「ゲームの仕事は僕にとって天職」【AKRacingアンバサダー ケイン・コスギ氏 インタビュー<後編>】
ハリウッドを中心としたアクション俳優としての活動のほかに、ゲームやeスポーツ分野への露出も増えているケイン・コスギさん。2018年3月にTwitchで『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)のゲームプレイ配信を開始し、その初回視聴者数が1万6000人を超えて大きな話題を呼んだ。配信で目標に掲げていたゴールドランク昇格も果たし、若年優位とされる『LoL』において40歳代にして成長を続けている。
配信中に見られる真摯なプレイ姿勢や大人の対応も視聴者の支持を呼び、eスポーツの認知拡大やプレイヤーの地位向上の一翼を担う存在として、ゲーミングチェアブランド「AKRacing」とのアンバサダー契約なども締結し、今後も活躍が期待されている。
そんなケインさんの人柄に迫るべく、今回「eSports World」の記念すべき第1回のインタビューをさせていただいた。
後編では、ケインさんのゲームの原体験や、eスポーツへの思い、今後の抱負などをうかがっていく。
――ここからはあらためて、ケイン・コスギさんの人物像に迫ってみたいと思います。まずは、幼少期からゲームを遊ばれているとのことでしたが、どんなゲームで遊んで来られたのでしょうか?
ケイン・コスギ(以下、ケイン):そうですね、ゲームは子どもの頃から大好きだったので、ゲーム歴は本当に長いですよ。アメリカ出身ということもあり、「Atari」や「Nintendo」のゲーム機で遊んでいました。
また、アメリカでは日本のゲーム機が販売されていなかったので、日本に来たときに「PC Engine」や「NEOGEO」を買って帰って、アメリカでプレイもしていましたね。
――それはかなりのゲームフリークですね(笑)。では、これまで遊んできたなかで、思い出に残っているゲームをひとつ挙げるとしたらなんですか?
ケイン:とくにハマっていたのは『ストリートファイターII』ですね。日本に住み始めて間もない頃、ひとり暮らしでまだ友人も少なかったこともあり、スーパーファミコン版の『ストリートファイターII』をずっとプレイしていました。
また、腕試しをするためにゲームセンターに行って、アーケード版の『ストリートファイターII』で対戦することもありましたよ。ご存じの通り、僕は負けず嫌いなところもあるので、負けたあとは筐体の横から顔をチラッと出して相手を確認したりしていましたね。でも、当時のプレイヤーはみんなやっていましたよね(笑)。
――お話をうかがっていると、ケインさんのご家庭ではゲームに対してあまり否定的な感じがないですよね? 日本だと子どもがゲームを遊ぶというとマイナスのイメージが強くて、親から時間が制限されたり、ゲームをやること自体を禁止している家庭も多かったのですが……。
ケイン:その辺りは文化の違いもあるかと思いますが、僕の家庭ではとくにゲームをする時間の制限や禁止されるようなことはありませんでしたね。勉強やスポーツをしっかりしていれば、とくになにも言われなかったです。
弟や妹も僕に似てゲームが大好きだったので、海外旅行に行ってもホテルから出ないで弟と妹と3人でゲームをしていた、なんて日もありましたよ(笑)。
今でも、映画の撮影などの際には必ずゲーム機を持っていって、待ち時間や休憩時間など、時間を見つけてはゲームをしています。
――それだけゲームで遊ばれているケインさんにとって、テレビゲームというのはどういう存在なんでしょうか? ちょっとゲームやりすぎでは、という気もしてしまいますが(笑)。
ケイン:僕にとっては、ゲームはスポーツと一緒なんです。サッカーが好きな人もいれば、野球が好きな人もいる、その一方でゲームが好きな人もいるという感覚です。好きなものは人ぞれぞれ違いますし、ゲームもスポーツも同じカテゴリーですね。
――ここからは少し、「eスポーツ」に関してのお話を聞かせてください。昨年は仕事としてチーム「Perfect Body」を結成し、『リーグ・オブ・レジェンド」の「CLASH」のイベントなどにも出演されましたよね。
ケイン:そうですね。ただ、自分にとってゲームは仕事という感覚ではないので、本当に楽しくやらせていただいています。みなさんのイメージとは違うかもしれませんが、どちらかというと僕はインドア派なので、ゲームの仕事は天職だと思っています(笑)。
――そんなふうにゲーム=スポーツととらえているケインさんには、昨年から国内で一気に「eスポーツ」の話題が増えたこともそれほど違和感がないかもしれません。ゲームが「eスポーツ」と呼ばれ始めていることについてはどうお考えですか?
ケイン:昨年、アジア競技大会でeスポーツのデモンストレーションが行われたり、eスポーツが五輪競技になるかもしれないというニュースを聞いたりしていると、いちゲーマーとしてもうれしいですね。
ひとりでも多くの方にゲームに興味をもっていただいて、コミュニティやその参加者が増えれば僕も楽しいですし、僕自身もより多くの人にeスポーツの素晴らしさを伝えられればと思っています。
――一方で、昨年は高額な賞金がかかったeスポーツの大会について、日本でも開催されたりしましたが、スポーツという観点から、eスポーツ大会での賞金についてはどう思われますか?
ケイン:ゲームもスポーツのひとつと考えている僕の意見としては、他のスポーツと同じように、eスポーツの大会でも高額の賞金があってもいいと思っています。
そもそも、海外では10年前にはすでに『CoD』などの大会で優勝賞金が億単位のものがありました。やはり、eスポーツの選手にとってのモチベーションになりますからね。日本も今後は高額の賞金がかかる大会がどんどん開催されていくことを願っています。
――昨年は、韓国で開催された『LoL』の世界大会「Worlds 2018」も会場で観戦されたそうですね。
ケイン:そうですね、2017年に続いて「Worlds 2018」も現地で観戦して来ました。
今までアメフトやバスケットボールなど、さまざまなスポーツの試合を観戦したことがありますが、eスポーツの大会もそれらに引けをとらないと思います。「Worlds 2018」では、ARを駆使した演出があって、会場はすごい盛り上がりでしたね。
ゲームはエンターテインメントな演出と相性がいいと思うので、現地で観戦するとよりエキサイティングですね。スポーツの大会を観戦するのと同じくらいの感動がありましたよ。
「Worlds 2018」を観に行ってから、いつか日本でも東京ドームで「Worlds」が開催されたらいいなあって思いました(笑)。
――そういったeスポーツの発展のために、これから必要なものはなんだと思われますか?
ケイン:海外ではすでに、eスポーツのプロプレイヤーもプロ野球選手などと同じように、トレーナーや栄養士をつけたりしているのが現状です。また、ゲーミングハウスでチームのメンバーが集まって生活をしていたりと、いわゆるスポーツ選手となんら変わらないトレーニングをしているんですよね。
最近では、普通のトレーニングジムの中に「eスポーツ」のコーナーを設けているところもありますよ。トレーニングしたあとでゲームをプレイしているんです。
このような環境が日本でも整ってくれば、日本のeスポーツももっと発展していくのかなと感じています。
――最後に、今年の目標などをお聞かせください。
ケイン:今年は、ゲームも配信もどんどんレベルアップしていきたいです。配信では『LoL』でプラチナランクを目指すことと、ペンタキル(一定時間内に相手のチャンピオンを5人=全員連続で倒すこと)を決めたいですね(笑)。
あとは、いろいろなFPSやホラーゲームなど、ほかのゲームの配信にもチャレンジしてみたいです。
もちろん、仕事(役者業)もしっかりやりますよ(笑)。
――本日はどうもありがとうございました!
ケイン:ありがとうございました。次は『LoL』のオンライン対戦で会いましょう!
終始スポーツマンシップにのっとった正々堂々としたプレイを心がけているケインさん。インタビュー中の表情は俳優のそれとは違い、完全にいちゲーマーとしての飾らない姿で、真摯にインタビューに答えてくれた。
その姿は、テレビや銀幕を通して私たちが目にする精悍な青年の表情とはまったく異なる一面。ケインさん自身も語っていたように、ゲーム配信の姿=ゲームに関わる仕事で観られる姿が、なんの固定観念もないケインさんそのものだからだろう。
そして、そんな素の彼を目の当たりにして、これまで戦隊モノのヒーローやアクション俳優、スポーツタレントとしてのケインさんのファンだった方も、新たな彼の魅力を見ることができるとしたら、まさに昨今のゲーム=eスポーツブームのおかげとも言えるかもしれない。
俳優でありながらゲーム配信をこれほど生き生きと、ファンとともにオープンに楽しんでくれているケインさんは、非常に稀有な存在だ。今年もゲーム業界でのケインさんの活躍を楽しみに見ていきたい。
●ケイン・コスギ eスポーツ略歴
2017年12月31日 “RIZeST GAMER’S BASE”で『LoL』勝負に勝利
2018年3月8日 Twitchで配信スタート
2018年5月25日 チーム「PerfectBody」設立、『LoL』のCLASH参戦
2018年8月1日 AKRacingアンバサダーに就任
2018年9月20日〜23日 「TGS2018」AKRacingブースイベントに出演
2018年11月23日 「RAGE 2018 Winter」の「ケイン・コスギのパーフェクトマッチ」でプロと対決
2018年12月26日 「Logicool G CUP」にゲスト出演
■リンク
Kane's Channel:https://www.twitch.tv/kanekosugi
AKRacing:https://www.akracing.jp/
配信中に見られる真摯なプレイ姿勢や大人の対応も視聴者の支持を呼び、eスポーツの認知拡大やプレイヤーの地位向上の一翼を担う存在として、ゲーミングチェアブランド「AKRacing」とのアンバサダー契約なども締結し、今後も活躍が期待されている。
そんなケインさんの人柄に迫るべく、今回「eSports World」の記念すべき第1回のインタビューをさせていただいた。
後編では、ケインさんのゲームの原体験や、eスポーツへの思い、今後の抱負などをうかがっていく。
ゲーム三昧の幼少期は勉強やスポーツも両立
――ここからはあらためて、ケイン・コスギさんの人物像に迫ってみたいと思います。まずは、幼少期からゲームを遊ばれているとのことでしたが、どんなゲームで遊んで来られたのでしょうか?
ケイン・コスギ(以下、ケイン):そうですね、ゲームは子どもの頃から大好きだったので、ゲーム歴は本当に長いですよ。アメリカ出身ということもあり、「Atari」や「Nintendo」のゲーム機で遊んでいました。
また、アメリカでは日本のゲーム機が販売されていなかったので、日本に来たときに「PC Engine」や「NEOGEO」を買って帰って、アメリカでプレイもしていましたね。
――それはかなりのゲームフリークですね(笑)。では、これまで遊んできたなかで、思い出に残っているゲームをひとつ挙げるとしたらなんですか?
ケイン:とくにハマっていたのは『ストリートファイターII』ですね。日本に住み始めて間もない頃、ひとり暮らしでまだ友人も少なかったこともあり、スーパーファミコン版の『ストリートファイターII』をずっとプレイしていました。
また、腕試しをするためにゲームセンターに行って、アーケード版の『ストリートファイターII』で対戦することもありましたよ。ご存じの通り、僕は負けず嫌いなところもあるので、負けたあとは筐体の横から顔をチラッと出して相手を確認したりしていましたね。でも、当時のプレイヤーはみんなやっていましたよね(笑)。
――お話をうかがっていると、ケインさんのご家庭ではゲームに対してあまり否定的な感じがないですよね? 日本だと子どもがゲームを遊ぶというとマイナスのイメージが強くて、親から時間が制限されたり、ゲームをやること自体を禁止している家庭も多かったのですが……。
ケイン:その辺りは文化の違いもあるかと思いますが、僕の家庭ではとくにゲームをする時間の制限や禁止されるようなことはありませんでしたね。勉強やスポーツをしっかりしていれば、とくになにも言われなかったです。
弟や妹も僕に似てゲームが大好きだったので、海外旅行に行ってもホテルから出ないで弟と妹と3人でゲームをしていた、なんて日もありましたよ(笑)。
今でも、映画の撮影などの際には必ずゲーム機を持っていって、待ち時間や休憩時間など、時間を見つけてはゲームをしています。
――それだけゲームで遊ばれているケインさんにとって、テレビゲームというのはどういう存在なんでしょうか? ちょっとゲームやりすぎでは、という気もしてしまいますが(笑)。
ケイン:僕にとっては、ゲームはスポーツと一緒なんです。サッカーが好きな人もいれば、野球が好きな人もいる、その一方でゲームが好きな人もいるという感覚です。好きなものは人ぞれぞれ違いますし、ゲームもスポーツも同じカテゴリーですね。
「ゲーム」も「スポーツ」のひとつという感覚
――ここからは少し、「eスポーツ」に関してのお話を聞かせてください。昨年は仕事としてチーム「Perfect Body」を結成し、『リーグ・オブ・レジェンド」の「CLASH」のイベントなどにも出演されましたよね。
ケイン:そうですね。ただ、自分にとってゲームは仕事という感覚ではないので、本当に楽しくやらせていただいています。みなさんのイメージとは違うかもしれませんが、どちらかというと僕はインドア派なので、ゲームの仕事は天職だと思っています(笑)。
――そんなふうにゲーム=スポーツととらえているケインさんには、昨年から国内で一気に「eスポーツ」の話題が増えたこともそれほど違和感がないかもしれません。ゲームが「eスポーツ」と呼ばれ始めていることについてはどうお考えですか?
ケイン:昨年、アジア競技大会でeスポーツのデモンストレーションが行われたり、eスポーツが五輪競技になるかもしれないというニュースを聞いたりしていると、いちゲーマーとしてもうれしいですね。
ひとりでも多くの方にゲームに興味をもっていただいて、コミュニティやその参加者が増えれば僕も楽しいですし、僕自身もより多くの人にeスポーツの素晴らしさを伝えられればと思っています。
――一方で、昨年は高額な賞金がかかったeスポーツの大会について、日本でも開催されたりしましたが、スポーツという観点から、eスポーツ大会での賞金についてはどう思われますか?
ケイン:ゲームもスポーツのひとつと考えている僕の意見としては、他のスポーツと同じように、eスポーツの大会でも高額の賞金があってもいいと思っています。
そもそも、海外では10年前にはすでに『CoD』などの大会で優勝賞金が億単位のものがありました。やはり、eスポーツの選手にとってのモチベーションになりますからね。日本も今後は高額の賞金がかかる大会がどんどん開催されていくことを願っています。
日本がeスポーツで世界に追いつくために必要なこと
――昨年は、韓国で開催された『LoL』の世界大会「Worlds 2018」も会場で観戦されたそうですね。
ケイン:そうですね、2017年に続いて「Worlds 2018」も現地で観戦して来ました。
今までアメフトやバスケットボールなど、さまざまなスポーツの試合を観戦したことがありますが、eスポーツの大会もそれらに引けをとらないと思います。「Worlds 2018」では、ARを駆使した演出があって、会場はすごい盛り上がりでしたね。
ゲームはエンターテインメントな演出と相性がいいと思うので、現地で観戦するとよりエキサイティングですね。スポーツの大会を観戦するのと同じくらいの感動がありましたよ。
「Worlds 2018」を観に行ってから、いつか日本でも東京ドームで「Worlds」が開催されたらいいなあって思いました(笑)。
――そういったeスポーツの発展のために、これから必要なものはなんだと思われますか?
ケイン:海外ではすでに、eスポーツのプロプレイヤーもプロ野球選手などと同じように、トレーナーや栄養士をつけたりしているのが現状です。また、ゲーミングハウスでチームのメンバーが集まって生活をしていたりと、いわゆるスポーツ選手となんら変わらないトレーニングをしているんですよね。
最近では、普通のトレーニングジムの中に「eスポーツ」のコーナーを設けているところもありますよ。トレーニングしたあとでゲームをプレイしているんです。
このような環境が日本でも整ってくれば、日本のeスポーツももっと発展していくのかなと感じています。
――最後に、今年の目標などをお聞かせください。
ケイン:今年は、ゲームも配信もどんどんレベルアップしていきたいです。配信では『LoL』でプラチナランクを目指すことと、ペンタキル(一定時間内に相手のチャンピオンを5人=全員連続で倒すこと)を決めたいですね(笑)。
あとは、いろいろなFPSやホラーゲームなど、ほかのゲームの配信にもチャレンジしてみたいです。
もちろん、仕事(役者業)もしっかりやりますよ(笑)。
――本日はどうもありがとうございました!
ケイン:ありがとうございました。次は『LoL』のオンライン対戦で会いましょう!
終始スポーツマンシップにのっとった正々堂々としたプレイを心がけているケインさん。インタビュー中の表情は俳優のそれとは違い、完全にいちゲーマーとしての飾らない姿で、真摯にインタビューに答えてくれた。
その姿は、テレビや銀幕を通して私たちが目にする精悍な青年の表情とはまったく異なる一面。ケインさん自身も語っていたように、ゲーム配信の姿=ゲームに関わる仕事で観られる姿が、なんの固定観念もないケインさんそのものだからだろう。
そして、そんな素の彼を目の当たりにして、これまで戦隊モノのヒーローやアクション俳優、スポーツタレントとしてのケインさんのファンだった方も、新たな彼の魅力を見ることができるとしたら、まさに昨今のゲーム=eスポーツブームのおかげとも言えるかもしれない。
俳優でありながらゲーム配信をこれほど生き生きと、ファンとともにオープンに楽しんでくれているケインさんは、非常に稀有な存在だ。今年もゲーム業界でのケインさんの活躍を楽しみに見ていきたい。
●ケイン・コスギ eスポーツ略歴
2017年12月31日 “RIZeST GAMER’S BASE”で『LoL』勝負に勝利
2018年3月8日 Twitchで配信スタート
2018年5月25日 チーム「PerfectBody」設立、『LoL』のCLASH参戦
2018年8月1日 AKRacingアンバサダーに就任
2018年9月20日〜23日 「TGS2018」AKRacingブースイベントに出演
2018年11月23日 「RAGE 2018 Winter」の「ケイン・コスギのパーフェクトマッチ」でプロと対決
2018年12月26日 「Logicool G CUP」にゲスト出演
■リンク
Kane's Channel:https://www.twitch.tv/kanekosugi
AKRacing:https://www.akracing.jp/
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