「LJL 2024 Spring Split」出場チームの実力差はいかに? Week1から見えた現状と課題
- 「LJL」の新ルールとBo2ルールの見どころ
- シーズン2024のメタ解説: スノーボールとレイトゲームの二極化
- 「LJL 2024 Spring Split」チーム紹介とそれぞれの課題
- Week2以降の見どころ
1月20日(土)から『リーグ・オブ・レジェンド』の日本リーグ「League of Legends Japan League」、略称「LJL」の2024シーズンが開幕した。
2024年は「LJL」の大会形式や参加チームの面でも、ゲームの調整面でも大きな変更があったので、それらを紹介しつつ、Week1(DAY1-2)の結果から見えてきた各チームの長所や今後の課題について書いていこうと思う。
2024年から「LJL」は、アジア太平洋地域のプロリーグである「PCS」、オセアニア地域のプロリーグである「LCO」とパートナーシップを結び、プレーオフや国際大会への代表選出などを共同で行う形式になった。
いままでのように「LJL」優勝=直接「MSI」や「Worlds」といった国際大会への参加はできなくなったが、「LJL」上位3チームが共同プレーオフに進出できるため、より多くのチームが(地域限定とはいえ)国際戦を体験することができるようになったルール変更と言えそうだ。
特に「PCS」地域は例年「Worlds」で「LJL」以上の成績を残しているリーグなので、こういった国際交流戦が増えることで「LJL」全体のレベルが上がっていくことに期待したい。
また、参加チームが2023年度の8チームから6チームになり、それに伴ってレギュラーシーズンはダブルラウンドロビン(2回総当たり戦)Bo2、という最近「LoL」の競技シーンを観戦し始めた方々には馴染みのないルールを採用することとなった。
Bo2とは対戦カードごとに必ず2試合を行って、2勝0敗のチームに勝ち点3、1勝1敗のチームに勝ち点1を与える、という形式で行われるルールだ。
『LoL』はバンピックやマップの形状の問題でメタによっては青サイド、赤サイドで明確に有利不利がついてしまうことがある。しかし、このBo2というルールではそれぞれのチームが青、赤を1試合ずつ戦うことになるので、サイド選択権の有利不利が発生せず、その点において実力が反映されやすいルールになっている。
プレーオフ進出を狙う上位チーム目線でいえば、下位チームに対しては不利なサイドでもきっちり勝ち切って勝ち点3を確保することが重要になり、下位チーム目線でいえば、上位チームに2勝するのは難しくてもどちらかのサイドに絞って「チーズ戦略」(対戦相手・チームに限定した特殊な戦略)などを用意して勝ち点1をもぎ取りに行く、といった作戦が考えられ、ある意味での消化試合も減る点も魅力だ。
確かにBo1やBo3ルールと違って決着がつかない結末が増えることも予想され、ファン目線で「すっきりしない」「わかりづらい」という感想が出るのも無理はないと思うが(実際、そういった理由で近年メジャーリージョンでの採用実績はない)、まったく利点がないルールというわけではない点は知っておいてほしい。
ちなみに、実は10年前の2014年、「LJL」が発足した当初もこのBo2ルールを採用していた。原点回帰とも言える今回のルール変更も前向きにとらえて、リーグを楽しんでもらえれば、と思う。
シーズン2024のメタ解説:
さて、チーム状況を分析する前に、軽く今シーズンのメタについてもふれておこう。
といっても、「LJL」を含め各リージョンが開幕1週間を終えたくらいで、パッチ14.1がリリースされてからも2週間程度とメタがまとまりきったわけではないのだが、現状私が把握している範囲で書いていく。
過去最大級のゲーム内容の変更が行われた2024シーズンだが、競技シーンに大きな影響を与えているのは主に2つ、(1)ヴォイドグラブの追加と(2)アイテムのリメイクである。
まず「ヴォイドグラブ」について見ていこう。
ゲーム前半に追加された新たなジャングルオブジェクトで、これを独占できるとその後のオブジェクトの獲得がスノーボールしていき、一気にゲームを有利にすすめることができるようになる。
トップレーンでレーンが強いチャンピオンをピックし、ジャングルでクリアの早いチャンピオンを取ってヴォイドグラブの独占を狙う……これが今シーズンに新たに生まれた戦術だ。
2点目の「アイテムのリメイク」は、ミシックアイテム制度が廃止され自由にアイテムが購入できるようになったのだが、そのシステム面の変更よりも「ストームサージ」や「サンダードスカイ」、「脅威アイテム」などの強力すぎるアイテムが多数追加・調整されたことがメタに影響を与えている。
アイテムひとつひとつが生み出すインパクトが強烈すぎるので、ビルド先行したときの有利が前シーズンより拡大していて、DFM vs BCTのGame2のように育ったチャンピオンを誰も止められなくなる、といった状況が生まれやすくなっている。
上はDFM RayFarky選手のダリウスが対面のBCT tol2選手のウディアに対して5レベル差をつけているシーン。ビルド先行によるスノーボールが止まらなくなった例だ。
ここまでの話を聞くと、有利不利がついたら一気に傾いてゲームが終わりそうなメタに聞こえるかもしれないが、実はそれだけではない。
まず、ヴォイドグラブに関しては、独占を狙うとボットサイドが「ウィークサイド」(Weak Side。担当するプレーヤーが少ない、リソースを避けないサイド)になってしまう。そこを狙ってヴォイドグラブを餌に自分たちのボットを育てる、というカウンター戦術がプロシーンでは流行しつつある。
また、ヴォイドグラブを独占せず分け合った場合、お互いが均等にオブジェクトへのダメージを出せるようになり、結果として序・中盤で不利を背負った側が相手と反対サイドでオブジェクトをトレードする、いわゆる負けているときのテンプレート的戦術をより行いやすくなるのだ。
さらに、コアアイテムさえ完成してしまえば、負けている側もある程度のダメージが出せるようになるので、集団戦での5-0や5-1といった大勝が発生しにくく、負けている側もそれなりにキルで追いついていける、という展開になりやすい。
結果として、あ実力が拮抗しているチーム同士の対戦では差が開かずレイトゲームにもつれ込み、最後の集団戦1発でゲームが決まる、といった展開が、今のメタが持つもう一つの顔だ。
先ほどのBo2ルールの話に落とし込むならば、上位チームはスノーボールを成功させ短いゲーム時間で勝利を目指す、負けている側はうまくオブジェクトトレードをしてゲームを引き延ばし、最後の集団戦勝負に持ち込む……そういった視点で見るとより観戦が楽しめるかもしれない。
ここからは、「LJL 2024 Spring Split」参加6チームの新ロスターと、開幕週の2試合から感じたチームの状態、今後の課題について書いていこう。
トップ:Washidai
ジャングル:Cassin
ミッド:Eugeo
ADC:Ssol
サポート:Ino
2023シーズンに参加していたAXIZとCrest Gaming Actが、合同チームAXIZ CREST(AXC)として「LJL」2024シーズンに参戦。V3 EsportsからWashidai選手が、FENNELからSsol選手が移籍し、昨夏急遽サポートにコンバートになったIno選手が引き続きサポートを務めることになった。
開幕戦ではV3との接戦を落としてしまい、Day2でもSG相手に勝利を挙げられずと苦しい立ち上がりになってしまった。
ジャングルのCassin選手は超攻撃的なプレイングが持ち味で、今季もチームを牽引していきそうだ。
このシーンもドラゴン獲得からすぐに仕掛け、相手のポジションを奪いに行くシーンが印象的だった。一方で、パフォーマンスにややムラがある選手で、開幕週でも重要な場面でのコミュニケーションエラーが目立ってしまった。
ボットのSsol選手も、韓国1部リーグでの出場経験もある「LJL」ではおなじみのキャリープレーヤーだが、Ino選手との新コンビがまだしっくりいってない印象を受けた。
試合を通してチーム全体のゲーム感をそろえていく作業が必要そうだが、日本でのコーチング経験の長いSonコーチにとってこういった作業はお手のものだろう。
Washidai選手はアグレッシブなレーニングが持ち味で、TaNa選手をソロキルするなど存在感をみせてくれた。Cassin選手とのコンビでトップサイドからガンガン崩していくようなスタイルも見てみたい。
Eugeo選手はやや守備的なプレーヤーだが、開幕週ではメタに合わせてかキャリー系をピックし、しっかりと役割はこなせていた。なので、コミュニケーション面の問題を解決し、自分たちの勝ちパターンを見つけられれば、プレーオフ進出が十分狙えるロスターといえるだろう。
トップ:tol2
ジャングル:EL
ミッド:Jool
ADC:HowLa
サポート:Charley
Burning Core Toyamaと改称し、富山県に拠点を移したBCT。今季のロスターはかなりフレッシュなメンバーをそろえてきた。
tol2選手は昨シーズン所属チームとトラブルの末退団し、心機一転BCTへと移籍。HowLa選手とCharley選手のボットデュオはSHGアカデミー出身のルーキーだ。
Midを務めるJool選手はDWG KIAのアカデミー出身で、2023シーズンはトルコのDark Passageでプレイしていた。サイラスやヤスオ、ヨネなどアグレッシブなチャンピオンが得意なプレーヤーである。
EL選手のみが先シーズンからの続投。2023シーズン後半はかなり「LJL」になじんできていた感じもあったので、若手中心のチームを引っ張っていってほしい。
正直言って開幕前の下馬評では、新人や若手が多いことなどを不安視して低評価をする解説者も多かったが、初戦を見事な試合運びで勝利しファンをあっと驚かせた。
特にCharley選手はデビュー戦でいきなりMVPを獲得。エンゲージの判断が非常によく、レーニングも問題なくプレイできており、ルーキーとは思えない活躍ぶりだった。
HowLa選手も開幕戦でのジンのパフォーマンスは素晴らしかった。今後チャンピオンプールを攻めされたときにどんな手札を出せるのかに注目したい。
tol2選手はDFM戦Game2では悔しい負け方をしてしまったが、他のゲームでは安定したレーニングを見せてくれていた。
負けた3試合はいずれも序盤に有利を許した後に粘れずにスノーボールされてしまう展開だったのが気がかりなところ。
これが開幕戦SGに負けた試合のゴールドグラフ。10分前後からきれいにスノーボールされてしまった。
一方こちらは開幕2戦目のSGvsAXCのもの。SGは序盤でリードを奪われたが粘って逆転している。
負けているときのオブジェクトトレードや安全なファーム場所の確保は経験値がものをいう部分でもあるので、EL選手やJool選手とのコミュニケーション問題を解決し、新人コーチRainaと一緒に、リードを奪われても粘れるチーム作りを目指してほしい。
トップ:RayFarky
ジャングル:Steal
ミッド:Aria
ADC:Yutapon
サポート:Harp
DFMは、トップにBCからRayFarky選手が移籍してきた以外は、2023年と変わらないロスターで2024シーズンを戦うことになった。
RayFarky選手といえば「LJL」きってのキャリー系トップレーナーで、長年Evi選手に次ぐ日本人プレーヤーとして評価されてきた選手。
チームのために安定したチャンピオンを先出しすることが多いEvi選手やtol2選手と違って、後出ししてカウンターを当ててキャリーするタイプのプレーヤーなので、いままでトップサイドをウィークサイドにしてプレイすることが多かったDFMにマッチするのかが心配されたが、開幕2戦はきっちりと役割を果たしてチームを牽引した。
他のメンバーに関しては改めて紹介するまでもないだろうが、2023年の「LJL」を制したメンバーが名前を連ねている。Steal選手、Aria選手のラインはゲームコントロール能力に長けていて、Yutapon選手、Harp選手のボットデュオはレーン戦から積極的にプレイしていく、今まで通りのスタイルだ。
Yutapon選手はヴァルスで防具を2つ積むなど、相変わらず独特なビルドを披露していたが、これはメタ解説でも少しふれたアイテムによるダメージ増加に対抗するためのビルドで、「LCK」などでマークスマンがバリアを持つことが増えているのと意味合いとしては同じだろう。
多少のミスはあったものの、開幕戦で優勝へ向けての最大のライバルと目されるSHGに2-0で勝利したこともあって課題らしい課題も見当たらないDFMだが、冒頭でふれたようにRayFarky選手がウィークサイドを担当することがBC時代にはあまりなかったので、メタが変わってトップを優先できなくなったときにどんなプールでどういったプレイをするのか、というのが注目点だろうか。
トップ:Kinatu
ジャングル:Ellim
ミッド:Kakkun/Jett
ADC:Yuhi
サポート:Gaeng
ミッドのJett選手を残してロスターが全員交代となったSG。そのJett選手も外国人枠の問題でSpringシーズンは出場できないため、実質完全新チームとしてのスタートとなった。
Kinatu選手はSHGから、Yuhi選手はBCからの移籍で、Kakkun選手はFENNELアカデミーから1部へと昇格、2022年以来のスターターの席を獲得した。
新加入のジャングルEllim選手はT1アカデミー出身で、LCK1部のKDFでスターター経験もあるプレーヤー。ピックプールが広くメタに合わせてさまざまなチャンピオンを出せそうなところが魅力だ。実際開幕から4試合はすべて違うチャンピオンをピックして結果を残している。
サポートのGaeng選手は兵役を終えて2021年シーズン以来の「LJL」復帰。27歳と『LoL』のプレーヤーとしては大ベテランの域に入っており、年齢や兵役によるブランクが心配されたが、開幕週では以前と変わらない鋭いエンゲージを決めていたので、パフォーマンス面での心配はなさそうだ。
SGの試合を見て感じたのは、マクロの「堅さ」。
ジャングルとサポートというゲーム運営に重要なロールに経験豊富な韓国人プレーヤーを置いていることや、Gaeng選手の兄でありAFsやAXIZ、DFMのコーチを歴任したYangコーチの指導のおかげもあってか、手堅くやれることを確実にこなしている印象を受けた。
課題というか、今後上位チームと激突していく上で気になる点としては、SGは「LJL」6チームで唯一キャリーポジションに韓国人プレーヤーを1人も配置してないチームという部分だ。
かつては韓国人プレーヤーをジャングルとサポートに配置するのが「LJL」のひとつのテンプレートになっていたが、近年『LoL』というゲーム全体がマクロよりミクロの重要度が上がったこともあって、ミクロに長けた韓国人プレーヤーをキャリーポジションであるミッドやボットに配置することは現在の「LJL」のトレンドになっている。
つまりSGは流行りに逆らったチーム作りをしているということだが、これは裏を返せばチームが日本人プレーヤーである、Kinatu、Kakkun、Yuhiの3選手への成長の期待を抱いているということ。
プレーオフ、そしてLJL優勝を狙うなら、この3人の飛躍が絶対条件になってくるだろう。
トップ:Evi
ジャングル:Forest
ミッド:DasheR
ADC:Marble
サポート:Vsta
2023シーズンは久しぶりのオフライン開催となった「LJL 2023 Summer Split FINALS」で、DFMと5戦目までもつれる死闘を演じ、惜しくも2位に終わったSHG。2023年LJL2位になったミッドとボットデュオは継続で、トップにLECから帰ってきたEvi選手が加入。ジャングルにはT1 ChallengersからForest選手を迎えた新生ロスターで2024年こそ悲願のLJL制覇、そして国際大会出場を目指す。
Evi選手は不利マッチアップをぶつけられてもレーンを安定させ、時には勝ってしまうほどのレーン戦の強さが特徴。彼を迎えたことによって、DasheR選手やMarble選手がドラフト面で有利なポジションを得ることができるようになるだろう。
Forest選手は21歳とまだまだ若手の選手。韓国2部時代はヴィエゴやカ=ジックスといった攻撃的なピックを好んでいて、開幕週のプレイをみても積極的にレーンに介入していくアグレッシブなスタイルが合っていそうなプレーヤーだ。
チーム全体のプレイスタイルとしてグループアップを好み、Forest選手を中心に積極的にファイトを仕掛けていくのが印象に残った。
このシーンではAXCのヴォイドグラブ獲得コールを受けてForest選手がボットダイブを敢行。この後DasheR選手もテレポートで合流し、見事トリプルキルを獲得した。
一方で、開幕戦のDFM、特にGame1では勝利を手中に収めかけたシーンが何度かあったが、コミュニケーションエラーなのか連携の隙を突かれて逆転されてしまった。
Forest選手が新ジャングラー、しかも日本にまだ慣れていないということもあって致し方ない部分はあると思うので、シーズンを通してこの部分がブラッシュアップされていけば、王者DFMを脅かす存在になるだろう。
V3 Esports(V3)1勝1敗0引き分け
トップ:TaNa
ジャングル:HRK
ミッド:Acee
ADC:Bini
サポート:Hetel
2020年シーズンにはDFM1強の続く「LJL」に風穴を空け「Worlds」に出場。しかしその後「日本人のみのロスターを育成する」という方針転換もあって成績は低迷。2022~23の2年間でわずか3勝しか上げられないという結果に終わってしまった。
今季はTaNa選手、Bini選手の両韓国人プレーヤーを迎えて、ふたたび上位を狙う。
トップのTaNa選手はFENNELからの移籍。JinAirGreenWings時代はLCK1部のスターターとして活躍していた実績があり、昨シーズンもそのミクロを生かしてトップレーンからキャリーしていくという、「LJL」では珍しいスタイルをみせてくれている。
ボットのBini選手はBRO Challengers出身で、ここ2年間はトルコでプレーしていた。BCTに加入したJool選手とはトルコ時代のDark Passageでチームメイトだった。
すべての試合を確認できたわけではないが、レーン戦より集団戦タイプのプレーヤーで、安定したプレイングが持ち味と言えそうだ。
開幕戦ではGame1でAXCとの40分近い激闘を制し、そのまま2-0で勝利。SHGには破れてしまったものの、1つ勝ちパターンを見せることはできた。
TaNaはライズ、ブラッドミアなどややオフメタのダメージディーラーを採用していて、今季も引き続きキャリースタイルでプレイしていくことになりそうだ。
ブラッドミアとミス・フォーチュンというコンボピックを見せたV3。TaNa選手のプールの広さを生かしてこういったオフメタ構成にどんどんチャレンジしてほしい。TaNa選手の個人技を生かすなら、重要になってくるのはボットレーンの安定とミッド・ジャングルの争いで競り負けないことになってくる。
Hetel選手は緊張からか初週は不安定なプレイが目立ったが、リーグ戦を通じてBini選手とのコンビネーションを磨き、彼の持ち味を生かせる集団戦フェーズまで無事送り届けることができるようになることが肝要だろう。
HRK選手はHachamecha選手が引退したことで、リーグ唯一の日本人ジャングラーになってしまった。「Worlds」出場経験もあるミッドのAcee選手が彼を引っ張ってチームの屋台骨となることができれば、プレーオフ戦線に絡んでいくポテンシャルはある。
以上、6チームの新ロスター紹介と開幕2戦を見た今後の課題について書いてみた。
現状でいうと、昨シーズンのロスターをほとんど残したDFM、実績のあるプレーヤーが新加入したSHG、そして現状完成度の高いSGの3チームのパフォーマンスが高い、と個人的には感じた。
とはいえ、まだまだシーズンは始まったばかり。Day1-2のパフォーマンスの出来不出来よりも、ここからの伸び代で大きく順位やパワーバランスが変わってくるだろう。
全チームと1回ずつ戦う前半戦のスケジュールでいうと、Day4 Match2、SG vs SHGが当面の上位争いでは注目カード。SGの完成度とSHGの個人技のぶつかり合いという構図になりそうなので、試合序盤にどちらがリードを握るかが重要になってきそうだ。
プレーオフ争いという観点で言えば、同じくDay4 Match3のBCT vs AXCにも注目。順調な滑り出しとは言いがたいAXCが、若手中心のBCTを抑えて上位進出をうかがえるか。BCTはプレーオフ争いのライバルになりそうなAXC相手に最低でも1点はもぎ取りたいところ。
「LJL 2024 Spring Split」は毎週土・日の17時から配信予定なので、ぜひチェックしてみてほしい。
LoL Esports
https://lolesports.com/
2024年は「LJL」の大会形式や参加チームの面でも、ゲームの調整面でも大きな変更があったので、それらを紹介しつつ、Week1(DAY1-2)の結果から見えてきた各チームの長所や今後の課題について書いていこうと思う。
「LJL」の新ルールとBo2ルールの見どころ
2024年から「LJL」は、アジア太平洋地域のプロリーグである「PCS」、オセアニア地域のプロリーグである「LCO」とパートナーシップを結び、プレーオフや国際大会への代表選出などを共同で行う形式になった。
いままでのように「LJL」優勝=直接「MSI」や「Worlds」といった国際大会への参加はできなくなったが、「LJL」上位3チームが共同プレーオフに進出できるため、より多くのチームが(地域限定とはいえ)国際戦を体験することができるようになったルール変更と言えそうだ。
特に「PCS」地域は例年「Worlds」で「LJL」以上の成績を残しているリーグなので、こういった国際交流戦が増えることで「LJL」全体のレベルが上がっていくことに期待したい。
また、参加チームが2023年度の8チームから6チームになり、それに伴ってレギュラーシーズンはダブルラウンドロビン(2回総当たり戦)Bo2、という最近「LoL」の競技シーンを観戦し始めた方々には馴染みのないルールを採用することとなった。
Bo2とは対戦カードごとに必ず2試合を行って、2勝0敗のチームに勝ち点3、1勝1敗のチームに勝ち点1を与える、という形式で行われるルールだ。
『LoL』はバンピックやマップの形状の問題でメタによっては青サイド、赤サイドで明確に有利不利がついてしまうことがある。しかし、このBo2というルールではそれぞれのチームが青、赤を1試合ずつ戦うことになるので、サイド選択権の有利不利が発生せず、その点において実力が反映されやすいルールになっている。
プレーオフ進出を狙う上位チーム目線でいえば、下位チームに対しては不利なサイドでもきっちり勝ち切って勝ち点3を確保することが重要になり、下位チーム目線でいえば、上位チームに2勝するのは難しくてもどちらかのサイドに絞って「チーズ戦略」(対戦相手・チームに限定した特殊な戦略)などを用意して勝ち点1をもぎ取りに行く、といった作戦が考えられ、ある意味での消化試合も減る点も魅力だ。
確かにBo1やBo3ルールと違って決着がつかない結末が増えることも予想され、ファン目線で「すっきりしない」「わかりづらい」という感想が出るのも無理はないと思うが(実際、そういった理由で近年メジャーリージョンでの採用実績はない)、まったく利点がないルールというわけではない点は知っておいてほしい。
ちなみに、実は10年前の2014年、「LJL」が発足した当初もこのBo2ルールを採用していた。原点回帰とも言える今回のルール変更も前向きにとらえて、リーグを楽しんでもらえれば、と思う。
シーズン2024のメタ解説:
スノーボールとレイトゲームの二極化
さて、チーム状況を分析する前に、軽く今シーズンのメタについてもふれておこう。
といっても、「LJL」を含め各リージョンが開幕1週間を終えたくらいで、パッチ14.1がリリースされてからも2週間程度とメタがまとまりきったわけではないのだが、現状私が把握している範囲で書いていく。
過去最大級のゲーム内容の変更が行われた2024シーズンだが、競技シーンに大きな影響を与えているのは主に2つ、(1)ヴォイドグラブの追加と(2)アイテムのリメイクである。
まず「ヴォイドグラブ」について見ていこう。
ゲーム前半に追加された新たなジャングルオブジェクトで、これを独占できるとその後のオブジェクトの獲得がスノーボールしていき、一気にゲームを有利にすすめることができるようになる。
トップレーンでレーンが強いチャンピオンをピックし、ジャングルでクリアの早いチャンピオンを取ってヴォイドグラブの独占を狙う……これが今シーズンに新たに生まれた戦術だ。
2点目の「アイテムのリメイク」は、ミシックアイテム制度が廃止され自由にアイテムが購入できるようになったのだが、そのシステム面の変更よりも「ストームサージ」や「サンダードスカイ」、「脅威アイテム」などの強力すぎるアイテムが多数追加・調整されたことがメタに影響を与えている。
アイテムひとつひとつが生み出すインパクトが強烈すぎるので、ビルド先行したときの有利が前シーズンより拡大していて、DFM vs BCTのGame2のように育ったチャンピオンを誰も止められなくなる、といった状況が生まれやすくなっている。
上はDFM RayFarky選手のダリウスが対面のBCT tol2選手のウディアに対して5レベル差をつけているシーン。ビルド先行によるスノーボールが止まらなくなった例だ。
ここまでの話を聞くと、有利不利がついたら一気に傾いてゲームが終わりそうなメタに聞こえるかもしれないが、実はそれだけではない。
まず、ヴォイドグラブに関しては、独占を狙うとボットサイドが「ウィークサイド」(Weak Side。担当するプレーヤーが少ない、リソースを避けないサイド)になってしまう。そこを狙ってヴォイドグラブを餌に自分たちのボットを育てる、というカウンター戦術がプロシーンでは流行しつつある。
また、ヴォイドグラブを独占せず分け合った場合、お互いが均等にオブジェクトへのダメージを出せるようになり、結果として序・中盤で不利を背負った側が相手と反対サイドでオブジェクトをトレードする、いわゆる負けているときのテンプレート的戦術をより行いやすくなるのだ。
さらに、コアアイテムさえ完成してしまえば、負けている側もある程度のダメージが出せるようになるので、集団戦での5-0や5-1といった大勝が発生しにくく、負けている側もそれなりにキルで追いついていける、という展開になりやすい。
結果として、あ実力が拮抗しているチーム同士の対戦では差が開かずレイトゲームにもつれ込み、最後の集団戦1発でゲームが決まる、といった展開が、今のメタが持つもう一つの顔だ。
先ほどのBo2ルールの話に落とし込むならば、上位チームはスノーボールを成功させ短いゲーム時間で勝利を目指す、負けている側はうまくオブジェクトトレードをしてゲームを引き延ばし、最後の集団戦勝負に持ち込む……そういった視点で見るとより観戦が楽しめるかもしれない。
「LJL 2024 Spring Split」チーム紹介とそれぞれの課題
ここからは、「LJL 2024 Spring Split」参加6チームの新ロスターと、開幕週の2試合から感じたチームの状態、今後の課題について書いていこう。
AXIZ CREST(AXC)0勝2敗0引き分け
トップ:Washidai
ジャングル:Cassin
ミッド:Eugeo
ADC:Ssol
サポート:Ino
2023シーズンに参加していたAXIZとCrest Gaming Actが、合同チームAXIZ CREST(AXC)として「LJL」2024シーズンに参戦。V3 EsportsからWashidai選手が、FENNELからSsol選手が移籍し、昨夏急遽サポートにコンバートになったIno選手が引き続きサポートを務めることになった。
開幕戦ではV3との接戦を落としてしまい、Day2でもSG相手に勝利を挙げられずと苦しい立ち上がりになってしまった。
ジャングルのCassin選手は超攻撃的なプレイングが持ち味で、今季もチームを牽引していきそうだ。
このシーンもドラゴン獲得からすぐに仕掛け、相手のポジションを奪いに行くシーンが印象的だった。一方で、パフォーマンスにややムラがある選手で、開幕週でも重要な場面でのコミュニケーションエラーが目立ってしまった。
ボットのSsol選手も、韓国1部リーグでの出場経験もある「LJL」ではおなじみのキャリープレーヤーだが、Ino選手との新コンビがまだしっくりいってない印象を受けた。
試合を通してチーム全体のゲーム感をそろえていく作業が必要そうだが、日本でのコーチング経験の長いSonコーチにとってこういった作業はお手のものだろう。
Washidai選手はアグレッシブなレーニングが持ち味で、TaNa選手をソロキルするなど存在感をみせてくれた。Cassin選手とのコンビでトップサイドからガンガン崩していくようなスタイルも見てみたい。
Eugeo選手はやや守備的なプレーヤーだが、開幕週ではメタに合わせてかキャリー系をピックし、しっかりと役割はこなせていた。なので、コミュニケーション面の問題を解決し、自分たちの勝ちパターンを見つけられれば、プレーオフ進出が十分狙えるロスターといえるだろう。
Burning Core Toyama(BCT)0勝1敗1引き分け
トップ:tol2
ジャングル:EL
ミッド:Jool
ADC:HowLa
サポート:Charley
Burning Core Toyamaと改称し、富山県に拠点を移したBCT。今季のロスターはかなりフレッシュなメンバーをそろえてきた。
tol2選手は昨シーズン所属チームとトラブルの末退団し、心機一転BCTへと移籍。HowLa選手とCharley選手のボットデュオはSHGアカデミー出身のルーキーだ。
Midを務めるJool選手はDWG KIAのアカデミー出身で、2023シーズンはトルコのDark Passageでプレイしていた。サイラスやヤスオ、ヨネなどアグレッシブなチャンピオンが得意なプレーヤーである。
EL選手のみが先シーズンからの続投。2023シーズン後半はかなり「LJL」になじんできていた感じもあったので、若手中心のチームを引っ張っていってほしい。
正直言って開幕前の下馬評では、新人や若手が多いことなどを不安視して低評価をする解説者も多かったが、初戦を見事な試合運びで勝利しファンをあっと驚かせた。
特にCharley選手はデビュー戦でいきなりMVPを獲得。エンゲージの判断が非常によく、レーニングも問題なくプレイできており、ルーキーとは思えない活躍ぶりだった。
HowLa選手も開幕戦でのジンのパフォーマンスは素晴らしかった。今後チャンピオンプールを攻めされたときにどんな手札を出せるのかに注目したい。
tol2選手はDFM戦Game2では悔しい負け方をしてしまったが、他のゲームでは安定したレーニングを見せてくれていた。
負けた3試合はいずれも序盤に有利を許した後に粘れずにスノーボールされてしまう展開だったのが気がかりなところ。
これが開幕戦SGに負けた試合のゴールドグラフ。10分前後からきれいにスノーボールされてしまった。
一方こちらは開幕2戦目のSGvsAXCのもの。SGは序盤でリードを奪われたが粘って逆転している。
負けているときのオブジェクトトレードや安全なファーム場所の確保は経験値がものをいう部分でもあるので、EL選手やJool選手とのコミュニケーション問題を解決し、新人コーチRainaと一緒に、リードを奪われても粘れるチーム作りを目指してほしい。
DetonatioN Focus Me(DFM)2勝0敗0引き分け
トップ:RayFarky
ジャングル:Steal
ミッド:Aria
ADC:Yutapon
サポート:Harp
DFMは、トップにBCからRayFarky選手が移籍してきた以外は、2023年と変わらないロスターで2024シーズンを戦うことになった。
RayFarky選手といえば「LJL」きってのキャリー系トップレーナーで、長年Evi選手に次ぐ日本人プレーヤーとして評価されてきた選手。
チームのために安定したチャンピオンを先出しすることが多いEvi選手やtol2選手と違って、後出ししてカウンターを当ててキャリーするタイプのプレーヤーなので、いままでトップサイドをウィークサイドにしてプレイすることが多かったDFMにマッチするのかが心配されたが、開幕2戦はきっちりと役割を果たしてチームを牽引した。
他のメンバーに関しては改めて紹介するまでもないだろうが、2023年の「LJL」を制したメンバーが名前を連ねている。Steal選手、Aria選手のラインはゲームコントロール能力に長けていて、Yutapon選手、Harp選手のボットデュオはレーン戦から積極的にプレイしていく、今まで通りのスタイルだ。
Yutapon選手はヴァルスで防具を2つ積むなど、相変わらず独特なビルドを披露していたが、これはメタ解説でも少しふれたアイテムによるダメージ増加に対抗するためのビルドで、「LCK」などでマークスマンがバリアを持つことが増えているのと意味合いとしては同じだろう。
多少のミスはあったものの、開幕戦で優勝へ向けての最大のライバルと目されるSHGに2-0で勝利したこともあって課題らしい課題も見当たらないDFMだが、冒頭でふれたようにRayFarky選手がウィークサイドを担当することがBC時代にはあまりなかったので、メタが変わってトップを優先できなくなったときにどんなプールでどういったプレイをするのか、というのが注目点だろうか。
Sengoku Gaming(SG) 1勝0敗1引き分け
トップ:Kinatu
ジャングル:Ellim
ミッド:Kakkun/Jett
ADC:Yuhi
サポート:Gaeng
ミッドのJett選手を残してロスターが全員交代となったSG。そのJett選手も外国人枠の問題でSpringシーズンは出場できないため、実質完全新チームとしてのスタートとなった。
Kinatu選手はSHGから、Yuhi選手はBCからの移籍で、Kakkun選手はFENNELアカデミーから1部へと昇格、2022年以来のスターターの席を獲得した。
新加入のジャングルEllim選手はT1アカデミー出身で、LCK1部のKDFでスターター経験もあるプレーヤー。ピックプールが広くメタに合わせてさまざまなチャンピオンを出せそうなところが魅力だ。実際開幕から4試合はすべて違うチャンピオンをピックして結果を残している。
サポートのGaeng選手は兵役を終えて2021年シーズン以来の「LJL」復帰。27歳と『LoL』のプレーヤーとしては大ベテランの域に入っており、年齢や兵役によるブランクが心配されたが、開幕週では以前と変わらない鋭いエンゲージを決めていたので、パフォーマンス面での心配はなさそうだ。
SGの試合を見て感じたのは、マクロの「堅さ」。
ジャングルとサポートというゲーム運営に重要なロールに経験豊富な韓国人プレーヤーを置いていることや、Gaeng選手の兄でありAFsやAXIZ、DFMのコーチを歴任したYangコーチの指導のおかげもあってか、手堅くやれることを確実にこなしている印象を受けた。
課題というか、今後上位チームと激突していく上で気になる点としては、SGは「LJL」6チームで唯一キャリーポジションに韓国人プレーヤーを1人も配置してないチームという部分だ。
かつては韓国人プレーヤーをジャングルとサポートに配置するのが「LJL」のひとつのテンプレートになっていたが、近年『LoL』というゲーム全体がマクロよりミクロの重要度が上がったこともあって、ミクロに長けた韓国人プレーヤーをキャリーポジションであるミッドやボットに配置することは現在の「LJL」のトレンドになっている。
つまりSGは流行りに逆らったチーム作りをしているということだが、これは裏を返せばチームが日本人プレーヤーである、Kinatu、Kakkun、Yuhiの3選手への成長の期待を抱いているということ。
プレーオフ、そしてLJL優勝を狙うなら、この3人の飛躍が絶対条件になってくるだろう。
Fukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)1勝1敗0引き分け
トップ:Evi
ジャングル:Forest
ミッド:DasheR
ADC:Marble
サポート:Vsta
2023シーズンは久しぶりのオフライン開催となった「LJL 2023 Summer Split FINALS」で、DFMと5戦目までもつれる死闘を演じ、惜しくも2位に終わったSHG。2023年LJL2位になったミッドとボットデュオは継続で、トップにLECから帰ってきたEvi選手が加入。ジャングルにはT1 ChallengersからForest選手を迎えた新生ロスターで2024年こそ悲願のLJL制覇、そして国際大会出場を目指す。
Evi選手は不利マッチアップをぶつけられてもレーンを安定させ、時には勝ってしまうほどのレーン戦の強さが特徴。彼を迎えたことによって、DasheR選手やMarble選手がドラフト面で有利なポジションを得ることができるようになるだろう。
Forest選手は21歳とまだまだ若手の選手。韓国2部時代はヴィエゴやカ=ジックスといった攻撃的なピックを好んでいて、開幕週のプレイをみても積極的にレーンに介入していくアグレッシブなスタイルが合っていそうなプレーヤーだ。
チーム全体のプレイスタイルとしてグループアップを好み、Forest選手を中心に積極的にファイトを仕掛けていくのが印象に残った。
このシーンではAXCのヴォイドグラブ獲得コールを受けてForest選手がボットダイブを敢行。この後DasheR選手もテレポートで合流し、見事トリプルキルを獲得した。
一方で、開幕戦のDFM、特にGame1では勝利を手中に収めかけたシーンが何度かあったが、コミュニケーションエラーなのか連携の隙を突かれて逆転されてしまった。
Forest選手が新ジャングラー、しかも日本にまだ慣れていないということもあって致し方ない部分はあると思うので、シーズンを通してこの部分がブラッシュアップされていけば、王者DFMを脅かす存在になるだろう。
V3 Esports(V3)1勝1敗0引き分け
トップ:TaNa
ジャングル:HRK
ミッド:Acee
ADC:Bini
サポート:Hetel
2020年シーズンにはDFM1強の続く「LJL」に風穴を空け「Worlds」に出場。しかしその後「日本人のみのロスターを育成する」という方針転換もあって成績は低迷。2022~23の2年間でわずか3勝しか上げられないという結果に終わってしまった。
今季はTaNa選手、Bini選手の両韓国人プレーヤーを迎えて、ふたたび上位を狙う。
トップのTaNa選手はFENNELからの移籍。JinAirGreenWings時代はLCK1部のスターターとして活躍していた実績があり、昨シーズンもそのミクロを生かしてトップレーンからキャリーしていくという、「LJL」では珍しいスタイルをみせてくれている。
ボットのBini選手はBRO Challengers出身で、ここ2年間はトルコでプレーしていた。BCTに加入したJool選手とはトルコ時代のDark Passageでチームメイトだった。
すべての試合を確認できたわけではないが、レーン戦より集団戦タイプのプレーヤーで、安定したプレイングが持ち味と言えそうだ。
開幕戦ではGame1でAXCとの40分近い激闘を制し、そのまま2-0で勝利。SHGには破れてしまったものの、1つ勝ちパターンを見せることはできた。
TaNaはライズ、ブラッドミアなどややオフメタのダメージディーラーを採用していて、今季も引き続きキャリースタイルでプレイしていくことになりそうだ。
ブラッドミアとミス・フォーチュンというコンボピックを見せたV3。TaNa選手のプールの広さを生かしてこういったオフメタ構成にどんどんチャレンジしてほしい。TaNa選手の個人技を生かすなら、重要になってくるのはボットレーンの安定とミッド・ジャングルの争いで競り負けないことになってくる。
Hetel選手は緊張からか初週は不安定なプレイが目立ったが、リーグ戦を通じてBini選手とのコンビネーションを磨き、彼の持ち味を生かせる集団戦フェーズまで無事送り届けることができるようになることが肝要だろう。
HRK選手はHachamecha選手が引退したことで、リーグ唯一の日本人ジャングラーになってしまった。「Worlds」出場経験もあるミッドのAcee選手が彼を引っ張ってチームの屋台骨となることができれば、プレーオフ戦線に絡んでいくポテンシャルはある。
Week2以降の見どころ
以上、6チームの新ロスター紹介と開幕2戦を見た今後の課題について書いてみた。
現状でいうと、昨シーズンのロスターをほとんど残したDFM、実績のあるプレーヤーが新加入したSHG、そして現状完成度の高いSGの3チームのパフォーマンスが高い、と個人的には感じた。
とはいえ、まだまだシーズンは始まったばかり。Day1-2のパフォーマンスの出来不出来よりも、ここからの伸び代で大きく順位やパワーバランスが変わってくるだろう。
全チームと1回ずつ戦う前半戦のスケジュールでいうと、Day4 Match2、SG vs SHGが当面の上位争いでは注目カード。SGの完成度とSHGの個人技のぶつかり合いという構図になりそうなので、試合序盤にどちらがリードを握るかが重要になってきそうだ。
プレーオフ争いという観点で言えば、同じくDay4 Match3のBCT vs AXCにも注目。順調な滑り出しとは言いがたいAXCが、若手中心のBCTを抑えて上位進出をうかがえるか。BCTはプレーオフ争いのライバルになりそうなAXC相手に最低でも1点はもぎ取りたいところ。
「LJL 2024 Spring Split」は毎週土・日の17時から配信予定なので、ぜひチェックしてみてほしい。
LJL 2024 Spring Split Week1(DAY1-2)リザルト
DAY1
DAY2
DAY2終了時点
DAY1
- BCT 1-1 SG
- SHG 0-2 DFM
- AXC 0-2 V3
DAY2
- AXC 0-2 SG
- DFM 2-0 BCT
- SHG 2-0 V3
DAY2終了時点
- DetonatioN FocusMe 6p
- Sengoku Gaming 4p
- Fukuoka SoftBank HAWKS gaming 3p
- V3 Esports 3p
- Burning Core Toyama 1p
- AXIZ Crest 0p
LoL Esports
https://lolesports.com/
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