【インタビュー】DFM Yutapon選手:フルセットの末、ステージ2進出を逃す「もう一度世界大会で戦えるように頑張りたい」

2024.3.19 スイニャン
2024年から『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の国内プロリーグ「LJL」は、国内の上位3チームのみが参加できる「PCS 2024 Spring Split プレイオフ」にて、PCS地域およびLCO地域のチームとともに「MSI」出場枠を争う形式となった。

3月上旬に行われた「LJL 2024 Spring Split Finals」にてディフェンディングチャンピオンの座を守り切ることができなかったDetonatioN FocusMe(DFM)は、国内第2位の資格で「PCS プレイオフ」に参戦していたが、「ステージ1」最後のDeep Cross Gaming(DCG)との試合を2-3で敗北し、「ステージ2」への切符を逃してしまった。


筆者は現地取材を通じて試合終了後にADCのYutapon選手にお話を伺うことができたので、そのインタビューの模様をお伝えしていきたい。

DetonatioN FocusMeのYutapon選手


「ステージ2」最後の1枠をかけたDCG戦


──長丁場、本当にお疲れさまでした。今回のDCG戦はBo5らしく、お互いのバンピックの駆け引きがかなり見どころだったように思いますが、試合を振り返っていかがですか。

Yutapon:今日に限らず、最近はミッド・ジャングルを強くすることをコンセプトにやっていて、それがうまくいった試合は勝ったし、うまくいかなかった試合は負けたという感じかなと思います。

──確かに、3試合連続でのノクターン&オリアナから、(1勝2敗の4試合目で)シン・ジャオ&アーリに切り替えてやり返した展開も熱かったですが、Yutapon選手は5戦連続でスモルダーをピックしましたよね。理由が気になります。

Yutapon:単純に、スクリムでもスモルダーじゃないと勝てない試合が結構あったりして、普通に強いかなと全部スモルダーをやっていた感じですね、面白くはないけど(笑)。

1-2で迎えた4試合目のバンピックのシーン


──見ている方は面白かったですよ(笑)。では、今日DCGと実際に戦ってみた感想を聞かせてください。

Yutapon:アグレッシブなチームで、こちらがそれをちゃんと返せるなら勝てるし、相手にアクションを成功されたら負けるという試合内容が多かったですよね。

──それなら傍から見た印象とさほど差がなさそうですが、であればボットレーンでの対決で印象に残っていることはありますか。

Yutapon:序盤からファイトしたら相手のボットよりは自分たちの方が上手いと思うし、スモルダーじゃなくても、もっといろいろなピックをしても良かったかなって後から思いましたね。


新たな大会形式のおかげで国際戦へ


──今シーズンから「LJL」が6チーム制となり、新たに「PCSプレイオフ」に参戦する形式となりましたが、あらためて春シーズンを振り返ってみての感想をお聞かせください。

Yutapon:シーズン中はいつも通りやってうまくいっていたんですが、スモルダーが出てきたくらいのパッチ(パッチ14.3で実装。大会では2月24日の「LJLプレイオフ」から使用可能に)から、チーム全体であまりうまくいかなくなって。

「LJLプレイオフ」も負けちゃったんですけど、「PCSプレイオフ」のおかげでとりあえず国際戦のチャンスがまだあったので助かったなと思いました。前までだったら優勝を逃した時点で終わりだったので。

だけど逆に、それで今回僕らが「LJLプレイオフ」に気持ちが入っていなかった可能性もあったかもしれないですね。

──今回「PCS」チームと戦ってみて、「LJL」チームとの違いは感じましたか。

Yutapon:普段「LJL」チームとはスクリムはしなくて、逆に「PCS」チームとスクリムをするので、お互いにどういうチームか結構わかっている状態で対戦するっていうのは新鮮でした。

──では、初めての「PCSプレイオフ」を通じて得たものは何かありましたか。

Yutapon:現地(台湾)のご飯がおいしいことがわかりました!

──えっ!? でもSNSで「ニッキ(シナモン)が苦手だから食事がキツイ」といった内容の投稿をしてませんでしたっけ。

Yutapon:ハズレというか、苦手なものは全く食べられないけどニッキさえ入っていなければ安定して飯がうまいので、本当にありがたいです。



──そういう意図の質問ではなかったんですけど、ご飯がおいしいなら良かったです(笑)。そして「LJL」チームではまだFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)の試合が残っていますが、「PSCプレイオフ」を先に経験した身として、何かアドバイスがあれば聞かせていただきたいです。

Yutapon:アドバイスは難しいな(笑)。まあでも普通に勝てるんじゃないかな。たぶんPSG(Talon)とかCFO(CTBC Flying Oyster)あたりを相手にうまくやれるなら、それ以外のチームには絶対勝てると思いますよ。

今シーズン、「LJL」でうまくいかないなと感じていた僕らも「PCSプレイオフ」でそれなりに戦えたので、うちのチームを倒したSHGなら勝つんじゃないかなって思ってます。


夏はチームとしてうまくなっていきたい


──SNSでYutapon選手について、「1チームでの在籍期間がFaker選手に次いで長い」と紹介されていました。今後も末永く応援していきたいというファンは多いと思いますが、ズバリFaker選手の在籍期間を超えるくらいやっていけそうですか。

Yutapon:長いと逆にどれくらい続くかな、みたいなところはありますよね。でもFaker選手は辞めなさそう……(苦笑)。僕は、勝てないなら辞めますし勝てるならやります!

──なるほど。私たちは見守ることしかできませんが、応援してます! では、「LJL 2024 Summer Split」に向けての課題や意気込みを聞かせていただけますか。

Yutapon:春はシーズンを通してもともと持っている力だけで戦っている感じがして、メタにもあんまり適応できないし、チームとして成長していない感じがあったんです。だから最初の方は勝てたけど、最後の方はSHG戦以外でも結構危うい試合をやっちゃったりして、自分たちでも怪しいなと思いつつ改善できなかった。

なので、夏はシーズンを通してチームとしてうまくなっていきたいと思います。

──最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

Yutapon:一時期は世界大会で応援してくれている人たちにも、「これくらい頑張れば盛り上がってもらえるかな」というくらいの結果を残せていたんですけど、最近は本当にうまくいかなくて応援してくれている人に申し訳ない気持ちがあります。もう一度世界大会で戦えるように頑張りたいなって思っているので、応援よろしくお願いします。

※ ※ ※

インタビュー終了後にふと、「だけど、久しぶりにこういう『Rift Rivals』とか『IWCI』みたいな大会に出られて楽しかったな~」と言っていたYutapon選手。懐かしい大会の数々に歴史の重みを感じるとともに、選手が楽しかったのなら良かったなと素直に思った。

今は「こちらこそ何度も楽しい試合を見せてくれてありがとう!」と伝えたい気持ちでいっぱいである。

DFMのメンバー。左からviviDコーチ、Steal選手、RayFarky選手、Yutapon選手、Aria選手、Milan選手、Gismoコーチ、Harp選手


DetonatioN FocusMe:https://team-detonation.net/
LoL Esports:https://lolesports.com/
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