もともとチームで戦うスポーツが好きなんです。3人で戦った方が、世界大会に挑んでいるという実感も強くなると思います。
──3人とも2025年のパリ大会では、決勝トーナメント進出を逃してしまいました。いま振り返ってみて、どのような大会でしたか?
フリーダム:自分たちのチーム(Dream's Future)は2連敗したあと2連勝して、次の試合に勝てば決勝トーナメントへ進める、というところまで持ち直しました。

ただ、その最終戦で自分が後攻になり、そのまま負けてしまいました。いまでも最初の手札も、相手の動きも覚えています。何度も思い返してしまう試合ですし、簡単には忘れられません。

たすく:昨年は、使えるデッキの選択肢がかなり限られた環境でした。「M∀LICE」(マリス)や「ライゼオル」など、非常に強力なテーマが環境の中心にあり、どのチームも残りのデッキをどう構成するかで苦労していたと思います。
しかも、先攻側がかなり有利な環境で、対策カードを入れても、後攻の勝率を少し上げる程度にしかならない。自分たちも、先攻で引きたいカードを後攻の時に引き、後攻用のカードを先攻の時に引くなど、かみ合わせが悪い場面がありました。

もちろん、勝敗の言い訳にするつもりはありません。ただ、「別のカードなら可能性があったのではないか」と考える部分は心残りでした。今年はそうした反省も構築に反映したいです。
ゆき。:自分のチーム(Soul Form)は、環境で最も強いと見ていた「M∀LICE」への対策カードをかなり意識して採用しました。ただ、そのカードを必要な場面で引けなかった。結果だけ見れば機能しませんでしたが、ほかに明確な正解があったとも思っていません。

カードゲームなので、引きの運は必ずあります。そのうえで、選択が正しかったのか、もっと勝率を高められたのかを考え続けるしかないと思っています。
──実際に戦った海外チームとの実力差などは感じますか?
たすく:日本の選手は安定志向が強いと思います。デッキを動かすために必要なカードを、できるだけ高い確率で最初の手札に引けるように構築する。
一方で海外の選手は、初動の確率を少し下げてでも、後攻で強いカードや、通れば一気に勝てるカードを入れることがあります。引けなければ何もできずに終わるリスクはあるのですが、そのぶん勝負どころで強い。かなり強気な構築です。
昨年も、こちらが後攻を得意とするテーマ「天盃龍」(てんぱいりゅう)を使う可能性まで読んだうえで、コイントスに勝ちながら先攻を譲ってきた海外選手がいました。非常に強気な判断ですし、読みが当たれば試合の有利不利が一気に変わります。
ただ、海外勢とひとくくりにはできませんし、プレーそのものに大きな差があるとは感じていません。地域によって細部のカード選択に特色はありますが、こちらが先攻なら勝てたと思う試合も多くありました。
ゆき。:自分も、地域ごとの特色はあっても、単純な実力差があるとは思っていません。最適解の探し方や、どこまでリスクを取るかの違いはありますが、十分に戦える相手です。
──いよいよWCS 2026 本戦が8月28日〜30日に迫ってきましたが、昨年と比べてどのような環境になりそうですか?
たすく:昨年よりもデッキの選択肢は増えると思います。シェアカードの候補も変化しますし、後攻から戦えるカードやテーマも増えてきました。
昨年は強いデッキがかなり絞られていて、先攻を取った側がそのまま押し切る試合が多かったんです。今年は、どのテーマを選び、6デッキをどう組み合わせるかで差が出る大会になると予想しています。
自分が最も大事だと思っているのは、40枚の内訳を細かく調整することよりも、その前段階にある「テーマ選び」です。プレーヤーがどれだけ強くても、環境に合っていないデッキを持ち込めば勝つのは難しい。逆に、強いテーマを正しく選べれば、簡単には崩れません。
フリーダム:今年は昨年より、選べるカードもデッキも増えると思います。自分は使われそうなデッキを実際にさわりながら、確率計算もしています。
40枚の中に動き出せるカードが何枚あり、どの組み合わせなら展開できるのかを入力して、最初の5枚で動ける確率を出す。数字と実際に回した感触を合わせて、自分たちが納得できる構築を作りたいです。
ゆき。:自分はデッキ同士の相性確認を重視しています。世界大会では1人が2デッキを登録するので、対戦相手に対して、その2デッキをどのように運用するかを考えなければいけません。
昨年は圧倒的に強いデッキがあり、選択肢が狭かった。今年は構成の幅が広がると予想しているので、プレー以前に、組み合わせの段階で勝率に大きな差が出ると思います。相性を早い時期から確認しておくことが重要です。
──WCS 2026の本戦から使用できるカードは8月24日までに実装されたものです。研究に使える時間がかなり短くなる可能性もあります。
たすく:時間は限られますが、それは相手も同じです。短い期間で強いデッキを見つけられないチームも出てくる。その中で、自分たちが最適解に近いものを見つけられれば優位になります。
過去にも、短い時間で強い構成を見つけて勝ってきた経験があります。限られた時間でテーマを評価し、使うべきものを決める力も、プレーヤーの実力に含まれると思っています。

フリーダム:新しいカードが出たら、各自で試して感触を共有しますし、うまくいかなかったデッキも「弱かった」と伝えることに意味があります。同じ検証を3人で繰り返さずに済みますから。
ゆき。:自分は、弱いと感じたデッキもできるだけ共有するようにしています。伝えないと、ほかのメンバーが同じことを試して二度手間になる可能性がありますから。大会が近づけば、練習量もかなり増えていくと思います。
たすく:昨年は大会前になると、毎晩のように相性やプレーを確認していました。今年も最終段階では、3人で集中的に詰めていくことになると思います。
──今年は3年ぶりに日本で世界大会が開催されます。海外で戦う場合と比べて、どのような違いがありますか?
ゆき。:競技面では大きく変わらないと思いますが、移動時間が短いのは本当にありがたいです。海外遠征は移動だけでも疲れるので、普段に近い状態で大会に入れるのはプラスです。
たすく:コンディション面では日本開催の方が安心できます。昨年のパリ大会では体調を崩したことがあり、試合中も不安を抱えながら戦っていました。
日本なら食事や生活のリズムを保ちやすいので、準備してきたものを出しやすいと思います。
フリーダム:友人たちも応援に来てくれる予定ですが、決勝の舞台まで進まなければ、観客の前で戦うことはできません。(※28日(金)の本戦 1stステージは別会場にて一部の試合が配信される予定)
負けた状態で会うのではなく、壇上で会いたい。それが大きなモチベーションになっています。
──海外の注目選手や、意識しているライバルはいますか?
フリーダム:United StatesのJoey選手です。個人的にもよく話す選手で、昨年は彼のチーム(Chaiba Corp)に負けたことで、自分たちは決勝トーナメントに進めませんでした。
今年も一緒に世界大会へ出られるのはうれしいですし、できれば決勝トーナメントでリベンジしたいです。
ゆき。:自分はRyan選手に注目しています。「WCS 2024」マスターデュエルの部の世界王者で、『遊戯王OCG』(※Yu-Gi-Oh! TCG)の小学生の部でも過去に世界一を獲得していますし、最適解を見つける力に憧れがあります。そういう力を持つプレーヤーは尊敬しています。
たすく:今年出場できなかった海外の選手から、「自分の分まで頑張ってほしい」とメッセージをもらいました。これまで世界大会で戦ってきた選手や、予選で敗れた選手たちの思いも背負っていると感じます。
もちろん、日本から出場する他の選手もほとんどが知り合いですが、優勝するためには全員に勝たなければいけません。相手を知っているからこそ読み合える部分もありますし、こちらのことも知られている。そこは条件が同じです。
──最後に、世界大会へ向けた決意を聞かせてください。今年、世界一になれますか?
ゆき。:必ず勝ち取ります。そのつもりで頑張っていますし、この3人で集まっています。世界一に向かってこれから準備していきます。
フリーダム:優勝するための努力は惜しまないつもりです。できることをすべてやって、全力を尽くします。
たすく:これまでは、世界大会への出場が決まってからチームを作り、数カ月で準備してきました。でも今年は、「世界大会で優勝する」ことを見据えて、昨年の段階からこのチームを結成し、3人でコミュニケーションを取ってきました。
世界大会に出るために必要な力と、出場してから優勝するために必要な力は、少し違います。フリーダムさんとゆき。さんは、自分に足りないものを持っています。
3人で補い合い、今年こそ世界大会で優勝したいです。
───
世界トップクラスのプレーヤーとして知られるたすく選手が、いまだ手にしていない「WCS」マスターデュエルの部の優勝。過去3度の挑戦を経て、頼もしい2人の仲間とともに、悲願の優勝を狙う陣容は整った。
「遊戯王カードゲーム」の故郷である日本で、悲願の「WCS」優勝を成し遂げられるか──8月28日〜30日の「WCS 2026」でのチーム「Glory Future」の戦いに注目だ。

たすく選手
https://x.com/tasukusuraimu1
フリーダム選手
https://x.com/Freedume1234
ゆき。選手
https://x.com/8322_NEKANA
WCS 2026 特設サイト
https://www.konami.com/yugioh/worldchampionship/2026/ja/
遊戯王 マスターデュエル 公式サイト
https://www.konami.com/yugioh/masterduel/jp/ja/
©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI
©Konami Digital Entertainment
いずれも世界大会の舞台を経験しながら、あと一歩のところで優勝を逃してきた3人が、2026年はひとつのチーム「Glory Future」として世界の頂点を目指す。
異なる経歴とプレースタイルを持つ3人が、どのようにチームを結成し、世界大会に向けてどんな準備をしているのか。昨年の悔しさ、日本人選手と海外選手との違い、2026年大会の環境予想、そして日本開催への思いを聞いた。(※本インタビューは7月4日に東京都内で実施した)

左から、「Glory Future」のフリーダム選手、たすく選手、ゆき。選手
「WCS 2023」日本大会の会場レポートはこちら
【大会レポート】「Yu-Gi-Oh! World Championship 2023」で感じた、世界での『遊戯王』の強さとファンの愛
たすく選手の「WCS 2024」代表決定時のインタビューはこちら
「WCS 2024」日本代表・たすく選手インタビュー「世界一を目指して、楽しみながら勝ちたい」
異なる入り口から「遊戯王カードゲーム」の世界へ
──まずは、それぞれの「遊戯王カードゲーム」歴と、これまでの歩み、好きなカードを教えてください。
フリーダム:小学校低学年の頃に兄から教えてもらい、中学受験が始まるまでの数年間、『遊戯王OCG』を遊んでいました。その後もカジュアルに続けていて、『遊戯王 マスターデュエル』がリリースされてからも最初の1年半くらいは競技を意識せず、好きなデッキで遊んでいました。

転機になったのは、好きだったテーマ「宝玉獣」が強化されたことです。「このデッキで勝ちたい」と思って上位を目指すようになり、そこから競技にのめり込んでいきました。もともとは競技プレーヤーというより、純粋に「遊戯王カードゲーム」が好きなところから始まっています。
一番好きなカードは「宝玉の絆」です。イラストが好きなのはもちろん、「宝玉獣」を支えるカードとして、カードデザインも気に入っています。

ゆき。:自分は『マスターデュエル』がリリースされてから始めたので、「遊戯王カードゲーム」歴も3~4年ほどです。それ以前は、子どもの頃に親戚の家でカードに少しふれたくらいでした。

『マスターデュエル』は知り合いが遊んでいたことをきっかけに始めたのですが、それまで遊んでいた他のカードゲームとはかなり毛色が違っていて、そこに惹かれました。普通では考えられないような盤面を、ありえない方法で返すような体験ができて、展開の自由度や一気に状況が動くところが面白かったですね。
好きなカードは「氷剣竜ミラジェイド」です。カードとして強力で、相手の盤面を大きく崩せるところが好きです。

たすく:自分は5歳くらいから始めていて、「遊戯王カードゲーム」歴は20年以上です。漫画もアニメも見て、家庭用ゲームもほとんど遊んできました。文字どおり『遊戯王』と一緒に年を重ねてきたと思います。

競技以外にもいろいろなゲームにはふれていますが、中心にあるのはずっと「遊戯王カードゲーム」です。ほかのゲームで学んだ勝ち方や考え方も、「遊戯王カードゲーム」に持ち込んでいます。
好きなカードは毎年変わるのですが、今年挙げるなら「閃刀姫=ゼロ」(せんとうき=ゼロ)です。「閃刀姫」というテーマのストーリーや、登場人物たちが戦いを通じて関係を築いていくところも好きですね。

世界一から逆算して作られたチーム
──今回、たすく選手がフリーダム選手とゆき。選手を誘った理由は?
たすく:フリーダムさんとは昨年も同じチーム(Dream's Future)で出場したのですが、優勝にはあと一歩届きませんでした。その悔しさを晴らすためにリベンジをしたいという思いもあります。
フリーダムさんは細部まで正確にプレーできるタイプです。自分は比較的大ざっぱな部分もあるので、自分とは違う強みを持っている選手として誘いました。
ゆき。さんは、相手の盤面を崩して逆転する「まくり」、つまり後攻から試合を返すプレーが得意です。使えるデッキの系統やプレースタイルも自分とは違います。自分に足りないものを持っている2人ですし、2人に足りないものは自分が補える。そういうチームにしたいと考えました。

──誘われたおふたりは、「Glory Future」をどのようなチームだと感じていますか?
フリーダム:3人とも使えるデッキの幅が広いのが、このチームの強みです。
「WCS」では3人がそれぞれ2デッキずつ登録するので、チーム全体では6デッキになります。どのテーマを選び、誰がどの2デッキを担当するかが非常に重要です。
でもこの3人なら、環境に存在するデッキの大半を扱えると思います。選択肢が多くなるぶん、勝率がより高い構成を探せるチームになっています。
ゆき。:昨年、自分は別のチーム(Soul Form)のリーダーだったのですが、チーム内でデッキ構成を考えられる役割の人がチームメンバーの中では自分しかいなかったため、友人に協力してもらったりもしていました。
でも、今年は3人で意見を出し合えるチームだと感じているので、昨年よりも理想的な構成を考えられる可能性が高そうで楽しみです。
デッキプールが広いだけでなく、得意な系統が少しずつ違うので、かなり柔軟な戦略が組めます。話し合っていても楽しいですし、頼りになるチームだと感じています。
「WCS 2026」マスターデュエルの部の基本ルール

「WCS 2026」のマスターデュエルの部は、3人1組によるチーム戦。「デュエリストカップ」の成績、各エリアの代表、シーズンポイント、前回優勝チームなど、合計12チームが出場する。
デッキ構成
各選手は2デッキを登録し、1チームが使用するデッキは合計6つ。メインデッキは40~60枚、エクストラデッキは0~15枚で構成する。
通常、同じカードはチームの全6デッキを通じて3枚までしか採用できない(ひとつのデッキに同じカードを3枚入れた場合、ほかの5デッキにはそのカードを採用できない)。
一方、各チームは最大5種類の「シェアカード」を指定できる。シェアカードに指定したカードは、原則として6デッキすべてに最大3枚ずつ採用できる。ただし、制限カードは各デッキ1枚、準制限カードは各デッキ2枚までとなる。
なお、使用できるのは、2026年8月24日12時59分までに『マスターデュエル』へ実装されたカード。登録完了後にデッキの内容を変更することはできない。
試合方式
チーム間の1ラウンドでは、3つのデュエルを同時に行う。これを1セットとして、合計3セットを実施する。各選手は相手チームの3選手全員と1回ずつ戦うため、1ラウンドでは最大9デュエルが行われる。
8月28日(金)の本戦 1stステージは、6チームずつの2グループに分け、総当たり戦を実施。一部の試合は配信も行われる予定だ。
各グループを勝ち上がった上位2チームの計4チームが決勝トーナメント(準決勝)に進出。その4チームの中で勝利した2チームが30日(日)の決勝トーナメント(決勝戦)に進出し、世界一をかけてデュエルをする。試合は東京ガーデンシアターのオフライン会場で行われる。
参考:本戦レギュレーション マスターデュエルの部
「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」公式サイト

「WCS 2026」のマスターデュエルの部は、3人1組によるチーム戦。「デュエリストカップ」の成績、各エリアの代表、シーズンポイント、前回優勝チームなど、合計12チームが出場する。
デッキ構成
各選手は2デッキを登録し、1チームが使用するデッキは合計6つ。メインデッキは40~60枚、エクストラデッキは0~15枚で構成する。
通常、同じカードはチームの全6デッキを通じて3枚までしか採用できない(ひとつのデッキに同じカードを3枚入れた場合、ほかの5デッキにはそのカードを採用できない)。
一方、各チームは最大5種類の「シェアカード」を指定できる。シェアカードに指定したカードは、原則として6デッキすべてに最大3枚ずつ採用できる。ただし、制限カードは各デッキ1枚、準制限カードは各デッキ2枚までとなる。
なお、使用できるのは、2026年8月24日12時59分までに『マスターデュエル』へ実装されたカード。登録完了後にデッキの内容を変更することはできない。
試合方式
チーム間の1ラウンドでは、3つのデュエルを同時に行う。これを1セットとして、合計3セットを実施する。各選手は相手チームの3選手全員と1回ずつ戦うため、1ラウンドでは最大9デュエルが行われる。
8月28日(金)の本戦 1stステージは、6チームずつの2グループに分け、総当たり戦を実施。一部の試合は配信も行われる予定だ。
各グループを勝ち上がった上位2チームの計4チームが決勝トーナメント(準決勝)に進出。その4チームの中で勝利した2チームが30日(日)の決勝トーナメント(決勝戦)に進出し、世界一をかけてデュエルをする。試合は東京ガーデンシアターのオフライン会場で行われる。
参考:本戦レギュレーション マスターデュエルの部
「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」公式サイト
チーム戦だからこそ味わえる楽しさと責任
──『マスターデュエル』は普段は個人で戦うゲームですが、チーム戦という形式についてはどう感じていますか?
ゆき。:どちらかというと個人戦の方が好きです。負けた時にほかの人にも責任を負わせたくないんですよね。すべて自分の責任になる個人戦の方が、気持ちとしては整理しやすいので。
ただ、チーム戦ならではのテンションや、一緒に戦っている感覚は楽しいです。

フリーダム:自分はチーム戦の方が好きですね。昔は将棋もかなりやっていたのですが、将棋は運がほとんど絡まないので、負けた時は100%自分が悪いと感じてしまいます。
でもチーム戦は、責任も3倍になるかもしれませんが、楽しさも3倍になります。仲間の試合を応援したり、勝った時に一緒に喜べたりするところが好きです。
たすく:自分もチーム戦の方が好きです。個人戦で負けると、そのままひとりで帰ることもありますが、チーム戦なら試合後に「このあとどうする?」とか、「あの場面はどうすればよかった?」という話ができます。
自分は野球部だったので、もともとチームで戦うスポーツが好きなんです。3人で戦った方が、世界大会に挑んでいるという実感も強くなると思います。
忘れられない「WCS 2025」での敗戦
──3人とも2025年のパリ大会では、決勝トーナメント進出を逃してしまいました。いま振り返ってみて、どのような大会でしたか?
フリーダム:自分たちのチーム(Dream's Future)は2連敗したあと2連勝して、次の試合に勝てば決勝トーナメントへ進める、というところまで持ち直しました。

ただ、その最終戦で自分が後攻になり、そのまま負けてしまいました。いまでも最初の手札も、相手の動きも覚えています。何度も思い返してしまう試合ですし、簡単には忘れられません。

たすく:昨年は、使えるデッキの選択肢がかなり限られた環境でした。「M∀LICE」(マリス)や「ライゼオル」など、非常に強力なテーマが環境の中心にあり、どのチームも残りのデッキをどう構成するかで苦労していたと思います。
しかも、先攻側がかなり有利な環境で、対策カードを入れても、後攻の勝率を少し上げる程度にしかならない。自分たちも、先攻で引きたいカードを後攻の時に引き、後攻用のカードを先攻の時に引くなど、かみ合わせが悪い場面がありました。

もちろん、勝敗の言い訳にするつもりはありません。ただ、「別のカードなら可能性があったのではないか」と考える部分は心残りでした。今年はそうした反省も構築に反映したいです。
ゆき。:自分のチーム(Soul Form)は、環境で最も強いと見ていた「M∀LICE」への対策カードをかなり意識して採用しました。ただ、そのカードを必要な場面で引けなかった。結果だけ見れば機能しませんでしたが、ほかに明確な正解があったとも思っていません。

カードゲームなので、引きの運は必ずあります。そのうえで、選択が正しかったのか、もっと勝率を高められたのかを考え続けるしかないと思っています。
──実際に戦った海外チームとの実力差などは感じますか?
たすく:日本の選手は安定志向が強いと思います。デッキを動かすために必要なカードを、できるだけ高い確率で最初の手札に引けるように構築する。
一方で海外の選手は、初動の確率を少し下げてでも、後攻で強いカードや、通れば一気に勝てるカードを入れることがあります。引けなければ何もできずに終わるリスクはあるのですが、そのぶん勝負どころで強い。かなり強気な構築です。
昨年も、こちらが後攻を得意とするテーマ「天盃龍」(てんぱいりゅう)を使う可能性まで読んだうえで、コイントスに勝ちながら先攻を譲ってきた海外選手がいました。非常に強気な判断ですし、読みが当たれば試合の有利不利が一気に変わります。
ただ、海外勢とひとくくりにはできませんし、プレーそのものに大きな差があるとは感じていません。地域によって細部のカード選択に特色はありますが、こちらが先攻なら勝てたと思う試合も多くありました。
ゆき。:自分も、地域ごとの特色はあっても、単純な実力差があるとは思っていません。最適解の探し方や、どこまでリスクを取るかの違いはありますが、十分に戦える相手です。
2026年は「テーマ選び」が勝敗を分ける
──いよいよWCS 2026 本戦が8月28日〜30日に迫ってきましたが、昨年と比べてどのような環境になりそうですか?
たすく:昨年よりもデッキの選択肢は増えると思います。シェアカードの候補も変化しますし、後攻から戦えるカードやテーマも増えてきました。
昨年は強いデッキがかなり絞られていて、先攻を取った側がそのまま押し切る試合が多かったんです。今年は、どのテーマを選び、6デッキをどう組み合わせるかで差が出る大会になると予想しています。
自分が最も大事だと思っているのは、40枚の内訳を細かく調整することよりも、その前段階にある「テーマ選び」です。プレーヤーがどれだけ強くても、環境に合っていないデッキを持ち込めば勝つのは難しい。逆に、強いテーマを正しく選べれば、簡単には崩れません。
フリーダム:今年は昨年より、選べるカードもデッキも増えると思います。自分は使われそうなデッキを実際にさわりながら、確率計算もしています。
40枚の中に動き出せるカードが何枚あり、どの組み合わせなら展開できるのかを入力して、最初の5枚で動ける確率を出す。数字と実際に回した感触を合わせて、自分たちが納得できる構築を作りたいです。
ゆき。:自分はデッキ同士の相性確認を重視しています。世界大会では1人が2デッキを登録するので、対戦相手に対して、その2デッキをどのように運用するかを考えなければいけません。
昨年は圧倒的に強いデッキがあり、選択肢が狭かった。今年は構成の幅が広がると予想しているので、プレー以前に、組み合わせの段階で勝率に大きな差が出ると思います。相性を早い時期から確認しておくことが重要です。
新カード実装から短期間で最適解を探す
──WCS 2026の本戦から使用できるカードは8月24日までに実装されたものです。研究に使える時間がかなり短くなる可能性もあります。
たすく:時間は限られますが、それは相手も同じです。短い期間で強いデッキを見つけられないチームも出てくる。その中で、自分たちが最適解に近いものを見つけられれば優位になります。
過去にも、短い時間で強い構成を見つけて勝ってきた経験があります。限られた時間でテーマを評価し、使うべきものを決める力も、プレーヤーの実力に含まれると思っています。

フリーダム:新しいカードが出たら、各自で試して感触を共有しますし、うまくいかなかったデッキも「弱かった」と伝えることに意味があります。同じ検証を3人で繰り返さずに済みますから。
ゆき。:自分は、弱いと感じたデッキもできるだけ共有するようにしています。伝えないと、ほかのメンバーが同じことを試して二度手間になる可能性がありますから。大会が近づけば、練習量もかなり増えていくと思います。
たすく:昨年は大会前になると、毎晩のように相性やプレーを確認していました。今年も最終段階では、3人で集中的に詰めていくことになると思います。
3年ぶりの日本開催で、友人やファンの待つ舞台へ
──今年は3年ぶりに日本で世界大会が開催されます。海外で戦う場合と比べて、どのような違いがありますか?
ゆき。:競技面では大きく変わらないと思いますが、移動時間が短いのは本当にありがたいです。海外遠征は移動だけでも疲れるので、普段に近い状態で大会に入れるのはプラスです。
たすく:コンディション面では日本開催の方が安心できます。昨年のパリ大会では体調を崩したことがあり、試合中も不安を抱えながら戦っていました。
日本なら食事や生活のリズムを保ちやすいので、準備してきたものを出しやすいと思います。
フリーダム:友人たちも応援に来てくれる予定ですが、決勝の舞台まで進まなければ、観客の前で戦うことはできません。(※28日(金)の本戦 1stステージは別会場にて一部の試合が配信される予定)
負けた状態で会うのではなく、壇上で会いたい。それが大きなモチベーションになっています。
──海外の注目選手や、意識しているライバルはいますか?
フリーダム:United StatesのJoey選手です。個人的にもよく話す選手で、昨年は彼のチーム(Chaiba Corp)に負けたことで、自分たちは決勝トーナメントに進めませんでした。
今年も一緒に世界大会へ出られるのはうれしいですし、できれば決勝トーナメントでリベンジしたいです。
ゆき。:自分はRyan選手に注目しています。「WCS 2024」マスターデュエルの部の世界王者で、『遊戯王OCG』(※Yu-Gi-Oh! TCG)の小学生の部でも過去に世界一を獲得していますし、最適解を見つける力に憧れがあります。そういう力を持つプレーヤーは尊敬しています。
たすく:今年出場できなかった海外の選手から、「自分の分まで頑張ってほしい」とメッセージをもらいました。これまで世界大会で戦ってきた選手や、予選で敗れた選手たちの思いも背負っていると感じます。
もちろん、日本から出場する他の選手もほとんどが知り合いですが、優勝するためには全員に勝たなければいけません。相手を知っているからこそ読み合える部分もありますし、こちらのことも知られている。そこは条件が同じです。
世界を制するために集まった3人
──最後に、世界大会へ向けた決意を聞かせてください。今年、世界一になれますか?
ゆき。:必ず勝ち取ります。そのつもりで頑張っていますし、この3人で集まっています。世界一に向かってこれから準備していきます。
フリーダム:優勝するための努力は惜しまないつもりです。できることをすべてやって、全力を尽くします。
たすく:これまでは、世界大会への出場が決まってからチームを作り、数カ月で準備してきました。でも今年は、「世界大会で優勝する」ことを見据えて、昨年の段階からこのチームを結成し、3人でコミュニケーションを取ってきました。
世界大会に出るために必要な力と、出場してから優勝するために必要な力は、少し違います。フリーダムさんとゆき。さんは、自分に足りないものを持っています。
3人で補い合い、今年こそ世界大会で優勝したいです。
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世界トップクラスのプレーヤーとして知られるたすく選手が、いまだ手にしていない「WCS」マスターデュエルの部の優勝。過去3度の挑戦を経て、頼もしい2人の仲間とともに、悲願の優勝を狙う陣容は整った。
「遊戯王カードゲーム」の故郷である日本で、悲願の「WCS」優勝を成し遂げられるか──8月28日〜30日の「WCS 2026」でのチーム「Glory Future」の戦いに注目だ。

たすく選手
https://x.com/tasukusuraimu1
フリーダム選手
https://x.com/Freedume1234
ゆき。選手
https://x.com/8322_NEKANA
WCS 2026 特設サイト
https://www.konami.com/yugioh/worldchampionship/2026/ja/
遊戯王 マスターデュエル 公式サイト
https://www.konami.com/yugioh/masterduel/jp/ja/
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