🇯🇵ZETA DIVISION ベスト3で幕を下ろす!【国際大会「VCT 2022: Masters Stage 1 – Reykjavík」合同インタビュー】

2022.4.24 井ノ川結希(いのかわゆう)
VALORANT』の国際大会「VCT 2022: Masters Stage 1 – Reykjavík」がアイスランドはレイキャビクで開催中。日本代表として出場した🇯🇵ZETA DIVISION(以下、🇯🇵ZETA)は、LOWER BRACKET(敗者復活戦)での熱戦を勝ち抜き見事プレイオフ進出。

しかしプレイオフの第1戦(🇩🇪G2 Esports戦)に惜しくも敗北。プレイオフでも再びLOWER BRACKETという茨の道を進むことに。そして今、LOWER BRACKETという逆境からの巻き返しを見せ、ベスト3にまで上り詰めた🇯🇵ZETAは、4月24日(日)に🇺🇸OpTic Gaming(以下、🇺🇸OPTC)との戦いを繰り広げた。


LOWER FINAL(実質準決勝戦)の🇺🇸OPTC戦はBo5で、先に3マップ先取した方が勝者となる。今までのBo3(2マップ先取で勝利)よりも長丁場になることから、選手の体力面、メンタル面もよりいっそう左右される試合といえる。


1マップ目のヘイヴンでは、出だしこそ好調で5:0と大差をつけるものの、タイムアウト後に動きを変えてきた🇺🇸OPTCにほんろうされ、気がつけばOT(オーバータイム)に持ち込むほどの熱戦に。最終的には13:15と🇺🇸OPTCに痛い1本を取られてしまう。

2マップ目のフラクチャーは🇯🇵ZETAのピックマップということもあり期待のあるマップではあったが、新エージェントでもあるネオンを取り入れた立ち回りに苦戦を強いられ5:13で敗北。

続く3マップ目のバインドでは粘り強いクラッチや相手の動きを読み切ったスモーク抜きなどでラウンドを重ねるも、展開の読めない🇺🇸OPTCの戦術にかき乱され8:13で落としてしまう。

Bo5という長丁場が予想されたが、結果は0:3とストレートで敗北。今回は、そんな悔しい気持ちが残る試合直後でもありながら、合同インタビューに答えてくれた選手らの声をお届けしよう。

世界の壁を感じた🇺🇸OPTC戦


——まずは長きに渡るMastersでの戦いおつかれさまでした。今回の🇺🇸OPTC戦は、はじめてのNA地域との戦いでもあります。戦ってみた率直な感想をお聞かせください。

Laz選手(以下、Laz):ありがとうございます。今回の対戦相手である🇺🇸OPTCは本当に戦い方がうまくて世界の壁を感じました。

——具体的にどの辺に「壁」を感じたのでしょうか?

Laz:自分たちの戦い方のさらに上を行く感じで、🇺🇸OPTC側が自分たちの戦い方を貫き通してきたところですね。また、細かいところの撃ち合いや連携、アビリティーの合わせがうまくて、「これは強いなぁ」って思いました。

——1マップ目、2マップ目と連取され後がない状態での3マップ目でしたが、インターバル中にはどのような話し合いがあったのでしょうか?

Laz:取りたかったマップを2連続で落としてしまったこともあり、「このまま行っていいのかなあ」とか「何か変えた方がいいのかなあ」とか考えてはいました。あとはいつも通りやるしかないなという考えのもと対策をしっかり考えて、悔いのないよう全員でぶつかっていこうという話し合いをしていました。

▲Laz(らず)選手

——事前の対策と実際に戦ってみた🇺🇸OPTCに大きな差はありましたか?

Laz:事前に対策をしていたとしても、やっぱり実際に戦ってみないとわからない部分があるのですが、最初の方は事前の研究通りの戦い方をしてきていました。ただ、途中から戦術をいろいろ変えてきていて、僕たちがどのような部分を対策してきたのかを察しているような印象でした。

——確かに、🇺🇸OPTCのリテイクのうまさは徹底的に🇯🇵ZETAを対策しているようにも感じました。今後はどのような形で鍛錬していくべきだと考えますか?

Laz:今回、Mastersを通して、日本国内だけとは比べものにならないほどいろいろな戦い方が体験できました。戦い方をしっかり見直していきたいと思います。あとは、少人数戦をもっと強化したいですね。🇩🇪G2戦でも少人数戦ではボコボコにされていた場面もあったので……。

▲🇯🇵ZETAをたびたび苦しめたのはyay選手のチェンバー。2on4と🇯🇵ZETAが人数有利な状況でありながらも、盤面を壊して行くシーンも(https://youtu.be/ht-2sEK28Ow?t=5298

——1マップ目のヘイヴンでは、序盤こそ🇯🇵ZETAのペースで試合は進んでいましたが、ラウンド6開始前に🇺🇸OPTC戦がタイムアウトを取ったあたりから雲行きが怪しくなってきたのを感じます。このタイムアウトを挟んで具体的に🇺🇸OPTC側にどういった変化が見られたのでしょうか?

XQQコーチ(以下、XQQ):🇺🇸OPTCのタイムアウト後は、僕らの攻めの方針や意思疎通が乱れはじめたのは感じていました。そのスキを🇺🇸OPTC側に突かれたことでペースを崩されたのではないかと考えています。

——2マップ目ではyay選手とのチェンバー対決もありましたね。実際に戦ってみていかがでしたか?

Laz:そうでですね。僕自身大会中に特定の選手に対して「強いなあ」と感じることはあまりないのですが、安定して丁寧にオペレーターを当ててくるなという印象でした。

▲フラクチャーのラウンド1では、初っぱなからチェンバー同士の撃ち合いが発生。素早いエイムでyay選手を撃ち落とすLaz選手に会場が沸いた(https://youtu.be/ht-2sEK28Ow?t=7207

——🇯🇵ZETAにとってフラクチャーをはじめて落とした試合でもありました。ほかのチームと比べてどういった点に苦しめられましたか?

XQQ:ほかのチームに比べて、🇺🇸OPTCのエージェント構成は各選手が使えるアビリティーが多く、それによるエリアコントロールや複雑な戦い方ができたのが彼らの強みだと思っています。また僕たちの攻め方や守り方をしっかりと研究しているのと、今までに見たこともないような戦い方をしてきたので、そういった点に苦しめられましたね。なにより悔しいです。

——メンタル的には引きずらなかった?

XQQ:メンタル的には「やるしかない」という気持ちだったので、残り1マップ自分たちの持ってきた戦術で挑みました。

——今までの試合を振り返ると、ショーティーやジャッジといったショットガンを使った接近戦がうまく刺さっていたように感じましたが、今回の🇺🇸OPTC戦ではショットガンの出番が少ないようにも感じました。そこには何か新しい作戦があったのでしょうか?

crow選手:今まではショットガンが強いポジションやタイミングで使う機会が多かったのですが、🇺🇸OPTC戦ではそういった機会がなかったため採用しなかったという感じですね。

▲crow(くろう)選手

戦略的に使わなかった訳ではないですね。

——『VALORANT』の競技シーンはものすごいスピードでレベルが上がっているのを感じています。撃ち合い戦術といったインゲーム内の要素意外に、メンタル面や体力面といったさまざまな要素もより重要視されてきている気もしました。今後、再び世界と渡り合うためにコーチとして考えていることはありますか?

XQQ:今回のMastersにおいて🇯🇵ZETAは、戦い方やメンタル面でとても優れていました。ただ🇺🇸OPTC戦では自分たちの考えを上回る戦術で逃してしまった試合だと感じています。今後は、より戦略的な幅を広げていきたいと思います。

▲XQQ(えっくすきゅーきゅー)コーチ

——今回3マップ目を落としてしまった際、選手にどのような言葉を投げかけたのか覚えていますか?

XQQ:僕もチームもまだまだこんなものではないと思っていて、「優勝目指してやろう」という気持ちで意気込んでいたので、最後の1ラウンドまで諦めてはいませんでした。

ただ3マップ目で13ラウンドを取られた時、ここまで休みもなくプレイし続けた選手らに、心から「おつかれさま」という言葉をかけました。

——昨年のベルリンでは「後悔でしかない」という言葉を残しての帰国となりましたが、今回こうしてアイスランドを離れるお気持ちをお聞かせください。

XQQ:チームメイト、アナリスト、コーチ全員の仕事ぶりは誇りに思いますし、ここまで連れてきてくれたことに感謝しています。

しかし今回、特に🇺🇸OPTC戦においては僕自身「もっとできることがあったのではないか」と感じているので後悔しています。

——SugarZ3ro選手は国際大会初出場でしたが、チームとしても個人としても注目される選手だったと思います。大会全体を振り返ってみて何を感じますか?

▲SugarZ3ro(しゅがーぜろ)選手

SugarZ3ro選手(以下、SugarZ3ro):はじめてなりにはがんばれたかなとは思っています。

今回の🇺🇸OPTC戦は本当に悔しかったですが、まだまだ成長できるとは感じているので引き続きがんばりたいと思います。

——🇺🇸OPTC戦では惜しくも敗れてしまいましたが、Mastersではさまざまなドラマを見せてくれたと感じています。ともに喜び、涙し、時には怒りや悔しさを分かち合う——そんな感動を日本中のファンが🇯🇵ZETAから受け取ったとも思っています。最後にファンに向けてひとことと、今後の目標をお聞かせください。

TENNN選手:皆さん応援ありがとうございました!

ベスト3まで勝ち進めて、「日本は弱い」っていうイメージを変えられたのではないかと思っています。今回のMastersでは、僕たちが一番試合回数が多かった大会でもあります。その中で多くのことを経験できたので、次回のMastersではもっといいチームになっていると思います!

▲TENNN(てん)選手

Laz:世界大会で日本のチームが善戦できて「日本のリージョンも成長しているんだよ」というのを世界に見せることができてうれしいです。

ただ、ベスト3になったことよりも🇺🇸OPTC戦で負けたことの悔しさの方が強すぎて、次回のMastersで優勝を目指したいという気持ちでいっぱいです!

——ありがとうございました!

———

日本のチームがFPSの競技シーンでベスト3まで進んだということは歴史的快挙であり、多くのファンが熱狂したことは間違いない。格闘ゲームMOBAといった別のジャンルのプレイヤーまでもが今回の🇯🇵ZETA戦を全力で応援するシーンが見られたり、今まで以上に多くのメディアが注目をし、地上波でも取り上げられるほど日本中が🇯🇵ZETAの戦いを見守っていた。そんな2週間だった。

しかし、選手たちは決して満足していなかった。ベスト3を喜ぶ気持ちよりも、🇺🇸OPTC戦での敗北を心から悔しがっていた——。特にDep選手は言葉を詰まらせてしまう程の落ち込みのようにも感じ、彼らが優勝に向けて本当に精一杯の努力をしてきたこと、今回の試合に懸けてた思いの強さというのを合同インタビューを通じて感じ取れた。

▲Dep(でっぷ)選手(写真右)

それはある意味うれしいことでもある。なぜなら、彼らが決して今の結果に満足せず、さらなる飛躍を目標にしているからだ。

この長い長い2週間、本当に多くのドラマがあった。今回の大会を通じて、『VALORANT』を知った人、eスポーツに興味を持った人も多かったのではないだろうか。そして、eスポーツがこんなにも感動を与えてくれるんだと感じた人も多いはず。1ラウンド進むごとに涙が止まらなくなり、試合を泣きながら見て、インタビューを見てまた涙する——そんな2週間を体験できたことを心の底からうれしく思う。

こうしてeSports Worldが1試合目から彼らを追い続けられたのも、試合直後というナーバスな状況にも関わらず、こころよくインタビューに応じてくれた選手たち、そしてインタビューの時間を作ってくれた運営チームの方々のおかげだと改めて感じるとともに、感謝の言葉を贈りたい。

まだまだ日本は戦える!
🇯🇵ZETA DIVISION 感動をありがとう!


#ZETAWIN

ただMastersはまだまだ終わりではない。明日には決勝戦(🇺🇸OPTC VS 🇧🇷LOUD戦)が開催される。2022年最初の国際大会で優勝を勝ち取るのはどちらのチームになるのか——最後の1試合もぜひその目で見届けてほしい。

なお、Riotの公式noteでは選手の裏側に密着した特別インタビューが公開されている。選手のよりディープな一面が見られるので併せてチェックしてほしい。

BACKSTAGE(Riot 公式note):
https://note.com/backstage_riot/

Laz選手Twitter:
https://twitter.com/lazvell

crow選手Twitter:
https://twitter.com/no960fps

SugarZ3ro選手Twitter:
https://twitter.com/SugarZ3roVL

Dep選手Twitter:
https://twitter.com/Dep_ow

TENNN選手Twitter:
https://twitter.com/tenhakyou

XQQコーチTwitter:
https://twitter.com/IAMXQ

JUNiORコーチTwitter:
https://twitter.com/junior27015

gya9アナリストTwitter:
https://twitter.com/gya9_

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