「LJL」が国内最高峰リーグとして復活!! SHG、DFMも復帰!? 2027年の『リーグ・オブ・レジェンド』競技シーンはこう変わる

2026.9.28 宮下英之
ライアットゲームズは9月21日、『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のアジア太平洋地域(APAC)における2027年の競技シーンについて、「より開かれたLCPエコシステム」と題した発表を行った。

日本のLoLファンにとって特に大きいのは、国内最高峰リーグである「League of Legends Japan League」(LJL)と「League of Legends Championship Pacific」(LCP)に関わる変更だろう。

端的に言えば、
  • 「LCP」は年間リーグ制をやめ、APAC地域の各国・地域代表が戦う単発大会に
  • 「LJL」をはじめとする国内リーグ(ベトナム「VCS」と台湾「PCS」)が復活
といったかたちになる。

これによって、すべての日本のチームに再び、参戦するその年に「LJL」で勝つ→「LCP」で勝つ→世界大会出場という道筋が開かれることになる。


参考記事:2024年時点でのLoL Esportsの変更に関する記事
『リーグ・オブ・レジェンド』の「APAC」リーグ再編は「LJL」強化につながるか【eスポーツよもやま話】


アジア代表を限定した「LCP」と国内限定の「LJL」


まず、2026年現在の仕組みを振り返っておこう。

現在の「LCP」は、2025年にAPAC地域の最高峰リーグとして、各地域の上位チームのみが台湾に集結し、年間を通して戦うリーグ形式となった。ここに参戦できるのは各国・地域のパートナーチームとゲストチームのみで、入れ替わるのは1年に1回のみだった。

「LJL」、「PCS」、「VCS」などの国内・地域リーグは「LCP」の下に位置付けられ、それぞれ実施されるものの、世界大会に直接出場できる枠もなくなってしまっていた。

LCPの出場可能チームは8チームまで。各スプリットの後には国際大会(First Stand、MSI、Worlds)があり、上位チームが進出できた

では、国内リーグである「LJL」はというと、1月〜3月の「Winter Series」、4月〜6月の「Spring Series」、7月〜9月の「Summer Championship」という3スプリットを実施し、各スプリットの成績に応じて年間ポイントを獲得。最終的に「Summer Championship」を制した年間総合優勝チームが、「LCP Promotion & Relegation」(P&R/昇格降格戦)への挑戦権を得る仕組みだった。

つまり、「LJL」王者になったとしても、そのまま「LCP」に出場できるわけではなかった。国内で1年間勝ち抜いたうえで、さらに「LCP」昇格降格戦を突破して入れ替われたチームのみが、翌年以降の「LCP」リーグに参加できる。そして、そこでの成績によって国際戦の挑戦権を獲得できるという、非常に長い道のりになっていた。

また、「LJL」自体も2025年より、プロチームによるリーグから、オープン予選によるアマチュアも含めた才能発掘というコンセプトに変化した。しかし、「LJL」で活躍しても海外チームと戦える大会などへの出場機会もほとんどなく、完全に日本国内のみでトップを決めるための大会になってしまっていた。

2026年のLJLのフォーマット。冬・春・夏のスプリットを通して優勝したチームがLCP入れ替え戦の“挑戦権”を獲得できた


「LCP」の功罪 ──台北への移転と自国ファンとの分断


では、2027年からの「LCP」「LJL」はどうなるのか。

ライアットゲームズの発表によれば、2027年は「LCP」が独立したリーグではなくなり、「PCS」「VCS」「LJL」を勝ち抜いたチームが各スプリットごとに集い、競い合う場が「LCP」となる。いわば、アジア最強を極める中間の大会だ。そして「LCP」の勝者が国際大会「MSI」「Worlds」などに出場できる。

2026年までは、どれだけ頑張っても「LCP」との入れ替え戦の“挑戦権を得る”だけ、もし勝てたとしても次年度のリーグで戦えるだけだったことを考えれば、日本の『LoL』のプロシーンに挑戦しているチーム・選手にとっても1年間戦い抜く意味が拡大することは間違いない。

ただし、「LJL」から何チームが「LCP」へ進めるのか、大会フォーマットがどうなるのかといった詳細は、2026年9月末時点では発表されていない。ライアットゲームズは、今後数カ月以内に詳細を公開するとのことなので、詳報は追ってご紹介したい。

また、ライアットゲームズは今回の変更理由について、「LCP」が抱えていた問題も率直に説明している。

ひとつは、「LCP」に参加するためにチームが1年間台北へ移転する必要があり、運営コストの増加が大きな負担になっていたこと。選手にとっても家族や友人などのサポート環境から長期間離れることになってしまった。実際、現地の環境や食事に馴染めず、満足に戦えなかった選手もいたようだ。

二つ目は、チームが本拠地を離れることで、地元ファンやパートナーとの接点が減少したこと。実際にこの2年間は、日本のFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)とDetonatioN FocusMe(DFM)と日本のファンとの接点は、現地に行かない限りほとんどないままだった。

シーズンオフには帰国できるものの、選手によってはすでにチームを離れてしまっている場合もあり、リアルイベントや配信等でファンと交流できる機会がない選手も多かっただろう。

現行体制の「LCP」で最後の日本チーム対決は、DFMがSHGから久々の勝利を挙げるという熱い展開になったが、現地台湾のファン以外は配信でしか見られなかった


「LCP」がもたらした日本チームの強化


では、この2年間の「LCP」「LJL」の変革がまったく意味がなかったかと言えば、そんなことはない。

「LCP」で戦ってきた2つの日本代表チームは、アジアの強豪地域の中で揉まれながら、確実に国内では経験できないレベルの戦いを続けてきた。「LJL」がそのまま継続していた場合と比較すれば、間違いなくチーム・個人のレベルを底上げされている。

ベトナムチームの隙あらば倒そうと狙うアグレッシブな戦い方、台湾チームの個人技の高さとマクロ戦術を両立した戦術を相手に戦うことは、日本のチーム・選手にとっても大きな経験となったはずだ。「LCK」(韓国リーグ)を手本として成長してきた日本ではなかなか生まれなかった、勝つための戦いのノウハウを学ぶ機会になった。

特にSHGはこの2年間でアジアで戦えるだけの実力を身につけ、スプリット1ではシーズン3位を獲得。DFMは長く厳しい2年間を過ごしたが、最後のスプリット3で同朋のSHGを下す勝利で締め括った。

「LCP」を経験した両チームとその選手たちの存在は、これからの「LJL」の“強化”にもつながるだろう。


「LJL」は熱狂を再び取り戻せるか


最後に、「LJL」自体がこれからどう変わるのか。

今回の変更では、「LJL」に「MSI」や「Worlds」に直行する出場枠は復活しなかった。毎年「Worlds」での活躍を応援するのが恒例だった日本のファンにとって、その枠が復活しないのは残念ではある。

それでも、「LJL」で活躍し、「LCP」でも勝利できれば、そのスプリット、その年の国際大会に進出できる。「LJL」は再び「日本一を決める国内最高峰リーグ」であると同時に、世界に挑めるチャンスを得た。このことは、参戦しているチーム・選手にとっても非常に大きなモチベーションとなる。

そして、「LCP」の事実上の消滅により、日本最強チームだったDFMとSHGが再び「LJL」に復帰することが予想される。現在のオープン予選システムを継承するのかどうか、プロeスポーツチームがどれくらい参戦するのかもわからないが、それだけでも大きな変化につながるだろう。

「LJL」自体へのスポンサーの拡大、配信の視聴者数、『LoL』ファンが大勢詰めかけたオフライン大会の復活、チームグッズやウェアの販売、コスプレ大会、その他のイベントなどの復活も大いに期待される。

ちなみに、「LCP」に進出した先には、チームへの経済的なメリットも用意されており、「LCP」出場チームなどへの収益分配制度「Global Revenue Pool」(GRP)も継続する方針を示している。「LJL」などの国内リーグから勝ち上がったチームも、「Global Event GRP」の分配対象にもなるとのことだ。

「LJL 2026」の最後の試合となるGrand Finalsは、上位チームの離脱により挑戦権を得たNew MetaがFENNELに挑み、オフライン会場にも多くのファンが詰めかけた


2026年9月末時点では、2027年の「LJL」から何チームが「LCP」に進めるのか、「LJL」自体がオープン予選から始まるのか、選抜されたプロチームによるリーグとなるのかなど、まだまだわからない部分は多い。

また、「LCP 2027」に向けた昇格降格戦も9月末時点では実施が予定されており、ゲストチームであるDFMとGround Zero Gamingに、「LJL」を勝ち抜いたFENNELをはじめ、各国・地域の勝者たちが戦う。ここでFENNELがアジアのチームを相手にどのような戦いを見せるのかにも注目が集まる。



個人的には、2027年からの「LJL」の人気は回復すると考えている。「LCP」から戻ってくる2チームは人気も実力も高く、彼らが加わることで国内のレベルが一段上がることが見込まれる。身近で応援できるヒーローがいることでeスポーツの熱気は高まる。オフライン会場での試合まではいかなくとも、毎週のように行われる「LJL」の試合の視聴者数も増えるだろう。

特に、「LJL」の実況・解説陣は他国と比べても非常に充実しており、VTuberやストリーマーの応援配信も含めるとかなりの数に上る。「The k4sen」のようなイベントで増えたファンの観戦欲を満たしてくれる熱い試合の配信が増えることになるだろう。

また、国内の潜在的な『LoL』プレーヤーの数はまだまだ多く、「STAGE:0」や「全日本高校eスポーツ選手権」などのeスポーツ大会によって、毎年のように『LoL』のチーム数=プレーヤー数も増えている。プロになれる実力・才能を秘めた若手選手は、国内にきっとたくさんいるはずだ。

そういった若手にとっても、次のステップとして「LJL」を経て「LCP」や「Worlds」につながる環境が用意されているというだけでも、未来の「LJL」に期待が持てる。

「LJL」に参加するチーム世界大会へつながる道が用意されるという今回の変更は、日本の『LoL』競技シーンにとって大きな転換点になりそうだ。


LCP
https://x.com/lolpacificen
LJL公式サイト
https://ljl.gg/
LJL(League of Legends Japan League)
https://x.com/Official_LJL
LoL Esports
https://lolesports.com/ja-JP/


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