【JoxJo×Seoldamインタビュー】JoxJo「Seoldamがエントリーじゃなきゃチームに入らない」——RIDが圧倒的王者である秘訣とは

『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2025 Season Finals」の準決勝戦・決勝戦が、8月23日(土)~24日(日)に開催された。NOEZ FOXX(NFX)、FENNEL(FL)、RIDDLE ORDER(RID)の国内の強豪チームが白熱した試合を見せ、会場を大いに盛り上げた。


マップカウント1:3でFLを下し、見事優勝を手にしたのはRIDだった。今シーズンはSplit 1・2に続き3連覇を果たし、また昨年から引き続き2度目となるアセンションへの挑戦権を手にすることとなった。
昨年開催された「VCT Ascension Pacific」では4位敗退の結果に終わったRID。そんな彼らのリベンジマッチが、今年10月に🇹🇭タイ・バンコクで開幕する予定だ。

今回はそんな優勝直後のRIDから、IGLのJoxJo(じょじょ)選手と、Seoldam(そるだむ)選手にインタビューに応じてくれた。その様子を、余すところなくお届けしよう。

——優勝おめでとうございます。まずは感想をお聞かせください。
JoxJo:このメンバーじゃなかったら勝っていなかったと思うし、このメンバーで勝ちたかったし、このメンバーだからうれしいですね。
Seoldam:去年はめっちゃ緊張して焦ったりしたんですけど、今年はどんどん慣れてきて、あまり緊張しないまま、やりたいことをやって勝ったって感じですね。

——FLは強かったですか?
Seoldam:そうですね。FLも強かったけど、でもJoxJo選手が足りないことや修正しなきゃいけないことを全部言ってくれるから、俺らは全部それを受け取れて、すごく集中して勝てた感じですね。
——疲れましたか?
Seoldam:去年よりは、そんなに疲れはないですけど、疲れますね。今日は普通にいい流れで優勝できたから、死ぬほど疲れているわけではないです。
——去年はいろいろなことがありましたしね。
Seoldam:去年はオーバータイムも行ったし、テックポーズもあったし、いろいろ問題もあったし——。あと、BO5まで行ったから、ちょっと遅かったですしね。
——今シーズン、前半のSplit 1・2は数多くの勝利を重ねていた一方で、後半のSplit 3では負けが続く時期もあったかと思います。今回優勝に至るにあたって、どのように持ち直したかを教えてください。
JoxJo:もちろん僕たちも勝つために頑張ってはいたんですけど、その中で構成が合わなかったり、ディテールが足りなかったりといろいろあって——。なんというか、カラーが違うという感じ?
とはいえ、Split 3のメインステージは僕らにとってはめちゃめちゃ重要ではなかったので、一応メインステージもやって、プレーオフでは僕らに合った強い構成を出して勝とうと考えていましたね。

——以前はコールの量や質などで問題があった時期もあったかと思いますが、今日の試合はいかがでしたか?
JoxJo:試合は本当に練習通りやって練習通り勝ったって感じです。みんなのマインドが落ちた時——まあ落ちてはないんだけど、ちょっと負けちゃった時に、みんなが悪い点に気づいて修正できたと思います。
僕らの練習はクオリティが高くて、5回に1回負けるか負けないかくらいだったので、決勝でも練習通りやれば勝てると思っていました。
——おふたりとも韓国出身ですが、ふたりで話す時は韓国語なのでしょうか。
JoxJo:ケンカするときは韓国語ですけど、日本人のいる間ではなるべく日本語に変える感じです。

——では、基本的にチーム内のコミュニケーションは日本語ということですか?
JoxJo:そうですね。サンミン(Seoldam選手)にだけ伝える時は、韓国語でパッとしゃべる感じです。
——Seoldam選手はファーストブラッドを多く獲得するなど、キルという面でも大きく活躍していたと思います。デュエリストをする中で、何か心がけている点はありますか?
Seoldam:韓国語ではそういう言葉があるんですけど、デュエリストは「嫌われる勇気」が大事なので(笑)。
デュエリストが先に何かをやらないと何も起きないし、自分がやらなきゃいけない時は自分で勇気を持ってやって——。もちろん失敗することもあるんですけど、それで落ち込まずに、切り替えてずっと自信を持ってやり続けるのが大事だと思います。自分が一番強いと思ってピークしています。
——過去のプレーに比べて、よりチームで連携するようなプレーができている印象があるのですが、RIDに所属してから何か変わったことはありましたか?
Seoldam:みんなとの信頼関係は大事だし、チームのコンセプトもあるかもしれないですけど、みんなでいろいろ試したり、ちゃんとコミュニケーションを取って、みんなでプレーすることは意識していますね。

——JoxJo選手は、Seoldam選手に対して以前と何か変わったと思う点はありますか?
JoxJo:Seoldam選手は、IGLによって強くなるか弱くなるか左右される選手だと思っています。最初僕が入った時、Seoldam選手はエントリーの自信が全然なくて、「僕はイニシエーターやりたい」とか「センチネルやりたい」とか言ってるんですよ。
その時に僕は「Seoldamがエントリーじゃなきゃ、このチームに入んないよ」とVorzコーチにちゃんと言って、エントリーをやらせました。本当にSeoldam選手の得意なことを、チームの動きに合わせられたら、サンミン(Seoldam)も強くなるし、チームも勝てるようになると思います。
——JoxJo選手はイニシエーターなどでチームをサポートすることが多いと思いますが、試合中にはどのようなことを考えているのでしょうか。
JoxJo:前のラウンドはどうやって負けたのか、次のラウンドをどうすれば勝てるのかを考えて、そこで僕らのチームメイトをどうやって動かすかということを考えていますね。「このラウンドはこうする」みたいな、ラウンドの使い方を先に考えて、その上でアドリブでやったりしていますね。

——JoxJo選手はそのようなサポートをする中でも、撃ち合いの強さは変わらないという印象があるのですが、なにか意識していることはありますか?
JoxJo:IGLはさすがにサポートだけじゃなくて、撃ち合いも強くないとダメだし。やっぱり選手なので。選手は、銃もうまくないと勝てないので、そういう面も頑張っていますね。

——2度目となるアセンションですが、今回は勝てそうなイメージはありますか?
JoxJo:勝てなきゃダメだし、勝つために毎日死ぬほど頑張っています。今回3連勝したのに、アセンションで勝てなかったら、なんかちょっと心が痛いじゃないですか……。
応援してくれるファンのためにも、僕らのためにも、チームのためにも、本当に勝ちたいですね。
——最後、アセンションに向けておふたりの意気込みをお聞かせください。
Seoldam:去年はちょっと悔しい負け方をしたり、いろいろトラブルがあったりして、自分の実力を30%も出せなくて悔しかったんですけど、今回は全力で練習して、100%のパフォーマンスを出せるように、残り時間を頑張って練習したいと思います。
JoxJo:はい、勝ちます!
——ありがとうございました!

圧倒的な強さを誇り、そして圧倒的なチームワークで勝利をもぎ取ったRID。チーム全員が自分自身のプレーを発揮しながらも、それでいて連携を欠かさないというのは、並大抵のことではないだろう。特にJoxJo選手の国内優勝は6度目——まさに優勝請負人として、なにがチームに必要なのか、しっかりと理解しているのだろう。
今回の優勝は非常にめでたいことではあるが、とはいえこれはまだ通過点。1カ月ちょっとで迎えることとなるアセンションでは、昨年敗北した2チームとも相対することとなる。この短い期間でも、彼らは日本代表として、どのような成長を見せてくれるのだろうか。国際リーグ昇格に向け、しっかりと応援していきたいと思う。
撮影:まいる
編集:いのかわゆう

▲終始高いパフォーマンスで、FLを圧倒し続けたRID。残ったMinty・JoxJoが敵将GONを撃ち倒し、見事日本一の座に輝いた(https://www.youtube.com/live/SdqI3FsHtPE?si=GZXp784HNlPMwnsk&t=23508)

▲試合終了後、互いの健闘を称え合う両チームの選手たち。特にJoxJo選手は、FLのメンバーと長い時間ハグをしていたのが印象的であった
マップカウント1:3でFLを下し、見事優勝を手にしたのはRIDだった。今シーズンはSplit 1・2に続き3連覇を果たし、また昨年から引き続き2度目となるアセンションへの挑戦権を手にすることとなった。
昨年開催された「VCT Ascension Pacific」では4位敗退の結果に終わったRID。そんな彼らのリベンジマッチが、今年10月に🇹🇭タイ・バンコクで開幕する予定だ。

▲この「VCT Ascension Pacific 2025」で準優勝以上になれれば、国際リーグに昇格することができる。2度目の挑戦となる彼らにとっては、この日本一も通過点にすぎない
今回はそんな優勝直後のRIDから、IGLのJoxJo(じょじょ)選手と、Seoldam(そるだむ)選手にインタビューに応じてくれた。その様子を、余すところなくお届けしよう。

▲Seoldam選手(左)、JoxJo選手(右)
「やりたいことをやって勝った」——安定した勝利の理由
——優勝おめでとうございます。まずは感想をお聞かせください。
JoxJo:このメンバーじゃなかったら勝っていなかったと思うし、このメンバーで勝ちたかったし、このメンバーだからうれしいですね。
Seoldam:去年はめっちゃ緊張して焦ったりしたんですけど、今年はどんどん慣れてきて、あまり緊張しないまま、やりたいことをやって勝ったって感じですね。

——FLは強かったですか?
Seoldam:そうですね。FLも強かったけど、でもJoxJo選手が足りないことや修正しなきゃいけないことを全部言ってくれるから、俺らは全部それを受け取れて、すごく集中して勝てた感じですね。
——疲れましたか?
Seoldam:去年よりは、そんなに疲れはないですけど、疲れますね。今日は普通にいい流れで優勝できたから、死ぬほど疲れているわけではないです。
——去年はいろいろなことがありましたしね。
Seoldam:去年はオーバータイムも行ったし、テックポーズもあったし、いろいろ問題もあったし——。あと、BO5まで行ったから、ちょっと遅かったですしね。
——今シーズン、前半のSplit 1・2は数多くの勝利を重ねていた一方で、後半のSplit 3では負けが続く時期もあったかと思います。今回優勝に至るにあたって、どのように持ち直したかを教えてください。
JoxJo:もちろん僕たちも勝つために頑張ってはいたんですけど、その中で構成が合わなかったり、ディテールが足りなかったりといろいろあって——。なんというか、カラーが違うという感じ?
とはいえ、Split 3のメインステージは僕らにとってはめちゃめちゃ重要ではなかったので、一応メインステージもやって、プレーオフでは僕らに合った強い構成を出して勝とうと考えていましたね。

——以前はコールの量や質などで問題があった時期もあったかと思いますが、今日の試合はいかがでしたか?
JoxJo:試合は本当に練習通りやって練習通り勝ったって感じです。みんなのマインドが落ちた時——まあ落ちてはないんだけど、ちょっと負けちゃった時に、みんなが悪い点に気づいて修正できたと思います。
僕らの練習はクオリティが高くて、5回に1回負けるか負けないかくらいだったので、決勝でも練習通りやれば勝てると思っていました。
大事なのは「嫌われる勇気」——Seoldamが語るデュエリストの極意とは
——おふたりとも韓国出身ですが、ふたりで話す時は韓国語なのでしょうか。
JoxJo:ケンカするときは韓国語ですけど、日本人のいる間ではなるべく日本語に変える感じです。

——では、基本的にチーム内のコミュニケーションは日本語ということですか?
JoxJo:そうですね。サンミン(Seoldam選手)にだけ伝える時は、韓国語でパッとしゃべる感じです。
——Seoldam選手はファーストブラッドを多く獲得するなど、キルという面でも大きく活躍していたと思います。デュエリストをする中で、何か心がけている点はありますか?
Seoldam:韓国語ではそういう言葉があるんですけど、デュエリストは「嫌われる勇気」が大事なので(笑)。
デュエリストが先に何かをやらないと何も起きないし、自分がやらなきゃいけない時は自分で勇気を持ってやって——。もちろん失敗することもあるんですけど、それで落ち込まずに、切り替えてずっと自信を持ってやり続けるのが大事だと思います。自分が一番強いと思ってピークしています。
——過去のプレーに比べて、よりチームで連携するようなプレーができている印象があるのですが、RIDに所属してから何か変わったことはありましたか?
Seoldam:みんなとの信頼関係は大事だし、チームのコンセプトもあるかもしれないですけど、みんなでいろいろ試したり、ちゃんとコミュニケーションを取って、みんなでプレーすることは意識していますね。

——JoxJo選手は、Seoldam選手に対して以前と何か変わったと思う点はありますか?
JoxJo:Seoldam選手は、IGLによって強くなるか弱くなるか左右される選手だと思っています。最初僕が入った時、Seoldam選手はエントリーの自信が全然なくて、「僕はイニシエーターやりたい」とか「センチネルやりたい」とか言ってるんですよ。
その時に僕は「Seoldamがエントリーじゃなきゃ、このチームに入んないよ」とVorzコーチにちゃんと言って、エントリーをやらせました。本当にSeoldam選手の得意なことを、チームの動きに合わせられたら、サンミン(Seoldam)も強くなるし、チームも勝てるようになると思います。
——JoxJo選手はイニシエーターなどでチームをサポートすることが多いと思いますが、試合中にはどのようなことを考えているのでしょうか。
JoxJo:前のラウンドはどうやって負けたのか、次のラウンドをどうすれば勝てるのかを考えて、そこで僕らのチームメイトをどうやって動かすかということを考えていますね。「このラウンドはこうする」みたいな、ラウンドの使い方を先に考えて、その上でアドリブでやったりしていますね。

▲味方の交戦が始まった2秒後、即座にリスポーン地点からフラッシュを投げ込むJoxJo選手。このフラッシュだけで、yatsuka選手を生存させ、なおかつ時間を稼ぐことに成功した。この判断の速さと巧みなコントロールには驚きである(https://www.youtube.com/live/SdqI3FsHtPE?si=hh4tuoICYKnBq5ic&t=21877)
——JoxJo選手はそのようなサポートをする中でも、撃ち合いの強さは変わらないという印象があるのですが、なにか意識していることはありますか?
JoxJo:IGLはさすがにサポートだけじゃなくて、撃ち合いも強くないとダメだし。やっぱり選手なので。選手は、銃もうまくないと勝てないので、そういう面も頑張っていますね。

リベンジなるか——アセンションに向けての意気込み
——2度目となるアセンションですが、今回は勝てそうなイメージはありますか?
JoxJo:勝てなきゃダメだし、勝つために毎日死ぬほど頑張っています。今回3連勝したのに、アセンションで勝てなかったら、なんかちょっと心が痛いじゃないですか……。
応援してくれるファンのためにも、僕らのためにも、チームのためにも、本当に勝ちたいですね。
——最後、アセンションに向けておふたりの意気込みをお聞かせください。
Seoldam:去年はちょっと悔しい負け方をしたり、いろいろトラブルがあったりして、自分の実力を30%も出せなくて悔しかったんですけど、今回は全力で練習して、100%のパフォーマンスを出せるように、残り時間を頑張って練習したいと思います。
JoxJo:はい、勝ちます!
——ありがとうございました!

———
圧倒的な強さを誇り、そして圧倒的なチームワークで勝利をもぎ取ったRID。チーム全員が自分自身のプレーを発揮しながらも、それでいて連携を欠かさないというのは、並大抵のことではないだろう。特にJoxJo選手の国内優勝は6度目——まさに優勝請負人として、なにがチームに必要なのか、しっかりと理解しているのだろう。
今回の優勝は非常にめでたいことではあるが、とはいえこれはまだ通過点。1カ月ちょっとで迎えることとなるアセンションでは、昨年敗北した2チームとも相対することとなる。この短い期間でも、彼らは日本代表として、どのような成長を見せてくれるのだろうか。国際リーグ昇格に向け、しっかりと応援していきたいと思う。
撮影:まいる
編集:いのかわゆう
【まいるプロフィール】
関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。
X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)

X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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