「『鉄拳ワールドツアー』3年目にしてようやく土台ができた」【『鉄拳7』プロデューサー マイケル・ムレイ氏 インタビュー】 (2/4)

2019.6.11 岡安学

「鉄拳ワールドツアー」に「EVO」とコミュニティ大会を追加した理由

――2019年から、「鉄拳ワールドツアー」のシステムも大きく変わりましたが、何が理由だったのでしょうか?

マイケル:「鉄拳ワールドツアー」を2年やってみて、いろいろな反省点が浮き彫りになってきました。そのひとつが「EVO」の存在です。

2年目の「鉄拳ワールドツアー」では、「EVO」はポイント対象の大会ではなかったのですが、あれだけ盛り上がる大会をツアーと関連付けなかったのは、本当にもったいないことでした。コミュニティからも要望がありましたし、どうせ組み込むなら特別な大会にしたいということで、3年目の今年は「EVO」の大会ランクを「Master+」としました。

――「Mastes+」と同時に、コミュニティの大会も「鉄拳ワールドツアー」のグローバルポイントに反映できるように「DOJO」も新たに登場しました。これはどういった意図で作られたのでしょうか?

マイケル:昨今のeスポーツの注目度アップによって、スポンサーが付くプレイヤーや、ゲーミングチームに所属するプレイヤーが増えてきました。喜ばしいことではありますが、それによりプレイヤーの資金力による格差が生じてしまうことを懸念したんです。

というのも、今までのルールでは、資金力のあるプレイヤーが世界各国の大会に参加し、“大会の数”をこなすことで、上位入賞を果たせずともポイントを稼ぐことができたんですね。

そこで今年は、ローカル大会を増やすことで、海外遠征ができないプレイヤーでも上位入賞ができればポイントを稼げるシステムに変更したいということで設定したのが、「DOJO」です。

「DOJO」は、コミュニティが開催する大会を弊社に申請していただくことで、グローバルポイントの対象となります。参加人数に応じて獲得できるポイント数が決まるので、コミュニティ大会でも参加人数が多ければそれなりのポイントが獲得できるというわけです。

鉄プロTV Season2 第1回。2019年からの「鉄拳ワールドツアー」について詳しく解説されている(21:20頃〜)

また、先ほどご説明した、参加する“大会数”によりポイントを稼ぐ、という手段を防ぐために、総ポイント制ではなく、「Master(Master+含む)」の上位3試合、「Challenger」の上位3試合、「DOJO」の上位4試合の計10試合のポイント総数で、最終的なポイントが確定するように変更しました。

これにより、ローカルでの大会が活性化し、新たなプレイヤーの発掘にもつながり、大会自体も増やすことができます。しかも我々が大会を増やすのではなく、コミュニティや他の運営団体によって増えていくので、こちらとしてもコスト面のメリットもあります。

ただ、すべての大会の管理をするのは大変です(笑)。eスポーツ大会のポータルサイトである「Smash.gg」と提携したので、結果を確認するのは大分楽になりましたが、海外では「DOJO」の大会がスタート1週目ですでに35大会も開かれていましたので、それでもかなりの労力です。

日本では、Red Bull Gaming Sphere Tokyoで毎週火曜日に開催されている「ファイティングチューズデー」が、国内初の「DOJO」大会として4月30日に開催されました。「DOJO」での最高獲得ポイントとなる参加者96人を超えた大会になったこともあり、プロ選手もかなり出場していました。



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