全年齢対象&賞金なしのeスポーツ大会がなぜ人気に? 【株式会社ミクシィ 比奈本真氏インタビュー】
1月11〜12日に東京ビッグサイトにて、東京都が初めて主催するeスポーツイベント「東京eスポーツフェスタ」が開催されました。公式に採用されたeスポーツタイトルは『パズル&ドラゴンズ』『モンスターストライク』『太鼓の達人』があり、さらに『ポケモンGO』も加わっています。
その公式タイトルのひとつである『モンスターストライク』のeスポーツイベントを統括する株式会社ミクシィ モンスト事業本部 ライブエンターテインメント事業部 部長の比奈本真氏が会場に訪れており、話を聞く機会を得ることができました。「東京eスポーツフェスタ」やeスポーツイベントについてさまざまな角度から忌憚(きたん)ない意見を述べていただきました。
――「東京eスポーツフェスタ」に参加してみた感想はいかがでしょうか。
比奈本真氏(以下、比奈本):大会のタイトルとして選んでいただけたことは、ありがたく思っています。自社IPのイベントは自社で執り行うことが多いのですが、今回は東京都をはじめとした団体で構成される「東京eスポーツフェスタ」実行委員会がハンドリングしています。eスポーツイベントはいろいろな形で開催してきましたが、今回の「東京eスポーツフェスタ」は、構造が面白いと思いました。
通常のeスポーツイベントは、eスポーツ大会そのものがメインですが、「東京eスポーツフェスタ」は東京都の中小企業振興がメインとなっています。そのこともあり、会場の真ん中に陣取っているのは、eスポーツのステージではなく、中小企業のブースです。こういう形での運営もあるのかと、eスポーツを長年やっている立場としても、まだまだ学ぶことが多いのだなと感じました。
――『モンスト』のeスポーツイベントとしては初めてとなる年齢制限のない大会となりましたが、そのあたりはいかがですか。
比奈本:「東京eスポーツフェスタ」では賞金が出せないのですが、そのことによって年齢制限を設けずに大会を開くことができました。「モンストグランプリ」は18歳未満の参加ができませんし、「闘会議2019」で行った「モンストジュニアグランプリ」は逆に18歳までしか出場することができませんでした。18歳を境に大会では対戦ができなかったのが、今回できるようになったのは良かったですね。
――プロチームがそのまま参加したり、プロ選手が新たなチームから参加していましたし、「モンストジュニアグランプリ」に出場したチームもいました。他にも若い世代のチームも散見され、かなり年齢層の幅がありましたね。
比奈本:そうですね、10代の方々も多く参加されており、若い世代の多さが目に付きました。全年齢だとこれほど若い世代にご参加いただけるとは思っていませんでしたので、驚きです。
制限をなくしたことで参加しやすくなったのかと考えると、「eスポーツには必ず賞金を出さなくてはならない」ということを当たり前として捉えすぎていたと感じました。もちろん、良い部分もあるのですが、ある意味文化の成長にブレーキをかけていた部分もあるのかもしれません。
――「東京eスポーツフェスタ」は中小企業の産業振興が目的のひとつとなっていますが、そのあたりは御社として何か動きがありましたでしょうか。
比奈本:IPホルダーと繋がろうとする企業様は多いんですが、実際に行動される方ってそんなに多くないんですよ。なので、こういった多くの企業とつながるきっかけとなる場を提供していただけるのは、本当にありがたいです。
今回は東京都でしたけど、こういった試みは地方でもやってほしいと思っているくらいです。地方自治体と組んで、地方の企業とも一緒にイベントをやれれば、もっと地方が注目されるようになると思うんですよね。
地方の企業の製品とか特産品とかを賞品として出したりすれば、地方のアピールにもなります。我々も地方でのユーザーエンゲージメントを高めることができるので、相乗効果を得られますよね。ゲーム以外の業界ともっとつながっていって、地方で開催したことで企業の商品やサービスが東京でも知られるようになりますし、今はネット配信もあるので、全国的にも広がると思います。
2018年に開催した、モンストのプロ選手が競う「モンスト プロツアー」でも、東京以外に仙台、大阪、名古屋、福岡で大会を開いていたんですけど、ほとんど地元チームが優勝したんです。やはり地域とつながりのあるチームが勝つと盛り上がります。弊社としてはそういった地方の皆さまからの開催の要望などがあれば受け入れる体勢はできていますが、そういう思いをなかなか地方の皆さんにお伝えできていないのが現状ですね。
――比奈本さんは先日、アメリカにエンタメ修行に行っていたようですけど、その成果はいかがでしたか。
比奈本:先日のアメリカ行きはプライベートで行ったのですが、ニューヨークでさまざまなエンタメを観て勉強してきました。
アメリカのエンタメのすごいところは、最初から最後まで楽しめるようになっているところですね。例えばスポーツの試合を観に行った場合、試合開始から終了まで、しっかりとコンテンツとして作り込まれているのは当然として、それが観客を巻き込んでエンタメとして機能するように設計されているんです。観客は観戦に行っているのですが、選手と同様に参加している気がしてくるんです。
こういったことを参考にしていい点は吸収し、我々が行うイベントの完成度を高めていきたいですね。新しい試みもいろいろ試していきたくて、今やっている「モンスト プロツアー」では、会場に来ていない人に参加している感じをどうやって届けるかを考えています。
そのひとつがGoogleとの協力で行っている「勝敗予想キャンペーン」ですね。昨年のプロツアーでも勝利チーム予想はしていましたが、『モンスト』プレイヤーにとって嬉しい賞品で、“観る専”の人にはありがたいものではありませんでした。今回はGoogle Playの専用Webサイトで実施しているため、『モンスト』を遊んでいない人も参加できますし、賞品も「Google Pixel 4」や「サイン入りユニフォーム」など、より多くの視聴者に喜んでもらえるものを用意しました。
出典:https://playjp.withgoogle.com/
『モンスト』は1年を通じて、グランプリ→プロツアー→グランプリ→プロツアーというサイクルで大会を繰り広げています。前回のグランプリでの反省点や良いところをプロツアーに取り込み、プロツアーが終了するとプロツアーでの反省点や良かったところを次のグランプリに活かすように心がけています。特に見た目は、いつも刷新していかないと古くさく感じてしまいます。
今年で『モンスト』も7年目に入りました。長くプレイしていただいていますし、大会も観ていただいています。それでも新鮮なイベントとして楽しんで貰えるようにしていきたいと常々考えています。
モンスターストライク(モンスト)公式サイト
https://www.monster-strike.com/
XFLAG eSports
https://esports.xflag.com/
その公式タイトルのひとつである『モンスターストライク』のeスポーツイベントを統括する株式会社ミクシィ モンスト事業本部 ライブエンターテインメント事業部 部長の比奈本真氏が会場に訪れており、話を聞く機会を得ることができました。「東京eスポーツフェスタ」やeスポーツイベントについてさまざまな角度から忌憚(きたん)ない意見を述べていただきました。
「年齢制限なし、賞金なしeスポーツ大会」がもたらした効果
――「東京eスポーツフェスタ」に参加してみた感想はいかがでしょうか。
比奈本真氏(以下、比奈本):大会のタイトルとして選んでいただけたことは、ありがたく思っています。自社IPのイベントは自社で執り行うことが多いのですが、今回は東京都をはじめとした団体で構成される「東京eスポーツフェスタ」実行委員会がハンドリングしています。eスポーツイベントはいろいろな形で開催してきましたが、今回の「東京eスポーツフェスタ」は、構造が面白いと思いました。
通常のeスポーツイベントは、eスポーツ大会そのものがメインですが、「東京eスポーツフェスタ」は東京都の中小企業振興がメインとなっています。そのこともあり、会場の真ん中に陣取っているのは、eスポーツのステージではなく、中小企業のブースです。こういう形での運営もあるのかと、eスポーツを長年やっている立場としても、まだまだ学ぶことが多いのだなと感じました。
――『モンスト』のeスポーツイベントとしては初めてとなる年齢制限のない大会となりましたが、そのあたりはいかがですか。
比奈本:「東京eスポーツフェスタ」では賞金が出せないのですが、そのことによって年齢制限を設けずに大会を開くことができました。「モンストグランプリ」は18歳未満の参加ができませんし、「闘会議2019」で行った「モンストジュニアグランプリ」は逆に18歳までしか出場することができませんでした。18歳を境に大会では対戦ができなかったのが、今回できるようになったのは良かったですね。
――プロチームがそのまま参加したり、プロ選手が新たなチームから参加していましたし、「モンストジュニアグランプリ」に出場したチームもいました。他にも若い世代のチームも散見され、かなり年齢層の幅がありましたね。
比奈本:そうですね、10代の方々も多く参加されており、若い世代の多さが目に付きました。全年齢だとこれほど若い世代にご参加いただけるとは思っていませんでしたので、驚きです。
制限をなくしたことで参加しやすくなったのかと考えると、「eスポーツには必ず賞金を出さなくてはならない」ということを当たり前として捉えすぎていたと感じました。もちろん、良い部分もあるのですが、ある意味文化の成長にブレーキをかけていた部分もあるのかもしれません。
自治体主催となることで、地方とつながりやすくなれる
――「東京eスポーツフェスタ」は中小企業の産業振興が目的のひとつとなっていますが、そのあたりは御社として何か動きがありましたでしょうか。
比奈本:IPホルダーと繋がろうとする企業様は多いんですが、実際に行動される方ってそんなに多くないんですよ。なので、こういった多くの企業とつながるきっかけとなる場を提供していただけるのは、本当にありがたいです。
今回は東京都でしたけど、こういった試みは地方でもやってほしいと思っているくらいです。地方自治体と組んで、地方の企業とも一緒にイベントをやれれば、もっと地方が注目されるようになると思うんですよね。
地方の企業の製品とか特産品とかを賞品として出したりすれば、地方のアピールにもなります。我々も地方でのユーザーエンゲージメントを高めることができるので、相乗効果を得られますよね。ゲーム以外の業界ともっとつながっていって、地方で開催したことで企業の商品やサービスが東京でも知られるようになりますし、今はネット配信もあるので、全国的にも広がると思います。
2018年に開催した、モンストのプロ選手が競う「モンスト プロツアー」でも、東京以外に仙台、大阪、名古屋、福岡で大会を開いていたんですけど、ほとんど地元チームが優勝したんです。やはり地域とつながりのあるチームが勝つと盛り上がります。弊社としてはそういった地方の皆さまからの開催の要望などがあれば受け入れる体勢はできていますが、そういう思いをなかなか地方の皆さんにお伝えできていないのが現状ですね。
米国のエンタメから学んだ観客を飽きさせない取り組み
――比奈本さんは先日、アメリカにエンタメ修行に行っていたようですけど、その成果はいかがでしたか。
比奈本:先日のアメリカ行きはプライベートで行ったのですが、ニューヨークでさまざまなエンタメを観て勉強してきました。
アメリカのエンタメのすごいところは、最初から最後まで楽しめるようになっているところですね。例えばスポーツの試合を観に行った場合、試合開始から終了まで、しっかりとコンテンツとして作り込まれているのは当然として、それが観客を巻き込んでエンタメとして機能するように設計されているんです。観客は観戦に行っているのですが、選手と同様に参加している気がしてくるんです。
こういったことを参考にしていい点は吸収し、我々が行うイベントの完成度を高めていきたいですね。新しい試みもいろいろ試していきたくて、今やっている「モンスト プロツアー」では、会場に来ていない人に参加している感じをどうやって届けるかを考えています。
そのひとつがGoogleとの協力で行っている「勝敗予想キャンペーン」ですね。昨年のプロツアーでも勝利チーム予想はしていましたが、『モンスト』プレイヤーにとって嬉しい賞品で、“観る専”の人にはありがたいものではありませんでした。今回はGoogle Playの専用Webサイトで実施しているため、『モンスト』を遊んでいない人も参加できますし、賞品も「Google Pixel 4」や「サイン入りユニフォーム」など、より多くの視聴者に喜んでもらえるものを用意しました。
出典:https://playjp.withgoogle.com/
『モンスト』は1年を通じて、グランプリ→プロツアー→グランプリ→プロツアーというサイクルで大会を繰り広げています。前回のグランプリでの反省点や良いところをプロツアーに取り込み、プロツアーが終了するとプロツアーでの反省点や良かったところを次のグランプリに活かすように心がけています。特に見た目は、いつも刷新していかないと古くさく感じてしまいます。
今年で『モンスト』も7年目に入りました。長くプレイしていただいていますし、大会も観ていただいています。それでも新鮮なイベントとして楽しんで貰えるようにしていきたいと常々考えています。
モンスターストライク(モンスト)公式サイト
https://www.monster-strike.com/
XFLAG eSports
https://esports.xflag.com/
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