【Crazy Raccoonオーナー・リテイルローのおじさん インタビュー】これからのプロゲーマーには「人気」と「実力」両方が必要
eスポーツの世界には、多くのプロゲーマーと、彼らの活動を守り支えるプロチームの存在がある。
中でも、昨今話題の中心となっているチームが、Crazy Raccoon(クレイジーラクーン)だ。2018年に設立され、2019年の『フォートナイトワールドカップ』での活躍、世界的有名プレイヤーRas選手の加入、チーム設立当初から開催されてきた自前の大会「Crazy Raccoon CUP」(CRカップ)の成長、直近では『VALORANT』の公式大会「2021 VALORANT Champions Tour」での優勝と国際大会での奮闘と、当初からあった存在感がここにきてさらに拡大している。
そんなCrazy Raccoonの顔であり、テレビや選手の個人配信などで人気を集めているのが、オーナーである「リテイルローのおじさん」だ。そもそもオーナーが顔出しで配信なども行うという時点で、eスポーツチームとしてはかなり異色な存在だが、Crazy Raccoon自体の活動やプロモーションも、従来のeスポーツチームとは一線を画している。
そこで今回は、ある意味謎につつまれたCrazy Raccoonとそのオーナーの正体を浮かび上がらせるべく、4つの質問をぶつけてみた。個人的に、リテイルローのおじさんならば、きっと歯に衣着せぬストレートな思いを語ってくれると感じたからだ。そしてそれは予想を上回り、eスポーツの将来性やCRの未来に関する抜け目ない千里眼をも披露してくれた。
いまプロゲーマーに憧れている人たち、これからeスポーツ業界で働こうと考えている人たち、そしてすべてのeスポーツ関係者にも、きっと“未来のプロスポーツとしてのeスポーツのあり方”を考えるきっかけにしていただけると思う。
ーーまず最初の質問は、「リテイルローのおじさん」とは何者か、です。どんなゲームを遊んできて、どんなきっかけでeスポーツに関わり、Crazy Raccoonを設立されたんでしょうか?
リテイルローのおじさん(以下、CR.おじじ):26歳くらいの時に、スマホの『Vainglory』(ヴェイングローリー)というMOBAが大好きでプレイしていて、とあるゲームのプロゲーマーと仲良くなったんです。それから、プロゲーマーという仕事の実情を聞いているうちに「だったら僕がチームを作ろう」と考えたのがCrazy Raccoonの始まりです。いま30歳なので、もう5年前のことですね。
ーーそれよりも前のゲーム歴は?
CR.おじじ:中学生くらいの頃は『ラグナロクオンライン』とか『モンスターハンターフロンティア』とかもがっつりやっていましたが、それ以降は『荒野行動』をちょっとさわったくらいで、FPSにハマったりはしなかったですね。
ーー現在CRが活躍しているタイトルからすると意外ですね。先ほど「だったら僕がチームを作る」とサラっとおっしゃったんですが、チームを設立するって大変なことですよね?
CR.おじじ:本業として飲食店を経営していて、資金もある時期だったんです。プロゲーマーの実情を聞いて、契約とか金銭面とかも含めて、これは変えなきゃいけないなぁと。
ーーただ、それまでeスポーツ業界に身を置いてはいなかったわけですよね。チームの設立というと、プロとして試合に出ていた方だったり、ビジネスとしてeスポーツに関わっている方がするイメージでした。
CR.おじじ:当時の僕からすれば、プレイヤーの体制とか現状を改善したいと思ったときに、オーナーになって彼らの活動を支えるということ以外、素直に思いつかなかったんですよね。
例えば、僕が月々5万円を彼らに出資しても根本的な解決にはなりません。チームを作ってその考え方を周りに広めていけば、すべてのeスポーツ業界の改善につながるだろうと考えていました。
ーーそうしてCrazy Raccoonが誕生したわけですが、当初はどんな感じの活動だったのですか?
CR.おじじ:プレイヤーの生活を保証して、彼らが有名になるためのサポートを全力でしていました。はじめはスポンサーが1社もなく、僕が選手に給料を払いながら、動画編集はチームのスタッフで全部やっていましたね。2018年の1年間は投資であり初期費用だと思っていたので。
ーーそこから、いまや圧倒的な人気を誇る大会「CRカップ」が、『フォートナイト』で始まりました。
CR.おじじ:はい、「CRカップ」のおかげで『フォートナイト』での知名度が上がって、その後の「ワールドカップ」でも活躍できました。ただ、正直「ワールドカップ」ではそんなに知名度は上がらなかったんですよ。選手の「ワールドカップに行きましたー!」っていう動画は、今でも10万回くらいしか再生されていませんし。
それよりは、継続的な「CRカップ」の方がチームとしての数字を伸ばしていけた要因です。それと、一番大きいのはRasの加入ですね。あそこから『Apex Legends』の「CRカップ」につながりました。
ーー「CRカップ」に関しては、ここ最近特にとんでもない同時接続数になっていますが、毎回工夫を凝らしたアイデアにも驚きます。招待制の人選とか、母の日の感謝ツイートしたらポイントをマイナスするとかは、誰が考えているんですか?
CR.おじじ:CRカップに関しては最初からずっと、企画も運営もすべて僕がやっています。
チームポイントにも実は裏の理由があるんです。例えば、女子選手のポイントをマイナスしているのは「かわいいから」とか「モテるから」とかふざけて言ってますけど、実際にはキャリーされてランクが上がっていることがどうしても多くなりがちだから。実力だけでいうとどうしても今は男子の方が高くなってしまうので、そうすることで、女子が活躍できる場が減ってしまわないようにしたいんです。
「感謝ポイント」は、前回は5月ということもあって「母の日」があったので、日頃の感謝をツイートという形にしました。
なぜこういうルールにするかというと、回を追うごとにランクが全体的に上がってきているので、トータル24ポイントではなく26ポイントの大会にしたいんです。ただ、単純に「26ポイントの大会」ではつまらないので、コンセプトをつけた上で「実質26ポイント」の大会にしたいからマイナス2ポイントのイベントを追加したわけです。
次回は28ポイント分の大会になるかもしれません。ただ何かのイベントをしたらマイナス2×2人がつくだけの話で。
ーーそうやってアイデアから運営まで考えてきて、CRが立ち上がった頃にこんな規模の大会になるなんて想像されていたんですか?
CR.おじじ:ここまではしていなかったですね。みんなが楽しくてプレイヤーも楽しめるイベントを作ることしか考えていませんでした。本質的にリスナーとプレイヤーが楽しめるように、というところは変わりません。
ーートントン拍子にここまで発展してきたように思えますが、逆に今悩んでいることとかはありますか?
CR.おじじ:僕、人生で悩んだことがあまりないので……。24歳くらいの時に、問題に対して悩むんじゃなく解決する方法を考えるようになったんです。
「悩む」ってマイナス思考が多いんですけど、どうしようどうしようって言ってたってしかたない。だったら今ある手札で何ができるか、最低限これをしよう、と「考え」ているので。
ーー2つ目の質問は、「Crazy Raccoon」とは何者か、とさせていただきました。これまでの経歴や現在の活動を見ていて、私たちが知るeスポーツチームの成り立ちとはなにもかもが違うように思ったんです。
CR.おじじ:何が違います?
ーーひとつはウェブサイトを見たときで、チーム設立の歴史や戦績などがほとんど語られることなく、どんな会社がチームを運営しているかもわからなかったり、選手の顔がすべてイラストで実在感がなかったり。
CR.おじじ:そうですね。
ーーこれまでのeスポーツチームは、選手の戦績とか顔写真が華々しく掲載されていて実力がひと目でわかる。一方、CRのサイトはイラスト付きの選手紹介とYouTubeとTwitterのフォロワー数のみ。明らかになんか違うと感じたんです。
CR.おじじ:僕としては、やっていることは他のeスポーツチームと違うわけではないんですけどね。
イラストにしたのは、選手を有名にするという目的に向けて、キャラクターアイコンの方が馴染みがあると思ったから。引っ込み思案な子が多いというのもひとつの理由ですね。
僕たちはこんな感じでやっているということをどんどん発信していくことによって、当たり前なんですが、「試合や配信にはお金が発生する」とか「契約書が必要」といったことがもっとちゃんと知れ渡れば、eスポーツ業界の体質改善を発信できるんじゃないかという思いもあります。
ーーチームの運営などは、私のような一介のeスポーツファンには馴染みがありませんが、業界的にそういう話は結構あるんですか?
CR.おじじ:残念ながら、そういう例はあります。弁護士が入っていないような契約書とか……。もちろん、僕がとやかく言う立場にはありません。ですが、「ちゃんとしてくれ」とは思っています。それが日本のeスポーツ全体のためになりますし、割りを食うのは選手や業界ですから。
ーーお話をうかがっていると常に「選手ありき」「選手ファースト」という考え方が感じられるのですが、現在のeスポーツは選手たちの活躍によって大手スポンサーの出資を受ける「スポンサービジネス」の側面が大きいと感じています。ただ、CRの活躍を見ているとちょっと違う気がしています。
CR.おじじ:大きくは変わらないのですが、活動方針はちょっと違いますね。
たとえば……ボブスレーの世界大会で優勝した日本人選手が履いている「靴」を履きたいと思います?
ーーいえ、思わない、というかボブスレーを知らないので……。
CR.おじじ:そこなんです。「PUBGの○○大会で優勝」と言われても、視聴者数が少なければ「誰これ?」と思われてしまう面はまだまだあります。ボブスレーも『PUBG』もタイトルは知られているけど、どれだけすごいのかはいつも見ているファン以外にはなかなか伝わっていない。
大会の実績は、みんな後々知ることになるんですよ、本人が有名でさえあれば。つまり、「実力」があるから売れるのではなく、「実力」があって「人気」もあるから売れる。ここがわかっていない人たちが選手たちに多すぎます。それはチーム運営者もそうです。
実力がある選手をたくさんチームに入れて、「うちのチームは強いですよ」と言うよりも、Twitterのインプレッション数などの「実数」の方が圧倒的に大事です。これは「インフルエンサーマーケティング」という価値観に基づいています。
ブランディングの上で、チームの価値を保つ上で、選手個人にとってもチームにとっても「強い」は大前提です。アジアトップ、世界No.1は当たり前の話なんです。
ーーその「強さ」と「人気」はチームとしてどんなふうにサポートしているんですか?
CR.おじじ:「強さ」に関してはなにもしていません。「人気」を得るために、僕たちは死ぬ気でサポートしています。
ーーということは、CRの選手たちは個々人で勝手に強くなっている、という感じですか?
CR.おじじ:そうです。もちろん必要であれば、たとえばコーチをあっせんしたり気にかけたりはしています。だってオーナーの僕ができることなんて、それ以外ないじゃないですか。「エイムぶれてるぞ」って言えるわけでもありませんし(笑)。
ーー配信でよく選手を負かしたりもしているので、アドバイスをされているのかと思っていました(笑)。
CR.おじじ:いえ、それはないです。選手のプライドを傷つける行為なので。
ーー「ReAL eSports News」に出演されたときに、「オーナーは強くなければならない」とおっしゃっていましたが、それは「選手よりも強く」ということではないんですね。
CR.おじじ:はい。「このオーナー、ちゃんとゲームやってんな」と思ってもらえることが一番大事です。それぞれの経営者のスタイルがあっていいのですが、僕個人はオーナーはゲーマーであるべきと考えています。
ーー3つ目は「eスポーツ」とは何者か。私たちも「eスポーツ」を掲げてメディアをやらせていただくなかで、どこか浮わついたというかふわふわした感覚がまだ感じられるところがあります。もしかして流行で終わってしまうんじゃないかとか。そのあたりはどう感じていますか?
CR.おじじ:CRというチームだけなら、5年、10年と続けていける自信はあります。ただ、大会の様子などを見ていると、「eスポーツ」という単語に陰りが見えたら撤退するかもしれない。そういったタイトルや大会だけにチームの命運を預けることは経営上できないので、CRは『VALORANT』『フォートナイト』『エーペックスレジェンズ』『ストリーマー』の4部門しかないんです。
各タイトルの部門は、チームの価値を上げるための広告費のようなもの。だから「優勝してくれないと困る」ということは選手たちにも直接話しています。どのチームよりもプレッシャーはかかっているかもしれません。「お前たちの価値は勝つことでしか生まれないぞ」という話を、僕はしていますので。
ーーそんな中で、『VALORANT』で日本一に輝き、国際大会でもすごい活躍を見せてくれました!
CR.おじじ:「VALORANT CHAMPIONS TOUR」では、本当にみんな頑張ってくれました! 僕も泣きました……。
オーナーとしてはやっぱり『VALORANT』部門は強くて有名じゃなければいけない。なんで優勝を目指すかと言ったら、チームの価値を上げるためだし、勝ってくれないと困る。
他の部門はどんどん結果を出しているんですよ。Rasとか毎日輝いていて、フォートナイト部門はずっとアジア1位。どうしようどうしようって頑張った上での『VALORANT』のあの結果だったんです。
でもオーナーというより個人としてみんなが好きなので、どうにかしてチームにいてほしい。なので、「頼む、勝ってくれ……!」って思いながら見ていました。彼らも尋常じゃないプレッシャーの中で頑張りました。
ーーでは、優勝できなければ解散という可能性も……?
CR.おじじ:だいぶありました。最強でなければいけない。それがCrazy Raccoonですから。
ーーそんなCRに「僕も入りたい!」と思っている人が、若い子たちを中心にいまとても多いと思うんです。CRが求めている選手像というのもまさにそれですか?
CR.おじじ:それです。「人気」があって「強い」人です。
ーーどっちかが後からついてくるとかは……。
CR.おじじ:基本ないですね。「人気」が後からつくことはありますけど、「強い」がついてくることはないので。
ーー家で練習するとなると、オーナーとして管理・監督する上で気にはなりませんか?
CR.おじじ:彼らは自分が弱くなることを許せない人種なので、強さに関しては心配したことはないですね。僕が言うまでもないんですよ。配信をやっていない時と、人としての教育とかの話はよくしますけど、ゲーム的なことに関しては一切言いません。
ーー特に『フォートナイト』部門は未成年の選手も多いですが、ご家族と一緒にサポートするという感じですか?
CR.おじじ:そこは確かに厳しいです。反抗期が親とチームの両方に来ています。僕は“校長先生”なので、表向きはみんな「はい、はい」って素直に聞いていますけど、裏では「バレなきゃオッケー」って言っているような世代ですから(笑)。
ただ、結構放任です。本当にやばいことをしなければいい、あとは好きにやりなさいと。その上で、その子が本気で「動画をやりたい!」と思ったりした時には、全力で助けられるように体制を整えています。
やっぱり頭ごなしに「やれ」って言っても無理なので。「やりたい」気持ちの時に全力で補助輪を回してあげるって感じです。まあ、こういう考え方も、ここ半年〜1年くらいでたどり着いた答えですね。
ーー最後の質問は、「プロゲーマー」とは何者か。これまで「強さ」が一番だったものが、「人気」が重要になってきた。これからのプロゲーマーはどうあるべきなんでしょうか?
CR.おじじ:ズバリ、「インフルエンサー」ですね。
プロサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドも、めっちゃサッカーがうまいインフルエンサーですよね。ギャルタレントなどもインフルエンサーです。今の時代、どんな業界のどんな人であろうと、インフルエンサーであることを自覚しないとダメなんです。
特にゲーマーは、自分が何かアクションしたときに商品が売れたりとか、そういう存在であるべきです。ゲームがいくらうまくても、その人が使っているマウスを欲しいと思う人間が一人もいないのであれば、プロとして求められている素質とは離れていく。
なぜかというと、たとえばプロ野球は、強ければ年俸が上がっていくシステムが出来上がっているじゃないですか。NPB(日本野球機構)というリーグですべて運営されていて。
でも、それを今からeスポーツに追い求めても無理なんです。ゲームは野球と違って版権(IP)が存在しますし、毎月とか毎年とかで主要なタイトルが変わっていきます。野球も何十年とかけて作られたシステムですが、それを今から真似ること自体が不可能です。
であれば、自分たちが「インフルエンサー」であることをしっかり自覚し、人気もしっかり追い求めなければいけない。それが、これからのeスポーツ選手だと思います。
ーーその「プロゲーマー」と「ストリーマー」の境界線も気になっています。プロゲーマーとして試合では歓声をもらうけれども、配信はあまりしない選手もたくさんいます。一方で、ストリーマー専門の方もいますよね。
CR.おじじ:そもそも、プロゲーマーとストリーマーを切り分けているうちは、その選手の人気は絶対に停滞します。
野球であれば、強ければSNSをしなくても世間の知名度も上がります。それは、何もしなくても強さの後に勝手に人気がついてくる業界だからです。
では、eスポーツ業界はそうなれますか? という話なんです。強くて人気があって、Twitterをまったくしないのにフォロワーが50万人いるなんて人はいません。それが答えだと思います。
50年続くタイトルがあるかないかなんてわからないので、希望的観測で話すのではなく、自分が人気になることをちゃんと考えた方がいい、と思います。
ーー最後に、CRとしての今後の目標は?
CR.おじじ:毎回聞かれるんですよね、その質問(笑)。なんかメディア向けに作っておこうかな?(笑)。
真面目に言うと、その都度時代の流れに沿って、リスナーとプレイヤーが楽しめるものを提供すること、です。新しいオフィス(秋葉原)もそうで、誰でも無料でゲームを楽しめるようにします。
選手も同じフロアでプレイすることもありますので、コロナが落ち着いたらぜひ遊びにきてください!
ーーありがとうございました!
eスポーツは実力主義の世界だが、それは選手だけでなくチームも同じだ。単に資金を使って実力者を集め、実力者によってスポンサーを募るだけが目的ではない。
オーナー自ら先頭に立って選手をフルサポートし、法律や契約などもプロフェッショナルを交えてしっかり行い、リスナーファースト、選手ファーストを貫くCrazy Raccoon。そのことの難しさは、新設チーム増加の裏で、解散していくチームが多いことからもわかるだろう。
日本のeスポーツ業界はまだまだ始まったばかりだが、歴史と実績のある大手チームだけでなく、「実力」と「人気」を兼ね備え、eスポーツの未来についてしっかり考えているCrazy Raccoonのようなチームが、これからのeスポーツ業界を引っ張ってくれるように思う。
いつもワクワクするようなイベントと、大会での活躍を見せてくれるリテイルローのおじさんとCrazy Raccoonを、これからも追いかけていきたい。
Crazy Raccoon:https://crazyraccoon.jp/
公式Mildom:https://www.mildom.com/profile/10115448
公式Twitter:https://twitter.com/crazyraccoon406
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCV3h-YCXiKiMmVupdknm73Q
中でも、昨今話題の中心となっているチームが、Crazy Raccoon(クレイジーラクーン)だ。2018年に設立され、2019年の『フォートナイトワールドカップ』での活躍、世界的有名プレイヤーRas選手の加入、チーム設立当初から開催されてきた自前の大会「Crazy Raccoon CUP」(CRカップ)の成長、直近では『VALORANT』の公式大会「2021 VALORANT Champions Tour」での優勝と国際大会での奮闘と、当初からあった存在感がここにきてさらに拡大している。
そんなCrazy Raccoonの顔であり、テレビや選手の個人配信などで人気を集めているのが、オーナーである「リテイルローのおじさん」だ。そもそもオーナーが顔出しで配信なども行うという時点で、eスポーツチームとしてはかなり異色な存在だが、Crazy Raccoon自体の活動やプロモーションも、従来のeスポーツチームとは一線を画している。
そこで今回は、ある意味謎につつまれたCrazy Raccoonとそのオーナーの正体を浮かび上がらせるべく、4つの質問をぶつけてみた。個人的に、リテイルローのおじさんならば、きっと歯に衣着せぬストレートな思いを語ってくれると感じたからだ。そしてそれは予想を上回り、eスポーツの将来性やCRの未来に関する抜け目ない千里眼をも披露してくれた。
いまプロゲーマーに憧れている人たち、これからeスポーツ業界で働こうと考えている人たち、そしてすべてのeスポーツ関係者にも、きっと“未来のプロスポーツとしてのeスポーツのあり方”を考えるきっかけにしていただけると思う。
「リテイルローのおじさん」とは何者か
ーーまず最初の質問は、「リテイルローのおじさん」とは何者か、です。どんなゲームを遊んできて、どんなきっかけでeスポーツに関わり、Crazy Raccoonを設立されたんでしょうか?
リテイルローのおじさん(以下、CR.おじじ):26歳くらいの時に、スマホの『Vainglory』(ヴェイングローリー)というMOBAが大好きでプレイしていて、とあるゲームのプロゲーマーと仲良くなったんです。それから、プロゲーマーという仕事の実情を聞いているうちに「だったら僕がチームを作ろう」と考えたのがCrazy Raccoonの始まりです。いま30歳なので、もう5年前のことですね。
ーーそれよりも前のゲーム歴は?
CR.おじじ:中学生くらいの頃は『ラグナロクオンライン』とか『モンスターハンターフロンティア』とかもがっつりやっていましたが、それ以降は『荒野行動』をちょっとさわったくらいで、FPSにハマったりはしなかったですね。
ーー現在CRが活躍しているタイトルからすると意外ですね。先ほど「だったら僕がチームを作る」とサラっとおっしゃったんですが、チームを設立するって大変なことですよね?
CR.おじじ:本業として飲食店を経営していて、資金もある時期だったんです。プロゲーマーの実情を聞いて、契約とか金銭面とかも含めて、これは変えなきゃいけないなぁと。
ーーただ、それまでeスポーツ業界に身を置いてはいなかったわけですよね。チームの設立というと、プロとして試合に出ていた方だったり、ビジネスとしてeスポーツに関わっている方がするイメージでした。
CR.おじじ:当時の僕からすれば、プレイヤーの体制とか現状を改善したいと思ったときに、オーナーになって彼らの活動を支えるということ以外、素直に思いつかなかったんですよね。
例えば、僕が月々5万円を彼らに出資しても根本的な解決にはなりません。チームを作ってその考え方を周りに広めていけば、すべてのeスポーツ業界の改善につながるだろうと考えていました。
ーーそうしてCrazy Raccoonが誕生したわけですが、当初はどんな感じの活動だったのですか?
CR.おじじ:プレイヤーの生活を保証して、彼らが有名になるためのサポートを全力でしていました。はじめはスポンサーが1社もなく、僕が選手に給料を払いながら、動画編集はチームのスタッフで全部やっていましたね。2018年の1年間は投資であり初期費用だと思っていたので。
ーーそこから、いまや圧倒的な人気を誇る大会「CRカップ」が、『フォートナイト』で始まりました。
CR.おじじ:はい、「CRカップ」のおかげで『フォートナイト』での知名度が上がって、その後の「ワールドカップ」でも活躍できました。ただ、正直「ワールドカップ」ではそんなに知名度は上がらなかったんですよ。選手の「ワールドカップに行きましたー!」っていう動画は、今でも10万回くらいしか再生されていませんし。
それよりは、継続的な「CRカップ」の方がチームとしての数字を伸ばしていけた要因です。それと、一番大きいのはRasの加入ですね。あそこから『Apex Legends』の「CRカップ」につながりました。
ーー「CRカップ」に関しては、ここ最近特にとんでもない同時接続数になっていますが、毎回工夫を凝らしたアイデアにも驚きます。招待制の人選とか、母の日の感謝ツイートしたらポイントをマイナスするとかは、誰が考えているんですか?
CR.おじじ:CRカップに関しては最初からずっと、企画も運営もすべて僕がやっています。
チームポイントにも実は裏の理由があるんです。例えば、女子選手のポイントをマイナスしているのは「かわいいから」とか「モテるから」とかふざけて言ってますけど、実際にはキャリーされてランクが上がっていることがどうしても多くなりがちだから。実力だけでいうとどうしても今は男子の方が高くなってしまうので、そうすることで、女子が活躍できる場が減ってしまわないようにしたいんです。
「感謝ポイント」は、前回は5月ということもあって「母の日」があったので、日頃の感謝をツイートという形にしました。
なぜこういうルールにするかというと、回を追うごとにランクが全体的に上がってきているので、トータル24ポイントではなく26ポイントの大会にしたいんです。ただ、単純に「26ポイントの大会」ではつまらないので、コンセプトをつけた上で「実質26ポイント」の大会にしたいからマイナス2ポイントのイベントを追加したわけです。
次回は28ポイント分の大会になるかもしれません。ただ何かのイベントをしたらマイナス2×2人がつくだけの話で。
ーーそうやってアイデアから運営まで考えてきて、CRが立ち上がった頃にこんな規模の大会になるなんて想像されていたんですか?
CR.おじじ:ここまではしていなかったですね。みんなが楽しくてプレイヤーも楽しめるイベントを作ることしか考えていませんでした。本質的にリスナーとプレイヤーが楽しめるように、というところは変わりません。
ーートントン拍子にここまで発展してきたように思えますが、逆に今悩んでいることとかはありますか?
CR.おじじ:僕、人生で悩んだことがあまりないので……。24歳くらいの時に、問題に対して悩むんじゃなく解決する方法を考えるようになったんです。
「悩む」ってマイナス思考が多いんですけど、どうしようどうしようって言ってたってしかたない。だったら今ある手札で何ができるか、最低限これをしよう、と「考え」ているので。
「Crazy Raccoon」とは何者か
ーー2つ目の質問は、「Crazy Raccoon」とは何者か、とさせていただきました。これまでの経歴や現在の活動を見ていて、私たちが知るeスポーツチームの成り立ちとはなにもかもが違うように思ったんです。
CR.おじじ:何が違います?
ーーひとつはウェブサイトを見たときで、チーム設立の歴史や戦績などがほとんど語られることなく、どんな会社がチームを運営しているかもわからなかったり、選手の顔がすべてイラストで実在感がなかったり。
CR.おじじ:そうですね。
ーーこれまでのeスポーツチームは、選手の戦績とか顔写真が華々しく掲載されていて実力がひと目でわかる。一方、CRのサイトはイラスト付きの選手紹介とYouTubeとTwitterのフォロワー数のみ。明らかになんか違うと感じたんです。
CR.おじじ:僕としては、やっていることは他のeスポーツチームと違うわけではないんですけどね。
イラストにしたのは、選手を有名にするという目的に向けて、キャラクターアイコンの方が馴染みがあると思ったから。引っ込み思案な子が多いというのもひとつの理由ですね。
僕たちはこんな感じでやっているということをどんどん発信していくことによって、当たり前なんですが、「試合や配信にはお金が発生する」とか「契約書が必要」といったことがもっとちゃんと知れ渡れば、eスポーツ業界の体質改善を発信できるんじゃないかという思いもあります。
ーーチームの運営などは、私のような一介のeスポーツファンには馴染みがありませんが、業界的にそういう話は結構あるんですか?
CR.おじじ:残念ながら、そういう例はあります。弁護士が入っていないような契約書とか……。もちろん、僕がとやかく言う立場にはありません。ですが、「ちゃんとしてくれ」とは思っています。それが日本のeスポーツ全体のためになりますし、割りを食うのは選手や業界ですから。
ーーお話をうかがっていると常に「選手ありき」「選手ファースト」という考え方が感じられるのですが、現在のeスポーツは選手たちの活躍によって大手スポンサーの出資を受ける「スポンサービジネス」の側面が大きいと感じています。ただ、CRの活躍を見ているとちょっと違う気がしています。
CR.おじじ:大きくは変わらないのですが、活動方針はちょっと違いますね。
たとえば……ボブスレーの世界大会で優勝した日本人選手が履いている「靴」を履きたいと思います?
ーーいえ、思わない、というかボブスレーを知らないので……。
CR.おじじ:そこなんです。「PUBGの○○大会で優勝」と言われても、視聴者数が少なければ「誰これ?」と思われてしまう面はまだまだあります。ボブスレーも『PUBG』もタイトルは知られているけど、どれだけすごいのかはいつも見ているファン以外にはなかなか伝わっていない。
大会の実績は、みんな後々知ることになるんですよ、本人が有名でさえあれば。つまり、「実力」があるから売れるのではなく、「実力」があって「人気」もあるから売れる。ここがわかっていない人たちが選手たちに多すぎます。それはチーム運営者もそうです。
実力がある選手をたくさんチームに入れて、「うちのチームは強いですよ」と言うよりも、Twitterのインプレッション数などの「実数」の方が圧倒的に大事です。これは「インフルエンサーマーケティング」という価値観に基づいています。
ブランディングの上で、チームの価値を保つ上で、選手個人にとってもチームにとっても「強い」は大前提です。アジアトップ、世界No.1は当たり前の話なんです。
ーーその「強さ」と「人気」はチームとしてどんなふうにサポートしているんですか?
CR.おじじ:「強さ」に関してはなにもしていません。「人気」を得るために、僕たちは死ぬ気でサポートしています。
ーーということは、CRの選手たちは個々人で勝手に強くなっている、という感じですか?
CR.おじじ:そうです。もちろん必要であれば、たとえばコーチをあっせんしたり気にかけたりはしています。だってオーナーの僕ができることなんて、それ以外ないじゃないですか。「エイムぶれてるぞ」って言えるわけでもありませんし(笑)。
ーー配信でよく選手を負かしたりもしているので、アドバイスをされているのかと思っていました(笑)。
CR.おじじ:いえ、それはないです。選手のプライドを傷つける行為なので。
ーー「ReAL eSports News」に出演されたときに、「オーナーは強くなければならない」とおっしゃっていましたが、それは「選手よりも強く」ということではないんですね。
CR.おじじ:はい。「このオーナー、ちゃんとゲームやってんな」と思ってもらえることが一番大事です。それぞれの経営者のスタイルがあっていいのですが、僕個人はオーナーはゲーマーであるべきと考えています。
「eスポーツ」とは何者か
ーー3つ目は「eスポーツ」とは何者か。私たちも「eスポーツ」を掲げてメディアをやらせていただくなかで、どこか浮わついたというかふわふわした感覚がまだ感じられるところがあります。もしかして流行で終わってしまうんじゃないかとか。そのあたりはどう感じていますか?
CR.おじじ:CRというチームだけなら、5年、10年と続けていける自信はあります。ただ、大会の様子などを見ていると、「eスポーツ」という単語に陰りが見えたら撤退するかもしれない。そういったタイトルや大会だけにチームの命運を預けることは経営上できないので、CRは『VALORANT』『フォートナイト』『エーペックスレジェンズ』『ストリーマー』の4部門しかないんです。
各タイトルの部門は、チームの価値を上げるための広告費のようなもの。だから「優勝してくれないと困る」ということは選手たちにも直接話しています。どのチームよりもプレッシャーはかかっているかもしれません。「お前たちの価値は勝つことでしか生まれないぞ」という話を、僕はしていますので。
ーーそんな中で、『VALORANT』で日本一に輝き、国際大会でもすごい活躍を見せてくれました!
CR.おじじ:「VALORANT CHAMPIONS TOUR」では、本当にみんな頑張ってくれました! 僕も泣きました……。
オーナーとしてはやっぱり『VALORANT』部門は強くて有名じゃなければいけない。なんで優勝を目指すかと言ったら、チームの価値を上げるためだし、勝ってくれないと困る。
他の部門はどんどん結果を出しているんですよ。Rasとか毎日輝いていて、フォートナイト部門はずっとアジア1位。どうしようどうしようって頑張った上での『VALORANT』のあの結果だったんです。
でもオーナーというより個人としてみんなが好きなので、どうにかしてチームにいてほしい。なので、「頼む、勝ってくれ……!」って思いながら見ていました。彼らも尋常じゃないプレッシャーの中で頑張りました。
ーーでは、優勝できなければ解散という可能性も……?
CR.おじじ:だいぶありました。最強でなければいけない。それがCrazy Raccoonですから。
ーーそんなCRに「僕も入りたい!」と思っている人が、若い子たちを中心にいまとても多いと思うんです。CRが求めている選手像というのもまさにそれですか?
CR.おじじ:それです。「人気」があって「強い」人です。
ーーどっちかが後からついてくるとかは……。
CR.おじじ:基本ないですね。「人気」が後からつくことはありますけど、「強い」がついてくることはないので。
ーー家で練習するとなると、オーナーとして管理・監督する上で気にはなりませんか?
CR.おじじ:彼らは自分が弱くなることを許せない人種なので、強さに関しては心配したことはないですね。僕が言うまでもないんですよ。配信をやっていない時と、人としての教育とかの話はよくしますけど、ゲーム的なことに関しては一切言いません。
ーー特に『フォートナイト』部門は未成年の選手も多いですが、ご家族と一緒にサポートするという感じですか?
CR.おじじ:そこは確かに厳しいです。反抗期が親とチームの両方に来ています。僕は“校長先生”なので、表向きはみんな「はい、はい」って素直に聞いていますけど、裏では「バレなきゃオッケー」って言っているような世代ですから(笑)。
ただ、結構放任です。本当にやばいことをしなければいい、あとは好きにやりなさいと。その上で、その子が本気で「動画をやりたい!」と思ったりした時には、全力で助けられるように体制を整えています。
やっぱり頭ごなしに「やれ」って言っても無理なので。「やりたい」気持ちの時に全力で補助輪を回してあげるって感じです。まあ、こういう考え方も、ここ半年〜1年くらいでたどり着いた答えですね。
「プロゲーマー」とは何者か
ーー最後の質問は、「プロゲーマー」とは何者か。これまで「強さ」が一番だったものが、「人気」が重要になってきた。これからのプロゲーマーはどうあるべきなんでしょうか?
CR.おじじ:ズバリ、「インフルエンサー」ですね。
プロサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドも、めっちゃサッカーがうまいインフルエンサーですよね。ギャルタレントなどもインフルエンサーです。今の時代、どんな業界のどんな人であろうと、インフルエンサーであることを自覚しないとダメなんです。
特にゲーマーは、自分が何かアクションしたときに商品が売れたりとか、そういう存在であるべきです。ゲームがいくらうまくても、その人が使っているマウスを欲しいと思う人間が一人もいないのであれば、プロとして求められている素質とは離れていく。
なぜかというと、たとえばプロ野球は、強ければ年俸が上がっていくシステムが出来上がっているじゃないですか。NPB(日本野球機構)というリーグですべて運営されていて。
でも、それを今からeスポーツに追い求めても無理なんです。ゲームは野球と違って版権(IP)が存在しますし、毎月とか毎年とかで主要なタイトルが変わっていきます。野球も何十年とかけて作られたシステムですが、それを今から真似ること自体が不可能です。
であれば、自分たちが「インフルエンサー」であることをしっかり自覚し、人気もしっかり追い求めなければいけない。それが、これからのeスポーツ選手だと思います。
ーーその「プロゲーマー」と「ストリーマー」の境界線も気になっています。プロゲーマーとして試合では歓声をもらうけれども、配信はあまりしない選手もたくさんいます。一方で、ストリーマー専門の方もいますよね。
CR.おじじ:そもそも、プロゲーマーとストリーマーを切り分けているうちは、その選手の人気は絶対に停滞します。
野球であれば、強ければSNSをしなくても世間の知名度も上がります。それは、何もしなくても強さの後に勝手に人気がついてくる業界だからです。
では、eスポーツ業界はそうなれますか? という話なんです。強くて人気があって、Twitterをまったくしないのにフォロワーが50万人いるなんて人はいません。それが答えだと思います。
50年続くタイトルがあるかないかなんてわからないので、希望的観測で話すのではなく、自分が人気になることをちゃんと考えた方がいい、と思います。
ーー最後に、CRとしての今後の目標は?
CR.おじじ:毎回聞かれるんですよね、その質問(笑)。なんかメディア向けに作っておこうかな?(笑)。
真面目に言うと、その都度時代の流れに沿って、リスナーとプレイヤーが楽しめるものを提供すること、です。新しいオフィス(秋葉原)もそうで、誰でも無料でゲームを楽しめるようにします。
選手も同じフロアでプレイすることもありますので、コロナが落ち着いたらぜひ遊びにきてください!
ーーありがとうございました!
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eスポーツは実力主義の世界だが、それは選手だけでなくチームも同じだ。単に資金を使って実力者を集め、実力者によってスポンサーを募るだけが目的ではない。
オーナー自ら先頭に立って選手をフルサポートし、法律や契約などもプロフェッショナルを交えてしっかり行い、リスナーファースト、選手ファーストを貫くCrazy Raccoon。そのことの難しさは、新設チーム増加の裏で、解散していくチームが多いことからもわかるだろう。
日本のeスポーツ業界はまだまだ始まったばかりだが、歴史と実績のある大手チームだけでなく、「実力」と「人気」を兼ね備え、eスポーツの未来についてしっかり考えているCrazy Raccoonのようなチームが、これからのeスポーツ業界を引っ張ってくれるように思う。
いつもワクワクするようなイベントと、大会での活躍を見せてくれるリテイルローのおじさんとCrazy Raccoonを、これからも追いかけていきたい。
Crazy Raccoon:https://crazyraccoon.jp/
公式Mildom:https://www.mildom.com/profile/10115448
公式Twitter:https://twitter.com/crazyraccoon406
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCV3h-YCXiKiMmVupdknm73Q
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