【インタビュー】EVO Japan 2026サイドイベント主催者の苦悩——巨大化する大会、その熱を“支える側”は何を思うのか

国内最大級の格闘ゲーム大会「EVO Japan 2026 presented by レバテック」が2026年5月1日(金)〜3日(日)に東京ビッグサイトにて開催。来場者数は過去最多の34,000人を記録するなど、格闘ゲームシーンの盛り上がりが顕在化した。メインタイトルも、昨年に比べ7タイトル増の全12タイトルということで、非常に幅広い層のプレーヤーが会場に集結した。

そんな「EVO Japan」で忘れてはならないのがサイドイベントだ。サイドイベントは有志によって主催されるイベントを示し、メインイベントと同じ会場でさまざまなタイトルの大会が開催されている。基本的に代表者が日本国内在住者であれば誰でも主催可能で、毎年変わり種の大会が楽しめるのが魅力のひとつだ。

▲ブラウン管にファミコンというレトロなタイトルで大会が行われることも。ある意味メインイベントよりも濃厚なブースが楽しめるのがサイドイベントの魅力だ(写真はEVO Japan 2020のもの)

筆者は毎年サイドイベントの取材を行っており、今回も「スト2ターボ大会」の取材を行った。しかし、今年はなんだか雰囲気が違う——。そこには、サイドイベント主催者を悩ませる、ある規制があったのだ。拡大していく格闘ゲームシーンの中で、サイドイベント主催者がかかえる苦悩とは、主催者に話を聞いてみた。

eスポーツチームオーナー・中野サガット、悲願のリベンジ優勝!——“絶対王者”こにたまの連覇を止め王座奪還


ということで、まずは今回取材したサイドイベントのレポートをお届けしよう。「スト2ターボ大会」とは、千葉県銚子市の農家を営むウッド村ファーム木村さん(木村P)が主催するサイドイベントだ。スーパーファミコン版『ストリートファイターIIターボ』を使用した32名参加のトーナメントで、往年のプレーヤーたちが熱戦を繰り広げる。

毎年参加しているベテラン勢や、宣伝を聞きつけてエントリーしたプレーヤーなど色濃いプレーヤーたちが集結する知る人ぞ知る人気コンテンツだ。

▲今回新たに参戦していたのは、『餓狼伝説 City of the Wolves』のグリフォンマスクのコスプレをしていたミスター・ゴージャス選手。すごい肉体のように見えるけど、実は着ぐるみという

eスポーツチームREVOのオーナーであり選手でもある中野サガット(写真中央)は毎年参加のベテラン勢。銚子市特別観光大使のリコちゃん(写真左)と、コスプレーヤーのうさこさん(写真右)に囲まれてタイガーショット!

ルールはシンプルな2先。しかしキャラ変更は自由、一方でキーコンフィグは禁止という、1993年に両国国技館で開催された「ストリートファイターIIターボ チャンピオンシップ’93 IN 国技館」の操作ルールを採用しているのもアツい。ここ数年は、3連覇中のこにたま選手と、中野サガット選手による決勝戦が定番カードとなっていた。

今年も例外なく、ふたりが決勝戦へ進出。因縁の対決が1年ぶりに実現した。一貫してダルシムを使い続けるこにたま選手に対し、相手に応じてキャラクターを使い分ける中野サガット選手。今年はどちらに勝利の女神がほほ笑むのか——。

▲1本目は鋭い対空で距離保ちつつ戦い抜いたこにたま選手のダルシムが、中野サガット選手のサガットにストレート勝利。あっという間に連覇に王手が!

ここで、中野サガット選手は使用キャラを春麗に変更。ダルシムにとってはかなりやりづらいキャラクターだ。

▲春麗のジャンプ攻撃はダルシムにとって対空しづらいため、飛び回れると結構厳しい。そんなダルシムの弱点を突きまくった中野サガット選手がストレートで2本目を取り返す。

春麗での勝利に味をしめた中野サガット選手。最終戦となる3本目も引き続き春麗を選択し、こにたま選手のダルシムを完封。再びストレート勝ちで見事逆転優勝を果たした。

▲試合終了後はアツい握手を交わしてチャンピオンの座が入れ替わる。6年ぶりの優勝を手にした

試合後、中野サガット選手は「こにたま選手のことだけを考えて1年間過ごしてきた」とコメント。その割には前日の1時間しかゲームをさわれてなかったと多忙の中、「ストリートファイターIIターボ チャンピオンシップ’93 IN 国技館」王者の意地を見せる結果となった。

▲左からリコちゃん、4位のがまちっち選手、優勝した中野サガット選手、準優勝のこにたま選手、3位のウルトラマリオ選手、うさこさん

試合後は、中野サガット選手との特別対戦交流会が実施。勝利すると中野サガット選手直筆のサイン色紙がもらえるというイベントも実施。10名ほどが中野サガット選手に挑戦した。

▲参加者10名の中で、中野サガット選手に勝利してサインをゲットしたのは、こにたま選手とAB10選手(昨年はエレクトーン本田の名前で出場)の2名。さっそくリベンジしているこにたま選手がすごい!

〆のあいさつでは、木村Pから「来年もよろしくお願いします」と、うれしいコメントも。来年は中野サガット選手の2連覇となるか、こにたま選手のリベンジとなるか、はたまたニューチャレンジャーが現れるのか。来年の「スト2ターボ大会」も楽しみだ。

巨大化するEVO Japan、その裏で“支える側”は何を思うのか


「EVO Japan」を盛り上げる上で欠かせないのが、今回のような有志主催によるサイドイベントだ。メインタイトルの熱狂とはまた違う、コミュニティーならではの空気感。レトロゲームから特殊ルール大会まで、そこには格闘ゲームコミュニティーが好きだという一点で支え続けてきた主催者たちの存在がある。

しかし、「EVO Japan」は年々巨大化。会場規模や来場者数が増える一方で、サイドイベントを取り巻く環境も少しずつ変化している。会場使用料やサイドイベント参加者の入場料といったコスト面の負担に加え、イベント申請や景品規定の厳格化——。特に、今年になってより厳格化されたのが、賞品や賞金に対するルールだ。

今年は、サイドイベントの大会に関して、トロフィーやメダルの授与は禁止。また賞品提供も禁止というかなり厳しいルールが設けられた。また、最終的にはOKとなったが、当初は賞状すら禁止という案内もあり、主催者側には困惑の声が広がった。

もちろん、大規模イベント化に伴い、運営側が慎重なルール整備を進める必要があるのは理解できる。一方で、気軽に参加できるはずのサイドイベントの魅力が年々失われているのが現状だ。

サイドイベント主催者たちは、現在の「EVO Japan」をどのように見ているのか——。長年サイドイベントを開催し続けてきたウッド村ファームの木村Pに話をうかがった。

▲ウッド村ファーム木村P(写真中央)

——木村Pがサイドイベントを開催しようと思ったきっかけを教えてください。

木村P:元々、地元の千葉県・銚子市でコミュニティー大会を開催していたんです。そんな中で、2019年の2回目にあたる「EVO Japan」でサイドイベント募集の話を見て、「地元でやっている大会を、この世界大会でやったら面白いんじゃないか」と思ったのがきっかけですね。

——第1回の反響はいかがでしたか?

木村P:最初は『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション』の初代『ストII』で開催したんですが、海外勢と日本勢が半々くらい参加してくれて、最初からかなり盛り上がりました。

しかも、当時まったく交流のなかった中野サガットさんが参加してくれたんです。僕ら世代からすると本当にレジェンドみたいな存在なので、「こんな人が来てくれるんだ」と驚きましたし、「毎年続けたいな」と思うきっかけになりました。


▲福岡で開催され「EVO Japan 2019」での様子。『ストリートファイターIII 3rd Strike』のプレーヤーであり、細かすぎて伝わらない物まねでも有名な、はやお選手の姿も(写真提供:ウッド村ファーム木村P

▲アパレルブランドの無敵時間さん(写真右下)や、お笑いコンビのNOモーション。さん(写真上部ふたり)も常連さん。知る人ぞ知る大会として、著名なプレーヤーも参加するイベントへと昇華していった

——当時はどんな感じで参加者を募っていたんですか?

木村P:当時は会場の呼び込みで集めていました。まだ「トナメル」のような大会を管理するツールもなかったですしね。なので、逆に当日受付という部分で多くの方に参加してもらえたというのはあったかもしれません。

——第2回目からは、現在定着しているスーパーファミコン版の『ストリートファイターIIターボ』を採用したレギュレーションになりましたね。何かきっかけがあったのでしょうか。

木村P:今のルールや運営スタイルも、毎年参加してくれる皆さんの意見を聞きながら、「あっ、なるほど。こういうルールだと面白そうだ」という気づきをいただき、形になっていった感じです。中野さんをはじめ、いろんな方からアドバイスをいただきました。

——大会で使用されている機種は発売から35年以上経つスーパーファミコンですよね。やはり機材集めも大変ですか?

木村P:いや、これが本当にめちゃくちゃ大変です(笑)。

特に苦労するのはコントローラーですね。状態のいいものを探すのが本当に難しい。中古ショップやネットで探して、一個ずつ買って、自分で試して、それを会場に持ってきています。さらに、中野さんや長年参加していただいている、こにたまさんといった皆さんに実際にさわってもらって、チェックしてもらっています。

お金もめっちゃかかってるんですけど、こういう大会を通じてみなさんが集まってくれて、ここで交流が生まれることがうれしいので、もうそれだけの気持ちでやっていますね。

▲サイドイベント開催時には、試合用に加え、フリー対戦用など複数のスーパーファミコンが設置されている。古い機種だけに、状態がいいものを集めるだけでも大変だ

——大会の合間には面白い企画のイベントなども開催されていますが、あれはどういう発想なんですか?

木村P:あれは本当に思いつきです(笑)。

純粋なトーナメントだけだと、ある程度強い人が決まってきてしまう部分もあるので、それ以外の方にもチャンスができたら面白いなと思ってやっています。去年の実施した「10先」企画も、中野さんが何気なく「やろうよ」と話していたのがヒントでした。

▲懐かしいと感じる人もいるだろう。ボタンの連射が計測できる「シュウォッチ」を使った「シュウォッチ大会」が同日に開催された年も。かつての記憶がよみがえるような、さまざまなテクニックで連射計測を楽しんでいたのが印象的だ

——毎年続けていく中で、「しんどい」と感じることはありますか?

木村P:毎回思ってます(笑)。お金もかかるし、来るのも準備するのも本当に大変です。ただ、みんなが楽しんでくれる顔を見るとうれしいんですよ。このうれしさがたまらないので、続けています!

先ほども勢いで来年も開催すると言ってしまったんですが、言ったからにはやりたいですね(笑)。

——長年「EVO Japan」に参加してみて、何か変化は感じますか?

木村P:最初に参加した福岡の頃と比べると、人の数が本当にすごいですね。毎年どんどん盛り上がっていると思います。今日も朝に会場を見に行ったんですが、参加者の数の多さにビックリしましたよ!

昔は「大きなゲーム大会」という感じだったんですが、今は完全に“競技”ですよね。

▲毎年増え続ける参加者。開場前から長蛇の列ができていた

——参加者が増えることで、ルールが厳格化されている。その中でサイドイベントの規定も厳しくなっている現状をどうとらえていますか?

木村P:まぁ、そこは難しいですね……。もちろん仕方ない部分もあるとは思っています。

——以前は当日受付も行っていたと思いますが、最近は飛び入り参加なども含めて、優勝賞品が授与できなくなるなど、かなりやりづらくなってきていますよね。

木村P:そうですね。最初の説明では、換金性の低いものなら問題ないという話だったんですが、その後、運営側から改めて連絡があり、メダルやトロフィーを含めて提供不可という形になりました。「管轄省庁からの指導」という説明もありましたし、運営側が慎重になるのも分かるんです。でも、やる側としては難しいですね。

サイドイベントって、みんな利益目的でやっているわけじゃないんですよ。うちもそうですけど、出展料を払って、さらに交通費や宿泊費、景品代まで含めると、毎回十数万円単位で持ち出しになります。それでも続けているのは、「EVO Japan」というイベントを、もっと盛り上げたいという気持ちなんですよね。

▲2025年までは、サイドイベントにおいて、トロフィーやメダルなどの授与も一定条件下で認められていた。しかし2026年は、「管轄省庁からの指導」を理由に、トロフィーやメダルを含む賞品提供が原則禁止に。コミュニティー主催者によるお祭り感の演出にも、大きな変化が訪れている

——木村Pは、ご自身の農業と絡めて、お米を優勝賞品にするなど、eスポーツと地域・農業を掛け合わせた取り組みもされていましたよね。そういったコミュニティーならではの盛り上げ方が難しくなっている現状については、どのように感じていますか?

木村P:あれは、銚子市の農業をPRしたいという目的も大きかったんです。eスポーツって、ゲームだけじゃなくて、地域とか人とか、いろんなものをつなげられる可能性があると思っていて——。だから、お米をきっかけに「銚子ってこういう場所なんだ」って知ってもらえたら面白いなと思っていました。

将来的には、こういうeスポーツ大会を銚子市でも開催していきたいという思いもあります。中野さんとも話しているんですが、中高生や子どもたち向けの講演会なども、いずれ銚子市でやってもらえたら面白いなと。

今は“プロゲーマー”という存在も、子どもたちにとってひとつの夢や職業になっていますよね。だから大会だけじゃなく、教育の現場も含めて、eスポーツをいろんな形で地域に取り入れて、銚子市を盛り上げていきたいと思っています。

▲銚子市特別観光大使に任命されている「リコちゃん」。ウッド村ファーム木村さんによるオリジナルのキャラクターで、銚子市をPRしているのだとか。「EVO Japan」のサイドイベントの盛り上げ役として、毎年参加されている

——最後に、来年への意気込みをお願いします。

木村P:もちろん来年もやりたいです。今の「スト2ターボ大会」を、また同じルールで続けたいですね。

参加人数を64人に増やすとか、人数制限なしにするとか、いろんな意見をいただいているので、皆さんの声を参考にしながら、毎年もっといい大会にしていきたいと思っています。また「EVO Japan」を通じて、世界の方々に、“銚子市”っていう文字が少しでも頭の中に残ってくれればいいかなと思ってます。

——ありがとうございました!

———

加速度的な盛り上がりを見せている「EVO Japan」。かつての格ゲー好きが集まるコミュニティー大会から、いつしか競技シーンとして洗練された大規模イベントへと昇華していった。

より多くのスポンサー、参加者、企業出展ブース。格ゲー好きだけでなく、誰もが楽しめるイベントへと進化しているのは誰の目にも明らかだ。一方で、格闘ゲームが好きだという一点だけで、イベントを支え続けているサイドイベント主催者たちも根強く残っている。

かつてゲームにのめり込んだ世代を巻き込むため、あえて当時のゲーム機を採用したり、ブラウン管を並べたり、ゲームセンターの筐体を設置したり——少年時代を思い出せるような空間を作り上げる。そこには、最新タイトルの競技シーンとはまた違う、コミュニティーならではの熱が存在していた。

「みんなが楽しんでくれる笑顔が見たいんですよ。だから続けるんです」と笑う木村P。その姿は、現在の格闘ゲームシーンを支える“もうひとつの熱”そのものだった。


しかし、イベントが巨大化することで規律が厳しくなり、その割を食っているのは、ほかならないサイドイベント側の人間たちではないだろうか。サイドイベントの数も年々増えてきている以上、何か問題が起こってからでは遅い。そうした判断のもと、厳しい規定が設けられるのは致し方ない部分もあるだろう。

ただし、気になる点もある。今回の取材を通じて、運営側からサイドイベント主催者に対し、賞品規定の変更を通達する以下の説明がなされていたことが判明した。

【サイドイベント賞品に関する規定変更のお詫びと訂正】

サイドイベントの賞品提供に関しまして、訂正とお詫びがございます。

当初、マニュアルおよびご説明の際に「メダル、トロフィーかつ換金性の低いものであれば可」とご案内しておりましたが、2026大会では「賞金や賞品の提供は禁止」、つまりメダル・トロフィーを含む物品の贈呈・提供は不可となります。

これまでサイドイベントへの参加促進のため、プレイヤーの栄誉を称える景品は容認しておりましたが、eスポーツ大会への管轄省庁からの全国的な指導もありましてこのような判断となっております。

ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

本件に関しましてご不明な点がございましたら、本チャットにてご連絡いただけますと幸いです。

しかし、この文面における「管轄省庁からの全国的な指導」について、具体的にどの省庁が、どのような法的根拠に基づいて指導を行ったのかはサイドイベント主催者には伝えられていないという。主催者側は「そう言われたならば仕方がない」という気持ちで受け入れるしかない。

一方で、eスポーツ大会に関わる主な法令といえば、景品表示法、風営法、刑法賭博罪などが挙げられる。このうち、賞品提供に最も関係が深いのが風営法だ。

風営法では、ゲームセンターなどの「5号営業」に該当する施設において、ゲームの結果に応じた賞品の提供を禁じている。金額の大小は問わない。仮にサイドイベントがこの5号営業に該当するのであれば、トロフィーやメダルの授与がNGとされるのも理屈としては成り立つ。

しかし、5号営業とは本来、ゲームセンターやアミューズメント施設のように、ゲーム機を常設して客に遊ばせることを継続的に行う「営業」を対象とした規定だ。また、旅館やホテル、ショッピングセンターといった、大規模な施設の内部にある区画された施設も該当するが、いずれも常設・継続的な営業を前提としている。

一方、「EVO Japan」のサイドイベントは年に1回開催される一時的なイベントだ。サイドイベント主催者は利益を求めない有志であり、参加者から参加料を徴収しているわけでもない。これを「営業」と見なすとなると疑問が残る。

さらに言えば、JESUが警察庁と協議を重ねて策定した「参加料徴収型大会ガイドライン」は、参加料を徴収する大会であっても、一定の条件を満たせば5号営業に該当しないことを明確にしたものだ。「EVO Japan」のメイントーナメントはこの認証を受けており、参加料を取りながらも賞金を提供できている。参加料すら徴収していないサイドイベントが、メイントーナメントよりも厳しく扱われるのは解せない。

実際、当初NGとされた賞状の授与についても、サイドイベント主催者側から反対の声が多く上がった結果、最終的には規定外として認められている。根拠が不透明なまま規制だけが先行し、声を上げれば覆る——こうした対応が続けば、運営側の姿勢そのものが問われることになりかねない。

さらに、サイドイベント主催者たちが背負っているのは規制だけではない。出展にかかるコストも年々増加している。コロナ禍前の「EVO Japan 2020」のアーカイブを確認すると、当時の出展料は1万円(土曜日は2万円)。また、募集段階で案内されていた出展料がイベント直前に免除されたケースもあったことが、今回の取材で分かった。それが「EVO Japan 2026」では1区画3万5,000円(初日のみ2万円)と、ほぼ倍増。区画の追加や機材レンタルを含めれば5万円を超えるケースも珍しくなく、交通費や宿泊費を加えれば毎回十数万円単位の持ち出しになる主催者も少なくない。

「EVO Japan」は2024年から全日程有料入場に移行し、来場者からチケット代を徴収するモデルへと変わった。にもかかわらず、サイドイベントの出展料は据え置きどころか上昇傾向にある。サイドイベントの出展料を見直す余地はないのか——主催者たちの間には、そうした声も根強い。

イベントが拡大していく一方で、格闘ゲームコミュニティーが持っていた“お祭り感”や“気軽さ”は、少しずつ失われつつある。ふらっと立ち寄って、「ちょっと賞品狙って参加するか!」みたいな、空いた時間を楽しむ機会や、優勝が実感できるトロフィーやメダルといった、栄誉の象徴までもが制限されてしまうのは個人的に残念である。

一方で、来場者数の増加やイベント規模の拡大を考えれば、運営側が安全性や公平性に神経を尖らせるのも当然ではある。競技として成熟していく「EVO Japan」と、草の根コミュニティー文化。その両立は、運営側が“古くから格闘ゲームシーンを支えてきた側”の声にどれだけ誠実に向き合えるかにかかっているのではないだろうか。


■関連リンク
EVO Japan 2026 サイドイベント応募要項:
https://service.evojapan.gg/s/evoj2026/form/question?cd=sideevent

ウッド村ファーム【公式】:
https://x.com/kimurafarm831


撮影:いのかわゆう
編集:いのかわゆう

【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『戦国無双2 with 猛将伝&Empires HD Version』。

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