【インタビュー】 涙の受賞、その裏側で何があったのか ──日本eスポーツアワード 年間最優秀プレイヤーのGO1が語る引退寸前からの復活

2026.1.21 宮下英之
日本eスポーツアワード2025」にて、DetonatioN FocusMeのGO1選手が、年間最優秀eスポーツプレイヤー賞 powered by ソニーマーケティング株式会社を受賞した。

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そんなGO1選手に、受賞直後に単独インタビュー。引退と継続を考えた理由、2025年の活動の活動の振り返りなどをうかがった。


GO1選手の2025年の主な戦績

日付ゲーム名大会名順位
1月19日 スト6 ワールドウォリアー2024 日本大会 リージョナルファイナル 4位
5月9日 餓狼Ctow EVO Japan 2025(SNK Official Tournament) 9位タイ
5月18日 餓狼Ctow Brussels Challenge Major Edition 2025 2位
5月18日 スト6 Brussels Challenge Major Edition 2025 2位
5月25日 餓狼Ctow Combo Breaker 2025 優勝
5月25日 スト6 Combo Breaker 2025 7位タイ
7月12日 餓狼Ctow Esports World Cup 2025 優勝
8月3日 餓狼Ctow EVO 2025 優勝
8月16日 スト6 Esports World Cup 2025(LCQ 4位
8月23日 スト6 Esports World Cup 2025 5位タイ
9月7日 スト6 ワールドウォリアー2025 日本大会 第1回 優勝
11月2日 餓狼CotW SNK World Championship 2025 2位
11月2日 龍虎の拳3 SNK World Championship 2025 3位
11月25日 スト6 ストリートファイターリーグ 2025 Pro-JP 4位
2025年を振り返ると、特に同じ大会内で行われた複数のタイトルで活躍。上位入賞大会のみの抜粋だが、大規模大会での活躍が光った


現役続行を決めた「お前はまだ強い」という仲間の言葉


──このたびは2025年の「年間最優秀eスポーツプレイヤー賞」の受賞、おめでとうございます。あらためていまのお気持ちをお聞かせください。

GO1選手:eスポーツ全体のMVPということで、まさか自分が選ばれるとは本当に思っていなかったので、非常に光栄でうれしい気持ちです。本当にありがとうございます。

──2025年のキーとなった大会に、サウジアラビアで開催された「Esports World Cup 2025」がありました。参加したお気持ちをお聞かせください。

GO1選手:新たにサウジアラビアでトップクラスに大きい大会ができたということで、本当に気合を入れて挑ませていただいた大会でした。『餓狼伝説 City of the Wolves』(餓狼CotW)と『ストリートファイター6』(スト6)のどちらも出させていただいて、どちらも自分としてはすごくいい成績を出せたので、プロを続けてよかったなと本当に思います。

ストリートファイター部門の配信。


『餓狼伝説CotW』部門の配信

──この先さらにプレーするタイトルを増やす予定はありますか?

GO1選手:競技としてしっかり努力して成り立つと言いますか、プロシーンがあって自分が挑みたいタイトルがあれば、もちろん選択肢として増やしたいという気持ちはあります。


GO1流マルチタイトルで“勝つ”ための極意


──複数タイトルを同時に攻略するのは大変だと思うのですが、どんなふうに頭を使っているのでしょうか?

GO1選手:特別なことはしていないんですけれども、昔から僕はいろいろなゲームをするのが好きでして、そのおかげと言いますか、培った技術が生きて今の結果になっているんじゃないかと思っています。

──2タイトルの練習時間などはどのように管理されていますか?

GO1選手:その大会の状況にもよるんですけれども、2025年はかなりやっていて、だいたい1日12時間以上は練習していました。『餓狼CotW』の大会が近い時は8割〜9割だったり、「ストリートファイターリーグ 2025 Pro-JP」の時期とかは『スト6』がメインだったり、その時の状況に応じてやり込みの比重は分けていました。

──複数タイトルの大会の際に、気持ちとか頭の中での攻略などの切り替えはどのようにしているんでしょうか?

GO1選手:切り替えに関しては、やっぱり大事なシステムが格闘ゲームそれぞれにありまして、それをしっかりと頭の中で切り替えてゲームに挑むようにしています。ルーティーンとかは特にないんですけれども、ちゃんと頭の中で「今から『餓狼CotW』をやるよ、これ意識して!」みたいな切り替え方をしています。

──それは結構簡単に切り替わるものなんですか?

GO1選手:自分はあまり混ざらないですね。そのモードになったらちゃんと切り替わります。



──授賞式の壇上では涙を流す場面もありました。どんなお気持ちでしたか?

GO1選手:壇上でも少しお話しさせていただいた通り、2025年は引退を考えていて、それこそどぐら選手やKEI.B選手など、仲のいいプロゲーマー友達に相談して、まだプロを続けると判断しました。その中で、まさか自分の中でもこれほどいい成績を収められるとも思っていなかったですし、このような光栄な賞をいただけるとは全く思っていなかったので、自分でもまったく泣くつもりはなかったんですけれども、こみ上げてくるものがありました。

年間最優秀eスポーツプレイヤー賞は事前には知らされておらず、本人も授賞式の会場で初めて知ったという

──引退まで考えていたプロを続けようと思った、一番の理由はなんですか?


GO1選手:プロを続けた理由は、まだまだ勝てるんじゃないかというアドバイスをいただいたからなんです。『スト6』を続けながら、なかなか思うように成績が出せていなかったんですが、仲間たちが第三者目線ですごく紐解いてくれて、「いや、お前まだ強いよ」という感じで励ましてくれたりとか、いろいろアドバイスがあって続けようと思いました。

──GO1選手と言えば、春麗のSA2の玉抜けのような唯一無二のテクニックがありますが、そういった実用的なアドバイスもいただいたのでしょうか?

GO1選手:そういう部分ではあまりアドバイスはなかったですね。自分としては反応とか集中力とか、年齢の衰えを感じている部分もありましたし、この先続けていくとだんだん衰えていって、さらに勝てなくなるんじゃないかというのが怖かったんです。

──大会でラッシュ中段を連発したこともありました。

GO1選手:僕がやったやつ(ワールドウォリアー日本大会 第1回)ですね。あれは、食らう人にはとことんやるぞという気持ちで。そういうのが僕たちの年齢になるとだんだんきつくなるので、自分がきついものは相手もきついやろうという精神でやっていました。

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──GO1選手と同年代で衰えが見えてきた方に対して、エールをいただけますか?

GO1選手:僕たちの世代には同じような悩みの方も多分いらっしゃるとは思うんですけれども、簡単に「辞める」とか言わん方がいいなって思います(笑)。まだまだウメハラさんとか、板ザンさんとか、sakoさんとか、本当に大先輩方が最前線で勝っていらっしゃるので、僕たちもそれに続くように一緒に頑張るぞっていう思いです。みんなで頑張っていきましょう。


単なるチーム移籍ではない、環境と役割の変化がつないだ活躍


──2025年はDFMに移籍されて、「SFL」以外でもDFMとして活動されてきたと思います。あらためてチームを移籍して変わったこと、チームのサポートが成績に結びついたといったことはありましたか?

GO1選手:チームに入って変わったこととして、プレーヤーに近い立ち位置の“ペペ”さんというマネージャーがいらっしゃって、本当に親身になっていつもケアしていただけました。CAGもすごくやりやすい環境ではあったんですけれども、新しくやりやすい環境を作ってくれたということはまずあります。

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もうひとつ、やっぱりチームメイトが変わったというところ。今までは自分がリーダーとして引っ張ってきてたんですけれども、板橋ザンギエフ選手がリーダーとして活動されていて、すごくいろいろと教えていただいたり引っ張っていただけて。逆に自分がエースになって頑張ろうっていう気持ちで挑めたなと、違いというか思いがありますね。

──役割が変わったことで、自分のやりたいことも変わったということでしょうか?

GO1選手:そうですね、チームのみんなと戦略を練ったりももちろんするんですけれども、自分自身の目的を持って、ただ勝つだけではなく、そこら辺の比重が変わったっていうのはありますね。


格闘ゲームの観戦者がもっと増えるような活動に注力したい


──『餓狼CotW』での優勝などでかなり高額な賞金を獲得して、人生の大きな変化になったと思います。生活とかプロとしての活動に変化はありましたでしょうか?

GO1選手:そうですね、賞金自体はつい最近入って、すごくいま実感しています。ただ、自分は子どもの頃にすごく貧しい家庭で育ったので、お金は本当に大切に思っていて。バンバン使うとか生活水準を上げるとか、そういったことはしたくないなとは思っています。夫婦がお世話になっている方、家族とか友達とか、たくさんの方に恩返しをしながら、ちゃんと計画的に使いつつ、ちゃんと貯金したいと思っています。

──最近若手の選手などもかなり多く出てきました。注目している選手はいらっしゃいますか?

GO1選手:かなりたくさんいらっしゃいますね。それこそ、つい先日中国のプレミア大会で初めて海外大会に行って14歳で優勝されたひなお選手だったり、「ワールドウォリアー日本大会」で活躍されたtaketake-piano選手だったり……。あとは、僕はずっと『ドラゴンボールファイターズ』というゲームをやっていたんですけれども、その頃から本当に強いプレイヤーで、今も『スト6』で活躍されているtako選手だったり、そういったプレイヤーに注目しています。

──年間最優秀プレイヤー賞は、2024年はときど選手、2025年はGO1選手と、格闘ゲーム系の方の受賞が続いています。今後、格闘ゲーム業界に期待したいことはありますか?

GO1選手:格闘ゲームっていうのは1対1の対戦アクションゲームで、僕は正直格闘ゲームしかやってこなかったんですけど、相手との心理戦だったりが非常に面白いゲームです。それが『スト6』でたくさんの方に認知していただいて、いま格闘ゲーム業界はだんだんと見てくださっている方が増えています。これからさらに増えるように、自分も本当にささやかな力なんですけれども、そこに注力できるような活動をしていきたいと思っております。

──最後に、2026年の抱負をお聞かせください。

GO1選手:自分は2タイトルをやらせていただいてるんですけれども、『餓狼CotW』ではすごくいい戦績を出せたんですが、『スト6』に限っては「EWC」の5位が最高でしたので、2026年は『餓狼CotW』もそうですが、『スト6』でもしっかり勝てるように頑張っていきたいと思います!

※ ※ ※

GO1選手は過去に、『ドラゴンボールファイターズ』などで世界一を取った経験も豊富だが、こと「ストリートファイター」シリーズとなると、実はやや低迷していた時期もあった。しかし近年のGO1選手は、「SFL」をはじめ、個人戦でもその実力を発揮し、年齢を重ねてなお衰えるどころか、さらに高みを目指して成長を続けている。

若手の突き上げも激しく、同年代のベテランリーガーも多い『スト6』の競技シーンの中で、突出した実力と安定感を見せているGO1選手が年間最優秀プレイヤー賞を獲得したことは、必然と言えるだろう。

多キャラ使いが増えるのと同じように、マルチタイトルで活躍する選手もこれからは増えていくかもしれない。そのパイオニアとしてのGO1選手の活躍から、これからも目が離せない。


GO1のX:https://x.com/GO13151
GO1チャンネル(YouTube):https://www.youtube.com/@go13151
Detonation FocusMe GO1選手:https://team-detonation.net/team/member/go1

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