【Worlds 2021】新たな伝説は生まれるのか?『リーグ・オブ・レジェンド』世界大会「Worlds」の歴史を振り返る
- Season 1 World Championship(2011年)
- Season 2 World Championship(2012年)
- Season 3 World Championship(2013年)
- 2014 World Championship
- 2015 World Championship
- 2016 World Championship
- 2017 World Championship
- 2018 World Championship
- 2019 World Championship
- 2020 World Championship
- 2021 World Championship
2021年で11年目を迎える『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の世界大会「League of Legends World Championship」、通称「Worlds」。マイナーリージョンの猛者たちが集ったプレイインステージ、メジャーリージョンのトップチームたちがしのぎを削ったグループステージを経て、8チームから始まったノックアウトステージも、いよいよ11月6日(土)の決勝を残すのみとなった。2021年の王者が決まる瞬間は近い。
「Worlds」の王座に就くことのできるチームは毎年1つだけ。そしてそのそれぞれに、それぞれの物語がある。11年目の王者が決まる前に、歴史を紐解いてみることにしよう……。
初めて行われたWorlds。LANパーティーイベント「Dreamhack Summer 2011」の一角で行われ、とてもアットホームな規模のイベントだった。各地域のリーグも何もない時代だったため、参加チームは招待制。北米・ヨーロッパ・東南アジアと3地域から招待されたチームで行われたイベントだった。
アメリカで行われた初めてのWorlds。韓国や中国のチームも参加し、名実ともにWorldsと呼べるラインナップがそろったのはこの年からと言える。韓国や中国チームが圧倒的な強さを見せる一方で、EU代表の「Moscow5」も善戦し、まさに国際大会というべき光景が見られるようになった。
各地でリーグ運営が本格化し、各リーグのトップチームが集うという形ができ上がった年のWorlds。この年にデビューを飾った若きFaker選手とその所属チーム「SK Telecom T1(SKT)」という新星が、LCK(韓国プロリーグ)より王座を勝ち取り、またそれを追うUzi選手とLPL(中国プロリーグ)というストーリーが始まった年でもある。
Season 3当時は、ミッドレーンに強力なアサシンを選択して対面を圧倒し、そのままトップやボットにローミングして有利を大きくする試合が多く、フィズやゼド、アーリ、グラガスなどが選択されミッドレーナーは華々しくハンドスキルをぶつけあって試合の流れを作っていた。
しかし、チャンピオンやゲーム全体への調整によって中心となるポジションはさまざまに変化し、また単一のレーンで圧倒すれば勝てるということはなくなっていく。ゲームへの研究はより深くなり、マップのコントロールを含めた各チームの戦い方も洗練されていくこととなった。
台湾と韓国の会場を行き来しながら行われた大会。この年より地域間移籍が行われるようになり、ルールが未整備だったことから、全員が中国出身の選手から構成される北米チームも現れるという事態に。サッカースタジアムで「Samsung White(SSW)」が圧勝し、韓国最強時代が確立された。またこの結果から、世界中のチームが腕利きの傭兵として韓国人選手を求めるようになった。
第1回以来となるヨーロッパ開催となった大会。さまざまな組織が戦力の充実を図り、韓国人選手を補強に加え、アナリストやコーチもチームの一員として数えられるようになった。2014シーズン終了後に有力な選手を大量に獲得し、大本命と見られていたLPLチームは思うような結果を残せず、SKTが1年ぶり2度目のWorlds優勝を達成。
アメリカを横断する大規模なWorldsで、西海岸からスタートした大会は、ノックアウトステージが始まると東海岸へと移動。この年はいわゆる強豪地域でないリーグのチームの活躍がみられた。また2014年末の移籍市場で事実上解体されたSamsungの系譜を継ぐチーム「Samsung Galaxy(SSG)」が復活し、SKTと決勝で激突した。SSGはBo5(3本先取)を2勝2敗まで持ち込み、優勝まであと一歩まで迫るも勝ちきれず、SKTが連覇を達成した。
初の中国開催となったWorlds。中国各地で試合が行われた。中国では『LoL』とプロリーグはすさまじい人気を誇っており、ファンの歓声が地鳴りのようにブース内の選手に伝わるほどだったともいわれる。決勝は上海の国立サッカー競技場、通称「鳥の巣」で行われ、オープニングセレモニーにはARによる演出でエルダードラゴンが登場し、配信を通して観戦するファンも大いに盛り上がった。ファンはSKTの三連覇に注目したが、SSGがついにリベンジを達成した。
4年ぶりの韓国開催。2018シーズンは大きなゲームバランス変更が行われた年で、地域ごとにその適応度が問われる大会となった。日本から出場した「DetonatioN FocusMe」がプレイインステージを突破目前まで勝ち進み、韓国チームがベスト8で敗退し、北米の「Cloud9」がベスト4入りするなど、例年とは大きく様相が異なる戦いが見られた末に、最後はLPL代表の「Invictus Gaming(iG)」が悲願の優勝達成という形で、世界大会の新たな歴史を刻んだ。
現在の試合において、解説などでもしきりに取り上げられる「視界」。相手の位置を的確に把握して戦う場所とタイミングを選べる側は原則として有利に戦うことができることから、『LoL』においては最も重要な要素であり続けている。
この視界を確保するために用意されているのがワードだが、実は長年の調整を経てチーム全体で設置できる数が減少している。有利に立ったチームがほとんど完全な視界を確保し、非常に低リスクな試合運びをすることで逆転されるリスクをほとんど打ち消すことができるというバランスを避けた結果である。
特に大きかったのはパッチ8.14での「トラッカーナイフ」というアイテムの削除だ。視界確保手段が減ったことにより、低リスクで確実な選択は大きく減少することとなった。この調整によって、Worldsでは確実な試合運びよりも一見して無謀なほどの攻撃的なスタイルが躍進し、最終的にはiGの優勝という結果に結び付いた。
欧州開催となったWorlds。EU代表の「G2 Esports」が、2018年世界王者のiGを破ったことから王座奪還に大きな期待が集まった。「Griffin」や「DAMWON Gaming(DWG)」といった新鋭チームが参加したことで、世代交代の面も注目された。決勝はLPL代表「FunPlus Phoenix(FPX)」とG2がパリの会場で激突。圧倒的な強さを見せたFPXが優勝し、2年連続でLPLチームが世界大会の王座に。LCK一強ではないことを強く印象付けた。
新型コロナウイルスの影響により一時は開催が危ぶまれたものの、チームと運営スタッフを丸ごと厳重に隔離する「バブルシステム」下で実施された、中国での世界大会。地元での優勝、地域の連覇を目指して戦うLPLチームと、王座奪還を目指すLCKチームが激しく争うリーグとなった。各地域の力関係こそ拮抗した大会だったが、その中でも「DAMWON Gaming」は一つ抜けた実力を示し、決勝ではLPL代表の「Suning」を破ってLCKに再び王座をもたらした。
──そして、現在。
2020年に行えなかったプランである、中国全土を広く移動しながらの大会……の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大が収束していないため、アイスランドに会場を変更して無観客で行われている今シーズンのWorlds。春夏間に行われた国際大会「MSI」では、LPLのRoyal Never Give UpがDAMWON KIA(DK。DAMWON Gamingから改名)を破って優勝を果たしており、このWorldsでも引き続きLPLチームとLCKチームが激しい優勝争いを繰り広げている。準決勝に進出した4チームがすべてアジアからの出場チームとなったのは、2017年以来のことだ。
欧米チームは王座を巡るレースから振り落とされてしまい、最終的に残った2チームは、LCK第1シードのDKとLPL第1シード「EDward Gaming」となった。ともに今年の世界大会優勝を悲願とする中韓チームの激突は日本時間11月6日(土)21時開幕。20時からは毎年豪華な演出でファンを楽しませてくれるオープニングセレモニーも開催される。2021シーズンの王座がどちらのチームのものになるのか、ぜひ自身の目で見届けてほしい。
「Worlds 2021」日本語配信プラットフォーム
「Worlds」の王座に就くことのできるチームは毎年1つだけ。そしてそのそれぞれに、それぞれの物語がある。11年目の王者が決まる前に、歴史を紐解いてみることにしよう……。
Season 1 World Championship(2011年)
初めて行われたWorlds。LANパーティーイベント「Dreamhack Summer 2011」の一角で行われ、とてもアットホームな規模のイベントだった。各地域のリーグも何もない時代だったため、参加チームは招待制。北米・ヨーロッパ・東南アジアと3地域から招待されたチームで行われたイベントだった。
トピック:原初の『LoL』と「EUスタイル」
トップレーンに1人、ジャングルに1人、ミッドレーンに1人、ボットレーンに1人+サポートというポジション構成は、模索が重ねられた末にシーズン1半ばに成立したプレイスタイルだ。北米ではミッドにADC(マークスマン)を、ボットレーンにタンクとサポートを置く「NAスタイル」が実践された。一方、ヨーロッパのサーバーではミッドにAPキャリーを、ボットにADCとサポートを置く「EUスタイル」が見出され、2021年現在も続くポジション制の礎となり、この第1回Worldsでも盛んにプレイされた記録が残っている。Season 2 World Championship(2012年)
アメリカで行われた初めてのWorlds。韓国や中国のチームも参加し、名実ともにWorldsと呼べるラインナップがそろったのはこの年からと言える。韓国や中国チームが圧倒的な強さを見せる一方で、EU代表の「Moscow5」も善戦し、まさに国際大会というべき光景が見られるようになった。
Season 3 World Championship(2013年)
各地でリーグ運営が本格化し、各リーグのトップチームが集うという形ができ上がった年のWorlds。この年にデビューを飾った若きFaker選手とその所属チーム「SK Telecom T1(SKT)」という新星が、LCK(韓国プロリーグ)より王座を勝ち取り、またそれを追うUzi選手とLPL(中国プロリーグ)というストーリーが始まった年でもある。
トピック:たった1人で戦況を変えられるゲームの終焉
かつての『LoL』は、ミッドレーンがゲームに寄与する割合が非常に大きなゲームだった。現在と比較すると大型中立モンスターのバランス調整やエレメンタルリフト、タワープレートの有無など、さまざまな要素が異なっていたので、ゲームの展開も全く違うものだった。Season 3当時は、ミッドレーンに強力なアサシンを選択して対面を圧倒し、そのままトップやボットにローミングして有利を大きくする試合が多く、フィズやゼド、アーリ、グラガスなどが選択されミッドレーナーは華々しくハンドスキルをぶつけあって試合の流れを作っていた。
しかし、チャンピオンやゲーム全体への調整によって中心となるポジションはさまざまに変化し、また単一のレーンで圧倒すれば勝てるということはなくなっていく。ゲームへの研究はより深くなり、マップのコントロールを含めた各チームの戦い方も洗練されていくこととなった。
2014 World Championship
台湾と韓国の会場を行き来しながら行われた大会。この年より地域間移籍が行われるようになり、ルールが未整備だったことから、全員が中国出身の選手から構成される北米チームも現れるという事態に。サッカースタジアムで「Samsung White(SSW)」が圧勝し、韓国最強時代が確立された。またこの結果から、世界中のチームが腕利きの傭兵として韓国人選手を求めるようになった。
2015 World Championship
第1回以来となるヨーロッパ開催となった大会。さまざまな組織が戦力の充実を図り、韓国人選手を補強に加え、アナリストやコーチもチームの一員として数えられるようになった。2014シーズン終了後に有力な選手を大量に獲得し、大本命と見られていたLPLチームは思うような結果を残せず、SKTが1年ぶり2度目のWorlds優勝を達成。
2016 World Championship
アメリカを横断する大規模なWorldsで、西海岸からスタートした大会は、ノックアウトステージが始まると東海岸へと移動。この年はいわゆる強豪地域でないリーグのチームの活躍がみられた。また2014年末の移籍市場で事実上解体されたSamsungの系譜を継ぐチーム「Samsung Galaxy(SSG)」が復活し、SKTと決勝で激突した。SSGはBo5(3本先取)を2勝2敗まで持ち込み、優勝まであと一歩まで迫るも勝ちきれず、SKTが連覇を達成した。
2017 World Championship
初の中国開催となったWorlds。中国各地で試合が行われた。中国では『LoL』とプロリーグはすさまじい人気を誇っており、ファンの歓声が地鳴りのようにブース内の選手に伝わるほどだったともいわれる。決勝は上海の国立サッカー競技場、通称「鳥の巣」で行われ、オープニングセレモニーにはARによる演出でエルダードラゴンが登場し、配信を通して観戦するファンも大いに盛り上がった。ファンはSKTの三連覇に注目したが、SSGがついにリベンジを達成した。
2018 World Championship
4年ぶりの韓国開催。2018シーズンは大きなゲームバランス変更が行われた年で、地域ごとにその適応度が問われる大会となった。日本から出場した「DetonatioN FocusMe」がプレイインステージを突破目前まで勝ち進み、韓国チームがベスト8で敗退し、北米の「Cloud9」がベスト4入りするなど、例年とは大きく様相が異なる戦いが見られた末に、最後はLPL代表の「Invictus Gaming(iG)」が悲願の優勝達成という形で、世界大会の新たな歴史を刻んだ。
トピック:視界を巡るゲームの変化
現在の試合において、解説などでもしきりに取り上げられる「視界」。相手の位置を的確に把握して戦う場所とタイミングを選べる側は原則として有利に戦うことができることから、『LoL』においては最も重要な要素であり続けている。
この視界を確保するために用意されているのがワードだが、実は長年の調整を経てチーム全体で設置できる数が減少している。有利に立ったチームがほとんど完全な視界を確保し、非常に低リスクな試合運びをすることで逆転されるリスクをほとんど打ち消すことができるというバランスを避けた結果である。
特に大きかったのはパッチ8.14での「トラッカーナイフ」というアイテムの削除だ。視界確保手段が減ったことにより、低リスクで確実な選択は大きく減少することとなった。この調整によって、Worldsでは確実な試合運びよりも一見して無謀なほどの攻撃的なスタイルが躍進し、最終的にはiGの優勝という結果に結び付いた。
2019 World Championship
欧州開催となったWorlds。EU代表の「G2 Esports」が、2018年世界王者のiGを破ったことから王座奪還に大きな期待が集まった。「Griffin」や「DAMWON Gaming(DWG)」といった新鋭チームが参加したことで、世代交代の面も注目された。決勝はLPL代表「FunPlus Phoenix(FPX)」とG2がパリの会場で激突。圧倒的な強さを見せたFPXが優勝し、2年連続でLPLチームが世界大会の王座に。LCK一強ではないことを強く印象付けた。
2020 World Championship
新型コロナウイルスの影響により一時は開催が危ぶまれたものの、チームと運営スタッフを丸ごと厳重に隔離する「バブルシステム」下で実施された、中国での世界大会。地元での優勝、地域の連覇を目指して戦うLPLチームと、王座奪還を目指すLCKチームが激しく争うリーグとなった。各地域の力関係こそ拮抗した大会だったが、その中でも「DAMWON Gaming」は一つ抜けた実力を示し、決勝ではLPL代表の「Suning」を破ってLCKに再び王座をもたらした。
──そして、現在。
2021 World Championship
2020年に行えなかったプランである、中国全土を広く移動しながらの大会……の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大が収束していないため、アイスランドに会場を変更して無観客で行われている今シーズンのWorlds。春夏間に行われた国際大会「MSI」では、LPLのRoyal Never Give UpがDAMWON KIA(DK。DAMWON Gamingから改名)を破って優勝を果たしており、このWorldsでも引き続きLPLチームとLCKチームが激しい優勝争いを繰り広げている。準決勝に進出した4チームがすべてアジアからの出場チームとなったのは、2017年以来のことだ。
欧米チームは王座を巡るレースから振り落とされてしまい、最終的に残った2チームは、LCK第1シードのDKとLPL第1シード「EDward Gaming」となった。ともに今年の世界大会優勝を悲願とする中韓チームの激突は日本時間11月6日(土)21時開幕。20時からは毎年豪華な演出でファンを楽しませてくれるオープニングセレモニーも開催される。2021シーズンの王座がどちらのチームのものになるのか、ぜひ自身の目で見届けてほしい。
「Worlds 2021」日本語配信プラットフォーム
- Mildom:http://mildom.com/10244404
- Twitch:http://twitch.tv/riotgamesjp
- LoL Esports:https://lolesports.com/
eSports World の
Discord をフォローしよう
Discord をフォローしよう
SALE
大会
チーム
他にも...?
他にも