【インタビュー】ALGS札幌の優勝はギリシャ代表「GoNext」——Hiarka「クリスティアーノ・ロナウドの背番号にちなんで、7の試合は絶対に勝つくらいの気持ちでやっていた」
2025年1月29日(水)〜2月2日(日)にかけて、札幌にて開催された『Apex Legends』の世界大会「Apex Legends Global Series Year 4 Championship」(ALGS)。
世界から40もの強豪チームが集まり、見事優勝を飾ったのはHiarka選手、Uxako選手、zhidan選手が所属するギリシャ代表の「GoNext Esports(以下、GN)」だ。
「ALGS」の歴史上、初めてのヨーロッパ地域優勝となった彼らに、優勝した心境などをうかがった。
——「ALGS」の歴史上、TSMやDarkZero、REJECT WINNITYなどヨーロッパ以外の地域が優勝してきました。初めてヨーロッパ地域のチームとして優勝した感想を教えてください。
Hiarka:僕らがベストだと思います。
zhidan:私自身、大会を通して成長できたと思います。多くの方が過去に優勝したチームを見て、そういったチームが勝つと予想していた中で自分たちが優勝できてうれしいです。
——優勝した今、まずはこれがしたいということがあったら教えてください。
zhidan:シャワー浴びて、何か食べて、休みたいです。
Hiarka:しばらくは携帯をさわらないと思います。さっきさわったらダウンしまくりで......。
——今夜はどんなふうにお祝いするのですか。
zhidan:シャンパンではないが、ビールを飲みたいですね。
——決勝戦でマッチポイントに点灯したのが7試合目だったと思いますが、決勝戦はどのような心境で戦っていましたか。
Hiarka:Finalがスタートしてからは自信があっていけるなと思っていたのですが、自分たちがスロースタートでいくつかミスがあって、個人的にも感情的になってしまいました。しかし、そんなときにチームメートに助けてもらってそこからうまく盛り返し、マッチ7ではマッチポイントに到達したときにいけると確信しましたし、最終マッチではゾーンに入ってました。
——EMEAのプロリーグは、AllianceやAurora Gamingなどが活躍して中々トップに立てなかったと思います。その中で、マッチ7でAllianceを止めてチャンピオン、そのまま優勝しました。どんな気持ちですか。
Hiarka:私たちは自分のゲームに集中していて、特にマッチ7は勝たなければいけない試合でした。序盤うまくいかないこともあったのですが、何とか逆転できて喜んだときに初めて倒した相手がAllianceとTeam Falconsだったということに気が付きました。
——Finalのマッチ7やWinnersブラケットのマッチ7など、重要な試合でのチャンピオンが多かったと思います。そういった重要な試合を勝ち抜く秘訣を教えてください。
Hiarka:僕らはクリスティアーノ・ロナウドの大ファンで、彼の背番号にちなんで7の試合は絶対に勝つくらいの気持ちでやっていました。
私たちの通常の試合展開としてはスロースタートになるときが多くて、序盤に起きたミスを話し合っていって、6試合目から9試合目あたりで勢いが出てくることが多いです。ただ、マッチポイントが点灯してからは運の要素もあるので、今回はラッキーだったと思います。
——ほかのチームがランパートを採用する中で、カタリストをピックしていたと思いますが、こだわりや意図があったのでしょうか。
Hiarka:練習をしていく中でランパートを試したことがあったのですが、自分たちのプレースタイルにフィットしませんでした。そして、いろいろ話し合っていく中でコーチからカタリストがいいのではないかという意見があってzhidanが練習を始めました。そうして練習を重ねていく中で、私たち2人が構成に適応していって、チームとして成長できたという感じです。
zhidan:私たちは最終円において、ランパートよりもカタリストのほうが有利だと考えています。ランパートはエリアを制圧、展開する力に長けていますが、カタリストのほうがエリアを区切ったりできるので、より柔軟に対応できるため強いと思います。
——今回、大和ハウス プレミストドームは史上最大規模の広さと観客数でしたが、そんな中でプレーするというのはいかがでしたか。
Hiarka:いろんな意味で最高の舞台だと思います。あれだけの観客の中で戦って優勝できたことは本当にうれしいです。私たちが愛しているゲームを皆さんが愛してくれてとてもうれしいです。
——5日間という長い時間の中で絶対に勝つんだという精神力を保ったり、集中力を切らさない秘訣があれば教えてください。
Hiarka:我々が優勝することには誰も期待していなかったと思うので、そういう意味では全くプレッシャーがありませんでした。自分たちがやるべきことに集中できたと思います。
zhidanがチームに加入したのも大きな要因だったと思います。それまでは決勝に出る方法は分かっていたのですが、決勝を勝ち切ることができませんでした。でも、彼が加入したことで、化学反応が生まれて、火力が大幅にアップしてこういう結果になったと思います。
——日本のeスポーツ市場は年々拡大していってる中で、すべての年代に浸透しているというわけではありません。改めてeスポーツの魅力を伝えるならどんなことを伝えますか。
Hiarka:まず、日本のファンも札幌という場所もすべてが最高だと思います。実をいうとヨーロッパでも「eスポーツって長い時間をかけていくほどのものではないよね」と言ってる人がいるのですが、そういった人も実際に現地に行ってみるとすごい楽しんでファンになってくれます。
もしかしたら、日本も似た状況になっているのだとしたらこういったイベントをたくさん開いて露出を増やしていけば、ファンが増えてくれるのではないかと思います。
——実力が伸び悩んでいたり、エイムが安定しなかったりとプレーヤーは色んな悩みを抱えています。もし、上達のコツというのがあれば教えてください。
zhidan:トリオもしくはデュオといった仲間と協力してプレーするというのが重要だと思います。ソロでプレーしても基本的には上達しないので、ソロでプレーするのはうまくなってからがいいと思います。
Uxako:仲間とプレーすることに加えて、自分よりもうまいプレーヤーを見てレビューするというのがいいと思います。プロプレーヤーが、なにを、どういう風に判断したのかをゆっくり見たらいろいろ学べると思います。
——今回のサブタイトルが「運命」でしたが、皆さんはどういった経緯でチームを組んだのでしょうか。
Hiarka:私たちはずっと一緒にプレーしたいと思っていたのですが、いろんな理由があって一緒にプレーできませんでした。しかし、今回zhidanがいいタイミングでフリーエージェントになってチームを組むことができました。最初は中々結果が出ませんでしたが、今日の結果がすべて払拭しました。
——Uxako選手とHiarka選手はチームを組んでから長いと思います。お互いの信頼できるところや直してほしいところがあれば教えてください。
Hiarka:直してほしいところはたくさんありますが、これはうまくいかないカップルのようなものです。ただ、今夜に関してはすべてのピースがハマったと思います。ずっと別れていたカップルがディナーであってもう一度火が付くような、そんな感じですね。
——札幌の印象を聞かせてください。
Hiarka:本当に美しい街だと思います。大きな街で、レストランなども夜遅くまでやっていますし、会う人がみな温かくてリスペクトがありました。ヨーロッパにはないものがあってすごい楽しみました。
——札幌で食べておいしかったものやこれから食べたいものがあれば教えてください。
Uxako:寿司かラーメンです。
zhidan:日本に来てからずっとチキンを食べています。本当においしいです。
——また、日本で大会をやってほしいですか。
一同:はい、もちろん。どこでもいいですよ。
多くの日本ファンがFnaticを応援したり、海外ファンがTeam FalconsやAllianceを応援したりと誰しもが予想してなかったチームが優勝するという結果になった。日本チームを応援していた身としては悔しいと思う反面、重要な試合で勝ち切る彼らの姿は正にチャンピオンという称号が似合うだろう。
インタビューではお茶目な部分を見せつつ、仲の良さも見えたメンバー。彼らが座る玉座を脅かす存在が現れるのか、Apexファンとして非常に楽しみだ。
■関連リンク
配信アーカイブ:
https://www.youtube.com/live/wZrSckB1w5M?si=FRvwPFrZI05khqod
公式サイト:
https://www.ea.com/ja-jp/games/apex-legends/compete
撮影:フリーダム山中
編集:いのかわゆう
世界から40もの強豪チームが集まり、見事優勝を飾ったのはHiarka選手、Uxako選手、zhidan選手が所属するギリシャ代表の「GoNext Esports(以下、GN)」だ。
「ALGS」の歴史上、初めてのヨーロッパ地域優勝となった彼らに、優勝した心境などをうかがった。
優勝者インタビュー
——「ALGS」の歴史上、TSMやDarkZero、REJECT WINNITYなどヨーロッパ以外の地域が優勝してきました。初めてヨーロッパ地域のチームとして優勝した感想を教えてください。
Hiarka:僕らがベストだと思います。
zhidan:私自身、大会を通して成長できたと思います。多くの方が過去に優勝したチームを見て、そういったチームが勝つと予想していた中で自分たちが優勝できてうれしいです。
——優勝した今、まずはこれがしたいということがあったら教えてください。
zhidan:シャワー浴びて、何か食べて、休みたいです。
Hiarka:しばらくは携帯をさわらないと思います。さっきさわったらダウンしまくりで......。
——今夜はどんなふうにお祝いするのですか。
zhidan:シャンパンではないが、ビールを飲みたいですね。
——決勝戦でマッチポイントに点灯したのが7試合目だったと思いますが、決勝戦はどのような心境で戦っていましたか。
Hiarka:Finalがスタートしてからは自信があっていけるなと思っていたのですが、自分たちがスロースタートでいくつかミスがあって、個人的にも感情的になってしまいました。しかし、そんなときにチームメートに助けてもらってそこからうまく盛り返し、マッチ7ではマッチポイントに到達したときにいけると確信しましたし、最終マッチではゾーンに入ってました。
——EMEAのプロリーグは、AllianceやAurora Gamingなどが活躍して中々トップに立てなかったと思います。その中で、マッチ7でAllianceを止めてチャンピオン、そのまま優勝しました。どんな気持ちですか。
Hiarka:私たちは自分のゲームに集中していて、特にマッチ7は勝たなければいけない試合でした。序盤うまくいかないこともあったのですが、何とか逆転できて喜んだときに初めて倒した相手がAllianceとTeam Falconsだったということに気が付きました。
——Finalのマッチ7やWinnersブラケットのマッチ7など、重要な試合でのチャンピオンが多かったと思います。そういった重要な試合を勝ち抜く秘訣を教えてください。
Hiarka:僕らはクリスティアーノ・ロナウドの大ファンで、彼の背番号にちなんで7の試合は絶対に勝つくらいの気持ちでやっていました。
私たちの通常の試合展開としてはスロースタートになるときが多くて、序盤に起きたミスを話し合っていって、6試合目から9試合目あたりで勢いが出てくることが多いです。ただ、マッチポイントが点灯してからは運の要素もあるので、今回はラッキーだったと思います。
——ほかのチームがランパートを採用する中で、カタリストをピックしていたと思いますが、こだわりや意図があったのでしょうか。
Hiarka:練習をしていく中でランパートを試したことがあったのですが、自分たちのプレースタイルにフィットしませんでした。そして、いろいろ話し合っていく中でコーチからカタリストがいいのではないかという意見があってzhidanが練習を始めました。そうして練習を重ねていく中で、私たち2人が構成に適応していって、チームとして成長できたという感じです。
zhidan:私たちは最終円において、ランパートよりもカタリストのほうが有利だと考えています。ランパートはエリアを制圧、展開する力に長けていますが、カタリストのほうがエリアを区切ったりできるので、より柔軟に対応できるため強いと思います。
——今回、大和ハウス プレミストドームは史上最大規模の広さと観客数でしたが、そんな中でプレーするというのはいかがでしたか。
Hiarka:いろんな意味で最高の舞台だと思います。あれだけの観客の中で戦って優勝できたことは本当にうれしいです。私たちが愛しているゲームを皆さんが愛してくれてとてもうれしいです。
——5日間という長い時間の中で絶対に勝つんだという精神力を保ったり、集中力を切らさない秘訣があれば教えてください。
Hiarka:我々が優勝することには誰も期待していなかったと思うので、そういう意味では全くプレッシャーがありませんでした。自分たちがやるべきことに集中できたと思います。
zhidanがチームに加入したのも大きな要因だったと思います。それまでは決勝に出る方法は分かっていたのですが、決勝を勝ち切ることができませんでした。でも、彼が加入したことで、化学反応が生まれて、火力が大幅にアップしてこういう結果になったと思います。
——日本のeスポーツ市場は年々拡大していってる中で、すべての年代に浸透しているというわけではありません。改めてeスポーツの魅力を伝えるならどんなことを伝えますか。
Hiarka:まず、日本のファンも札幌という場所もすべてが最高だと思います。実をいうとヨーロッパでも「eスポーツって長い時間をかけていくほどのものではないよね」と言ってる人がいるのですが、そういった人も実際に現地に行ってみるとすごい楽しんでファンになってくれます。
もしかしたら、日本も似た状況になっているのだとしたらこういったイベントをたくさん開いて露出を増やしていけば、ファンが増えてくれるのではないかと思います。
——実力が伸び悩んでいたり、エイムが安定しなかったりとプレーヤーは色んな悩みを抱えています。もし、上達のコツというのがあれば教えてください。
zhidan:トリオもしくはデュオといった仲間と協力してプレーするというのが重要だと思います。ソロでプレーしても基本的には上達しないので、ソロでプレーするのはうまくなってからがいいと思います。
Uxako:仲間とプレーすることに加えて、自分よりもうまいプレーヤーを見てレビューするというのがいいと思います。プロプレーヤーが、なにを、どういう風に判断したのかをゆっくり見たらいろいろ学べると思います。
——今回のサブタイトルが「運命」でしたが、皆さんはどういった経緯でチームを組んだのでしょうか。
Hiarka:私たちはずっと一緒にプレーしたいと思っていたのですが、いろんな理由があって一緒にプレーできませんでした。しかし、今回zhidanがいいタイミングでフリーエージェントになってチームを組むことができました。最初は中々結果が出ませんでしたが、今日の結果がすべて払拭しました。
——Uxako選手とHiarka選手はチームを組んでから長いと思います。お互いの信頼できるところや直してほしいところがあれば教えてください。
Hiarka:直してほしいところはたくさんありますが、これはうまくいかないカップルのようなものです。ただ、今夜に関してはすべてのピースがハマったと思います。ずっと別れていたカップルがディナーであってもう一度火が付くような、そんな感じですね。
——札幌の印象を聞かせてください。
Hiarka:本当に美しい街だと思います。大きな街で、レストランなども夜遅くまでやっていますし、会う人がみな温かくてリスペクトがありました。ヨーロッパにはないものがあってすごい楽しみました。
——札幌で食べておいしかったものやこれから食べたいものがあれば教えてください。
Uxako:寿司かラーメンです。
zhidan:日本に来てからずっとチキンを食べています。本当においしいです。
——また、日本で大会をやってほしいですか。
一同:はい、もちろん。どこでもいいですよ。
———
多くの日本ファンがFnaticを応援したり、海外ファンがTeam FalconsやAllianceを応援したりと誰しもが予想してなかったチームが優勝するという結果になった。日本チームを応援していた身としては悔しいと思う反面、重要な試合で勝ち切る彼らの姿は正にチャンピオンという称号が似合うだろう。
インタビューではお茶目な部分を見せつつ、仲の良さも見えたメンバー。彼らが座る玉座を脅かす存在が現れるのか、Apexファンとして非常に楽しみだ。
■関連リンク
配信アーカイブ:
https://www.youtube.com/live/wZrSckB1w5M?si=FRvwPFrZI05khqod
公式サイト:
https://www.ea.com/ja-jp/games/apex-legends/compete
撮影:フリーダム山中
編集:いのかわゆう
【フリーダム山中プロフィール】
2022年より活動を始めた新人ライター。RPGやアクション、シューティングなど、さまざまなジャンルのゲームを愛している。最近では『VALORANT』や『Apex Legends』、『リーグ・オブ・レジェンド』などの競技シーンを視聴しており、暇さえあれば日本の大会だけでなく、海外の大会も見るほど競技シーンが好き。
2022年より活動を始めた新人ライター。RPGやアクション、シューティングなど、さまざまなジャンルのゲームを愛している。最近では『VALORANT』や『Apex Legends』、『リーグ・オブ・レジェンド』などの競技シーンを視聴しており、暇さえあれば日本の大会だけでなく、海外の大会も見るほど競技シーンが好き。
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