【『遊戯王 マスターデュエル』世界大会予選開催中!】「WCS 2024」日本代表・たすく選手インタビュー「世界一を目指して、楽しみながら勝ちたい」
- 「遊戯王」は同級生。出会いは兄の影響
- 公式大会に出場して変わったこと
- 「WCS 2024」予選の勝因は体力づくりと思い切ったカード入れ替え
- 3vs3のチーム戦というマスターデュエルの部 特有の戦い方
- 日本代表選手の普段の『遊戯王 マスターデュエル』の取り組みとは?
- デュエルに勝つための心構え
- 公式戦は自分の強さを確認できる場所
- 「WCS 2024」でも楽しみながら勝ちたい
各国の強豪が集まる「Yu-Gi-Oh! World Championship」、通称「WCS」。世界中で楽しまれているカードゲームの『遊戯王オフィシャルカードゲーム』(遊戯王OCG)と、スマートフォン・PCで遊べる『遊戯王 デュエルリンクス』(スピードデュエル/ラッシュデュエル)、ほぼすべてのプラットフォームで遊べる『遊戯王 マスターデュエル」で世界No.1デュエリストを決める大会だ。
2003年に『遊戯王OCG』の世界大会として始まり、2017年より「デュエルリンクスの部」、2023年より「マスターデュエルの部」が追加。そして、『遊戯王 デュエルリンクス』ゲーム内にラッシュデュエルが追加されたことで、2024年の「WCS」では「デュエルリンクスの部」を「スピードデュエル」と「ラッシュデュエル」と分け、4部門となった。
そんな世界大会の中でもひときわ注目を集めているのが、『遊戯王オフィシャルカードゲーム』をデジタル化した『遊戯王 マスターデュエル』。『遊戯王OCG』時代のノウハウを生かしつつ世界中のプレイヤーと「遊戯王」で対戦でき、デジタル特有の特徴や勝ち方も研究されている。
今回、『遊戯王 マスターデュエル』の「WCS 2024」予選が2024年6月11日(火)からスタートしたのに合わせて、2024年の 「WCS 2024」への参加権をすでに獲得しているたすく選手にインタビュー。いま『遊戯王 マスターデュエル』で最も世界一に近い“デュエリスト”の「遊戯王」との出会い、『遊戯王 マスターデュエル』の魅力、そして世界選手権「WCS 2024」への意気込みなどをうかがった。
──そもそもたすく選手自身が「遊戯王」と出会ったのはいつ頃ですか?
たすく:保育園の5歳くらいの時です。今年で26歳になるので、ほぼ「遊戯王」と同い年なんですよ。当時兄が『遊戯王OCG』をプレイしていて、自然と僕も「遊戯王」の世界に入っていきました。アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」も見ていましたね。
──5歳くらいだとお兄ちゃんに勝てなかったりしませんでしたか?
たすく:そうですね。でも(カードをやっている)友達もいたので、一緒にデッキを作ったりしていました。『遊戯王オフィシャルカードゲーム』自体はそこから現在までずっと遊んでいます。
──学生時代は部活とか他のゲームも遊びましたか?
たすく:部活は野球部でしたが、そこにも「遊戯王」をやっていた友達がいたので、部活終わりに一緒に対戦したり、大会などにも出ていたので、そこでいい結果を出すことを目標に部活と並行していました。
──そんな中、満を持して『遊戯王 マスターデュエル』が2022年にリリースされました。
たすく:「ついに来たか!」と。もう完全に他のゲームをやらずに、『遊戯王 マスターデュエル』1本だけにしました。昔から『遊戯王OCG』の知識をフルに活用できるデジタル版があったらいいなと思っていたんです。
──日本で開催された世界選手権「WCS 2023」のマスターデュエルの部に参戦した時の心境はどうでしたか?
たすく:去年は予選で1位を獲れましたが、それよりも自分がどこまで強いのかを確かめるような気持ちで参加していました。世界大会を目標にはしてたんですけれども、予選の順位も気にしていましたね。
WCS 2023本戦へ出場した時は「ついにこの舞台に来たんだ!」とハイテンションになってうれしかったですね。『遊戯王 マスターデュエル』では最初の世界大会だったので、そこに自分が参加できることをすごく光栄に思いました。
──ご自身では、世界大会に出場できるという自信はなかった?
たすく:そうですね。内心不安で、本当に勝てるんだろうか……とはちょっと思っていました。
──実際に世界大会の雰囲気の中で戦ってみてどうでしたか?
たすく:正直、心臓がドキドキしてかなり緊張しました。あとは、やっぱり世界大会(本戦)1戦目に自分が劣勢になるカードを対戦相手に発動され、かなり苦しい戦いになったのを覚えています。苦しみながらどうやって勝つかを試行錯誤していました。
練習通りにはいきませんし、相手も世界レベルのプレイヤーなので、勝つためにどうやって動こうかを事前に考えてはいたんですけど、本戦では頭が真っ白になったりもしました。
──去年に引き続き、「WCS 2024」へも連続出場権を獲得しました。その時はどんなお気持ちでしたか?
たすく:去年もそうですが、決まった時は「自分が本当に出ていいのか……」という気持ちもありました。もちろん、世界大会を目標にはしていたんですけど、獲得した時は実感が湧かなくて。
──去年は本戦の決勝トーナメントでベスト4まで勝ち上がり、日本チームの強さを世界へ轟かせたと思いますが、海外チームと対戦をしてみて驚いたことなどありますか?
たすく:世界大会には海外選手もたくさんいますが、日本では全然強くないと思われているタイプのデッキを海外チームが採用していて、それが強かったんです。『遊戯王OCG』は日本と海外とでレギュレーションが若干違うのですが(編集部注:世界大会は世界共通のレギュレーション)、異なる環境でそれぞれ発展してきた知識が『遊戯王 マスターデュエル』でも使われていて驚きました。
──カードゲームのルールの違いが地域の流行の違いにもなるというのは、「遊戯王」ならではですね。
たすく:そうですね、自分の試合を見返してみても、彼らのデッキの対策ができていれば多分勝ち上がれていたと思うので、やっぱりいろいろなカードやデッキに対しての知識が必要だと感じました。
──去年とは本戦の出場枠の決め方が異なっていたかと思いますが、「WCS」へ2年連続で出場を決めたたすく選手は、自分自身の強さをどう分析されていますか?
たすく:『遊戯王 マスターデュエル』は『遊戯王OCG』のカードが少し遅れて実装されています。そのため、事前に過去に『遊戯王OCG』で強かったデッキを調べたり、去年の海外で流行っているデッキを応用してデッキ構築をしたことで勝ち上がれたのだと思います。その研究のおかげで、強いデッキに対しての対策もやりやすくなりましたね。
──世界大会の予選にあたる「デュエリストカップ」などは、たくさん対戦してポイントを獲得していく形式ですよね。トーナメントのように一発勝負ではなく、ポイントを稼ぐ方式の大会での勝ち方はありますか?
たすく:あります。ひとつは体力です。できるだけ長時間戦いたいということもありますし、20分以上戦う試合もあるので、集中力も維持しないといけません。
もうひとつは、流行りのデッキに対して有効なカードを採用するということです。
──カードの入れ替えの判断は、大会の中で相手の戦いを事前に見られればいいですが、入れ替えるのは怖いですよね。
たすく:めちゃくちゃ怖いです。僕の中では、特定のカードが効くタイプのデッキが、例えば10回やって6回当たるくらいであれば思い切って入れ替えます。
「デュエリストカップ」は期間中にオンラインで戦ってポイントを獲得していきますが、次にそのデッキを持った相手に当たるかわからないという不安もあります。ただ、今までの経験上、時差の関係で日本の朝方は海外の人と当たる確率が高くて、そういう時間帯はこういうデッキが多いなどと予測したりもしていました。
──「WCS」のマスターデュエルの部は、3人がそれぞれ同時に戦い、次の試合は別のメンバーと戦う、といったかたちで全員と対戦する独特なルールですよね。
たすく:そうですね、この3人1組のデュエルの面白いところは、仲間と相談が可能なところです。対戦相手が使ってきたカードを見て、次に対戦する仲間に「この相手はこういうタイプのデッキを使っていたよ」といった相談ができるんです。
また、2戦目以降で対戦相手が入れ替わるということで、2つ登録しているデッキのうち、相性がいいデッキを当てるというのも、通常の『遊戯王 マスターデュエル』の戦いでは味わうことができません。じゃんけんのように後半に有利なデッキを残しておいて、対面に来た相手にぶつけるというような戦略性もあります。
そしてなにより、仲間と励まし合って戦えるというのは1人ではできないこと。そういった部分もゲームプレイに大きく影響すると思います。
──たすく選手自身は、チーム戦と個人戦ではどちらが好きですか?
たすく:チーム戦だと自分の勝敗がチームの勝ち負けに大きく影響しますし、負けた時にチームの方に申し訳ないと思ったりもしてしまいます。でも、チーム戦の方が僕は好きですね。仲間がいて一緒に戦っていると、なんだか青春を取り戻したような感じがします。
──たしかに、カードゲームではあまり見ない方式ですね。
たすく:システム的にもこれは「WCS」に参加してみないとできない体験なんですよね。先に負けてしまっても横のふたりに声をかけてもいいので、1人だけでは本当に正しい判断ができているかわからない時に仲間の知識も生かせるんです。
──そんな今年の「WCS」はシアトルでの開催です。海外大会に対する期待や不安はありますか?
たすく:僕は観光が好きなので、合間にシアトルの観光名所も見られたらいいなと思っています。不安な点は言語の壁ですが、『遊戯王OCG』だと海外選手と戦う時には当然英語もしゃべらなければなりませんが、『遊戯王 マスターデュエル』は自動的にゲーム側が翻訳処理してくれるので、参戦する障壁も低いです。
──日本最強のデュエリストのひとりであるたすく選手ですが、普段は『遊戯王 マスターデュエル』をどれくらい練習しているんでしょうか?
たすく:『遊戯王 マスターデュエル』というか、頭の中で「遊戯王」にふれている時間は、風呂などで考えている時間も含めれば、帰宅してから寝るまで5、6時間くらい。毎日完全に「遊戯王」漬けです。
──まさに生活のほとんどが「遊戯王」なんですね。デッキの構築方法は?
たすく:まずは、土台となるデッキをいちから自分で作ります。その際、カード1枚1枚に採用理由と点数をつけています。例えば、このカードはこのデッキには効くけれど、別のデッキにはあまり有効じゃない、みたいなかたちで。
そうやっていくと、「とりあえず入れておくか」という理由で入れたカードは絶対にどこかでつまずきますし、本当に必要なのかという疑問が出てきます。そういう時は有識者のデッキをネットなどで見て、いったん入れて、どういう理由で入れるべきかをさらに考えていきます。
あとは、そのデッキでとにかく対戦を繰り返します。すると、いいと考えていたカードも意外といらないものが見つかっていく。そうやって最終的に勝てるデッキが出来上がっていく、という感じです。
もともと『遊戯王OCG』の大会では、試合後に対戦相手とコミュニケーションが取れるので、相手に「なぜこのカードを入れているんですか?」といつも理由を聞いていたんです。それこそ1枚1枚のカードの採用理由を考えていくのと同じですね。
そして、デッキ構築には限りなく時間をかけます。プレイヤーがどれだけ強くても、まずデッキが強くなければ勝負になりませんので。
──例えば、そういったデッキ研究や『遊戯王 マスターデュエル』の練習のために、『遊戯王OCG』を使うこともあるんですか?
たすく:『遊戯王OCG』を遊ぶこともあります。実際に、『遊戯王 マスターデュエル』の画面上にあるカードと同じセットをリアルに作ることもたまにしています。やっぱり実物のカードで展開パターンを覚える方がわかりやすいので。
──そんなたすく選手が思う、『遊戯王 マスターデュエル』のいいところはどんなところでしょうか?
たすく:まずは、カードの処理を自動的にやってくれることですね。例えばカードのシャッフルとかは対戦時間の短縮になって、練習時間が増やせます。それと、人によって違うかもしれませんが、対戦相手を自分で探さなくても好きな時間にデュエルできること。ゲーム側で勝手に相手を見つけてくれるのがありがたいです。
もうひとつのいいところは、「WCS」などの生放送でゲーム画面を見ていてわかりやすいところです。『遊戯王OCG』と違ってその時に視聴者もなんとなくその場面の状況がわかることで、視聴者にも優しくなったと思います。
──では、『遊戯王OCG』の頃と比べて試合数も増えているんですか?
たすく:増えていますね。『遊戯王OCG』だと相手を見つける必要もあり、年間を通しても1000試合やれるかどうかでしたが、『遊戯王 マスターデュエル』は年間3000試合くらいできます。圧倒的に経験値が高くなりますね。
──逆に、『マスターデュエル』のデメリットやここを直してほしい、というところはありますか?
たすく:とにかく「遊戯王」をいつでも遊んでいたいという自分にとっては、正直まったくないです。あえてお願いできるとしたら、僕はゲームミュージックが好きなので、『遊戯王 マスターデュエル』のBGMのバリエーションが増えたらうれしいですね。
──いよいよ「WCS 2024」も近づいてきて、予選も6月11日からスタートしています。ズバリ『遊戯王 マスターデュエル』で勝つために、たすく選手はどんなことが必要だと思われますか?
たすく:どんなゲームでも大会でも一番重要なことがひとつあって、それは「そのゲームを楽しむ」ということです。
ゲームをやりながらなにかストレスを感じてしまうと、プレイングの部分にも響いてきたりします。楽しんでいる時の方がやっぱり勝ちやすいですし、飲み込みやすいということもあると思います。
──たすく選手自身が『遊戯王 マスターデュエル』をプレイしていて、一番楽しいと思えるのはどんな時ですか?
たすく:やっぱり誰かに勝っているところを見てもらえた時ですね。承認欲求に近いかもしれません。自分が狙ったとおりに相手が動いていってうまくハマった時は本当に気持ちいいです。
──もう少し具体的に、今回「デュエリストカップ」を勝ち抜くために、どんな対策などをされましたか?
たすく:対人戦のスキルもあるのですが、それ以上にやはりカードの知識です。デッキ全体の知識、カード1枚1枚の知識がないと、相手に制圧された時の対応方法やその後の動きもわからなくなってしまいますから。
カードを覚えるためには、僕はとりあえず実際に使用感を試していきます。自分のデッキをいくら回せても、相手のデッキに関する知識がないと勝てない試合もやっぱり多いので、いろいろなデッキやカードにふれた方がいいとも思います。
──参考までに、現在(5月28日時点)でたすく選手が注目しているデッキやカードを教えてください。
たすく:現在は、「R-ACE」(レスキューエース)というデッキが『遊戯王 マスターデュエル』で強力なデッキになっています。まずはこのデッキを抑えておけば、ある程度は「WCS 2024」でも勝ち上がれるレベルの強さがあります。中速寄りのデッキで、相手の妨害を受けずに、自分の動きを通す動きができるタイプです。逆に、妨害されてしまうと途端に弱くなってしまいますが。
カードは今だと「原罪宝-スネークアイ」が「WCS」で活躍すると見ています。炎属性のカードと相性がいいカードです。炎属性が相対的に強くなっていくのはこのカードのおかげです。とはいえ、大会の頃には変わっていると思いますが。
──「遊戯王」のファンの中でも『遊戯王 マスターデュエル』にはふれていないとか、大会に参加したことがないという方もいると思います。そういった方々にお伝えできる大会の面白さはありますか。
たすく:公式戦に出ることで、自分のスキルがどこまで通用するのかを知ることができます。そして、自分の好きなデッキでどこまで戦えるか、という指標にもなります。
まずは低めの順位を目標にして、そこまで辿り着いたら次はこの順位を目指してみようと、自分がどんどん強くなっていくことが自覚できると思います。
──オンラインの公式大会の時にはご自宅やお部屋に工夫もされていますか?
たすく:自分が限りなく楽な体制を作って臨んでいます。イスに座って背もたれに体を預けて、マウスを片腕だけで動かすような、限りなく体力を使わないリラックスしたやり方をしています。
──それは試合に向かう気持ちを作るため?
たすく:そうですね。やっぱり姿勢によって気持ちが入りますし、戦い終わって勝った後は「ふう……」と力が抜けることもあります。あと、試合中は甘いものを摂って水だけ飲みます。カフェインが苦手なのでコーヒーとかは飲んでいません。あとは最近、規則正しい生活を送った方が勝てるように思います。
──ちなみに、大会に出場するにあたって体力作りとかはされていますか?
たすく:はい、1日30〜40分、もう半年くらいジョギングを続けています。
走りながら思ったのが、もう走れないと思ってからが勝負ということですね。ゲームでも諦めた瞬間に次のプレイもついてこなくなってしまう。なので、ジョギングには精神力を養う面もありますね。
──半年経って効果が実感できた瞬間はありますか?
たすく:負けても気にしなくなりましたね。「今のあの行動が悪かったかな……」とか思ったりもするんですけど、負けた後にすぐに気持ちを切り替えられるようになりました。
それと、自分の勝率を常に見えるようにしているのですが、例えば8割勝てるデッキであれば、もうそのデッキは置いておいて別のデッキのことを考える、というような折り合いはつけていますね。
──「ゲームを楽しむことが大切」というお話でしたが、例えば負けてばかりで全然ゲームを楽しめていない人に対してのアドバイスがあったらお聞かせください。
たすく:ひとつ挙げるとしたら、好きなデッキを使いたいという気持ちはわかるんですけど、それだけだと勝てないので、やっぱり強いデッキにふれて勝つ喜びを知ってほしいです。負けてばかりだと気分が落ち込んじゃう人もいますからね。
強いデッキを使うと勝ち方がわかって、こういう流れで勝つのか、ということが大まかに見えてきます。初心者の方はそういったところを意識してもらえると、『遊戯王 マスターデュエル』がより楽しくなると思いますよ。
──最後に「WCS 2024」に向けて、日本の「遊戯王」ファンにとっては、日本チームが優勝することは悲願かと思います。今大会への意気込みをお聞かせください。
たすく:優勝1点狙い、ということもありますが、やっぱりゲームを楽しむこと、その上でさらに優勝がついてきてくれればいいという感じです。僕自身が、楽しみながら勝ちたいというのを一番の目標にしているので。
個人では難しいかもしれませんが、『遊戯王 マスターデュエル』は3vs3のチーム戦なので、他のメンバーが自信を持って挑めるように、一緒に戦っていきたいですね。
──チーム戦だからこそ、『遊戯王 マスターデュエル』だからこそ、勝つ可能性はもちろんあると。
たすく:はい。自分だけの勝利ではなく、仲間の勝利にも頼っていきたいですね。僕はチームのリーダーとして参加しますが、今大会では自分の考えを仲間に共有しつつ、意見ももらいながら一緒に考えるかたちにしたいと思っています。
たすく選手の言葉の端々にあったのは「ゲームを楽しむ」ということ。幼少期に感じた「遊戯王」の面白さを、25年を経た現在も持ち続けているということがひしひしと伝わってきた。
そんなたすく選手のように世界に挑むチャンス「WCS 2024」の予選が、2024年6月11日(水)からスタートしており、まだまだ参加が可能だ。もしこれまで二の足を踏んでいたプレイヤーも自分の実力を確かめるくらいの気持ちで、まずは気軽に参戦してみてほしい。
この機会に『遊戯王 マスターデュエル』から、デジタルカードゲームのeスポーツにふれてみよう。
Yu-Gi-Oh! World Championship 2024(WCS 2024):https://www.konami.com/yugioh/worldchampionship/2024/ja/
遊戯王 マスターデュエル:https://www.konami.com/yugioh/masterduel/jp/ja/
たすく選手のX(旧Twitter):https://x.com/tasukusuraimu1
編集:宮下英之
撮影:いのかわゆう
2003年に『遊戯王OCG』の世界大会として始まり、2017年より「デュエルリンクスの部」、2023年より「マスターデュエルの部」が追加。そして、『遊戯王 デュエルリンクス』ゲーム内にラッシュデュエルが追加されたことで、2024年の「WCS」では「デュエルリンクスの部」を「スピードデュエル」と「ラッシュデュエル」と分け、4部門となった。
そんな世界大会の中でもひときわ注目を集めているのが、『遊戯王オフィシャルカードゲーム』をデジタル化した『遊戯王 マスターデュエル』。『遊戯王OCG』時代のノウハウを生かしつつ世界中のプレイヤーと「遊戯王」で対戦でき、デジタル特有の特徴や勝ち方も研究されている。
今回、『遊戯王 マスターデュエル』の「WCS 2024」予選が2024年6月11日(火)からスタートしたのに合わせて、2024年の 「WCS 2024」への参加権をすでに獲得しているたすく選手にインタビュー。いま『遊戯王 マスターデュエル』で最も世界一に近い“デュエリスト”の「遊戯王」との出会い、『遊戯王 マスターデュエル』の魅力、そして世界選手権「WCS 2024」への意気込みなどをうかがった。
たすく プロフィール
5歳頃に兄の影響で『遊戯王オフィシャルカードゲーム』と出会う。2022年に『遊戯王 マスターデュエル』リリースと同時に移行。「WCS 2023」予選「エリア代表決定戦」で優勝し、日本代表として「WCS 2023」の出場権を獲得。「WCS 2023」では本戦1st STAGEを駆け上がり、決勝トーナメントではベスト4となった。2024年3月の「デュエリストカップ」では上位にランクインをしたことで「WCS 2024」出場権を得る。いま日本で最も強いデュエリストの一人。
たすく選手のX(旧Twitter):https://x.com/tasukusuraimu1
5歳頃に兄の影響で『遊戯王オフィシャルカードゲーム』と出会う。2022年に『遊戯王 マスターデュエル』リリースと同時に移行。「WCS 2023」予選「エリア代表決定戦」で優勝し、日本代表として「WCS 2023」の出場権を獲得。「WCS 2023」では本戦1st STAGEを駆け上がり、決勝トーナメントではベスト4となった。2024年3月の「デュエリストカップ」では上位にランクインをしたことで「WCS 2024」出場権を得る。いま日本で最も強いデュエリストの一人。
たすく選手のX(旧Twitter):https://x.com/tasukusuraimu1
「遊戯王」は同級生。出会いは兄の影響
──そもそもたすく選手自身が「遊戯王」と出会ったのはいつ頃ですか?
たすく:保育園の5歳くらいの時です。今年で26歳になるので、ほぼ「遊戯王」と同い年なんですよ。当時兄が『遊戯王OCG』をプレイしていて、自然と僕も「遊戯王」の世界に入っていきました。アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」も見ていましたね。
──5歳くらいだとお兄ちゃんに勝てなかったりしませんでしたか?
たすく:そうですね。でも(カードをやっている)友達もいたので、一緒にデッキを作ったりしていました。『遊戯王オフィシャルカードゲーム』自体はそこから現在までずっと遊んでいます。
──学生時代は部活とか他のゲームも遊びましたか?
たすく:部活は野球部でしたが、そこにも「遊戯王」をやっていた友達がいたので、部活終わりに一緒に対戦したり、大会などにも出ていたので、そこでいい結果を出すことを目標に部活と並行していました。
──そんな中、満を持して『遊戯王 マスターデュエル』が2022年にリリースされました。
たすく:「ついに来たか!」と。もう完全に他のゲームをやらずに、『遊戯王 マスターデュエル』1本だけにしました。昔から『遊戯王OCG』の知識をフルに活用できるデジタル版があったらいいなと思っていたんです。
公式大会に出場して変わったこと
──日本で開催された世界選手権「WCS 2023」のマスターデュエルの部に参戦した時の心境はどうでしたか?
たすく:去年は予選で1位を獲れましたが、それよりも自分がどこまで強いのかを確かめるような気持ちで参加していました。世界大会を目標にはしてたんですけれども、予選の順位も気にしていましたね。
WCS 2023本戦へ出場した時は「ついにこの舞台に来たんだ!」とハイテンションになってうれしかったですね。『遊戯王 マスターデュエル』では最初の世界大会だったので、そこに自分が参加できることをすごく光栄に思いました。
──ご自身では、世界大会に出場できるという自信はなかった?
たすく:そうですね。内心不安で、本当に勝てるんだろうか……とはちょっと思っていました。
──実際に世界大会の雰囲気の中で戦ってみてどうでしたか?
たすく:正直、心臓がドキドキしてかなり緊張しました。あとは、やっぱり世界大会(本戦)1戦目に自分が劣勢になるカードを対戦相手に発動され、かなり苦しい戦いになったのを覚えています。苦しみながらどうやって勝つかを試行錯誤していました。
練習通りにはいきませんし、相手も世界レベルのプレイヤーなので、勝つためにどうやって動こうかを事前に考えてはいたんですけど、本戦では頭が真っ白になったりもしました。
──去年に引き続き、「WCS 2024」へも連続出場権を獲得しました。その時はどんなお気持ちでしたか?
たすく:去年もそうですが、決まった時は「自分が本当に出ていいのか……」という気持ちもありました。もちろん、世界大会を目標にはしていたんですけど、獲得した時は実感が湧かなくて。
──去年は本戦の決勝トーナメントでベスト4まで勝ち上がり、日本チームの強さを世界へ轟かせたと思いますが、海外チームと対戦をしてみて驚いたことなどありますか?
たすく:世界大会には海外選手もたくさんいますが、日本では全然強くないと思われているタイプのデッキを海外チームが採用していて、それが強かったんです。『遊戯王OCG』は日本と海外とでレギュレーションが若干違うのですが(編集部注:世界大会は世界共通のレギュレーション)、異なる環境でそれぞれ発展してきた知識が『遊戯王 マスターデュエル』でも使われていて驚きました。
──カードゲームのルールの違いが地域の流行の違いにもなるというのは、「遊戯王」ならではですね。
たすく:そうですね、自分の試合を見返してみても、彼らのデッキの対策ができていれば多分勝ち上がれていたと思うので、やっぱりいろいろなカードやデッキに対しての知識が必要だと感じました。
「WCS 2024」予選の勝因は体力づくりと思い切ったカード入れ替え
──去年とは本戦の出場枠の決め方が異なっていたかと思いますが、「WCS」へ2年連続で出場を決めたたすく選手は、自分自身の強さをどう分析されていますか?
たすく:『遊戯王 マスターデュエル』は『遊戯王OCG』のカードが少し遅れて実装されています。そのため、事前に過去に『遊戯王OCG』で強かったデッキを調べたり、去年の海外で流行っているデッキを応用してデッキ構築をしたことで勝ち上がれたのだと思います。その研究のおかげで、強いデッキに対しての対策もやりやすくなりましたね。
──世界大会の予選にあたる「デュエリストカップ」などは、たくさん対戦してポイントを獲得していく形式ですよね。トーナメントのように一発勝負ではなく、ポイントを稼ぐ方式の大会での勝ち方はありますか?
たすく:あります。ひとつは体力です。できるだけ長時間戦いたいということもありますし、20分以上戦う試合もあるので、集中力も維持しないといけません。
もうひとつは、流行りのデッキに対して有効なカードを採用するということです。
──カードの入れ替えの判断は、大会の中で相手の戦いを事前に見られればいいですが、入れ替えるのは怖いですよね。
たすく:めちゃくちゃ怖いです。僕の中では、特定のカードが効くタイプのデッキが、例えば10回やって6回当たるくらいであれば思い切って入れ替えます。
「デュエリストカップ」は期間中にオンラインで戦ってポイントを獲得していきますが、次にそのデッキを持った相手に当たるかわからないという不安もあります。ただ、今までの経験上、時差の関係で日本の朝方は海外の人と当たる確率が高くて、そういう時間帯はこういうデッキが多いなどと予測したりもしていました。
3vs3のチーム戦というマスターデュエルの部 特有の戦い方
──「WCS」のマスターデュエルの部は、3人がそれぞれ同時に戦い、次の試合は別のメンバーと戦う、といったかたちで全員と対戦する独特なルールですよね。
たすく:そうですね、この3人1組のデュエルの面白いところは、仲間と相談が可能なところです。対戦相手が使ってきたカードを見て、次に対戦する仲間に「この相手はこういうタイプのデッキを使っていたよ」といった相談ができるんです。
また、2戦目以降で対戦相手が入れ替わるということで、2つ登録しているデッキのうち、相性がいいデッキを当てるというのも、通常の『遊戯王 マスターデュエル』の戦いでは味わうことができません。じゃんけんのように後半に有利なデッキを残しておいて、対面に来た相手にぶつけるというような戦略性もあります。
そしてなにより、仲間と励まし合って戦えるというのは1人ではできないこと。そういった部分もゲームプレイに大きく影響すると思います。
──たすく選手自身は、チーム戦と個人戦ではどちらが好きですか?
たすく:チーム戦だと自分の勝敗がチームの勝ち負けに大きく影響しますし、負けた時にチームの方に申し訳ないと思ったりもしてしまいます。でも、チーム戦の方が僕は好きですね。仲間がいて一緒に戦っていると、なんだか青春を取り戻したような感じがします。
──たしかに、カードゲームではあまり見ない方式ですね。
たすく:システム的にもこれは「WCS」に参加してみないとできない体験なんですよね。先に負けてしまっても横のふたりに声をかけてもいいので、1人だけでは本当に正しい判断ができているかわからない時に仲間の知識も生かせるんです。
──そんな今年の「WCS」はシアトルでの開催です。海外大会に対する期待や不安はありますか?
たすく:僕は観光が好きなので、合間にシアトルの観光名所も見られたらいいなと思っています。不安な点は言語の壁ですが、『遊戯王OCG』だと海外選手と戦う時には当然英語もしゃべらなければなりませんが、『遊戯王 マスターデュエル』は自動的にゲーム側が翻訳処理してくれるので、参戦する障壁も低いです。
日本代表選手の普段の『遊戯王 マスターデュエル』の取り組みとは?
──日本最強のデュエリストのひとりであるたすく選手ですが、普段は『遊戯王 マスターデュエル』をどれくらい練習しているんでしょうか?
たすく:『遊戯王 マスターデュエル』というか、頭の中で「遊戯王」にふれている時間は、風呂などで考えている時間も含めれば、帰宅してから寝るまで5、6時間くらい。毎日完全に「遊戯王」漬けです。
──まさに生活のほとんどが「遊戯王」なんですね。デッキの構築方法は?
たすく:まずは、土台となるデッキをいちから自分で作ります。その際、カード1枚1枚に採用理由と点数をつけています。例えば、このカードはこのデッキには効くけれど、別のデッキにはあまり有効じゃない、みたいなかたちで。
そうやっていくと、「とりあえず入れておくか」という理由で入れたカードは絶対にどこかでつまずきますし、本当に必要なのかという疑問が出てきます。そういう時は有識者のデッキをネットなどで見て、いったん入れて、どういう理由で入れるべきかをさらに考えていきます。
あとは、そのデッキでとにかく対戦を繰り返します。すると、いいと考えていたカードも意外といらないものが見つかっていく。そうやって最終的に勝てるデッキが出来上がっていく、という感じです。
もともと『遊戯王OCG』の大会では、試合後に対戦相手とコミュニケーションが取れるので、相手に「なぜこのカードを入れているんですか?」といつも理由を聞いていたんです。それこそ1枚1枚のカードの採用理由を考えていくのと同じですね。
そして、デッキ構築には限りなく時間をかけます。プレイヤーがどれだけ強くても、まずデッキが強くなければ勝負になりませんので。
──例えば、そういったデッキ研究や『遊戯王 マスターデュエル』の練習のために、『遊戯王OCG』を使うこともあるんですか?
たすく:『遊戯王OCG』を遊ぶこともあります。実際に、『遊戯王 マスターデュエル』の画面上にあるカードと同じセットをリアルに作ることもたまにしています。やっぱり実物のカードで展開パターンを覚える方がわかりやすいので。
──そんなたすく選手が思う、『遊戯王 マスターデュエル』のいいところはどんなところでしょうか?
たすく:まずは、カードの処理を自動的にやってくれることですね。例えばカードのシャッフルとかは対戦時間の短縮になって、練習時間が増やせます。それと、人によって違うかもしれませんが、対戦相手を自分で探さなくても好きな時間にデュエルできること。ゲーム側で勝手に相手を見つけてくれるのがありがたいです。
もうひとつのいいところは、「WCS」などの生放送でゲーム画面を見ていてわかりやすいところです。『遊戯王OCG』と違ってその時に視聴者もなんとなくその場面の状況がわかることで、視聴者にも優しくなったと思います。
──では、『遊戯王OCG』の頃と比べて試合数も増えているんですか?
たすく:増えていますね。『遊戯王OCG』だと相手を見つける必要もあり、年間を通しても1000試合やれるかどうかでしたが、『遊戯王 マスターデュエル』は年間3000試合くらいできます。圧倒的に経験値が高くなりますね。
──逆に、『マスターデュエル』のデメリットやここを直してほしい、というところはありますか?
たすく:とにかく「遊戯王」をいつでも遊んでいたいという自分にとっては、正直まったくないです。あえてお願いできるとしたら、僕はゲームミュージックが好きなので、『遊戯王 マスターデュエル』のBGMのバリエーションが増えたらうれしいですね。
デュエルに勝つための心構え
──いよいよ「WCS 2024」も近づいてきて、予選も6月11日からスタートしています。ズバリ『遊戯王 マスターデュエル』で勝つために、たすく選手はどんなことが必要だと思われますか?
たすく:どんなゲームでも大会でも一番重要なことがひとつあって、それは「そのゲームを楽しむ」ということです。
ゲームをやりながらなにかストレスを感じてしまうと、プレイングの部分にも響いてきたりします。楽しんでいる時の方がやっぱり勝ちやすいですし、飲み込みやすいということもあると思います。
──たすく選手自身が『遊戯王 マスターデュエル』をプレイしていて、一番楽しいと思えるのはどんな時ですか?
たすく:やっぱり誰かに勝っているところを見てもらえた時ですね。承認欲求に近いかもしれません。自分が狙ったとおりに相手が動いていってうまくハマった時は本当に気持ちいいです。
──もう少し具体的に、今回「デュエリストカップ」を勝ち抜くために、どんな対策などをされましたか?
たすく:対人戦のスキルもあるのですが、それ以上にやはりカードの知識です。デッキ全体の知識、カード1枚1枚の知識がないと、相手に制圧された時の対応方法やその後の動きもわからなくなってしまいますから。
カードを覚えるためには、僕はとりあえず実際に使用感を試していきます。自分のデッキをいくら回せても、相手のデッキに関する知識がないと勝てない試合もやっぱり多いので、いろいろなデッキやカードにふれた方がいいとも思います。
──参考までに、現在(5月28日時点)でたすく選手が注目しているデッキやカードを教えてください。
たすく:現在は、「R-ACE」(レスキューエース)というデッキが『遊戯王 マスターデュエル』で強力なデッキになっています。まずはこのデッキを抑えておけば、ある程度は「WCS 2024」でも勝ち上がれるレベルの強さがあります。中速寄りのデッキで、相手の妨害を受けずに、自分の動きを通す動きができるタイプです。逆に、妨害されてしまうと途端に弱くなってしまいますが。
カードは今だと「原罪宝-スネークアイ」が「WCS」で活躍すると見ています。炎属性のカードと相性がいいカードです。炎属性が相対的に強くなっていくのはこのカードのおかげです。とはいえ、大会の頃には変わっていると思いますが。
公式戦は自分の強さを確認できる場所
──「遊戯王」のファンの中でも『遊戯王 マスターデュエル』にはふれていないとか、大会に参加したことがないという方もいると思います。そういった方々にお伝えできる大会の面白さはありますか。
たすく:公式戦に出ることで、自分のスキルがどこまで通用するのかを知ることができます。そして、自分の好きなデッキでどこまで戦えるか、という指標にもなります。
まずは低めの順位を目標にして、そこまで辿り着いたら次はこの順位を目指してみようと、自分がどんどん強くなっていくことが自覚できると思います。
──オンラインの公式大会の時にはご自宅やお部屋に工夫もされていますか?
たすく:自分が限りなく楽な体制を作って臨んでいます。イスに座って背もたれに体を預けて、マウスを片腕だけで動かすような、限りなく体力を使わないリラックスしたやり方をしています。
──それは試合に向かう気持ちを作るため?
たすく:そうですね。やっぱり姿勢によって気持ちが入りますし、戦い終わって勝った後は「ふう……」と力が抜けることもあります。あと、試合中は甘いものを摂って水だけ飲みます。カフェインが苦手なのでコーヒーとかは飲んでいません。あとは最近、規則正しい生活を送った方が勝てるように思います。
──ちなみに、大会に出場するにあたって体力作りとかはされていますか?
たすく:はい、1日30〜40分、もう半年くらいジョギングを続けています。
走りながら思ったのが、もう走れないと思ってからが勝負ということですね。ゲームでも諦めた瞬間に次のプレイもついてこなくなってしまう。なので、ジョギングには精神力を養う面もありますね。
──半年経って効果が実感できた瞬間はありますか?
たすく:負けても気にしなくなりましたね。「今のあの行動が悪かったかな……」とか思ったりもするんですけど、負けた後にすぐに気持ちを切り替えられるようになりました。
それと、自分の勝率を常に見えるようにしているのですが、例えば8割勝てるデッキであれば、もうそのデッキは置いておいて別のデッキのことを考える、というような折り合いはつけていますね。
──「ゲームを楽しむことが大切」というお話でしたが、例えば負けてばかりで全然ゲームを楽しめていない人に対してのアドバイスがあったらお聞かせください。
たすく:ひとつ挙げるとしたら、好きなデッキを使いたいという気持ちはわかるんですけど、それだけだと勝てないので、やっぱり強いデッキにふれて勝つ喜びを知ってほしいです。負けてばかりだと気分が落ち込んじゃう人もいますからね。
強いデッキを使うと勝ち方がわかって、こういう流れで勝つのか、ということが大まかに見えてきます。初心者の方はそういったところを意識してもらえると、『遊戯王 マスターデュエル』がより楽しくなると思いますよ。
「WCS 2024」でも楽しみながら勝ちたい
──最後に「WCS 2024」に向けて、日本の「遊戯王」ファンにとっては、日本チームが優勝することは悲願かと思います。今大会への意気込みをお聞かせください。
たすく:優勝1点狙い、ということもありますが、やっぱりゲームを楽しむこと、その上でさらに優勝がついてきてくれればいいという感じです。僕自身が、楽しみながら勝ちたいというのを一番の目標にしているので。
個人では難しいかもしれませんが、『遊戯王 マスターデュエル』は3vs3のチーム戦なので、他のメンバーが自信を持って挑めるように、一緒に戦っていきたいですね。
──チーム戦だからこそ、『遊戯王 マスターデュエル』だからこそ、勝つ可能性はもちろんあると。
たすく:はい。自分だけの勝利ではなく、仲間の勝利にも頼っていきたいですね。僕はチームのリーダーとして参加しますが、今大会では自分の考えを仲間に共有しつつ、意見ももらいながら一緒に考えるかたちにしたいと思っています。
※ ※ ※
たすく選手の言葉の端々にあったのは「ゲームを楽しむ」ということ。幼少期に感じた「遊戯王」の面白さを、25年を経た現在も持ち続けているということがひしひしと伝わってきた。
そんなたすく選手のように世界に挑むチャンス「WCS 2024」の予選が、2024年6月11日(水)からスタートしており、まだまだ参加が可能だ。もしこれまで二の足を踏んでいたプレイヤーも自分の実力を確かめるくらいの気持ちで、まずは気軽に参戦してみてほしい。
この機会に『遊戯王 マスターデュエル』から、デジタルカードゲームのeスポーツにふれてみよう。
Yu-Gi-Oh! World Championship 2024(WCS 2024):https://www.konami.com/yugioh/worldchampionship/2024/ja/
遊戯王 マスターデュエル:https://www.konami.com/yugioh/masterduel/jp/ja/
たすく選手のX(旧Twitter):https://x.com/tasukusuraimu1
編集:宮下英之
撮影:いのかわゆう
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